フジテレビジュツのスタッフ

生花装飾

もちろん花に対する愛はビジュツ一。ドラマでの一輪の花から大セットにおける花々の飾りまで、
美術の中でも最も「美しさ」を意識し「季節」を演出します。

インタビュー

小柳 幸絵さん

有限会社京花園 
テレビ営業部

小柳 幸絵(ゆきえ) さん

生花装飾歴14年。担当は「トレース」「スキャンダル専門弁護士QUEEN(クイーン)」「めざましテレビ」「FNS歌謡祭」など。

ー「生花装飾」というのは文字通り、花で番組を彩る仕事ですよね?

小柳

基本はセット内に花を飾る仕事ですが、花を使わない装飾をする時もあります。何かで花を作ったり、花と関係なくリボンや布、紙、金具などで飾りを作るのも我々の仕事です。ラッピングとか、結婚式シーンの飾り付けとか。それと季節ものですね。桜や紅葉のオブジェ、雪だるま、オーロラとか、お正月なら凧、繭玉飾り、獅子頭も、我々が飾ります。

小柳 幸絵さん

ー何故、普通のお花屋さんではなく、今の仕事に?

小柳

元々はフラワーショップに勤めていました。その店の同僚の友人が京花園にいて、大きい物も作るという話を聞いたので、面白そうだと思って入りました。自分で何かを手作りするのが好きでして。

ーお花屋さんの仕事との違いは?

小柳

テレビに出す生花は、実物を見てきれいな花がいいとは限りません。画面を通すと違って見えるんです。色もダーク系を使うとテレビでは暗すぎて見えたり、逆に、本物が安っぽい色でも画面上では映えたり。きれいに出来たと思っても、「目立たないからもっと足して」と言われたり……。画面を通した映り具合をを考えながら飾るので、店で働いていた時とは違う感覚で仕事してますね。

ー「〇〇の花で」と指定された発注もありますか?

小柳

以前ドラマで、花が犯人逮捕のきっかけになるストーリーがあったのですが、花の候補をいくつか聞いて、その中で撮影期間の2、3週間継続して入荷できる花を提案しました。
あとは、花言葉ありきの脚本もあります。時々、撮影時期には手に入らない花の名前が書かれていることもあるので、そういう時は同じような花言葉を持つ花をこちらから提案して替えていただくこともあります。どうしてもその花でなければならない場合は造花で対処します。

小柳 幸絵さん

ー生き物を扱う仕事ですが、想定外のトラブルに見舞われたことはありますか?

小柳

あるドラマで、学校の校庭に花壇を作ったのですが、3カ月後に収録が終わってバラす(片付ける)時に、木製のプランターがシロアリだらけになっていたことがありました。他に被害が広がってはいけないので、慌ててスタッフ皆で対応しました。でも普通のアリ用の殺虫剤は効かないし、駆除には苦労しました。
ほかにもドラマで、草むらに花が咲いている風景を作るということで、吸水スポンジにマーガレットを刺して持って行きました。地方ロケで、すごく寒い日の早朝だったのですが、いざそれを植えようとしたら、土が凍っていて植えられなくて……。それでも必死に作業していたのですが、その間にスポンジまで凍って、マーガレットがしなびてしまったんです。予備の花で何とか切り抜けましたが、あの時は本当に冷や汗ものでした。

ー仕事でのこだわりは?

小柳

生花を使う時は、本番でベストな状態になるようにと考えています。本番の前日に飾ることが多いので、飾る時には花びらがちょっと開きかけている程度にしておいて、本番で一番きれいに咲いている状態に持って行けるよう調整しています。
造花や飾りも扱いますが、生花の仕事が増えてくれると嬉しいですね。やっぱり一番好きなのは、生きているお花なので。

(2019年2月)