2011年09月05日 知りたがり!で放送
政治・政策

野田新内閣の顔ぶれと政策課題への対応

野田佳彦新首相は、9月2日午後、民主、国民新両党による
野田連立内閣を発足させました。
『期待』と『懸念』からの船出ー野田新内閣

オピニオンリーダーへの問いかけ

※コンパスで掲載された全ての意見・回答は各氏個人の意見であり、各氏所属の団体・組織の意見・方針ではありません。
Q1:野田新内閣の顔ぶれを、どのように考えますか?
Q2:1の設問について、回答の理由など、ご意見をお聞かせ下さい。
Q3:野田新内閣には、震災復興、原発事故対応、財政再建など従来の政権と比較しても、 難題と言える政策課題が山積しています。新内閣はこれらの政策課題に充分対応することはできるでしょうか。
ご意見をコメント欄にご記入ください。
回答の要点
大手新聞各社の世論調査では、60%を超える支持率を得た野田新内閣ですが、
コンパス・オピニオンリーダーによる捉え方は、世論調査よりも若干ですがシビアであるようです。

野田新内閣の顔ぶれへの期待を問う設問に対し、
「期待できる」、「期待できる」は回答の約半数に達しました。
その理由としては、人事手腕に対する評価、これまで合意のなかった政策課題への
合意形成の基盤が整ったことなどが挙げられています。

「あまり期待できない」「期待できない」という回答では、党内融和を求めることが
政策の方向性が分裂することに繋がるという指摘のほか、顔ぶれに実力を計れないこと、
権力基盤と命令系統が一元化できない仕組みについての懸念が言及されています。

「そのほか」を選択した回答には、与党として足を引っ張りにくい国政運営や若手の
閣僚への期待のほか、自民党の政権との差がほぼなくなったという指摘も寄せられています。

野田新内閣は大きな期待を受けながら、同時に幾つかの懸念も抱えているようです。
これからの取り組みと成果を継続的に注視してゆくことが求められます。
オピニオンリーダーのみなさんの回答をご覧ください。
あなたのご意見も〈コメントを投稿する〉からご投稿ください。

オピニオンリーダーの回答

( 31件 )
  コメントを投稿する

1. (新内閣の顔ぶれに)期待できる

竹中治堅
政策研究大学院大学教授
Q2. 「1 - (新内閣の顔ぶれに)期待できる」の回答理由
17人の閣僚枠で環境大臣と原子力事故対応大臣の兼任、国家戦略担当大臣と経済財政担当大臣の兼任など効率的人事を行ったこと。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
十分対応できるかどうかはまだわからない。政策課題ははっきりしているので、実直に取り組んでいくほかはない。一つだけ注文をつけるなら、これまでのように政策課題毎に会議を乱立させるのは避けるべきで、包括的会議を設置するべきである。
 
 
小幡績
慶應義塾大学ビジネススクール准教授
Q2. 「1 - (新内閣の顔ぶれに)期待できる」の回答理由
奇をてらわない人事。人材不足のような気もするが、これが日本の政治の現状。今のメンバーでやるしかない。
財務、外務は心配。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
対応できない。しかし、やるしかない。失敗もするだろうが、とにかくやれることをやって前に進むしかない。
 
 
山田昌弘
中央大学教授
Q2. 「1 - (新内閣の顔ぶれに)期待できる」の回答理由
女性二人や若い人を多く起用している点はたいへん評価できる。これからの日本で、女性や若者に活躍してほしい、かれらの意見を聞くというメッセージになると思う。小宮山さんや古川さんなど、長期的に今後の日本の姿を考えることができる人が入閣したのもうれしい。利益団体のバックがある人が少ないようにみえるのも好感がもてる。外交、防衛に関しては未知数だが、期待度は高い。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
グローバル化、少子高齢化、非正規雇用の増大、家族形態の多様化など、日本社会の基盤が大きく変化している。その変化に対応する新たな制度的枠組み(社会保障、経済システム、雇用制度など)が求められている。とにかく、長期的な見通しをもって、制度変更の下地を整備してほしい。粘り強く反対派を説得しながら、構想を作り実現してほしい。対応可能かと言うよりも、期待です。
 
