PARA☆DO! ~その先の自分(ヒーロー)へ~

毎週水曜 よる10時54分 放送

NEXT OA

3月1日(水)

よる10時54分

鈴木猛史選手(アルペンスキー)

鈴木猛史選手

(アルペンスキー)

ゴーグルを外すと、人懐っこい表情が現れる。出会った人に警戒心を抱かせないにこやかな表情からは、100分の1秒を競い合うアルペンレーサーの厳しい世界に身を置くアスリートの姿を想像することはできない。今回の全日本合宿では、雪のコンディションがあるため練習は朝8時から11時30分までの3時間。午後になると雪面が柔らかくなり、練習には向かない。そんな限られた時間のなかで鈴木選手は、新たな挑戦を試みていた。これまで2度のワールドカップ総合優勝を果たし、世界の頂点を知る男に新たなライバルが出現したからだ。今シーズンは得意なスラローム(回転)で優勝がなかった鈴木選手、ようやく第6戦にして優勝を手にした。しかし、その優勝は満足のいくものではなかった。その原因は、今シーズンめきめきと力をつけてきたオランダの17歳イェロン・カンプスフレウル(Jeroen KAMPSCHEUR)選手の存在。優勝は2本滑ってその合計タイムで決まるが、鈴木選手が優勝した第6戦、イェロン・カンプスフレウル(Jeroen KAMPSCHEUR)選手は2本目で転倒し、鈴木選手がトップタイムとなった。もし転倒がなかったらと考えると…。中学3年の時から、世界と渡り合ってきた鈴木選手のスキーテクニックは、チェアスキーでは珍しく、逆手でポールをなぎ倒しながら直線的に滑るスタイル。体をポールに当てながら滑る他の選手のスタイルとは異なった滑りでタイムを伸ばし、勝利を手にしてきた。今シーズンは17歳のライバルの出現によりタイムで下回ることが多くなる中、鈴木選手は新たなスキースタイルで、若いライバルを倒そうとしている。それは、得意の逆手と他の選手が使う体をポールに当てながら滑るスタイルとの融合。鈴木選手は言う。「ぎゃふんと言わせたんですよ」「おとなは、強いぞって」「ものすごい負けず嫌いなんですよ」。そうニコニコしながらさらりと言うが、その言葉の中に金メダリストのプライドを強く感じ、鈴木スペシャルを完成させて再び世界の頂点を目指す新たな挑戦に本物のアスリートの姿を見た。

鈴木猛史(スズキ タケシ)
1988年5月1日生まれ 28歳 福島県出身 KYB株式会社所属
9歳の時に交通事故で両大腿切断。パラリンピックはトリノ、バンクーバー、ソチの3大会連続出場。2010年バンクーバーパラリンピック大回転で銅メダル獲得。その後、2012~2013年ワールドカップで年間総合優勝した。2014年ソチパラリンピックでは、回転で金メダル、滑降で銅メダルを獲得。同年、福島県民栄誉賞受賞、紫綬褒章受章。更に2014~2015年に2度目のワールドカップ年間総合優勝。

INTRODUCTION

2020東京パラリンピックに向けて、パラスポーツの魅力を伝えていきたい!
年齢、性別、障がいの有無に関係なく、
戦うフィールドにいるのは一人のアスリート、そして一人の人間。
この先の未来へ、彼らが挑み続ける理由、
そして思い描くその先にある自分(ヒーロー)とは?
目指すべき輝く共生社会の実現に向け、
我々一人一人の心のバリアフリーのために、この番組をお届けいたします。
PARA☆DO!