2012年09月15日 ザ・コンパスで放送
政治・政策

民主党代表選、自民党総裁選にもの申す!

1:設問テーマの背景 (facts)>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

9月10日、民主党代表選が告知されました。投開票は21日に予定されており、野田佳彦首相(55)、赤松広隆元農相(64)、
原口一博元総務相(53)、鹿野道彦前農相(70)の4名が候補者として出馬します。(立候補届出順)

また、自民党総裁選は、9月14日に告示が予定されており、
町村元官房長官(67)、次いで、石破茂前政調会長(55)が立候補を正式に表明。
9月10日に谷垣総裁が立候補を断念し、これから出馬が目されるのは、安倍晋三元首相(57)、石原伸晃幹事長(55)、林芳正政務調査会長代理(51)と報じられており、すでに出馬表明した2名と合わせ、5名が立候補すると見られています。

事実上、民主党の代表選挙は、日本の総理選びであり、自民党の総裁選挙は、選挙後の総理の最有力候補を決めることを意味しています。

2:番組として (ouraim)>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

民主党代表選挙、自民党総裁選挙は、それぞれの政党内選挙である一方、内閣総理大臣、選挙後の次期内閣総理大臣となる可能性が高い人物を決めるものでもありますが、大多数の国民に参加の機会はありません。
そこで、番組を通じて、それぞれの党の代表、総裁がどんな基準で選ばれるべきか?また、今回の選挙のあり方、意味合いなどについて、オピニオン・リーダーの皆さまからご意見をいただきながら、番組を通じて議論を行うことで、今回の選挙についての見方を提示できればと考えました。

オピニオンリーダーへの問いかけ

※コンパスで掲載された全ての意見・回答は各氏個人の意見であり、各氏所属の団体・組織の意見・方針ではありません。
Q1:内閣総理大臣となる民主党代表、選挙後の内閣総理大臣となる可能性が高い自民党総裁は、どんな「基準」を最も重視して選ばれるべきでしょうか?
Q2:問1の回答理由をお聞かせください。
Q3:民主党代表選、自民党総裁選の立候補者9名(予定者を含む)の中で、
問1で回答いただいた基準を照らした時、総理に最もふさわしい人物は誰でしょうか。人物名をお聞かせください。
Q4:問3で、回答された人物が、総理として最もふさわしいと思われる理由をお聞かせください。
Q5:現在行われている民主党代表選、自民党総裁選へのご意見をお聞かせください。

オピニオンリーダーの回答

( 28件 )
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1. 政治信念・意思

本田宏
医療制度研究会副理事長
Q2. 「1 - 政治信念・意思」の回答理由
「震災復興と原発収束、消費税増税、脱原発、普天間、オスプレイ、TPP•••」日本は問題が山積である。候補者が今後の日本をどのような方向に持って行きたいのか、維新の八策のようなマニフェストを示した上で決定する手順を踏むべきだ。さもないと国民は次回の総選挙でどの政党を選択して良いのか判断できない。
 「震災復興と原発収束、消費税増税、脱原発、普天間、オスプレイ、TPP•••」現在の日本は問題が山積である。候補者が今後の日本をどのような方向に持って行きたいのか、維新の八策のようなマニフェストを示した上で決定する手順を踏むべきだ。そうでないと国民は次回の総選挙でどの政党を選択して良いのか判断できない。
Q3. 回答する(人物名を答える)
 個々のマニフェストが明らかになっていないので決めがたい。派閥や単なる人気でなく、各候補者のマニフェストを明らかにして知る権利と責任がメディア、国民にはある。
Q4. 回答する
 私は震災復興と原発収束により力を入れる。脱原発の道筋を明確に打ち出す。消費税増税の見直し。基地やオスプレイは米国追従から国民の意志を反映して交渉できる。TPPには参加しない。そのようなマニフェストを提起し信頼できる候補者を応援したい。
Q5. コメントする
 政局に重心をおいた報道が多くて残念だ。繰り返すが各候補者が日本の将来をどう考えて、どうマネジメントしていこうと思っているのか、より具体的に掘り下げた報道を求めたい。さらにメディアには民主•自民のみでなく他の政党のマニフェストも同時に調査公表してほしい。そうすれば今後の政治の動きが理解し自身の行動も選択しやすい。
 