 
南淵明宏
医療法人社団 冠心会 大崎病院 東京ハートセンター  心臓外科医
Q2. 「1 - (新内閣の顔ぶれに)期待できる」の回答理由
国民は期待するしかない。一人の副大臣がそのまま大臣に昇格なされ奉りあそばされた点は理にかなっているように思える。それにしても大臣ポストはそれぞれの究極のスペシャリティの問われる仕事ではないだろうか?しかも一国の運命が背負わされている。私はしがない心臓外科医だが、「明日から脳外科やってね」などと言われても無理だ。大臣になる人は本当にエラーイ人なのだな、とつくずく思う。それとも所詮大臣など誰かが言うように、遊園地の「お猿の電車」のお猿さんなのだろうか。
それにしても外務大臣ぐらいから「ガイジン」を起用する事を始めてはどうだろうか?「今の日本って人材いないよなぁー」という感想は閣僚の皆さんも周囲を見渡してぶっちゃけそう思ってるにちがいないだろうから。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
まずみなさん日本語会話をしっかりと勉強して、大事な話をするときはしっかりと相手の顔を見て原稿を読まずに自分の言葉で話してほしい。それができるようになればおそらく英語でも同じように「人に何かを伝える」ことができるようになると思う。中学一年生の時の英語の教科書を探し出して勉強しなおすのはそれからだ。この国も一応、国際社会では一国家として認められているのだから、21世紀中には無理だろうと思うが、政治家と名がつくのなら側近にだけ威張りちらすのではなく、外国メディアに対してもしっかりと英語(または法語か華語)で自分の言葉で語るように発言してほしい。こそこそと会合を開いて、役人と駆け引きして、支援者の顔を立て、メディアをごまかして、政商をがっぽり儲けさせ、長ったらしい条文の、作った人も意味が分からないような法案を通して「政治家でござーい!」とお茶を濁すことなど誰にででもできる。国民に根付いた、「虚業家の代表が政治家」とのこれまでの固定観念を凛として払いのけ、一人一人がしっかりと国民に自由な立場で自分の考えを語りかけ、行動する「大人物像」を示してほしい。例えば、知り合った国会議員の名刺にメールしても返事がなく、秘書がしつこく「後援会に入ってください!」と誘うような、みみっちい自滅的政治?活動は絶対に止めてほしい。今世紀中には無理だろうが・・・。
それにしても昨今、警察庁は一般人が反社会的勢力との関係を持たないよう、あるいは絶つように活動しているが、税金を投じて自分たちの都合のいいように世論操作を行っていた原子力保安院なる組織も反社会的勢力と言える。政府はこの際、こういった「反社」との縁を断ち切って欲しい。できればさらにそういった勢力に破壊活動防止法も適応してほしい。
 
 
森信茂樹
中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員
Q2. 「1 - (新内閣の顔ぶれに)期待できる」の回答理由
これまで党内で合意のなかった、復興財源や社会保障・税一体改革問題について、合意形成を得ていく基盤は整った。今後は粘り強く、反対意見を説得することによって、改革を進めていくことを期待する。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
国民に苦い選択を説得するには、派手なパフォーマンスではなく、泥臭い説得のほうが効果がある。野田総理の、誠実な性格が、政府に集まる人々の力を発揮させ、プラスに働くことを期待する。
 
 
海老原嗣生
株式会社ニッチモ代表取締役 HRmics編集長
Q2. 「1 - (新内閣の顔ぶれに)期待できる」の回答理由
野田総理の人事手腕に対しては、人事領域のプロの間では、高評価する人が多い。人事は、「アイデア」ではない。たとえば、菅前総理が、震災直後に谷垣さんを入閣させようとしたが、これは「アイデア」であり、現実にはならなかった。野田総理は、扱いの難しい輿石氏を幹事長に起用できている。なぜそれが可能となっのか?それは、人間関係力が基礎にあり、気脈を通じる関係を作れていたから。こうした「人事を実現する力」を持っている人は強い。
好人事の要素に、「布石」と「伏兵」を上げる人は多い。野田総理の場合、多方面に布石をしている。演説でどじょうの話を出したのも輿石氏への「布石」。今回、選出で恩を買った岡田氏にも丁重な打診を繰り返し、入閣には至らなかったが、次への「布石」となっている。そして、党内は小沢派というねじれ、当該は逆転参議院というねじれ、二つのねじれを乗り切るために、樽床氏という伏兵を用いている。さらに、谷垣氏にも総裁立候補早々に「評価している。101回プロポーズしたい」と布石をし、さらに組閣前に頭を下げるという念を入れた。これでいざ、党内が小沢派と割れた場合、いつでも大連立に力点を移せる。これも立派な「布石」。碁でいえば盤石を期す、という
腕前だと見ている。
もう一つ、人事は「経営の意思表明」とも言われる。今回の人事は、党内(特にお金)は小沢派に任せるから、政務は三党合意路線で、もし騒ぐなら、連立か解散だというのが明確に表れている。
今までの菅・鳩山と続いた、人事・経営ど素人内閣とは一線を画すと、人事屋たちは見ている。
Q3. 回答を控える
 
