2013年03月02日 ザ・コンパスで放送
社会・公共

これからの働き方

1:設問テーマの背景 (facts)>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

採用の早期化に歯止めをかけるため、日本経団連の倫理憲章の改訂によって、就職活動の解禁が10月から12月に後ろ倒しとなって2回目の2月を迎えています。
2月下旬から3月上旬のこの時期は、エントリーシートの提出が活発に行われ、採用活動が本格化し始める時期と言われています。

昨年就職活動を行った2013年卒の『大卒求人倍率調査』(民間調査による)は、1.27倍と前年(2012年卒)の1.23倍より上昇しています。前年よりも上昇するのは、2008年以来、5年ぶりでした。背景には、民間企業への就職希望者の人数が、教員や公務員志望者の増加や就職活動の厳しさを見越して留年を選ぶ学生の増加によって、減少したことが影響していると指摘されています。

一方、2月1日に発表された総務省による『労働力調査』によると、2012年平均の完全失業率は、4.3%と前年に比べ0.3%低下し2年連続で失業率が低下していることが判りました。同調査では、パートや派遣社員などの非正規雇用者が35.2%と、統計を取り始めた2002年以降、最も高くなったこと、さらに製造業で働く人が1961年6月以来、約半世紀ぶりに1千万人を割ったことが明らかになりました。

2月19日に発表された総務省による『家計調査』では、女性配偶者の収入が前年に比べ11%増の5万9177円となり、1963年の調査開始以来、過去最高となったと発表されました。



2:番組として (our aim)>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

今週はFMラジオ局J-WAVEの番組『Make IT 21』と共通テーマによるコラボレーションを行います。テーマは、就職活動が活発化する時期であり、さらに3~4月の就職、退職、転職が頻繁に行われる時期であることから「これからの働き方」としました。

戦後の日本は製造業の大企業を中心として経済成長を遂げてきました。それを支えてきたのが終身雇用、年功序列、企業別組合だったという指摘があります。しかし、この日本型雇用の特徴とされる、終身雇用、年功序列等は、内外の政治・経済・社会動向の変化のほか、少子化をはじめとする人口動態の変化などから、すでに大きく様変わりしているという見方がなされています。

一方、労働政策研究・研修機構による『第6回 勤労生活に関する調査』(2012)では、 「一つの企業に長く勤め、管理的な地位や専門家になるキャリアを望む」と答えた20代は、調査開始以来、最高の51.1%にのぼり、また、日本生産性本部による『新入社員 春の
意識調査』(2012)では、「今の会社に一生勤める」と答えた昨春入社の新入社員は、調査開始以来、最高の60.1%(2000年調査では、同回答は20.5%)という結果がでており、若者の安定志向が見て取れます。
社会情勢と若者の意識は必ずしも一致していないようにも見えます。

番組では、コンパス・オピニオンリーダーの皆さまから、働き方や労働への意識などについて、ご意見をいただきながら、番組ユーザー及び視聴者とともに議論することで、『これからの働き方』を考えたく、今回のテーマを企画致しました。どうかご意見をお寄せいただけますようお願い申し上げます。

オピニオンリーダーへの問いかけ

※コンパスで掲載された全ての意見・回答は各氏個人の意見であり、各氏所属の団体・組織の意見・方針ではありません。
Q1:今の若者(入社1年目から5年目程度)の働き方や労働への意識を、
どのようにとらえていますか?ご自身の世代と比べてどのような点が同じで、どのような点が違うかを含め、ご意見をお聞かせ下さい。
その際、あなたが仕事に就かれてからの年数を下記の選択肢からお選びいただいた上で、問2に回答をご記入ください。
Q2:(問1つづき)ご意見をお聞かせください。
(コメント欄-文字数に制限はありません。)
Q3:日本の社会のどのような変化が、若者(入社1年目から5年目程度)の働き方や労働への意識にどのような影響を与えていると思いますか?
Q4:現在の日本の労働環境や日本人の働き方には、どんな問題があると思いますか?そして、その問題を解決するため、これからどうしていくべきだと思いますか?
具体的なアイディアがあれば、それをを含めてお聞かせください。
Q5:これからの日本を担う若者達の働き方に関して、あなたが最も期待することは何ですか?

オピニオンリーダーの回答

( 30件 )
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1. 10年以内

該当する回答がありません
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2. 10年‐20年以内

加藤百合子
株式会社エムスクエア・ラボ 代表取締役
Q2. 「2 - 10年‐20年以内」の回答理由
働きたいという意識は同じかと思います。
働きたいという意識は同じかと思います。

ただし、私が大学卒業した時期は、バブル崩壊後人数も一番多く、就職難の時代でした。
人数が多かったために競争の激しい学生生活になれていたせいか、それぞれ身の丈に合った先へ落ち着いた感じがします。ですので、異なる点は、自分の立ち位置(レベル)を今の学生よりはわかって就職していったことでしょうか。就職後の働き方についても同様で、競争にさらされてこなかったことが社会人になっても弱さとして露呈しているケースが見受けられます。
Q3. コメントする
やはり、教育現場と食の変化の二つが大きいかと思います。教育に関しては、運動会で順位を付けなくなったり、成績表は相対評価から絶対評価(個人の中で向上したかどうかという評価)となり、自分の得意なことは何なのかを考えたり、競争に勝つための戦略を考える機会を与えられてこなっかった世代です。そのため、社会という選択肢が広がる段階になったとき、どうすればいいかわからなくなってしまっているのが就職先と学生のミスマッチを生んでいる、就職したとしても、競争の中でどうやって対応していっていいかわからず、精神的に病んでしまう人が多くなっていると思われます。

食に関しては、バランスの悪い食事や糖質・脂質の過多の食事などが集中力・忍耐力の低下を引き起こすことは科学的にも証明されています。長いこと座れない学生が増えていることは、一つに食への意識が急速に低下していることが起因していると専門家の間でも考えれています。そもそもの働き続けようという意欲の低下や失敗した際のリカバリーができないということに現れているかと思います。
Q4. コメントする
これまでの働き方の常識は男性が作っており、非合理的な部分が多く、長く働き過ぎです。上司が帰らないと帰れない、女性は産休や時間制限があり重荷だ、長い飲み会などなど、男性単一で右肩あがりだったときは上手くいった方法は、より多様化に答えられる合理的な方法にそろそろ変えてもいいのではと感じています。一つ改善方法として、仕事の地方分散は面白いかと思います。地方では、余計な情報が入らないため、余計な仕事も増えず、余計な付き合いや何次会にも続く飲み会も不可能です。通勤ラッシュもなく、思考する時間がしっかりとれることで、反省したり、新しいアイディアが生まれたりと非常に効率よく仕事が行えると思います。
Q5. コメントする
和をもって合理的な社会を作って行ってほしいです。
 
 
飯田泰之
明治大学政治経済学部准教授
Q2. 「2 - 10年‐20年以内」の回答理由
そんなに大きな変化があったようには思いませんが...
ここ数年大学生の経済・生活・性に関する意識調査に参加しているのですが,自分たちが大学生の頃(現在37歳なので15~19年前)と大学生の意識にそんなに違いがあるようには思わないです.したがって「今の若者」も,少なくともポスト・バブル世代と比べるならば意識についてはそんなに変わりは無いのかなと.

一方で,その行動は大きく変わったと感じます.第一に安定志向が強くなった…公務員・資格試験人気は過熱しています.加熱しすぎて最近は避けられているようですが.

ただし,これは長期不況下ではごくごく合理的なことかなと.その意味で,「人々は与えられた条件の下で主観価値を最大化をしている」とまとめることが出来るのではないかと思います.
Q3. コメントを控える
Q4. コメントする
企業が自発的に選択している労働環境や雇用慣行を変えるという主張は,「自分のことは自分がよくわかっているはず――少なくとも政府や評論家よりはわかっているはずだ」という大原則に反しているので,どうせろくなもんではありません.

必要な改革は,
・企業や労働者が不便を感じている
・しかし,制度面で今と違う事をすると損
という点に着目する必要がある.

私からの提言としては,
・退職金優遇税制の廃止
・解雇要件のより具体的な設定と金銭補償ルールの策定
・企業事業所ごとに勤続年数の平均値と中央値,3年以内離職率の発表義務づけ
です.
Q5. コメントする
・職務内容が明確な仕事は容易にコモディティ化する……避けとけ
・スペシャリストであるよりジェネラリストたれ……世の中どう動くかわからない
・自分の専門分野をもつのではなく,自分の得意の考え方・思考の型を身につけよう
・クリエイティブで夢あふれる仕事……に見える仕事はたいていクリエイティブじゃないし夢もあふれてない
 
 
結城未来
灯りナビゲーター/新潟大学非常勤講師
Q2. 「2 - 10年‐20年以内」の回答理由
10年から20年前の世代は、ある意味「貪欲な部分がないと社会人として生きていけない」ところが
あったように思います。それは、時代的にまだバブルの残り香があったり、バブルがはじけていく中で
なんとか生き残るために必要な術だったのだろうと思われます。
一方、入社1~5年目程度の世代は、ある意味「あきらめが必要な世代」であるように感じます。
貪欲に働いても、先の見えないトンネルを歩いている感があるのでしょう。
必要最低限の仕事はまじめにこなす、でもそれ以上を求めない、求めてはいけない、そんな
あきらめにも似たところが多く見受けられます。
Q3. コメントする
よく言われるように「ゆとり世代」の教育のせいだという意見もあるかもしれませんが、
むしろ、彼らが社会人になろうとした、あるいはなりたての際に体験してしまった
リーマンショックを筆頭とした社会情勢の大きな変化だと思います。
それまでは、景気が悪いとはいえ、「頑張ればなんとかなる」という希望の残り香が
ありました。
 ところが、リーマンショック以降は、為替はこれまでの予想の範囲から逸脱し、
不況とはいえ安泰だったはずの大企業でさえも存続の危機に追い込まれ、
リストラの嵐が吹き荒れるなど、これまでの常識が常識として通用しなくなるような
衝撃的な出来事が続いたのです。
 社会に希望を抱いて飛び込もうとする世代に、希望を持つことを許さなくなってしまったのは
こんな社会情勢ではないでしょうか。
Q4. コメントする
これまでのように「控えめ」でコツコツと働くのが売りの日本人の働き方では、
主張の強い中国などの他国が台頭してくるなかで、ある意味「置いてきぼり」に
なりかねません。もっと主張できる、自国を強く押し出せるアピール力が
必要になってくると思います。
Q5. コメントする
「大きな声を出せる」働き方ができるようになって欲しいです。
幕末に治安の悪化や物価の高騰に不満を抱いた民衆の「ええじゃないか」運動くらい、
不満を形にできればよいのですが、現在の若者はどちらかというとマイナスの状況に頭から
おさえつけられたまま身動きをとれない、とろうとしていない状況のように見えます。
そんな状況でも、「どうすればこの状況を打破できるのか」と考え
行動を起こせる、大きな声で主張できる、そんなエネルギーを蓄えていって、
少しずつ前向きに歩き出して欲しいと思います。
 
 
原田曜平
博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー
Q2. 「2 - 10年‐20年以内」の回答理由
私は現在35歳(1977年生まれ)で、世代論的に言えば、人口が団塊世代に次いで多
い1971年生まれ~74年生まれを指す「団塊ジュニア」のすぐ下の、「ポスト団塊
ジュニア」と言われる世代です。
私の世代は、団塊ジュニア同様、1968年にGDPが世界2位になって以降の豊かな日
本に生まれ育ちながらも、「第一次就職氷河期」に直面し、同世代間の雇用格
差、経済格差が徐々に明確になった世代です。
人生の途中までは、いい学歴を得て、いい会社に入れば絶対的な幸せが得られると
信じていた世代であり、頑張れば報われると心の何処かで未だに信じている最後の
世代だと思います。

