フジテレビジュツのスタッフ

電飾

テレビジュツにまつわる全ての電飾を担当。
昔ながらの豆電球から、今主流のLEDまで、あらゆるものを駆使してセットを輝かせ、華やかにします。

インタビュー

小林 賢次さん

株式会社コマデン 
テレビメディアカンパニー主任

小林 賢次さん

電飾担当歴20年。
担当は「バイキング」「芸能人が本気で考えた!ドッキリGP」など主にバラエティ番組。

ー普段の仕事内容について教えてください。

小林

基本的には、バラエティ番組であればセットにユニットのLEDを仕込んで本番で点ける作業です。それと、コマデンはCG制作にも力を入れています。普通は電飾を電飾卓で操作しますが、コマデンでは、CGで作った映像の通りに電飾を発光させる電飾オペレーションもしています。

小林 賢次さん

ー「CGを使った電飾オペレーション」の作品例は?

小林

『FNS歌謡祭』で使った演出ですが、ステージ上のダンサー達が全員、バラバラの映像が流れているLEDビジョンの板を持って踊っていて、全員が集まってLED板を合わせるとおおきな一つの画(え)になる、という作品は自信作の一つです。

ーどのようなオペレーションが最も大変ですか?

小林

集計システムを使う時が一番神経を使います。スタジオの観覧者が集計ボタンを押すと、押した人数や平均値、「イエス」「ノー」などが出るものです。あれで正しい数が出ないと大変なことになりますから。
あとは、クイズ番組で「問題」の映像や解答者がタブレットに書いた答えをモニターに映し出す時でしょうか。これも、映し出せないと大変な支障をきたすので、毎回ものすごく緊張しますね。

ー今の職業に就いたきっかけは?

小林

昔からゲームが大好きで、それが高じて学校でCGを専門に勉強して、卒業後はゲーム制作をしていました。その後、CGコンテンツを作っているコマデンを知って、まずアルバイトから入って、しばらくして社員採用してもらいました。

小林 賢次さん

ー職歴20年で、昔と今とでは仕事は大きく変わりましたか?

小林

全然違いますね。電球からLEDになって軽くなったのはもちろんですが、配線が簡略化したのも非常に助かってます。かつては電球の数だけボタンを押さなくちゃならなかったのが、今はプログラミングで、1番のボタンを押すと赤、2番のボタンで赤と青、10番を押すと全色点く、というように組めますので。昔、男性チームと女性チームがお見合いして、大きいテーブルの電光掲示で誰と誰がカップルになったかわかるシステムが流行りましたよね。当時はきっと、大量のケーブルをつなぐ大作業だったと思いますよ。今なら何十分の一の配線で済むのに(笑)。

ー仕事で喜びを感じるのはどんな時ですか?

小林

番組打合せで新しい企画システムのサンプルを見せて、驚いてもらえた時です。最近では、センサーで人の動きを追跡して照らすムービングスポット(ライト)をお披露目した時、とても好評で嬉しかったですね。
自分がセットに取り付けた新しいシステムで、スタジオのお客さん達が驚いたり喜んだりしてくれるのを見る時が、この仕事をしていてよかった、と思える瞬間ですね。

(2019年3月)

森 智さん

株式会社興進電化

森 智(さとる) さん

電飾操作歴30年。担当は「ミュージックフェア」「BSフジLIVE プライムニュース」「民衆の敵」
「救命病棟24時」シリーズなど。

ー「電飾」の仕事内容について教えてください。

照明スタッフが当てるもの以外の全ての光を扱います。
ドラマで言えば蛍光灯、電気スタンド、壁や吊りのブラケット、間接照明などです。バラエティでは歌番組でユニットのLEDを設置して点けたりします。

森 智さん

ー「照明」との違いは?

「照明」は対象に当ててその対象物をきれいに見せるものですが、「電飾」は美術の一つとして、光源そのものをビジュアルとして見せます。

ードラマとバラエティとではやることがかなり違いますよね?

まず、扱う電球の数の単位が違います。バラエティの歌番組では軽く1千個ぐらいの電球は使います。かつての『夜のヒットスタジオ』では、1回の放送に多い時で8千個の電球を使ったこともありました。当時はLEDなんてなくて、色付き電球に頼っていたので、ソケットを一つ一つ仕込むのがもう大変。手が痛くなりましたね。
ドラマの電飾はこだわりの世界です。家のブラケットとか会議室の天井照明とか、いかに本物に近い光を作るかに精魂を注ぎます。

ー日常生活でもやはり、電灯は気になりますか?

そうですね、店の天井とか、行った先どこでも明かりは見ちゃいます。特にクリスマスシーズンは、変わったイルミネーションを見かけると、一体どうやって取り付けてるんだろう……と非常に興味が湧きますね。

森 智さん

ー電飾スタッフとして喜びを感じるのはどんな時ですか?

歌番組で光がビシッと決まった時。歌番組は電飾の花形で、照明と電飾のコラボで魅せるんです。曲に合わせて照明と電飾の“きっかけ”が合うと、曲がビシッと決まって、本当に気持ちいい。リズム感も求められます。

ー仕事でのこだわりはありますか?

ていねいな、と言うんでしょうか、完成度の高い明かりを作ること、かな。カラフルでキラキラした光は誰が見ても華やかだとは思いますが、そうじゃない、シンプルな明かりにこそこだわりたいですね。雑でない、繊細な明かりほど、味わいがあると思うんです。
今どきのクリスマスツリーはほとんどがLEDなので、色が硬いんです。生身の柔らかさに欠けるというか……。昔ながらの電球は色が優しい。独特の温かみがあるんです。今でも電球が並んでると和むんですよね。
とは言っても、電球は切れるし、割れるし、メンテナンスが大変なので、仕事で扱うとなると、それはまた別の話(笑)。

(2018年11月)