 
▲ページトップへ

2. (新内閣の顔ぶれに)まあ期待できる

安冨潔
慶應義塾大学大学院法務研究科(法科大学院)教授,弁護士
Q2. 「2 - (新内閣の顔ぶれに)まあ期待できる」の回答理由
党内派閥色があまりなく,地味ではあるが,それなりの知見と経験がある人が選ばれている。
Q3. 回答を控える
「政策課題に充分対応することはできるでしょうか」という質問ですが「充分」対応できるかというのは,結果において評価されるべきことであり,対応はできると考えるが,質問が不適切であり,回答を控える。
 
 
鈴木豊
青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科教授・公認会計士
Q2. 「2 - (新内閣の顔ぶれに)まあ期待できる」の回答理由
「まあ」の評価は、国民・納税者からみて、評価が高いのは、過去のしがらみがなさそうにみえること、国民目線の意味を理解しているように見えること、政治的争いにあまり関係していないようにみえること、評価が低いのは、経験が不足がちに見えること、政治的な骨太な考えをきちっともっているように見えないこと、
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
増税が政策的な第一の方針があるように見えてしまっているので、国民・納税者に第一にやるべきことは、ムダや非効率な行政事業をきちっと圧縮する姿勢を見せることである。そのうえで復興対応をスピードをもって行い、経済・国際環境の改革的な施策を企画・実施することであり、相当の勉強を迅速に行わなければならない。
 
 
若狭勝
弁護士
Q2. 「2 - (新内閣の顔ぶれに)まあ期待できる」の回答理由
野田総理が率いる内閣ということでは、まあ期待できると言わざるを得ない。二度あることは三度ある。鳩山、菅と続き、三度目の内閣、三度目の正直という言葉もある。それこそ期待を込めて、まあ期待できると言いたい。仏(国民)の顔も三度まで。これでだめなら民主党は終わりだ。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
対応して貰わないと困る。逆に、これだけ未曾有の難題がある時には、内閣としては、少しでも目に見える形で難題解決が進めば、支持が高まる。内閣にとって、むしろこういう時こそ、千載一遇のチャンスと言いたい。
 
 
坂野尚子
株式会社ノンストレス社長
Q2. 「2 - (新内閣の顔ぶれに)まあ期待できる」の回答理由
メディアでは目新しさがないと言っているが、重要閣僚である安住財務大臣だとか、玄葉外務大臣とか自分にとってはサプライズであったが、あまりに未知数で何とも言えない。ただ、期待を持っていきたいと思う。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
今はとにかく成果を出してほしい。批難だけではなく、とにかく「育てる」気持ちで見ていきたい。
 
 
伊藤惇夫
政治アナリスト
Q2. 「2 - (新内閣の顔ぶれに)まあ期待できる」の回答理由
個々の閣僚については、一部に担当分野に関する知識、経験の面で疑問符がつく者もいるほか、課題克服にための「腕力」に関しても未知数の者が少なくない。したがって、「顔ぶれ」という面では、あまり期待できないが、政権全体としてのバランス、野田総理の姿勢などに関しては、鳩山、菅両政権が、あまりに無残だったのと比較すると、相対的には「まし」ではないか。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
すべては野田総理の「覚悟」にかかっている。「できるかできかいな」ではなく「やるかやらないか」以外にない。
 