一方、今の若手社員、いわゆる「ゆとり世代」は、人生の大半を「失われた20
年」のデフレ下で過ごし、GDPも中国に抜かれ、「第二次就職氷河期」にも直面
したので、日本や自分の将来に対する期待値が大変低い世代です(人にもよります
が、世代全体的な傾向としてはこう言えると思います)。
ですので、共通点は日本の経済的な疲弊に根ざしており、「若い頃から不景気を
知っている」、「就職氷河期に直面した」という点などが挙げられると思います。

また、違いとしては、ある時期から不景気になってしまった世代と、もともと不景
気しか知らない世代の期待値、ということになると思います。より具体的に言え
ば、頑張れば見返りがあると信じ、「上昇志向」を持てた団塊ジュニア、ポスト団
塊ジュニアと、必要以上に頑張るOSをそもそも持たず、「費用対効果」を重視
し、親から貰った生活レベルを落さないことに注力する「現状維持志向」のゆとり
世代、という点にあると思います。
Q3. コメントする
以下、日本の経済成長を謳歌したバブル世代と、今の若者社員の比較をした、過去
に私が書いた原稿です。
日本社会の変化とそれが労働意識に与えた変化について書いてあります。
要は、日本の経済的な低迷と閉塞感が、「成長を知らない子供たち」を生み、それ
が今の若者の労働意識に大きな影響を与えていると思います。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20110614/1036255/
Q4. コメントする
「雇用」「正社員」です。
また、その中でも女子が求めているものは、「専業主婦」或いは「一般職(≠派遣)」です。
要は、若年層は男女ともに労働において「昭和的な安定」を欲しいと思うようになっています。
政府や企業は「イノベーション」「男女参画社会」などといったキーワードを打ち
出し、新しい労働形態を若者たちに受け入れるよう求めていますが、今のとこ
ろ、将来不安の大きい若者たちは、むしろその意図とは全く逆の志向性を持つように
なってきています。
これは大人たちが、未だに「昭和的な安定」にどっぷり浸かり、おいしい思いをしている、
と若者たちが判断している、ということだと思います。
「自分たちだけおいしい思いをして、どうして私たちにリスクばかり押し付けるんだろう」と
素直に思っているのではないでしょうか。

つまり、日本社会の労働の問題は、必ずしも能力ではなく、年齢によって待遇格差が
生じてしまっていることにあると思います。
これからどうしていくべきか、という点については、ある年齢層以上が「労働の既得権益層」に
なってしまっている現状を打破することだと思います。
Q5. コメントする
2050年には世界のGDPに占めるアジアの割合が50%に達すると言われています。
かつて小泉元首相のキャッチフレーズの一つに「改革なくして成長なし」というも
のがありましたが、今後の日本にとって、「アジアの成長なくして日本の成長なし」です。
若者の海外離れが深刻な状況だと言われていますが、戦後の日本人のように、殊更
に欧米志向になる時代ではないので、強いアジア志向を持ち、アジアのマーケット
に打って出るたくましさを持つ若いビジネスマンが増加してくれることを期待しています。
 
 
宋美玄
産婦人科医
Q2. 「2 - 10年‐20年以内」の回答理由
私たちのころに比べて、男女ともに結婚が早くなったように思います。特に若い女医さんは初期研修のうちに結婚したり妊娠したりする人が増えました。私たちの頃の女医は一人前になってから妊娠するというのがメジャーな考えでしたが、産めるうちに産んでおくという考えの女医が増えているように思います。女医そのものが増えているというのもあるかもしれませんが、現在の臨床研修医制度になってからそのような風潮が強まっているように感じます。
また、売り手市場だというのもあると思うので、他の業界には当てはまらないとは思います。
Q3. コメントする
一般の会社員の状況があまり分からないのですが、雇用が不安定であれば未来に夢など描きにくいと思うのと、「自分らしさ」「個性」がことさらに重んじられる風潮も若者の一部を迷走させているのではないかと思います。
Q4. コメントする
雇用というパイが不足している上に、バブル前入社の人たちが既得権を離さないので、若年労働者にしわ寄せがいっていると思います。これはパイを増やすのが一番いい方法だと思います。介護、保育などは女が家庭に入って負担すればタダで済むシャドーワークと見られがちですが、需要は非常に多く、介護士や保育士の収入を所帯を持てる収入にアップさせればかなりの社会問題は解決すると思います。子育ても介護も社会全体で、が当たり前の風潮になるといいと思います。
Q5. コメントする
不況が続く中、若者は勝ち組と思われている仕事に殺到する傾向にあります。
(医学部の人気が過熱したりというのも一例です)
しかし、私が実際に働いて感じることは、王道と思われている仕事
(産婦人科で言うと大学病院で癌の手術をするとか、周産期センターで産科救急に携わるとか)
でなく、みなが見落としていたニッチ(セックスの分野や産後ケア)に活躍の場が
沢山あるということです。働き始めないと見えないことがたくさんあると思うので、
まずは働きながら、今誰も思いついていないような仕事をみつけて需要を
掘り起こしていって欲しいと思います。
 
 
竹中治堅
政策研究大学院大学教授
Q2. 「2 - 10年‐20年以内」の回答理由
若い勤労者は終身雇用指向が我々の世代と結局同じように強いということではないか。この感想は2000年回答のデータと異なるが、我々が就職した1990年代前半はやはり終身雇用指向が強かったと考えられる。2000年のデータは1997年秋の金融危機やその後の長銀、日債銀の国有化のインパクトが大きく、就職感がかわり、いつまでも同じ企業に勤められるとは思うことができず、このような回答となったのではないかと考えられる。
しかし、その後、日本経済の低迷が続き、企業のリストラなどがあいつぎ、また、それがセンセーショナルに報道されたため、それに怯え、安定を求め、終身雇用指向が一層強まっているということではないか。
ただ、我々の世代に比べてもおそらく終身雇用を実現することはより難しくなっているはずである。そこにパラドックスがある。
Q3. コメントする
グローバリゼーションが進み、ITの産業への浸透が強まるにつれ、以前のように雇用が生まれなくなり、雇用調整が行われるようになったため、より安定志向を強めるようになったのではないか。
ちなみに、失業率は低下しているというが、就職活動を放棄したため失業者とカウントされなくなった失業者もかなりいるはずであり、この数字を額面とおり受け止めることはできない。
Q4. コメントする
やはり多くの人は安定した雇用、すなわち正規雇用を求めているはずである。
安倍内閣は「賃金引上げを」と主張するがむしろ、必要なのは安定した正規雇用をより多く創出することである。簡単に言って、正規雇用が増えないのは今の賃金水準が高すぎるからである。従って、必要なのは賃上げの逆にむしろ賃下げをより行いやすいように法制度を含め雇用制度を改めることであり、そうすれば正規雇用が増やせるはずである。正規雇用が増えれば、その人たちは将来の人生設計が行いやすくなるので、結婚もするようになるであろうし、消費も増やすであろう。
競争力会議は雇用の規制緩和をテーマとして取り上げるなどと言っているが、そのようなことをすれば、結局雇用が今よりも不安定になりさらに消費が伸びなくなるであろう。
安倍内閣は日銀に金融緩和を求める一方、TPP交渉への参加する姿勢を示していることは評価したい。
しかし、企業に賃上げを求める一方、雇用、すなわち、解雇の規制緩和を進めるのは不適切な政策であり、デフレ脱却には役立たない。
むしろ必要なのは賃下げと正規雇用の増加である。これは結果として消費を増加させ、デフレ脱却に貢献するはずである。
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語学、すくなくとも英語を身につける一方、専門性を持つこと。
そのためには企業に入る前に大学時代からしっかり勉強すること。
 
 
常見陽平
千葉商科大学国際教養学部専任講師
Q2. 「2 - 10年‐20年以内」の回答理由
実は保守化が顕著、選択肢は増える
■全体では保守化が顕著
番組で「会社にしがみつかずに自由に働く若者が増えている」と煽られることを懸念しているのだが・・・。実は、若者に限らず、どの世代においても会社にしがみつきたいと思っている人は増えている。

『第6 回勤労生活に関する調査』(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)によると、終身雇用を支持する人は2011年時点で全体では87.5%で、過去最高である。20代では84.6%で過去最高になっている。年功序列も同様に支持されている。

安定、いや安全志向が顕著である。

企業選択においても、中堅・中小企業志向がここ数年増えたが、この手のデータは取り方がまちまちで、実際は「中堅・中小企業でもいい」というレベル。大企業志向は根強い。求人も大企業を中心に回復しており、今後、徐々に大企業志向は復活するだろう。

この話をすると、大企業志向はけしからんという報道がされるわけだが、実際、中堅・中小企業と出会う場がないし、安心できない。そして、最終的には多くの若者は中堅・中小企業で働いている。

メディアはこういった件を丁寧に報道するべきである。

■選択肢は増えている
一方で、たしかに会社に縛られずに働く若者は見受けられる。選択肢は増えている。

技術革新で初期投資が少なく起業・独立ができる。

社会貢献志向もぼちぼち目立ってきているが、これも丁寧な分析が必要で、実態はやりがいの搾取状態。

ギャップイヤーなるものが煽られ、欧米同様、卒業後はボランティアやNPO活動をするべきだという論調があるが、日本の現状はなかなか残念であり、今の煽り方は不幸な若者を増やすだけである。
Q3. コメントする
逆に先が見えない状態であり、この先行き不透明感が保守化を生んでいる。親の影響もある。

選択肢が増えているので、自由にチャレンジをする層と2極化。

ただ、この自由なチャレンジをもてはやす傾向がメディアからは感じられるのだが、ここ数十年の自由な働き方煽りが不幸な若者を増やしたことをちゃんと反省するべきである。
Q4. コメントする
【問題点】
■正社員総合職、幹部候補生の功罪
社内で様々な経験を積み、スキル、人脈を構築し、向いていることに気づくことができる点はよいが、採用する人材の高度化につながる。また配属先を選ぶことができず、ミスマッチにも。さらに、全員が幹部候補生という点で、猛烈に働かなければならないのが課題。エリートとノンエリート(語弊があるが)を分化させるべき。

■大学と企業社会の接続
人材は誰が、どこでどう育てるのか(あるいは自分で勝手に育つのか)、接続の再設計が必要。大学は就職予備校ではないが、とはいえ、企業に育てる余裕はない。人を育てる連鎖が社会からなくなったことが課題。

■ブラック企業問題
若者に限らずだが、ブラック企業だらけの社会に。最も騙されやすいのは若者。最近は、やりがいの搾取を行う、明るいブラック企業さえ存在。労働環境の劣化が課題。

■労働問題の解決、労使関係の調整の仕組みがない
労働組合の組織率の低下、役割への疑問。「そんなこと、会社に言えない」と言い出す始末。労働問題の相談にのる組織、労使関係の調整機能が事実上、ほぼ存在しない。

【解決策】
・ノンエリート正社員、専門職正社員という働き方の設置
・キャリア教育だけでなく、職業教育を
・大学の役割の再定義(一部は就職予備校ならぬ、職業予備校に)
・ブラック企業対策
・雇用のルールの再整理(例えば、単なる解雇規制緩和論ではなく、新しいルールづくり)
・役職、給料の柔軟なアップダウンの仕組み
・21世紀型の新しい労働組合の設置
・労基署以外の労働相談の施設を
Q5. コメントする
■安易に起業、社会貢献、ノマドに走らない
企業の中で革命を起こす。企業活動とはそもそも社会貢献活動である。ノマドになっても自由にはなれない。

