フジテレビジュツのスタッフ

アートコーディネーター

現場での美術の責任者。担当番組の美術の全てを把握し、隅々まで目を配り、美術制作を進行します。

インタビュー

森田 誠之さん

株式会社フジアール 
チーフ・アートコーディネーター

森田 誠之さん

アートコーディネーター歴30年。
担当は「HERO」「のだめカンタービレ」、映画「翔んで埼玉」(2019年2月公開)など主にドラマ、映画。

ー「アートコーディネーター」とはどんな仕事ですか?

森田

デザイナー、美術関係各社間の調整をして収録に至るまでの段取りを組んで、収録現場では全スタッフの束ね役をします。現場責任者でかつ、すき間を埋めるために動きます。建て込みもする、飾り物も仕込む、スモークも焚く。メイクさんの代わりに演者さんの汗を拭くこともあります。「何でも屋」ですね。なので、各スタッフの仕事にも精通しているつもりです。

ー「特に大変だった担当番組は?

森田

『ファイアーボーイズ ~め組の大吾~』です。消防士のドラマで毎回火事場が出て来るのですが、 オープンセットで火事を撮るのはいつも夜から朝まで。で、火事以外の普通のシーンを昼に撮る。火事を撮った後に近くのホテルで2、3時間仮眠して、そのまま昼のロケに突入することもありました。あの時は体力的にしんどかったですね。
あとは『電車男』。登場するいろんな「オタク」をどう表現するかで悩みましたね。フィギュアや靴オタク、熱狂的阪神タイガースファンなどのオタクグッズを集めるのに苦労しました。

森田 誠之さん

ー思い出深い番組は?

森田

『のだめカンタービレ』ですね。スペシャルドラマの方で海外に行くことも多かったので。苦労したのは「パリのアパート」のセットを作った時です。真ん中が抜けているらせん階段を作るのに、支柱がないので構造的に建てるのが大変でした。ドアノブやコンセント受けも日本では手に入らないので、パリで買って来て付けました。

ー自信作は?

森田

『HERO』に登場させた大きなテミス(正義の女神)像です。監督に「裁判所とかにありそうなのを作って」と言われて、三面図を描いて作りました。テミス像でも目隠しをしているもの、していないものなどいろいろなバージョンがあって、かなり研究を重ねて仕上げました。あれだけ大きいものは実際にはないですね。

ー今後やりたいことは?

森田

海外ロケのドラマかな。『のだめ』の時もそうでしたが、文化が違う国の美術スタッフと一緒に仕事をすると、面白い発見がたくさんあるので。

ー好きな時間は?

森田

連続ドラマの仕事は収録が終わると休みがまとまってとれるので、行ける時は海外旅行に行くのが楽しいです。特にヨーロッパが好きです。でも、観光名所に行ってもつい、道端の消火栓の写真を撮っちゃったりしてるんですよね……(笑)。

(2018年10月)