 
宮家邦彦
外交評論家,株式会社外交政策研究所代表
Q2. 「2 - (新内閣の顔ぶれに)まあ期待できる」の回答理由
三度目の正直なのか、概ね無難な人事だと思う。「サプライズなき派閥均衡人事」は自民党内閣時代によく聞いた批判だが、それと同じ批判が出るということは、逆に民主党も政権党としてようやく「国家統治」が如何なるものかを理解し始めたのだと信じたい。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
今の国民には彼らにやらせる以外に選択肢はない。従来とは違う手法で、国家組織を上手く使いつつ、オーソドックスな政策決定をやって欲しい。三度目の正直で過去二回の失敗を繰り返せば、もう民主党に明日はないのだから。
 
 
坂東眞理子
昭和女子大学理事長
Q2. 「2 - (新内閣の顔ぶれに)まあ期待できる」の回答理由
(問1の選択肢を選んだ)その理由は、復興担当や原発担当など継続性を重視したこと。農水も良いです。女性大臣が二人も、ゼロの菅内閣より良いです。岡田氏の財務大臣が実現していればよかったが。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
課題は重く困難なので、かなり難しいと思います。
でも言葉の重みを重視し、誠実に丁寧に全力で取り組んでくださるよう
祈るばかりです。民主党に残された時間が少ないだけで無く、日本に残された時間が少ないのです.
 
 
夏野剛
慶応義塾大学特別招聘教授
Q2. 「2 - (新内閣の顔ぶれに)まあ期待できる」の回答理由
一部派閥のバランスを意識しているところは否めないが、経済関係閣僚を中心に大胆な人事で、メリハリのついた顔ぶれではないか。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
首相が自分の意志を、どれだけ閣僚や民主党の同志、そして官僚と共有できるかにかかっている。国家の危機的な状況であることは皆が認識しているにもかかわらず、首相自らが自己都合、自己弁護、自己保身に動いた前政権ではアタリマエに必要なことですら実現に時間がかかっていた。野田政権では、首相自ら国のために、社会のために行動して欲しい。
 
 
稲増龍夫
法政大学教授
Q2. 「2 - (新内閣の顔ぶれに)まあ期待できる」の回答理由
 菅政権末期の「機能不全状況」に対する反省が、政府、野党、省庁に広がっており、とりあえず、政策論争を繰り広げ、互いに話しあい調整していこうこうとする機運が強まっており、政局を超えて、「震災復興」という「大義」が前面に出てきている。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
 問2と重なるが、民主党と自民党、政府と官僚などの間の「相互不信」の連鎖が断たれ、「震災復興」という共通目標をまともに議論できる環境が整ってきているので、ここは政局化する前にスピード感を持って対応してほしい。
 
 
▲ページトップへ

3. (新内閣の顔ぶれに)あまり期待できない

米倉誠一郎
一橋大学イノベーション研究センター教授,同センター長
Q2. 「3 - (新内閣の顔ぶれに)あまり期待できない」の回答理由
政策課題に対する考え方に大きな違いがある人たちが混ざっていると思います。こうした顔ぶれで難しい政策課題を解決しようとすると、結局妥協の上に妥協が重なり大きな成果は望めないでしょう。
そして、短命に終わると思います。
この政権では、いくつかの政策課題に焦点を絞って実行し、そこでの対応を巡って主義主張・政治哲学で色分けがされ、政治信条をめぐった政界再編成がなされる解散総選挙が出来ることを望みます。
その意味で、日本の政界には2〜4年くらいの停滞は覚悟しました。ただ、次世代に向かって再編を厭わない覚悟を野田政権に望みます。
Q3. 回答を控える
 
 
マリヨン・ロバートソン
都市開発会社Metplan社Chairman and CEO
Q2. 「3 - (新内閣の顔ぶれに)あまり期待できない」の回答理由
挙党一致を目指すのは評価するが、挙党態勢を維持する体制作りに固執するあまり、実力が伴っているとは見えない。
法務、外務、公安、行政刷新等を筆頭に多分野に渡って明らかに役不足。
人材優先で、斬新な組閣を期待していたが残念。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
同じ出し物の芝居を演者が変わっただけで、オチは同じでは。主役の意気込みだけが空回りするのも同様。
新しい知恵と力を持ち、党内政治に左右されない人材の抜擢が、何故出来ないのか。今の日本は党利を優先する時期ではない。
 