■新しい価値の創造
若者発の新商品、新サービスを

■まず働いて成果を出すこと

■異議申立てをすること(そのために労働法に強くなること)

■仕事だけが人生ではない

■負けない日本人になろう

■複数の居場所をつくること

■ソーシャルメディアに依存しないこと
 
 
にしゃんた
羽衣国際大学教授/落語家
Q2. 「2 - 10年‐20年以内」の回答理由
学校を終え、社会に出る若者が考えることはおそらくどの時代も同じ。安定した条件の良い就職先を見つけ、人生を謳歌したい。そこには国によっての違いも時代によっての違いもない。
学校を終え社会に出る人間が考えることはおそらくどの時代も同じで、安定した条件の良い就職先を見つけ、人生を謳歌したいだけ。古今の違いがあるとするならば、人間が考えることが変わってのではなく、受け皿(労働環境)が変わり、その環境とどう折り合いをつけていったら良いかを若者が一生懸命に考えた中で生まれた結果(知恵)に過ぎない。アベグレンが最初活字にし、後それが日本的経営の特徴として謳われた三種の神器ですが、少なくとも長期雇用は何も日本特有のものではない、他の国々も同様な傾向があると、後になってからではあるが、例えば小池和男氏あたりが証明した。私も特にアジアを中心に海外の企業の調査を行ったことがあるが、同様な結果を得た。人間が条件の良い場所で長期雇用を望むということには、国による違いも時代による違いもない。
Q3. コメントする
社員に対していい加減な会社が増えたし、のさばっている。日本では、会社というのは、お客さん=消費者=が喜んでくれてその生活が向上する→従業員の給料を増やして従業員の生活も向上する→会社も利益が増えて成長する、という流れを基本的なスタンスとしてきたハズだが、そんな経営者はもういない。今は、「まずは会社の儲けありき」とほとんどの企業において、順番が逆になっている。

そんな中、若者は、誰を、何を信じて良いか解らず、社会や企業に対して強い不信感をもって生きている。受け皿としての企業の被雇用者に対するこのようないい加減な姿勢、に合わせて、安定だと言われた大企業も倒産したり、早期退職者を募ったり、何よりも親や周りの大人が幸せそうにも見えない。その現実を目の当たりにした彼らは、大きな夢を抱き、大きな夢を語り、冒険心をもって素直に、爽やかに真っ直ぐに突っ走るというような事はせず、周りの様子を静かに慎重に窺がっている。そんな風に見受けられる。そして今でも安定した条件の職場に勤め、公私ともに幸せになれるもっと良い職場がないか、諦めることなく、アンテナを張って探している。
Q4. コメントする
油断なのか、それとも日本人の傲慢がもたらしたのか、最大の問題は、日本の企業が時代を取り入れて進化せねばならぬところ、それに失敗していること。そして個々人も自分たちの責任で、時代を読むことを怠り、企業や社会に考えることを丸投げしていた結果、今、企業や社会によって振り回されている。とくに、今までの大半の日本人が労働というと「日本人として、日本人のための、日本(国内)で」という気もちが強かった。これからは、国境を越えた広い視野・発想力と行動力をもった日本の企業や企業家を次から次に現れる必要があると同時に、親や教育現場が努力し、国境を越えて生きる選択肢の幅と、精神力と、免疫を身につけた若者を社会に送り込む必要がある。

まだ改善の余地はいくらでもある。まず、国家として日本が進むべく方向としては、アメリカ的な自由競争主義社会よりも、ヨーロッパ的な社会民主主義的な大きな政府が望ましい。1人はみんなのために、みんなは1人のために(One for all. All for one.)。ともかく、高度成長なんて、日本はもう来ない。日本はヨーロッパと同じく、老成の途上にある。日本がアメリカ的に醜く年老いていくのはゴメンで、イギリス・フランス・ドイツ的にゆったりと年老いていってほしいと願っている日本人は圧倒的に多い。こっちの方の生き方、考え方が断然日本人にあっている。もちろんワークシェアリングも同じ趣旨であろう。日本国憲法でも労働は納税・教育(を受けさせること)と並んで三大義務の一つではあるが、そろそろ「休暇」も義務にしたらどうだろうか。“年休(有給休暇)は全部使わないと、本人だけでなく、会社も罰せられる”、なんていうのも良いんじゃないでしょうか?『休まざる者、人ならず』の世の中になれば、企業の中も、家庭の中も、もちろん社会全体で、『ギスギス感』というものがなくなっていく。

さらに言えば、70,80にもなって顧問とか相談役とかの肩書で高い給料(秘書・個室・車付き)を取っている元社長・元会長らは、いい加減引きこもって地域で質素なボランティア活動に従事すれば会社も若者を何人か雇用できるはず。
Q5. コメントする
日本人の教え子が留学に出かける時「帰って来んでも良いで~!絶対そっちの方がおもろいで!」と送る言葉に添えるのが私の口癖。日本の若者に最も必要なのは、就職活動の対象を海外にまで広げることが「当たり前」と、乱暴に聞こえるかも知れないが、いざという時は「日本を捨てる」くらいの気持ちをもった人物に成長して頂きたい。ほとんど発展途上国から日本に来ている留学生なんかみんなそんな根性で日本に出て来ています。日本に希望の就職がなければ、海外に出れば良い。「日本に過剰に期待するな!」と言いたい。先日、新聞取材で「2つの文化とどう折り合いをつけたか」の質問を受けた。私の場合はスリランカと日本だが、聞き手の毎日新聞記者も、アフリカからの帰国者で私とどこか同じ経験を共有していた。たいへん印象的だったのが、取材を終えた瞬間、記者の口からふと出てきた言葉だった。「一旦捨てて、後に統合するのですね」と。大いに「国を一旦捨てて、またいずれ統合すれば良い」。その言葉を日本の若者に送りたい。それが自分のためになり、日本のためにもなる。

国内での就職を希望の場合、一つの企業と一生共にすることは必ずしも幸せとは限らない。いい加減な企業の人雇いの現状を肯定的に解釈し直し、従属から解放され、自由に幾つかの仕事を掛け持ちし、半農で、子育てや社会活動にも積極的に関わり、幅広い豊かな人生を謳歌するのも悪くないだろう。現に正社員より派遣社員の方が公私共に幸せ度が高いという調査結果も出ている。

いずれにしても、昔のように、卒業ギリギリまで就職を考えなくても良いということがあり得ない。昔はそれでなんとかなったかもしれないが、今は無理。高校生の時、大学も1、2年生ぐらいの早い段階で、どのような社会人になるかの具体的な青写真を描き、社会人になるまでの時間を逆算して有効的に使い、綿密に人生を設計する必要がある。
 
 
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3. 20年-30年以内

岩渕美克
日本大学法学部教授
Q2. 「3 - 20年-30年以内」の回答理由
 なりたい職業より、なれる職業を優先する傾向がある。昔もなかなか決まらないと焦る人はいたが、早く決まる方を選択する傾向が強まっているように思う。労働そのものに喜びを見出すことよりも、生活の手段として割り切れているのかもしれない。
 まず職業意識そのものよりも、大学受験と同じように就職活動をとらえ、身の丈に合うような選択しかしていない学生が増えているように感じます。たとえば、高校のうちから職業を重要ととらえるのは悪くはないのですが、たぶんに親の誘導が成功して地方公務員を志望する生徒の割合が増大しているように感じます。夢のない社会に生きていることを反映しているのかはわかりませんが、夢が乏しく、現実主義の良い子ばかりです。その結果、勤め先に満足せずに、早くに辞めてしまい、転職もままならない例も知っています。就職活動も、活動テクニックにたけてくるにしたがい、手段と目的が離れてしまうこともあるようです。そうしたことも転職や離職につながっているのかもしれません。どうしてもこの会社に入る、この職業につくという学生が少なくなっていますが、数少ない意識を持った学生の多くは目的を果たしているようです。一度や二度の不合格で、勝手にこの職業は向いていないと判断し、会社の規模を小さくしたり、小手先の部分での変更をしている。
 労働そのものも、現実的に給料や福利厚生に重きを置く学生も見受けられます。悪いことではないので、注意はしませんが、340年前よりは割合が増えていると感じます。あきらめの良い、いい子に育てられているようです。
Q3. コメントする
 やはり将来的な不安、会社がつぶれてしまうかもしれないという不安は、労働意欲が欠ける要因にはなると思う。終身雇用がよいとは限らないが、転職を意識しながら働くのでは若い時期の仕事を覚えることに影響が出るのではないか。自分の都合ではなく、辞職を余儀なくされないという安心感は必要だと思う。
Q4. コメントを控える
Q5. コメントする
 働くことを楽しむ、労働に楽しみを見出す努力を惜しまないことを期待します。その結果が不調に終わることは考えられますが、あくなく楽しむことを考えてもらいたい。そうすることで労働の喜びを知り、一方で働かないことの喜びを知ることができるようになるのではないだろうか。
 
 
中津孝司
大阪商業大学総合経営学部教授,国際問題評論家
Q2. 「3 - 20年-30年以内」の回答理由
報酬や立身出世に興味を持たないことが居心地の良い自らの職場となる。自分の仕事を見つけて、粛々とこなしていくことが重要だろう。
 筆者の場合、一般企業への就職ではなく、大学院に進学し、修了後、教育機関に勤務するという特殊な事情があるので、一般論として述べてみたい。
 学生当時、同じゼミに所属する友人の就職活動を見ていると、大学4年生の4月に内定をもらっていたと記憶しています。その君は大手総合商社で職を得て、米国やロシアでの駐在後、結局、退社したようです。その理由の詳細は分かりませんが、どうやら上司ともめたようです。給与は満足できる十分な水準であったにも関わらず、安定よりも自らの好きな道を人生半ばで進んだようです。
 職場というのは相性があるのではないでしょうか。ちなみに筆者の場合、今の職場には大変満足しています。役職にはまったく関係のない立ち位置を見つけて、そこにいるからだと思います。ゆがんだ出世欲が職場の居心地を悪くするのではないでしょうか。
 時代は違っても職業意識は同じだと思います。
Q3. コメントする
 安定志向の若者が多いのは驚きだが、厳しい社会に飛び出て、自らのスキルを磨き、実力を身につけようとする気概がないのではないか。外国から優秀な人材が日本にやってきて、その優秀な人材と競うのが嫌だと公言する学生がいたのを記憶している。
 社会と家庭が過保護化し、若者のチャレンジ精神が希薄化しているのではないか。
Q4. コメントする
 甘えさせないこと。厳しい職場で打ち勝ってこそ、若者は鍛えられる。むずかしく考えず、若者に次々と難題を与え続ければよい。
Q5. コメントする
石の上にも3年。
 
 
小幡績
慶應義塾大学ビジネススクール准教授
Q2. 「3 - 20年-30年以内」の回答理由
若者は進歩している
プロフェッショナルとしての意識は、今の方が強いのではないか。自分の仕事の専門性を強く認識し、それを強化してくれるような仕事を望む人が多くなったと思う。昔は、なんでもいい、あたら得られた仕事をがむしゃらにやる、という姿勢だった。

これとつながっているが、仕事で属する組織への意識は大きく変わった。プロフェッショナルであるが故に、私生活が混入することを嫌う、あるいは違和感を感じる人が増えた。私生活は私生活ということで、オフでつきあう友人達は職場とは別である人が増えたと思う。これは長期的には極めて望ましく、長く勤めた組織を辞めた後、何もできなくなり、どこのコミュニティにも属さないかのような錯覚に陥り、戸惑う高齢者生活を送る人が減り、高齢化社会においては、極めて望ましい形で変化している。
Q3. コメントする
グローバル化、変化の速さ、未来の不確実化。

