フジテレビジュツのスタッフ

特殊装置

遊園地のアトラクションのような、バラエティでの大掛かりなゲームセットをはじめ
主に動く仕掛けの装置を担当。ほとんどがオーダーメイドです。

インタビュー

後藤 佑介さん

株式会社テルミック 
フジテレビ担当 営業課長

後藤 佑介さん

特殊装置スタッフ歴19年。担当は「99人の壁」「今夜はナゾトレ」「Love music」「FNS歌謡祭」
「めちゃ×イケてるッ!」など。

ー特殊装置スタッフの仕事内容について教えてください。

後藤

メインは鉄骨を使って動く装置を作る仕事です。床が上がる、回る、扉が自動で開く、といったものですね。そのほか、動かなくても鉄骨構造のものは何でも作ります。番組用の特殊なオブジェとか、時には鉄フレームのプールとか。同時に電飾を使ったシステムも操作します。

後藤 佑介さん

ー具体的な番組装置ではどのようなものを?

後藤

『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』で人が落ちる床、『爆笑レッドカーペット』のベルトコンベア状に動くカーペット、『ENGEIグランドスラム』で芸人が登場する時のリフト、『99人の壁』で解答ボタンを押すと光るシステム、『スカッとジャパン』の“スカッとボタン”を押すと後ろの画面に表示が出るシステムなどです。

ーこの職に就いたきっかけは?

後藤

前からテレビ、特にバラエティ番組が大好きで、バラエティの裏方で何か作る仕事ができたら面白いだろうなと思っていました。それでいろいろ探していた時にテルミックを見つけたのが縁です。

ー作るのに苦労した装置は?

後藤

1つはお笑い番組のプール。25m×10mの、学校にあるのと同じぐらいの規模のプールを、公共施設の駐車場に急いで作って欲しいと言われて……。プールの枠を作るのに、水を入れた時の強度計算もして、駐車場の土壌も調べて、2日間で何とか完成させました。でも出来た後も、水漏れをしていないか、フレームが歪んできていないか、気が気でなくて、毎日何度も点検に行きました。
スケールの大きいものでもう1つ、バスを切ったこともあります。タレント達が路線バスに乗っていると突如後ろの面が上に開いて後部座席が傾いて、座っていた人達が置いてある水槽に落ちる、という仕掛けをしたい、と(笑)。そこまでいくとさすがに大作業で、作るのに1ヵ月半かかりました。

後藤 佑介さん
後藤 佑介さん

ー仕事上、大事にしていることは?

後藤

周りのスタッフとの助け合い、です。この仕事は一人では絶対にできなくて、周りのいろいろなセクションのスタッフに助けられて初めて成功するものだと思っています。後輩にも、自分達さえうまくいけばいい、という考えはだめだと言い聞かせています。

後藤 佑介さん

ー特殊装置を作ることの魅力は?

後藤

考えることがたくさんあるという点かな。発注では「こういう仕掛けにして」といったざっくりとした要望しか言われないので、例えば動かすのも一瞬でなのかゆっくりにするか、上がるのと下がるのではどっちが面白いか、速く動かすと音が大きくなるがどのあたりで手を打つか――いろいろなパターンを想像しながら、ディレクターのイメージをくんで物理的に可能にしていく試行錯誤が、動く物を作る難しさでもあり、楽しさでもあります。安全面にも細心の注意を払わなくちゃならないですし。

バラエティのオチで使われる時はかなりプレッシャーを感じます。本番でもし動かなかったらどうしよう、と。でも、本番の緊張感が大きいほど、成功した時の嬉しさも大きいです。自分の作った装置で笑いが膨らむと、この仕事をしていてよかった、と苦労も吹き飛びますね。

(2019年2月)