 
浜辺陽一郎
青山学院大学大学院法務研究科(法科大学院) 教授,弁護士
Q2. 「3 - (新内閣の顔ぶれに)あまり期待できない」の回答理由
本当はきちんとした仕事をしてくれる内閣と期待したいところだったのだが、仕事が「できる人」「能力がある人」によって、リーダーシップを発揮してもらうということにはなりにくいように思われる。単なる精神論だけでは、太刀打ちできないのではないか?
すでにいろいろと報道で指摘されている通り、いろいろと首を傾げたくなる配置、役割分担で、これが適材適所なのだろうか?それとも、ある一定の考え方をもった閣僚の考え方を支持するというのが野田首相の政策の方向性なのだろうか?どうも、改革先送りの臭いが漂っている。
総じて派閥均衡で、民間からの起用はなく、論功行賞に終始したような感じである。結局、素人では「官僚の誘導」で無難に動くほかないことになり、それこそメディアから批判されていた、かつての野田財務大臣のような仕事ぶりしか見えてこないし、やれない、ということになりそうである。むかしの自民党みたいで良いという評価もあるようだが、それが現代の政治状況、世界情勢にマッチしているのかが問題だ。
要するに民主党の内向き姿勢が如実に出ただけで、国民のための「適材適所」ではなかったのではないか。
これらの疑惑を覆すような手腕を発揮してもらいたいが、そうでなければ、本当に日本がダメになってしまいそうだ。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
震災や原発対応は緊急課題だが、それ以前から宿題となっていた課題が、積み残し、先送りで、この先どうなるかが、まだ見えてこない。一部の大臣は、これから勉強するらしいが、間に合うのだろうか?
基本的な見識と蓄積、一定の専門的な知見がなければ、高度で複雑な政策判断を的確にできるのか疑問がある。
そういう意味で、大きな期待をかけると、それだけ大きく裏切られるだけなのだが、国民としては、敢えて「大きな期待」をかけてやりたいと思う。もう残された時間はそれほどないのだから。
「あまり高い支持は期待できないから、そんなに期待しないでくれ」などとは言っていないが、そんなふうに言わんばかりの、自分たちのハードルを下げるような言い方を許してはならない。
国民は何度も民主党に大きく裏切られてきた。2度あることは3度あるということにならないようにしてほしい。
 
 
石澤靖治
学習院女子大学長
Q2. 「3 - (新内閣の顔ぶれに)あまり期待できない」の回答理由
 今回の組閣は政策をいかに遂行していくかということよりは、民主党の内部的な融和を第一にしたものである。したがって必ずしても適材適所の人材配置にはなっていない(震災の復旧復興や原発への対応などは再任であり、これについては政策遂行の意思が反映されているが)。
 綱領をもたない民主党は、政治思想を大きく異にする人たちが自民党から政権をとるために形成された集団である。その亀裂が親小沢、反小沢で感情的な部分も含めてより大きくなっている。そのような中で、その違いを越えて各所から人を集めれて内閣を形成すれば政策的に整合性がとれなくなる。言い換えれば人事で「党内融和」を図れば、政策的に「内閣分裂」が起きる。その逆に人事である一つの勢力が厚遇されれば、少なくとも内閣は政策的にある程度まとまるが、党内分裂が起きるという本質的な問題を抱えている。
 したがって内閣分裂が予想される中で、野田首相が厳しい調整を行うことになるだろう。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
 容易ではないだろう。理由は問2と同じ。
 
 
山村武彦
防災システム研究所所長
Q2. 「3 - (新内閣の顔ぶれに)あまり期待できない」の回答理由
甘い理想を掲げるのではなく、「増税」など最初から国民への負担を求めると表明しているところは評価したい。
菅政権と比較するだけなら大いに期待できる。だが、懸念されるのは「閣議決定前に党政調会長の同意を得る」というシステム。党と一体となって政権を担うというメリットはあるが、権力基盤と命令系統が一元化できない恨みが残る。こうした布陣でリーダーシップが本当に発揮できるのか見守りたい。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
震災復興、原発事故など危機管理はスピードが命。そのためにも短期的集中力を発揮して第三次補正予算を前倒し審議してもらいたい。しかし「閣議前党政調会長同意」制度、その政調会長は代表選のライバル。これでは内閣の独自性を自ら放棄しているようなもの。全員野球もいいが、ピッチャー、キャッチャー、内外野の役割と責任があいまいになり、迅速性が失われ、政策内容が骨抜きになる危険性がある。
 