働き方も考え方も柔軟になってきている。
Q4. コメントする
団塊の世代あるいはその下、50歳ぐらいまでの層が、過去の常識を無理矢理、今の社会、経済に当てはめようとして混乱が生じている。

今は今であるコトを理解すべきである。

解決するには、新しい企業が大きく育っていくしかないだろう。
Q5. コメントする
いわゆるブラック企業の撲滅。これは政府の役割だ。
 
 
南淵明宏
医療法人社団 冠心会 大崎病院 東京ハートセンター  心臓外科医
Q2. 「3 - 20年-30年以内」の回答理由
賊省、文部科学省が世に播種し、若者に植え付けている保身思想もさることながら、世に巣くう負け組オヤジ、とんでもオヤジが若い世代の夢を粉砕している。一掃すべきだ。そういうオヤジどもに占領されている企業や組織、政党がこの国を危うくしている現実は、永遠に自覚できないのだろう。
医者ですから仕事を続ける、と言う点は自動的に「続けている」となるわけで、30年やっています、ということで何ら褒められるものではない。一度医師免許を取ればどんなアホでも一生医者だ。昨日も都内ホテルで開催されていたが、医者の学術集会などという催しに仕方なく参加すると、本当に多くの参加者がいて、「この人たちは普段、何をやっておられる方々なのだろう?」と驚く。この30年で専門分野(心臓外科)から脱落した同僚も数多いるが、本当に永らく「続けて」?おられる方々がいっぱいいることに感心する。そういった回顧から、今現在の若い世代の人を見て思うことは、「高望みしない」の一言に尽きる。「天下を取る」とか「見返してやる」という覇気が感じられない。それでいつも思うことはやはりこれは私を含めたオヤジどものせいだ。目の前で成功を見せつける輝かしいオヤジがいない。これこそが若者に覇気がない一番の理由だ。若い奴が頼りない=オヤジどもが情けない、なのである。「負け組オヤジ」が若者の目の前に氾濫している理由はやはり日本が裕福で甘い社会だからだ。本来なら淘汰され駆逐され人知れず余生を過ごすはずの役たたずのオヤジどもが、ヒマに任せて背広を着てネクタイを締めて世の中を邪魔しに市中に繰り出す。これははタチが悪い。オヤジどもは現実をぼやき、成功者を徹底的に妬み罵倒し、ありもしない与太話を吹聴して若い人たちの夢を粉砕する。そういう医者社会の負け組オヤジにとって、年に15回(いや58回だろうか)ほどある学術集会は噂話で盛り上がる福音と憩いの場所だ。
ということで、若い人をどうするかと言うより、まず負け組オヤジをどうするか、ということが本質にある。
とんでもアホ上司の一例を挙げれば、周知のエピソードだが、ある列車事故で死者負傷者が多数出ているにもかかわらず、たまたま乗客としてその大事故に居合わせた、通勤途中の同じ鉄道会社の運転士二名が、事故直後に現場から上司に携帯電話で指示を仰いだところ、「君たちの出社が遅れたら会社が困る。何らかの移動手段で出勤時間に間に合うように出社しろ」と命令し、運転士はその命令に従ったというものすごい話だ。人類史上に残るこの国辱的エピソードは「無人島に男二人と女一人が流れ着いて・・・」のジョークがもはやジョークではない、深刻な国情(酷情)として世界中で語られている。こういう管理者がひしめいて偉そうにしている鉄道会社が現実に存在しているのだから日本企業というか日本社会の衰退、凋落、逼塞は救いがたいものがある。
さらにもう一つの例だが、恥知らずと言えば電力会社だ。女子トイレの盗撮事件はまだしも、住民説明会でのやらせを恥とも思わず精力的に行っていた事実は真の『原発神話』(原発は人類収斂施設!、真の原発三原則=、隠す、ごまかす、垂れ流す)を国民の脳髄のDNAに放射性同位体を共有結合させてしまってそれからなる器質的記憶物質を合成させる仕組みで、しっかりと全国民に刻み込んだ。つい最近ではある電力会社の原子力発電所(建設工事中)の真下を活断層が走っている、との指摘が学者団体からなる政府専門委員会なされたのだが、その結論を踏まえた電力会社の記者会見でその電力会社の副社長が、
「活断層ではないというデータをこれから集める」という趣旨の発言をした。
この発言の模様はニュース映像でテレビでもろに放映されたので観た方も多いだろう。「飢餓海峡(水上勉)」、ならぬ「活断層海峡」での話だ。
この副社長様のご発言についてはあえて問題点をここで指摘するまでもない。これが原発の実態、とシンボライズして国民は認識しただろう。恐るべし!このような人材が大企業である電力会社の幹部を務めている。そして全国民に電気料金の値上げを強いている。驚愕だ。
ちなみに副社長のその発言に記者会見場にいたある報道機関の記者がすかさず質問した。
「それは『活断層なし』という結論ありきの調査ではないですか」というふうな質問だったが、
あまりにもあたりまえの質問をした、メディアには珍しいまともな良識を最低限度持ち備えたその記者にはあたりまえのように、この後名誉ある左遷(いや、川越支局への移動か?)の辞令が待っているのだろう。こんな「へたれ日本企業」で、一回しかない人生を完全燃焼してやるぞ!と意気込む若者が一人でもいるのだろうか?
ちなみに記者の質問への副社長閣下のご回答は
「質問の意味がわからない」
だっと思う。日頃からどのような会議が電力会社では行われているのだろう。日本の企業にとって、幹部に倫理や理念を問う前に、地勢、品格、日本語の正しい意味や文法、論理性、対話の仕方、などこれから身に着けなければならないスキルはいっぱいあるのではないか。
Q3. コメントする
まずはやはり賊省、文部科学省と教育委員会の「保身」教育が根源的病根だ。
さて、資本主義では労働者が労働を売る、という行為が基本的構成要素にある。そして労働者は労働すればするほど、賃金からも製品からも社会からも次第に疎外される。そういう必然のベクトルの究極の到達点に、20世紀の前半の繰り返しとして、今人類世界はさしかかっているのではないか。
考えるべきは社会が一労働者、技能者に求めているモノは何なのか?あるいはもうたいしたものは求めていないのか(そういう気がするが)、という問いかけだ。
かつての日本企業は家族的人間関係を構築するなどして労働者に忠誠心を植え付け、労働と忠義の両方を労働者から引き出していたが、やはり日本が裕福すぎて安全で平和すぎるせいだろう、とにかく無理しないでリスクを冒さないで、という思想が総務出身者が管理者にまで出世するヘタレ大会社組織で浸透し、『給料分だけ仕事しよ』という公務員三原則(休まず、遅れず、仕事せず)の仕事ぶりの枠を出ない働きぶりになったのだと思う。仕事を求める会社の方も多くを従業員に求めないようになったこともあると思う。つまり、仕事自体、臨機応変の機転も創意工夫も必要ない、60%の受験者が60%の得点ができるセンター試験の穴埋め問題、と言う課題をそれなりにこなすことしか求められていないのだと思う。
「無理せんでええで」「今まで通りでええやんか」「よそを刺激したらあかんで」「何でもええから仲良うやってやー」こういったふにゃふにゃな職場環境なのである。
労働市場の需要も供給もこんなふうにこじんまりとまとまっているのだろう。
労働とは何か?動労者に何が求められているのか?会社とは何か?会社にとっての労働者とは何か?
皆さんで考えてみましょう!
Q4. コメントする
だいたい上の項目で回答した。
しかしそれにしても設問の「どんな問題」と問うているが、それは誰の視点から見た問題であるのか、不明瞭だ。個人が一回しかない人生をおもしろおかしく、有意義に、しなやかに、かっこよく、人から感謝されて過ごして死んでいくためには自己の修養につきる。
思想、技能、知識、体力、正義感、がまず挙げられる具体的コンテンツだろう。
思想は誰に出会うかだ。
デタラメ、いんちき、犯罪、粉飾、ブラック・カンパニーに就職してしまう若者も多いと思う。
自宅にいると夜中にたまにインチキ会社からリゾート・マンションを節税のために購入しろ、と勧誘する電話をかけてくる若者がいるが、その若者もその類だと想像すると、実に気の毒だと思う。インチキ会社ならそれなりに徹底的に詐欺の王道を教えてあげて、稀代の詐欺師として名が残るまでにしてあげてほしいと思う。
技能とはまず言葉だ。
まず日本語と言う言葉をしっかり話せる能力を身につけるべきだ。
日本語がしっかりできれば英語もドイツ語も中国語も簡単だ。
だが大半の日本人は昨日国会で答弁している役人ども同様に、「伝わらない」という意味で日本語を知らない。
この場合の日本語とは、様々な表現であり、言い回しでもあるが第一は言葉の意味である。
例えばresilienceとcomplianceの意味と違いを(本来ぜんぜん意味は違います)しっかりと説明できるだろうか?これは元来、できない。日本語にない言葉だからだ。言語が示す概念は、現実と一対一対応では本来ないし、その基盤となる概念も常に変化する。説示一物即不中、である。しかし表現しようと試みること、これが言葉である。ちなみに安倍首相はオバマ大統領と何をはなししたのか、どんな表現を英語でしたのか、外務省はあえて全く記録していないらしい。これは全く別の意味で、まさに妙義と言える。
Q5. コメントする
解き放たれた自由な魂をずっと持ち続けて欲しい。アラン・シリトーの「長距離走者の孤独」のテーマだ。
輝かしいオリンピックの英雄になろうが、上司の命令で上司を喜ばせるためだけに生涯を費やすことは敗北だ。監獄に居ようが、自分の精神の闘いを続ける、孤高であり、自由な魂で人生を謳歌してほしい。
I will not cease from mental fight
Nor shall my sword sleep in my hand
である。ちなみにこれはネコの生き方でもある。
それともう一つ具体的にはおっさんらを絶対信用しないことだ。例えばこのコンパスに意見を寄せている私を含めたおっさんどもの意見など全く信用せず、どうせ口から出任せ、自己肯定のための偏見にこり固まった近視眼的戯言、とまず疑って馬鹿にして読んで欲しい。さらに毎回申し上げているが、賊省、文部科学省や教育委員会の「保身」思想を反面教師として、ばりばりリスクを取る生き方をして欲しい。そうやっておもしろおかしく突き進んで欲しい。人生は感動の連続だ。
 
 
岸本裕紀子
エッセイスト,政治コラムニスト
Q2. 「3 - 20年-30年以内」の回答理由
若者、あるいは新入社員は、あえて言えば、3つのパターンに分かれると思います。
この不安定な社会で一つの会社にずっといたい、とする安定志向のタイプが一つ目。おそらくプライベートもどうなるかわからないのに、仕事さえも不安定だと安心できないとする若者です。
二つ目は、今の仕事は仮の場所で、本来の自分を生かせる場所がどこかにあると考えるタイプです。仕事を変わりながら漂流しがちな若者たちですが、案外このタイプは、自分のしたいことが分かっていないことが多いように感じます。
三番目は、今の仕事を次へのステップにしようと考える戦略的に考える若者たちです。外資系に努めるなどの若者がこのタイプです。
これら3つのの要素が混在している若者も多いでしょう。
かつて、私が社会に出たころは、「とにかく頑張る」という、よくいえばまっすぐ、悪く言えば何も考えていない若者が大多数だったと思いますが、今はそのような単純さを持つ若者はあまりいないのかもしれません。
Q3. コメントする
社会でいえば、長引く不況と社会の不安定さ。格差。先の見えなさ。変化の速さ。
企業でいえば、社員を時間をかけて育てていくのではなく、必用な時に必要な戦力がほしいという本音。
若者の労働に対する意識形成は、そういったことと関係があると思います。
Q4. コメントする
日本の労働環境は、変化の過程にあると思います。
日本的雇用があった時代は、企業は社員をゆっくり育て、守ることで社会貢献していました。社員もそれにこたえて一生懸命働いたと思います。大多数の人は仕事を通して、自分の「心の拠り所」「居場所」を持ったのだと思います。
仕事は単にお給料を得る手段ではなく、生き甲斐であり、人間関係であり、人生だったんです。
今はそれがなくなり、「必要な人しかいらない」という企業の本音が前面に出てきています。それは、過酷な競争下にあっては仕方のないことかもしれませんが、そうすると、求められる人材はどこでもほしいとなり、格差がうまれます。
働く側が大変なのは、いつも自分が求められる人材(今の言葉です)になるために、絶えず自分を磨き、スタンバイOKの状態にしておかなければならないことです。
若いうちは、またやる気のある能力的に恵まれた人にとってはそれは楽しいことでしょうが、普通の人が40歳を過ぎてそれをやるのは大変です。
若者の安定志向は、そんなことを見越してのことかもしれません。
Q5. コメントする
若者は、地元が好きです。日本的なことに興味を持っています。料理やインテリアなど衣食住の生活を自分流に組み立てるの才能もあります。
そんな才能を生かして、地方のシャッター商店街などを活性化してほしい。
もちろん、やすやすといろいろな困難を飛び越えて世界に羽ばたく若者もでてきており、彼らのこともすごく応援しています。
 
 
渋谷和宏
作家・経済ジャーナリスト
Q2. 「3 - 20年-30年以内」の回答理由
若者が安定した雇用を望むのは自然なこと。安定した雇用があってこそ高度な技術や知識、豊富な人脈が培われ、高度な技術や知識、人脈は新たな挑戦への動機と勇気を育む。
 未来工業という会社があります。「日本一社員を幸せにする企業」を旗印に掲げ、約800人の従業員は全員正社員、定年が70歳で、しかも60歳以降も年収600万円以上を保証、年間の休日日数は180日で、5年に1度は全額会社負担で海外へ社員旅行に行く、という夢のような処遇を実現している会社です。
 この会社では、容易に推察されるように若年社員の離職は全く問題になっていません。それどころか「素晴らしい未来工業という会社を--その社風を、人事制度を守り抜こう」と社員は若手も含めて創意工夫を発揮して働き、電気設備の部品であるスライドボックスでパナソニック電工をしのぐ国内シエア80%を実現、48年間赤字なし、という優れた業績を維持しています。
 未来工業のような会社は今や日本の企業社会では圧倒的な少数派です。しかし、だからこそ同社の取り組みは、目先の効率追求を優先して正社員の雇用を絞り、リストラを進め、結果として社員のモラールダウンを招き、新市場の開拓に遅れを取ってしまった多くの日本の大企業の問題点を浮き彫りにしています。

 人が安定を望むのはごく自然なことです。とりわけ将来に対して漠とした不安を抱かざるを得ない若者には無理からぬ性行です。そうした若者に対して「若いのに安定志向とは情けない」とか「企業社会が求める起業家的な人材像とは違う」などと批判のつぶてを投げつけるのは酷だし、また年長者としての責任を放棄した態度だと言わざるを得ません。
 安定を望む人には安定した雇用環境を提供できるのが、あり得べき企業社会だと僕は思います。安定した雇用があってこそ高度な技術や知識、豊富な人脈が培われる側面は否定できないからです。そして高度な技術や知識、人脈はいずれ「新たな市場を開拓したい」「そのために必要とあれば独立したい」という新たな挑戦へ動機と勇気を育むでしょう。安定は挑戦の苗床であると言っても過言ではないかもしれません。

 目先の効率追求から長期的な物差しに基づく雇用へと舵を切ること--具体的に言えば正社員としての処遇を前提とした採用活動に戻すこと、それこそが若者に勇気を与え、ひいては日本企業の再生につながるはずだと僕は思います。
 
Q3. コメントする
 問2への回答にも一部書いたとおり、バブル崩壊以降、多くの日本企業が経営効率の改善を目的に正社員の雇用を絞り、リストラを進めてきました。このような企業社会の変化は若者に将来への不安をいっそう募らせ、一方で、一つの会社に正社員として長く務めるというかつての安定的な雇用にいわば希少価値を持たせました。
Q4. コメントを控える
Q5. コメントする
 これからの日本を担う若者たちがどのように働くか、それは年長者である私たちの問題、責任だと考えます。
 
 
渡辺敦美
日経トレンディ編集長
Q2. 「3 - 20年-30年以内」の回答理由
ひとくくりにはいえないが、全体的な傾向として、
働き方は生活バランスをとった働き方。
労働意欲については、やりたいことであればきちんとこなす。やりがいを見出せれば必死でこなす。
仕事の面白さを見出すために一生懸命な姿は、実は昔と同じ。
違いは、幸せの基準が違う。
若い層は、オンオフの使い方が上手で、家族や友人などを大切にする。
むしろかつてに比べて正しい働き方とも言える。

一般的に、若者の消費意欲が低迷ということがいわれているが、実はハイテンションな現代版のギャルがいる。ギャルマインド(パギャル)を研究した結果、「飲み二ケーション大好き」「家族や友人との絆を大切にする」「地元を愛する」「体当たりで生きる」といった傾向を持つ層もいる。パワーを持つ層は確実にいて、彼女らのパワーが企業や社会を活性化する可能性もある。
Q3. コメントする
モノを買わない、クルマやアルコールにも興味ない。だけど社会貢献には動く。
バブル世代と今の若者はまったく価値観が違う。
幸せの基準が違う。今が幸せ、十分であると考える若者が多く、幸せのハードルがかつてに比べて低い。それは、実はかつてが異常であって、堅実に、身の丈にあった生き方、働き方をするという選択肢が
あってもいいと思う。
生まれたときからデフレで、堅実な生活感のなかで育ってきたという社会環境が影響を与えている。
ネットの急激な発展も、効率的な働き方に影響を与えている。
Q4. コメントする
働き方の選択枝を広げる(長年言われていることだが実現しないが)。
重要なのは、それを認める環境をつくること。
Q5. コメントを控える
 
 
浜辺陽一郎
青山学院大学大学院法務研究科(法科大学院) 教授,弁護士
Q2. 「3 - 20年-30年以内」の回答理由
多くの若者の意識が昔と同じように「甘い」ということの意味合いが、昔は大した差をもたらさなかったものが、現代では極めて深刻な意味を持つ。全体としての若者自身の力がそれほど変わっていなくても、厳しい環境であるがゆえに、その弱さを抱える人たちはその問題が顕在化・露呈しやすい社会となっている。
20年以上前と比べて高度情報化社会となって、ITによる情報量が激増し、スピードも早くなったことから、その使いこなし方は若者世代は遥かに進んでいる。

しかし、若者がややもすると勉強不足で社会に流されてしまうような傾向は変わりがない。

昔と大きく変わったのが経済・社会環境。高度成長時代からバブルがあり、景気の循環はあったものの、日本型経営も存在していたかつてと異なり、最近は経済も不調な時代が長く続き、競争が激しくなって日本型経営が揺らいでいる。こうした中で、現代の若者は極めて厳しい環境にさらされている。そこが大きく変わった。

であるがゆえに、多くの若者の意識が昔と同じように「甘い」ということの意味合いが、昔は大した差をもたらさなかったものが、現代では極めて深刻な意味を持つ。勝ち組と負け組のようなことになる。つまり、考えている優秀な者はそれなりに成功できるチャンスをつかむが、そこから落ちこぼれた人たちが大変なことになっている。精神的に弱くなったといわれることがあるが、全体としての若者自身の力がそれほど変わっていなくても、厳しい環境であるがゆえに、その弱さが顕在化・露呈しやすい社会となってしまっている。

すべての人たちが同じ働き方、同じ価値観で進んでいく時代ではないのだが、メジャーな領域が縮小して、多様化した各種の領域で活躍の場があるはずなのだが、その辺りが見えにくく、変革しつつある現代社会は、若者にとっては難しい社会ではなかろうか。いかに各人が自分の居場所を見つけるのかが問われていることが、より尖鋭に問われるようになっている。現代は、セーフティネットを必要とする人が増えたのに、逆にそのセーフティネットが昔よりも貧弱になっているようである。
Q3. コメントする
経済のグローバル化に伴って、世界に目を広げる必要性がかつてよりも高まった。

競争の激化に伴って、各人が競争力をつけることが必要となった。(それにもかかわらず、教育の現場においては、それが十分ではないし、それを評価し、それをサポートし、それを使いこなす態勢もなかなかうまくできていない)

IT革命に伴い、情報に対するリテラシーや分析力、それを踏まえて賢く行動することがより強く求められるようになっている。

法化社会となりつつあることに伴い、労働者としての権利などの法的な知識(リーガルマインド)に疎いままでは、きちんとやっていけなくなっている(ブラック企業などの台頭など)。
Q4. コメントする
若者を大切にする労働環境ができていない。

まずは就活段階。勉学を疎かにして、能力を高めないまま、表面的な就活ばかりやって、未熟なまま社会で働く。専門的な技能と知識が不足したままでは、世界の高度な競争を勝ち抜いていくことは難しい。大学院レベルの向上と実業界との連携が必要。

社会人になってからの組織の在り方。非正規雇用が増大して、労働の使い捨てのようなことになっており、社会人になってから技能や知識を向上させてレベルアップを図ることが難しくなっている。つまり、最終学歴の学校を卒業してから自分のレベルアップを図るチャンスが昔よりも狭くなっている。それなのに、企業頼みの「就社」をしようという人がいまだに多いのは、一体どういうことなのか?