 
中津孝司
大阪商業大学総合経営学部教授,国際問題評論家
Q2. 「3 - (新内閣の顔ぶれに)あまり期待できない」の回答理由
適材適所と新首相は胸を張るが、党内の勢力バランスを重要視するあまり、特徴のない陣容となった。ノーサイドとはラグビーの試合終了後、審判が宣言する言葉。試合が終了すれば、勝ち負けは関係ない、闘ったことに意義がある、という意味内容だ。野田新内閣にとって闘いはこれから。試合は始まったばかりである。個人的に不安な大臣は多数いるが、ここでは一つの例として外務大臣を指摘しておきたい。韓国との領土問題はともかくも、対中、対ロ戦略を的確に描ける人物だと診断できない。いずれ行き詰るだろう。注視したい。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
菅政権はメルトダウン政権だった。これに対して野田新政権は後始末政権と位置付けられる。前政権は問題を一つも解決できず、幕を閉じた。その後始末に早急に取り組まねばならない。対応できるか、できないかは新首相の指導力に依拠する。党内の軋轢解消を最優先すると、問題は解決できない。短期目標と中期、長期目標を見据え、グランドデザインを描きつつ、目標に向かって一直線に進めるか。指導力とロード・マップ(工程表)の実践。政治に評論は不要、実践で課題を解決していくべきである。評価は国民が下す。
 
 
▲ページトップへ

4. (新内閣の顔ぶれに)期待できない

山田吉彦
東海大学海洋学部海洋文明学科教授
Q2. 「4 - (新内閣の顔ぶれに)期待できない」の回答理由
米国経済危機、ジャスミン革命に行く末、中国の進出による南シナ海、東シナ海の情勢など外交防衛に関わる問題は、日本の安全保障のみならず、経済にも多大な影響をもたらす。外務大臣、防衛大臣等、今、最も経験と知見を要する担当が素人では話にならない。
 代表戦の論功行賞と小沢派への媚びを感じる顔ぶれ。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
菅直人の言っていたことと変わらない。残念、当たり前のこと以上を期待する。
 
 
藤巻健史
株式会社 フジマキ・ジャパン代表取締役社長
Q2. 「4 - (新内閣の顔ぶれに)期待できない」の回答理由
大変な時期の政権なのだから民間のプロを登用すべきだった。
世界経済に不透明感が出てきたこの時期、9日からG7財務相・中央銀行総裁会議が始まるが米国の財務長官は議員ではないが金融のプロ・ガイトナー氏。誰が大臣になったところで、金融経験のない人が、会議の内容について行けるのか?相手にしてもらえるのだろうか?
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
通常時には素人の大臣ではいいが、せめて危機が近いと予想される時は、プロを充てるべき。米国の財務長官は、通常時でもゴールドマンサックスの経営者だったポールソンやルービン、ハーバードの教授だったサマーズ財務官僚だったガイトナーなど、議員ではないがプロ中のプロである。日米の国力の差はそんなところにもある。
 
 
▲ページトップへ

5. そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)

木村太郎
ジャーナリスト
Q2. 「5 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
小沢派に配慮しすぎた人事は、田中派の支援で成立した第一次中曽根内閣が田中派を重用し「田中曽根内閣」と揶揄されたのに似ていないか。
その「田中曽根内閣」は、政局運営こそうまくいったが国民の支持を失い、次の総選挙で自民党は過半数割れになった。
野田内閣はその轍を踏まないか?
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
日米、日中、日韓、日露といずれも懸案が先送りされている外交関係の修復もお忘れなく。
 
 
永濱利廣
(株)第一生命経済研究所 経済調査部主席エコノミスト
Q2. 「5 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
必ずしも専門とはいえない国対経験者を経済閣僚に多く起用しており、力量は未知数。党内融和を強く意識しすぎた組閣ともいえ、経済政策に対する手腕は測りかねる。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
安住財務大臣は財政や為替に対するスタンスが明確でなく、財務省の意向が通りやすくなるとの見方も。一方、成長戦略の柱となるTPPに慎重と見られる鉢呂経産大臣の就任により、経済連携交渉の後退を証券市場は懸念。結果として、拙速な財政再建が進み、成長戦略が後退すれば、経済への不安が更に高まる可能性も。
 