もちろん、社会や企業で成長していく人たちは少なくないし、勉強するチャンスはたくさんある。ネットワークも広げやすくなっている。しかし、それを使いこなす能力や技能がどれだけ身に着けていけるのかは別問題。結局、これは現在のところ、各人の自己責任にゆだねられており、それをサポートする社会的な基盤が不足しているのではないか。

組織の硬直化が、多くの働く人たちをスポイルしている。若者も中年も、高齢者も、経営者が労働者の力をどうマネジメントするかが問題なのに、その舵取りがうまくいっておらず、全体としてガバナンスが低下して、人事に関する技能が低下しているのではないか。

このほか、徒弟制度的な職業承継のシステムが崩壊しているが、業界によっては、そうした職場で若者を生かすことはできないかも検討する余地がある。
Q5. コメントする
自分たちの能力に自信をもって、自分の本当の実力をつけるべく、視野を広げて社会のことを知り、自分の居場所を見つけてほしい。

そのためには専門職大学院などで技能をつけることも一つの有力な選択肢。まずは専門的なマインドとスキルを身に着けて、どのように社会に貢献できるかを考えていけば、おのずと道は開けるはず。

そうした能力を使いこなす組織や制度の改革が求められているが、若者もそうした改革に参加してもらいたい。
 
 
山田昌弘
中央大学教授
Q2. 「3 - 20年-30年以内」の回答理由
いろいろな意味で二極化が進んでいる。
特に、大卒層と非大卒層での格差拡大。
男性と女性の意識の違い。
グローバル化に対する意識の違いなどが生じている
いろいろな意味で二極化が進んでいる。
特に、大卒層と非大卒層での格差拡大。
男性と女性の意識の違い。
グローバル化に対する意識の違いなどが生じている。
つまり、平均で若者を語るのは無意味になっている。

大卒男子は、ここ5年くらいで保守化が進み、とにかく、安定したところに就職し、リスクを取らず、大きな出世も望まない傾向が続いている。
大卒女性は、職場差別や長時間労働にあきれている。とりあえず、正社員就職を目指すが、キャリア志向は本当に一握り、そこそこ共働きをする、収入が安定した男性と結婚してそこそこ主婦になるという意識が一般的。
非大卒層は、そもそも、安定した就職が望めず、親と同居しながら非正規職に就き、そこそこ楽しい生活が送れればよいと思っている。女性は、もちろん、収入がそこそこの男性と結婚できればと思っている。
グローバル化に対応して、一部のやる気のある層が海外を視野に入れたキャリア構想をもっている。
Q3. コメントする
新卒一括採用、終身雇用、年功序列、長時間労働などの正社員の労働慣行が変わらないこと、それに対して、正社員職が少なくなっていること。そこから、特に、非大卒層がはじかれていること。一方で、海外を中心にグローバル化が進行していること。
Q4. コメントする
正社員になったら、長時間労働さえ我慢すれば、安定した収入が得られる、非正社員は定収入で不安定という二つの働き方しかないこと。
新卒一括採用システムの廃止、労働規制緩和、多様性の増大。
女性を活躍させられる労働環境でなければ、日本経済は復活しない。
Q5. コメントする
海外で学び、海外に出て行った若者が、日本に戻ってきて、企業等にカツをいれること。
 
 
稲増龍夫
法政大学教授
Q2. 「3 - 20年-30年以内」の回答理由
私は大学でマスコミを目指す学生のための自主講座を26年間主催してきたが、その経験でいうなら、
「就職は自分探しである」であるという理念がやや解体しつつある気がしている。
団塊世代の頃の「生きるために働く」から、経済成長をへて「自己実現のために働く」へと
パラダイムシフトし、ここ30年はそのトレンドで動いてきたが、目標とすべき「自己」イメージが
多元化=拡散し、「就活」をすればするほど、自分を見失う学生が増えている気がする。
    
Q3. コメントする
曲がりなりにも豊かさが実現し、物質的豊かさの実現が幸せであるという共有規範が喪失し、
価値が多元化したこと。社会科学用語でいう「ポストモダン化」が最大の要因である。
Q4. コメントする
一流大学卒の親の家庭から一流大学への進学者が増加しているのは階層の固定化を促進しており、
由々しき事態である。教育にかかる経済的負担に関しては、奨学金などの充実が望ましいが、
もっとも、単線的な人生サクセスモデル幻想を打ち砕き、多様な進路に見合う富の再分配が
必要である。
その意味で、スポーツや芸能のサクセスモデルは偏差値序列を解体する潜在力を有している。
Q5. コメントする
せっかく「終身雇用」の束縛から解放されつつあるのだから、失業を恐れて「安定」に走るのではなく、
「マイホーム」は、少子化によって子ども世代に相続されていくはずなので、、
そこをゴールとしてではなく、スタート地点と考えて、人生設計をしてほしい。
 
 
深澤真紀
企画会社タクト・プランニング代表取締役
Q2. 「3 - 20年-30年以内」の回答理由
 1990年入社というバブル世代ではあったが、「私たちの就職手帖」という女子学生のミニコミ誌の編集をして、いろいろな現実を先に見ていたために、当時は周囲の浮かれた就職感に違和感を感じていた。
 今の学生はバブル世代に比べて、就職できるかどうかについての悲壮感を抱えながらも、就職について真剣に考えている。
Q3. コメントする
私が名付けた草食男子などの影響で、若い世代は「草食で内向き」などと言われがちであり、彼らもそれを真に受けてしまっている(そもそも草食男子はいい意味で名付けている)。
 しかし実際には、今の若者は海外や社会貢献に目を向け、リテラシーも高い。
 そんな彼らを否定する風潮は、彼ら自身のやる気も失い、ひいては社会にとっても活力をなくす結果になっていて、いいことなどなにもない。若者を認め、チャンスを与えることだ。
Q4. コメントする
若者に正規雇用のチャンスを与えないことはもちろん、一度正規雇用から外れるとなかなかもとに戻れないこと、出産や子育て、介護や自分自身の闘病などを経た後に、雇用の道が少ないことなど、弾力性が少なすぎる。
さまざまな人生経験があるからこそ、それを生かす雇用の道があるべきだ。
Q5. コメントする
まじめな若者が多いが、社会でチャンスをつかむためには、
「こびを売ったり」「えこひいきしてもらう」ことも必要悪であると伝えたい。
 また、具体性のないグローバル志向ではなく、まずは日本のことや自分の地元など、
自分の足下を知ることからはじめてほしい。
 
 
松田千恵子
首都大学東京教授/マトリックス株式会社代表
Q2. 「3 - 20年-30年以内」の回答理由
本質的な労働への意識については、それほど違っているように思えない。

一方で、①社会や会社に対する捉え方が、基本的に「安心(悪く言えば寄らば大樹)」から

「不安(どこにいても“ここでいいのか”“大丈夫なのか”と感じる)」になっているようにみえる、

②インプット、アウトプットともにデジタル化している(悪く言えば、コマンドを正しく打ち込まないと

必要な動きをしない、良く言えば、目的と手順を正しく示してやれば非常に素直に働く)、

③(②とも関連するが)目に見えるもの、形になっているものの背景についてじっくり考えるという

ことが少ない(そういった機会や余裕がない)ようにみえる
Q3. コメントする
上記①②③についていえば、「戦後成功した社会・会社モデルの盤石さの崩壊」
「個性を重視と言いながら、実は単なる放任で、社会で生きていくための”型“を教えない
(ゆえに“型破り”ができない)教育の劣化」などの影響は大きいように思う
Q4. コメントする
既に崩壊している昔の会社モデルを何とか通用させようと、法律や規制を変えたり強めたり
といった対症療法ばかり行い、却って事態を悪化させていること。
新卒採用にしても、派遣問題にしても、皆同じであり、結局法律を悪用したブラック企業の増加と、
コンプライアンスという名の無意味な負担増加に企業も労働者も苦しめられる結果になっている。

抜本的な労働法制の変革が必要。
また、コンプライアンスとは法令順守ではなく、本来は
「神と自分の心に照らして正しいのか」だということを理解することも必要
(“神”なので日本では難しいのだが)。
働き方に関するもう少し具体的なアイデアとしては、

①終身雇用正社員制度などやめて、全員有期雇用にしたほうがよほどすっきりする
(ゆえに企業と労働者の間の契約についてより明確かつ両者が意識できるものにする)

②終身雇用や年功序列といった古い制度の残滓のような会社における「不文律」を撤廃する
(例えば、出戻りの実質禁止、異動あるいは異動させないことへの無条件の受け入れ、
中途採用のセカンドシチズン化、などなど、明文化されていないのに死守されていて、
それが弊害になっている事例のなんと多いことか)、

③魚は頭から腐るので、トップマネジメントへの実質的なガバナンスの強化
(ハコモノや形式ではない)。
最重要なのは、トップの指名と報酬の透明化。
Q5. コメントする
「今の若者は内向きだ、受け身だ」という否定論が多いが、あまりそう思わない。
今の中高年が若者だった頃よりよっぽど勉強しているし、色々考えている。
ただ、どのようにそれを表していいのかわからないこと、初等・中等教育段階で
強制されることにより初めて身に付く社会で生きていくための基本的な”型“が
身に付いていない人がいること(これは本当に気の毒に思う)、日本社会の
受け入れキャパシティの側も偏狭になっていること、がそうした見方を呼ぶのだろう。

そうした状況を打破するために、若者側ができることとして、
「これまでの常識や慣習にとらわれないで自分の頭で考え抜いて正しいと思ったら実行する」、
「働くフィールドは全世界にあると思う」、「(確かに昔は楽な時代もあったかもしれないが、)
現在は世界の同世代を相手に自分の頭と心で人生を切り開く大変な時代なのだということに
ついては腹を括る」ことは結構重要なのではないか。
別に若者に限らないが。
 
 
飯塚正人
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授
Q2. 「3 - 20年-30年以内」の回答理由
昨今の若者は就職活動で厳しい現実に直面し、多くが自信を失っているうえ、周りに比べれば無事就職できた自分は恵まれているという意識も手伝って、著しい安定志向にあるようだ。だが、いったん入社してしまえば、自信を取り戻すきっかけがないわけではなく、同じ若者が入社数年後に転職や起業を考える可能性もあるだろう。
 昔も今も、学生が就職活動を始める時点で自分なりの夢や希望を持っていることに変わりはあるまいが、昨今は正社員として就職すること自体、非常に難しくなってしまったがために、昔と比べても就職活動の過程で、本当に大きな挫折を味わわされることが多く、結果として希望の業種や職種でなくとも、とにかく正社員として就職できたら御の字、自分を多少なりとも評価して採用してくれた会社に一生勤めようという若者が増えている印象はある。
 特に、入社間もない段階では、大半の新入社員が就職活動で味わった挫折感を多かれ少なかれ拭いきれておらず、自分に自信を失っているうえ、いまだ就職の見通しも立たない大学時代の仲間や、就職はしたもののしばらくしてリストラにあった先輩や旧友だって珍しくはないので、「周りに比べれば、無事就職できた自分は恵まれている」という意識が若者を安定志向にさせていると見るべきだろう。
 昔は今より就職するのが難しくなかったぶん、就職活動で挫折して本当に深刻な自信喪失に陥ることも稀であり、あとで考えれば身の程知らずだったのかもしれないが、入社の時点で将来の転職や独立起業の可能性を視野に入れている新入社員がそれなりの数、存在していた。しかし、いまの若者は就職活動を通して現実の厳しさを思い知らされており、そのぶん現実的で、転職や独立起業にバラ色の夢を見るよりも、リスクを感じ取ってしまう冷静さがあるのだろう。
 とはいえ、実際に会社に入ってしまえば、そこには必ずしも有能には見えない上司もいるわけで、入社当初は自信を失っていた若者が自信を取り戻し、数年後には転職や起業を考える可能性も低くないのではないかと思う。
Q3. コメントする
 2004年の労働者派遣法改正により製造業への派遣業務の拡大が認められた結果、また定年延長と継続雇用制度の導入にともない、若者が正社員として就職すること自体、非常に難しくなってしまったという、わが国労働市場の変化が、昨今の若者の安定志向につながっていることは疑う余地がないだろう。就職活動がうまく行かずに留年する場合でも、昔は希望の業種・職種ではないから捲土重来を期すという余裕があったけれども、いまはあらゆる業種・職種から採用通知が届かず、留年を余儀なくされるケースが大半である。昨今の就職戦線は以前とは比べ物にならないほど厳しく、現実の厳しさを思い知らされた若者が安定志向に傾くのは当然と言える。
 日本生産性本部による『新入社員 春の意識調査』で、「今の会社に一生勤める」と答えた新入社員と「きっかけ、チャンスが有れば、転職しても良い」と答えた新入社員の比率が2005年に初めて逆転し、2006年の拮抗を経て、2007年以降「今の会社に一生勤める」と答える安定志向の新入社員が圧倒的に優勢になっていることも、このあたりの相関関係を反映しているのではないかと思われる。
Q4. コメントする
 産業の国際競争力を高めるためには人件費を抑制せざるを得ず、正規雇用の減少には仕方がない面もあるものの、正規雇用の減少が若者を直撃する形になっていることが大問題。若者の多くが正社員として安定した生活を送ることができず、将来設計もできない、夢も抱けないような国に未来はない。
 この問題を解決する方策は結局のところ、現在正規雇用されている労働者の賃金を大幅にカットして、そのぶん労働時間等も削減し、代わりに正規雇用者の総数を増やすこと以外にないように思われる。
 もちろん正社員も、今ですら十分な収入を得ているわけではなく、生活は楽ではないため、当然大きな抵抗が予想される、文字どおり苦渋の選択ではあるものの、天然資源に恵まれず、国外市場への輸出に依存せざるを得ない(そうしなければ、本来それほど豊かな国であるわけがない)わが国の場合、いま相対的には恵まれている正規雇用の労働者が生活水準の低下を甘んじて受け入れ、若者が未来に夢を抱ける社会を作って行かないかぎり、将来への長期的な展望は開けないのではあるまいか?
Q5. コメントする
日本国内でふつうに教育を受けてきた日本人の若者にとっては決して楽ではない茨の道に違いないが、国内にこだわらず、広く海外に活躍の場所を求めて欲しい。すでに日本の国内市場に多くを期待することはできず、人件費も抑制され続けることは間違いないので、よほど高い能力を持ち、運にも恵まれなければ、多額の報酬を得て、高水準の暮らしなどできないだろうが、世界にはこれからいよいよ高度経済成長期に入ろうという国がたくさんある。外国市場への輸出に頼らざるを得ない日本の未来も、そうした国々と密接に関係してくるに違いなく、中国・韓国をはじめライバルは多いが、外国の同世代の人々に劣らない活躍を望む。
 