 
伊東乾
作曲家・指揮者 ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督
Q2. 「5 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
期待したい、というのが私の正直な感想です。期待できる、というほどの実績があるかと問われれば、必ずしも蓄積の層の厚い人が多いとはいえません。閣僚に若い人(個人的には私と同世代の人)を見るにつけ、裏づけを持った期待が難しいとしても、結果を出してそれをもって裏づけにして欲しいという期待を持ちたく思います。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
政策課題に十分に対応することが「出来るか?」という質問だが、対応してもらわなければならない訳で、それがいかに十分か、あるいは不足があるか、といったことに、メディアは継続的に注目してゆく必要があると思います。
 
 
岸本裕紀子
エッセイスト,政治コラムニスト
Q2. 「5 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
野田内閣の新閣僚については、実力や可能性についてコメントするだけの知識がないので、気になったことを述べたい。
まず、今回に限らないのだが、事前にマスコミで入閣予想メンバーが出され、その通りに入閣した人が何人もいるが、そうだとすると、真の適材適所といえるのだろうか。あるいは、入閣予想は単にマスコミの予想や期待であり、総理の考えとは別なのだろうか。
また、新大臣より入閣しなかった人(岡田氏、仙谷氏、枝野氏など)のほうが取り上げれるのも、ちょっと気になるところだ。
Q3. 回答を控える
 
 
石川和男
社会保障経済研究所代表
Q2. 「5 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
閣僚一人ひとりは誰でもいい。与党内で足を引っ張りにくい環境に
ある内閣だという点で、雑音なしの国政運営への期待は大きい。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
原発事故対応については、現場に張り付いて陣頭指揮を執るほどの気概を担当政務三役が持っているかどうか。霞が関に常駐しているようでは結局現場任せで終わるだけ。
 震災復興については、既得権の移転を断行するような説得力を担当政務三役が持っているかどうか。被災地での利害調整こそ政治家の役割。
それを役人たちにやらせるようでは将来に通用する復興需要に適応できない。
 財政再建については、予算要求官庁の既得権をどこまで縮減できるか、官邸と各政務三役が一丸となった態度が肝要。各大臣が各役所の代弁者に化けてしまうことのないよう、総理が人事権をどこまで行使できるかが重要。
 
 
中野晃一
上智大学教授
Q2. 「5 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
期待できるとは思いませんが、期待できないというほどでもありません。
いくつか首をかしげるような人選もありますが、いろんな意味でよくバランスのとれた組閣だったように見えますし、まずはお手並み拝見としかいいようがありません。
ただ、政権交代の意義はこれでほとんどなくなった、というふうに感じています。早くも「小さく前へならえ」を繰り返し、自民党政権との差がほぼなくなりました。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
震災復興、原発事故対応はいずれも重要な政策課題であり、野田内閣もこれらの課題をもっとも重視した布陣を敷いているように見えます。そういう意味では、野田政権がうまくやれば、良いときの自民党政権くらいの成果を挙げることができるのではないでしょうか。
しかしながら、2009年の総選挙で有権者の多くが自民党ではなく民主党を選んだのは、自民党がやろうとしてできなかったことや上手にできなかったことをちゃんとやってほしいと思ったからだけではなく、自民党がやろうとさえしなかったことやってみてほしいと思ったからという面もあったと考えます。つまり、自民党と同じ政策をより上手にやるだけでなく、自民党が真剣に顧みることのなかった政策を試みるということです。残念ながら、野田政権を契機に民主党はすっかり第二自民党となり、民主党ならではの政策に取り組む意欲が消滅したようです。
格差社会、子どもの貧困、40%に迫る非正規労働、自殺者数の高止まり、少子化など、歴代の自民党政権が置き去りにしてきた政策課題を中心に見据えることを期待して多くの国民が「国民の生活が第一」「コンクリートから人へ」を掲げた民主党を2009年に支持したのだと思いますが、ここ2年で何も改善されないまま野田政権はマニフェストの政策理念を放棄し、震災復興をいわば口実にして、自民党化を進めはじめたように見えます。1980年代後半から本格化した「保守二大政党制」がいよいよ到達点につくとともに崩壊を始めたものとして注目しています。
 