 
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4. 30年以上

坂野尚子
株式会社ノンストレス社長
Q2. 「4 - 30年以上」の回答理由
一番当時と違うのは、就活であり、就職であっても、就社という意識が男女とも少なくなってきたということだろう。勿論、終身雇用を良しとする新卒が増えたという統計はあるが、これは、終身雇用が前提であった時代から、リストラ、転職バブルなどの時代を経て築かれた意識の裏返しや一端であり、構造的に終身雇用を歓迎しているとは思えない。

30年前の女性の就職は氷河期という言葉もないほどの悲惨な状況であった。大卒女子の就職口は極端に少なく、短大卒の資格で今の一般職を狙い企業を廻った友人がいたほどだ。それに比較すれば、女性でも現在は就職の際、また、能力があれば、与えられる仕事の質は改善されているとは思う。

一方、当時の花形会社がその後30年を絶ちどういう変遷を辿ったかと言えば、千差万別。時代を10年単位で見ていても、就職時花形である業界が必ずしも生涯を通して花形であるとは言えまい。先を見る能力が必要ということだ。
Q3. コメントする
不安定な時代である。デフレが20年続き、右肩上がりの成長が期待できなかった時代。しかしながら、一方、自分の能力次第で、起業もできる、転職もできる、自由な選択ができる時代になったとも言える。大昔、所得格差はアメリカンドリームに夢を持った若者から見れば、一つの夢、幸せなシナリオを描くことができた。その後所得格差を否定し、皆で経済的に沈没する体制を許容するかのようなカルチャーが浸透したのが今の若者に影響を与えているとすれば残念だ。努力すれば報われる、そんな価値観、自由に職業を選べる自己責任の世の中であることをしっかり認識して、自分の足で歩いてほしい。
Q4. コメントする
少なくとも、以前は会社の人事の異動命令で何かの専門家になるより、ジェネラリストとして育てられていた。しかし、今は職種を選び、極めていけることもできるようになった。市場価値を考え、自分のスキルを磨く、一方、ワークライフバランスを意識し、生産性をあげた仕事の仕方を学んでいければ、男女が切磋琢磨しながら、経済を活性化していきながら、自らのクオリティオブライフもあげていける人生となるのではないだろうか。
Q5. コメントする
自分のやりたいことにこだわってほしい。とことん突き進めるものを見つけよう。
 
 
山村武彦
防災システム研究所所長
Q2. 「4 - 30年以上」の回答理由
素晴らしい若者もたくさんいます。それは「志」と「立ち位置」が明確になっている人たちです。
私が志(安全な社会への貢献)を持つ契機となったのは新潟地震(1964年)に遭遇してからです。21歳で、社会の仕組みがすべて見えていたわけでもなく先の見通しも甘いものでした。たくさんの失敗や挫折もありましたが、志と進む方向が間違っていない限り歩き続けようと思い今日までやってきました。若者たちも自身が仕事や就職先を決める時に抱いた熱い志をもう一度見つめなおしてほしいと思います。
大切なのは立ち位置です。社会における立ち位置、会社の中での立ち位置。未熟であってもその立ち位置が明確であれば、生きがいを感じる毎日があり向上心も生まれます。時にスキルアップのため、いったん立ち止まり異なる現場を見、経験を積むことも大切です。そうした頼もしい若者も一部で見受けられますが、多くは目指す方向を見失っているように思われます。
Q3. コメントする
今の会社にずっと勤めたいと考える若者が増えた背景には、東日本大震災の悲惨な津波災害や原発事故が影響していると思います。社会が不安定であり将来に不安を感じたとき、人は安定、安心を求めるものです。今後、「アベノミクス」などが具体的に進み経済が好転して行く見通しが立てば、また異なる意識が生まれると思います。
Q4. コメントする
少し遠回りしても、若いうちに多くの経験を積むことが大切。
Q5. コメントする
自分が社会に貢献できることは何か、高い志を持ってほしい。必要とされる立ち位置で生き生きと働いてほしい。
 
 
本田宏
医療制度研究会副理事長
Q2. 「4 - 30年以上」の回答理由
 若手医師は労基法無視で働いて家族を顧みる余裕もないのが当然と考えてきた私たちの世代と異なり、ワークライフバランスを考えて勤務する科や施設・地域を選択する人が確実に増加している。担当医が過重労働で心身ともに余裕がなくては、良質で安全な医療を提供することは困難。医療全体のためには良い傾向と考える。
 勤務医の世界で若手医師を見ると、労基法無視で働いて家族を顧みる余裕もないのが当然と考えてきた私たちの世代と異なり、ワークライフバランスを考えて勤務する科や施設・地域を選択する人が確実に増加している。担当医が過重労働で心身ともに余裕がなくては、良質で安全な医療を提供することは困難。医療全体のためには良い傾向と考える。
Q3. コメントする
 日本はグローバル化の波に巻き込まれているが、教育は相変わらず個人の能力を最大限に伸ばすことよりも偏差値最優先、目上の指示に従う人材を大量生産する視点から脱皮できていない。
 しかもシロアリ退治を訴えて戦後初の政権交代を果たした政党は、証拠捏造裁判であっけなく崩れ去り、その背景には明治の渋沢栄一が嘆いた官僚主導政治があることを、懸命な国民はしっかり認識している。
 グローバル化とは名ばかりで、官尊民卑の官僚主導政治と、社会貢献意識の乏しい経済界等の既得権益者、さらに米国追従の政治家が力を発揮する日本の現実を見た若者が、公務員等の既得権益側の安定した職業を選択したがるのは当然だ。
 大手メディアも既得権益側に追従する傾向が強く、「物言えば唇寂し」「寄らば大樹の陰」が国内で横行していては、真に世界で活躍できる人物が国内ではスポイルされ国外に流出してしまう危険性が高い。
Q4. コメントする
 「原発村」に代表される、政官業学&メディア等の強固な既得権益者が、金の流れ(税金の使途)を決めている限り、それらに迎合していかなければ日本ではより良い生活を送ることは困難となってします。
 真にグローバル化に対応できる人材を育てたいのならば、「年次・席次」(大学をいつ何番で卒業したか)で一生が決まるような旧態然とした体制の制度改革が一丁目一番地だ。
Q5. コメントする
 日本人も実力がある若者が世界で活躍する可能性は残されている。しがらみばかりの日本でとらわれず、世界で活躍して外国から日本を変える力になっていほしい。
 
 
有馬晴海
政治評論家
Q2. 「4 - 30年以上」の回答理由
初任給、団塊の世代の2万円、私の頃が約30年で14万円、現在が20万円ということは、
われわれの頃は10年で7倍、今は30年で1、4倍?。
国内的には頭打ちだが、世界的にみると高止まりの水準。

1ドル360円が今や80円。
そのまま4倍の力になったとは言わないが、マック価格でも107円くらいが妥当といわれるが、
それでも日本の労賃は世界水準から考えれば。

世界がボーダレスになって日本も均され、安い賃金に労働力が流れていった。

新卒者は生涯一企業も、転職組が増え、職業も多様化された。
ITのような新しい業種も増え、目移りしている部分もある。

労賃が高いから、諸外国に労働力が流出し、産業の空洞化。
Q3. コメントする
本当にやりたい仕事を見つける前に、「取り合えず」という感覚。
今年のロート製薬の採用では、取りあえずの人はいらないということが謳われているようだが、
何をしていいのか、よくわからない人がいいようだ。皆が羨ましがる会社に行くという感覚の人が多いようだ。
ナンバーワンよりオンリーワンがいいという事に気づかない。皆の価値観が一緒。
Q4. コメントする
他人より名にが得意なのかを小さい時に見極める。
松井選手は野球、石川遼選手はゴルフで総理大臣より稼ぐ。
それぞれの道はある。だが、大人になるまでに中々こうなりたいと思える準備ができていない。

転職にしても、もっと最チャレンジできる時間が必要。
今は嫌で辞めるという感じ。
これを見つけた、トライしたいという思いの時期があってもいいが、社会の仕組みがそうではない。
Q5. コメントする
若者より司会の仕組みを変える。企業の意識の改革。
でも長年みてきているが、大企業は保守的だから。難しい問題が立ちはだかっている。

・有馬も転職組。自由業を選択してご飯くらいは食べれる。
 雇う側がどんな人物を雇いたがるか、大人になってみるとわかってくる。
 議員秘書に就職希望とか、議員がいい秘書を求めるとかも現実に目の当たりにする。
 転職ではなく天職になるべく就けるよう。
 でも全ての人が天職に就けるわけでもない。
 天職と思えるかどうか。
 所詮この程度の人間という部分も持ちあわせていないと不幸になる。
 
 
潮匡人
国際安全保障学者,拓殖大学客員教授
Q2. 「4 - 30年以上」の回答理由
仕事に何らかのやりがいを求める点では同じだが、昭和世代と比べ、様々な点でアグレシッブでないと感じる。
Q3. コメントする
バブル崩壊以降の長引く不況や有名企業の統廃合などが、若者の安定志向を生んだ。加えて、年金制度への不信や、いわゆるセイフティーネットの未整備が、若者世代から積極性を奪っている。
Q4. コメントする
いまだに終身雇用や年功序列が根強いことが最大の問題。日本社会の閉鎖性が若者から夢を奪っている。アメリカ式の「回転ドア社会」とは対照的だ。最低でも、第一次安倍政権が掲げた「再チャレンジできる社会」へ向けた取り組みが必要。総理自身が再チャレンジに成功した今こそ、そのチャンスでは。
Q5. コメントする
失敗を恐れず、挑戦すること。若者までがリスクをとらなくなったら、そのような社会に、もはや明日への希望はない。
 
 
マリヨン・ロバートソン
都市開発会社Metplan社Chairman and CEO
Q2. 「4 - 30年以上」の回答理由
極めて日本的な質問。 「仕事に就かれてからの年数は」の意図するのは今の会社に務めて何年か、と推測する。就業してからは30年以上だが、就社という基準にはあてはまらない。米国では、大卒等の高学歴者は会社に就職するのでなく、業界に就業するという意識が強い。
Q3. コメントする
早期退職や不況による解雇は、経済成長期、特に60年代から80年代後半までは少なかった。バブル崩壊後は当たり前のように、会社の業績に合わせ雇用の増加や削減が行われており、雇用する側の変遷は、我が社に限って失職することはないという、それまでの労働者の意識を変えた。最近、雇用される若者は、ある意味、安心し切っていないのでは無いだろうか。
Q4. コメントする
前述したように、一定の業種、あるいは、専門分野に就業する事が必要では。会社選びにおいて、新卒の学生が、銀行、商社、生産業などなどと全く異なる業種に志願するのを目のあたりにする、会社選びが優先であり、業種は問わない就社に執着するのはいただけない。同業界の中で、雇用にもっと流動性を持たせられないだろうか。例えばシティバンクに入った者が、同業他社チェイス銀行に移籍するのは、本人にも、会社にとっても、時には良いことだ。住友三井から、みずほ銀行、はたまた三菱東京に鞍替えした、というのは聞いたことはないが、外資系銀行に転籍したということは耳にする。同業であれば内外を問うのはおかしい。
Q5. コメントする
学生時に明確な将来図は描けないだろうが、少なくとも自分の向いている職業、職種を考えることは大事だ。
 
 
鈴木豊
青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科教授・公認会計士
Q2. 「4 - 30年以上」の回答理由
同じなのは、自分がつきたいと思う仕事に対して何らかの準備をし、自分がつきたいと思う仕事に対して自ら考えること。違うのは、つきたい仕事の迷いの幅が大きいこと。つきたい仕事について周囲、特に家族からのプレッシャーが強いこと。
同じ点
①自分がつきたいと思う仕事に対して何らかの準備をすること。
②自分がつきたいと思う仕事に対して自ら考えること。
③つきたい仕事につける割合は必ずしも高くないこと。
違う点
①つきたい仕事の迷いの幅が大きいこと。
②つきたい仕事について周囲、特に家族からのプレッシャーが強いこと。
③つきたい仕事につける割合は、努力次第で高くなること。
Q3. コメントする
①大人の仕事に対する価値観が確信を持っているように見えないこと。
②大人の仕事に対する熱意と緊張感があるように見えないと感じていること。
③社会に対して不安や安定性に欠けると感じていること。
④上司、先輩の指導に対する安心感が揺らいでいること。
⑤会社等の確固たる自立性について疑問を抱いていること。
⑥会社等の組織の方向性に安心感が得られていないこと。
⑦経済・政治等のマクロ社会への不信感が芽生えること。
Q4. コメントする
①自らの仕事に対して確信が持てるような教育を行うこと。
②選択した職業に対して保持すべきマインドの教育環境を作ること。
③企業においても①②の実践的研修システムを構築すること。
④経営者・先輩は、後輩・部下を導くというマインドを持つ。
⑤過度な競争意識を持たせるべきではないこと。
Q5. コメントする
①自分のマインドの価値を高めるための努力の方向を見出すこと。
②いったん選択した仕事は継続することに集中すること。
③選択した仕事の質を高める専門性を自ら獲得すべく頑張ってみること。
④選択した仕事は天職、これ以外に無いと感ずるまで頑張ってみること。
⑤働いた結果を自らその合理性を客観的に評価すること(難しいが)。
 
 
武貞秀士
拓殖大学大学院特任教授
Q2. 「4 - 30年以上」の回答理由
社会人としてどう働くかは、学生時代の過ごし方で決まる。自分が決めた仕事は、10年間は辛抱して続けよう
自分は国家公務員として36年間勤務して退職した。その経験をもとに、いまの若者の意識についてコメントすると---
自分の若いころは、勤務先を変えること、職種を変えることは、多くなかった。転職した同期生を見ると、「何が起きたのだろうか」と思った。「これからが大変かだろうな」と思ったものだ。しかし、最近は簡単に職種を変えたり、会社を変わったりする例が増えていると思う。これは、良くいえば自分の適性を考えて、積極的によりよい環境を選択したいという若者が増えているということなのだろう。悪くいえば、最初の就職のときに、しっかりとした考えがなく、準備不足のまま、最初の会社に就職してしまったので、会社を変わる、職種を変える必要が生じてしまったということではないだろうか。
しかし、意識調査の結果では、若者は「同じ企業に長く努めたい」と思っている。『第6回 勤労生活に関する調査』(2012)では、 「一つの企業に長く勤め、管理的な地位や専門家になるキャリアを望む」と答えた20代は、調査開始以来、最高の51.1%にのぼり、また、日本生産性本部による『新入社員 春の意識調査』(2012)では、「今の会社に一生勤める」と答えた昨春入社の新入社員は、調査開始以来、最高の60.1%という結果がでていたそうだ。これは、どう理解すればよいだろうか。
ひとつの企業に長く勤めたいという若者が増えたということは、結構なことだと思う。ただし、自分の適性は何か。どのように社会に貢献できるかを検討する若者が増えた結果なのだろうか。そうであれば幸いだが、「失業したくない」「職探しで苦労したくない」「再就職して給料を減額されるのはイヤだ」という「苦労を回避したい」という風潮を反映しているにすぎないのではないか。
最近は海外留学を希望する若者が減っている。企業でも海外勤務を拒否する社員が増えているという。自分の大学と履修単位を交換している外国の大学に一年でも在籍してみたいという学生の数が減っている。苦労して異文化を体験したり、外国のキャンパスで外国の友人を作ったりするよりも、日本で安定した生活を楽しみたいという若者が増えているそうだ。その傾向は、会社で苦労したくないという若者の職業観と共通のものがあると思う。昔は海外勤務、留学というと、羨ましいといわれたものだ。いまは違う。海外勤務や留学を経験することは、自分を磨くことになるのに、忌避する傾向があるということになる。海外での生活で語学力が向上し、視野が広くなり、異なる価値観に触れることになり、海外での人的ネットワークが拡がる。その機会を失ってしまうのは惜しい。
会社にはいり、自分を磨きながら、大学時代にしっかりと勉強した経験を生かして、10年は現在の組織で努力するという心構えが大事だと思う。そのためにも大学では、自分が一生を捧げる仕事は何なのかを十分に考える時間を持ちたい。大学で勉強を積み重ねて、その延長上に職業選択があるはずだ。大学2年生くらいから就職先を考え始めると、自分が生涯かけて追求する目標を定めることができないまま、会社での生活が始まってしまう。「有名な会社だから」「厚生施設が豊富だから」「早く退勤できるから」などで就職先を決めてしまうと、後で後悔することになる。
Q3. コメントする
 1980年代以降、日本社会にどのような変化が起きたか。生活が便利になり、都会で世界の美味しい食事を楽しむことができるようになった。ローマよりも東京で食べるスパゲッティーのほうが美味しい。北京の中華料理よりも日本で食べる中華料理のほうが日本人の口にあう。また、祝日が増えて、労働時間が短縮され、レジャーに使える時間が多くなった。会社の人事関連では能力があるものは抜擢するというシステムが浸透してきた。自分の能力に自信があるものは、より高い収入を求めて、会社を移る。その人は羨望のまとになる。人生のやり直しをしたいと思う人に対しては社会は寛容になった。以前よりはチャンスを多く与える社会になっていると思う。
このような社会の変化は、若者の労働意識に影響を与えた。会社をかわること、職種を変えることに抵抗感のない若者の数は、以前よりは増えている。それと同時に、社会が豊かになったのでいつ会社をやめても次の会社が見つかるという考える若者が増えた。しかし、日本経済が1991年以降、「失われた20年」を経験し、会社の経営が厳しくなってきた。円高が続いて、ますます企業に余裕がなくなってきた。実際は簡単に再就職できるという環境ではなくなり、再就職しても条件が悪くなるということが普通になってきた。そして今度は若者は、同じ企業に長く勤めたいと思うようになったということではないだろうか。
Q4. コメントする
 第一に、日本の企業は、毎日、職場に拘束する時間は長いけれども、実際の労働時間は、先進国の中で、それほど多くはないのではないか。諸外国と比べると、毎朝、日本の官庁、会社では仕事を始める時間は早くない。しかし、夕方の残業時間が長い。米国のワシントンの中心街では、朝8時からオフィスで仕事を始めているビルがホテルの窓から見える。韓国ソウルでは、朝6時すぎになると、郊外からソウルの中心街に向かう地下鉄は座る席がないくらい通勤客で混雑している。そのため郊外からソウル中心部に向かう「郊外バス」すなわち、通勤用の座席つき高速バスは常に満員だ。それでも郊外バスは通勤客を乗せるために、ソウル近郊では、急ブレーキ、急ハンドルで110キロのスピードで疾走するにもかかわらず、「立ち席・高速バス」(もちろんシートベルトなし)という状態で運転している。これでは毎日、ジェットコースターに乗るのと同じだ。もちろん法律違反だ。そのバスに乗ることは耐えられないので、2月、私はソウル市内に引っ越しをした。郊外からソウル市内へと移動する韓国のサラリーマンは、朝の始業時間も早い。そして、退勤時間をしっかりと守っているので、夕方は早めに混雑が始まる。日本人の働き方として、いまよりも朝早く仕事を初めて、コンパクトに中身の濃い仕事をして、早めに退勤することにしたら良い。残業を減らせば会社の電力消費量も減る。
第二に、日本では、会社の上司と部下、同僚同士での飲み会がある。これに参加しないと職場での立場に影響する。「つきあいの悪いやつ」という噂が広がる。自分は管理職になったとき、「勤務時間が終われば、あとは拘束しない」「つきあいのための飲み会は開催しない」と宣言して、職場で嫌われた。つきあいが悪い管理職というわけだ。
しかし、会社での仕事が終われば、自分の意思に反して職場の仲間との飲み会にゆく必要はないと思う。つきあいをしたいとと思うもの同士で、飲み会をすればよい。もちろん職種にもよるだろうが。すでに企業では実行していることだが、会社の人事評価は「人づきあいがうまい」ということを重視するのではなく、実績重視、能力重視で評価する。仲間と飲み歩くよりも、語学学校に通って新しい語学を身につけるほうが、自分にとって有利ではないか。個人が自分をみがくこと、他の人が持っていない能力を身につけること、それは組織にとっても外国企業との競争に打ち勝つために必要なことだ。
Q5. コメントする
 学生時代は、高校時代、大学時代を問わず、死に物狂いで勉強したい。基本的な教科書を熟読し、歴史書、古典小説を乱読し、語学力を磨く。スポーツにも親しむ。旅行をして、新しいものに触れる。海外の大学にでかけるのも良い。そして、自分はどんな仕事に向いているのかと考え、自分の適性を見極める。それから職業を絞り込む。企業か日本政府か国際機関かを絞る。あるいは、弁護士、会計士の試験に挑戦するか、医学部に入り直して勉強するかを決める。学生時代にあらゆる可能性を検討してみるのである。
そして、社会人になったあとは、辛抱強く努力を重ねる。「石の上にも3年」というが、1、2年で会社をやめて会社の悪口を言ってはいけない。また働きながら一度は外国での生活を経験してみるべし。そして、少なくとも5年間、できれば10年間は、自分が慎重に選んだ職業で頑張れ。本当に仕事の面白さがわかるまでには時間がかかる。面白さがわかる前に職場を転々とすると、自分が損をしてしまう。
 
 
長田渚左
スポーツジャーナリスト
Q2. 「4 - 30年以上」の回答理由
大学を出てから私自身、就職したことは一度もありませんので、ややレアケースなので、コメントは控えます。
Q3. コメントを控える
Q4. コメントを控える
Q5. コメントを控える
 
 
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