 
本田宏
医療制度研究会副理事長
Q2. 「5 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
 期待できる、できないでなく、現在の日本は戦後最大の未曾有の禍機。今回の内閣がどのような機能を果たせるかは、この数十年先までの日本を決めると言っても過言ではない。内閣全員が一丸となって期待に応えるように最大限の努力が求められる。
 なぜ民主党が戦後初の政権交代を達成できたのか、なぜ国民がその選択をしたのか。マニフェストからの後退が続けば、次回の選挙の結果は火を見るより明らかである。その危機感を忘れないで欲しい
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
 脱官僚とうたって政権交代を果たしたはずの民主党政権。今までは自民党長期政権の元に肥大化した官僚機構の壁を崩せずに、寧ろ自民党時代より官僚主導体制が強くなった感が否めない。
 脱官僚は官僚と反目•対決することでなく、個々の政策課題においてその現場の意見を聞き(御用学者ではなく)そこに官僚の知識や経験を十分に活かし、政策決定の責任は政治家が持って、日本のあり方を選択•実施していくことだ。
 官僚にも、自分の省庁の権益拡大のみでなく、日本のあり方を真剣に憂いている人物も少なくないはず。そのような志高い官僚と連携し、真の脱官僚政治(民主政治)を目指してもらいたい。
 未曾有の禍機の現在、特別会計や天下りの見直しも進まずに国民負担増(増税)ばかりが実施されるようでは、日本は間違いなく沈没へ向かうだろう。
 
 
朴斗鎮
コリア国際研究所所長
Q2. 「5 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
マスコミなどでは、野田代表(総理)の人事は民主党内の融和をはかる上で「バランス」よく人選されているというが、それが国民に利益をもたらす「バランス」なのかどうかは実践するまではわからない。評価をするには材料不足だ。
綱領のない民主党にとって、意思の統一を図るのは大変な作業である。「派閥」の「バランス」に気を配りすぎたことが裏目に出て、政策遂行が「ごちゃ混ぜ」となる可能性も否定できない。すでに山岡国家公安委員長や一川防衛大臣の発言などからその兆候が伺える。
ただ、今回の人事で閣僚の重要ポストに若手を大胆に起用した野田総理の姿勢は評価できる。
Q3. 新内閣の政策課題への対応について意見を述べる
新内閣が力を発揮できるか否かは、一にも二にも閣内の意思統一と野田総理のリーダーシップにかかっている。当面は、中長期的課題は準備作業に留め、震災復興と原発事故対応に集中すべきだろう。
国民の不安が解消され民心が安定してこそ財政再建やエネルギー問題などの難問に取り組めるからだ。増税論議もしかりである。ただ外交については早急に立て直す必要がある
若手閣僚のがんばりに期待したい。
 
 
▲ページトップへ

サイトを見た方からの回答

コメントを投稿する
※ご入力いただいた情報の取り扱いについては、『利用目的』をご覧下さい。
 また、メッセージを送信される前には『フジテレビホームページをご利用される方へ』を必ずお読み下さい。
※送信内容に個人情報は記載しないようお願いします。
※投稿する際は、件名を編集しないでください。
  • A5 僕から見て、前の菅内閣よりかはましなほうだと思う。そして、東日本大震災の復興と福島原発事故の収束を早くやってほしい。

    そのうえ、野田さん以下一人、一人が未知数だと思う。

    A3 あまり、期待できないのが菅内閣から再任された、
    農水相の鹿野さんでしょう。

    理由は「TPP(環太平洋パ-トナ-シップ構想)にただ一人反対している唯一の人物で、
    名前は忘れましたが経済産業大臣も農水族出身だし、

    この二人に経済界と自由貿易推進国相手に「TPP問題」を解決するのは無理でしょう。

    僕は、鹿野農水相が野田内閣の「更迭(途中交代)閣僚」第1号になるでしょう。

    出来れば農林水産大臣には、農林水産関連の個人や団体だけじゃなく、経済界の声も真面目に聞いてくれる人だったらいいのにと思っています。

    東京都在住 男性 36歳 会社員