 
中津孝司
大阪商業大学総合経営学部教授,国際問題評論家
Q2. 「1 - 政治信念・意思」の回答理由
確固たる政治的理念・哲学を持ち合わせた人物が真の政治家である。だが、現実には自らとその周辺一部の利益追求に余念がない人物ばかりの集団に成り下がっている。これが日本の政界の現状だ。
確固たる政治的理念・哲学を持ち合わせているかどうかが政治家として最も問われなければならない。政党とはそもそも同じ政治的理念を抱く政治家の組織であるはずだ。だが、現実にはそのような政党は皆無である。政治的野心ばかりが先行する凡人の集団に成り下がっている。まともな人間であれば、政治家にならず、政治家を自らの利益実現のために利用しようとする。それは現実の政治家(政治屋)が政治哲学を保持していないことを見抜いているからに他ならない。政治的理念・哲学を兼ね備え、それを現実の政治で貫徹、実践できる人物こそが真の政治家だろう。しかし、残念ながら、現実にはそのような政治家は一人も存在しない。というよりもむしろ、そのような資質を有する人物は選挙に立候補しない。周囲にお膳立てされて成り行きで立候補した人物が成り行きで当選している。これが日本の政党政治の現実だ。結果として、政治哲学を兼ね備えた人物は日本の政界には誰一人いない。
Q3. 回答する(人物名を答える)
消去法で安部晋三氏。
Q4. 回答する
保守再生という政治的目標を掲げている。日本維新の会が安部氏に擦り寄る理由はここにある。この延長線上には中曽根康弘氏がいる。安部氏ならば『強い日本』の構築を目指す方向として打ち出すだろう。ただ、懸念材料は体調だ。
Q5. コメントする
党利党略のための代表選、総裁選で、国民、有権者のための党首選ではない。参加したければ「党員になれ」ということか。現有勢力では日本維新の会も含めて、日本の政治を任せられないことだけは明らかだ。
 
 
夏野剛
慶応義塾大学特別招聘教授
Q2. 「1 - 政治信念・意思」の回答理由
これまでのリーダー選びは、人柄とか性格、人間性といった非常に抽象的で
ともすれば、周囲に脅威を与えない無難な人が通りやすい傾向があった。もちろん過去には、10人に一人くらいの割合で強い首相が選ばれたこともあったが、それは意図的にではなく、消去法的にであった。しかし、今回はいよいよ日本の将来が左右されるようなリーダー選びである。もはや過去の延長線上に日本の将来はない。過去のしがらみと決別し、効率の悪い既得権益を排し、新しい日本の枠組みを
作れる、あるいは作ろうとする人が必要。そのようなリーダーに必須なのは政治信念、哲学と具体的な政策である。
Q3. 回答する(人物名を答える)
これまでの候補と一線を画するという意味で石破茂さん。
Q4. 回答する
討論会等においても、個別具体的に自分の考えに基づいて明確な回答をするから。
Q5. コメントする
選定プロセスはいまだに内輪の論理に基づいているように見える。茶番だと言われながらも内部議論を公開している維新の会に比べると、一周遅れているようにみえてしまう。候補者にとっては真剣に重要な長老と言われる人たちや
派閥の支持といった言葉が行き交うたびに、国民の気持ちは維新に傾くという皮肉な状況になっている。
 
 
稲増龍夫
法政大学教授
Q2. 「1 - 政治信念・意思」の回答理由
政権自体というより、国会運営を考えると、民主・自民のいずれにせよ他党との連携が必要になってくる。であればこそ、逆に、たんに数合わせの妥協ではなく、軸のぶれないリーダーが出てきてほしい。当然、そうなると、政局は混迷するが、次の衆院選は政界再編のステップとして、次の次の選挙での対抗軸が明快になることで、今後の選挙の度に繰り返されそうな場当たり的合従連衡を解消してほしい。
Q3. 回答を控える
現時点での評価では、肝の座った候補は見あたらないが、リーダーになってからぶれない姿勢を期待したい。
Q4. 回答を控える
Q5. コメントする
どうみても、「日本維新の会」に大きくなびいている浮動票を引き戻せる力が今の両党にあるとは思えない。普通、代表選、総裁選を通して政策や人物をアピールしていかなければならないのに、対抗軸が曖昧なままのリーダー選びだと、ますます世論は離れていくだろう。せっかくの機会なのだから、いい意味での「演出」が必要だが、そんな知恵も度胸も期待できないのが残念である。
 
 
小幡績
慶應義塾大学ビジネススクール准教授
Q2. 「1 - 政治信念・意思」の回答理由
環境は変化するから、具体的な政策に固執するのは愚か。いかなる変化にも対応する信念がすべて。
政治環境、経済環境、外交環境は、すべて変化し続ける。その中で、重要なのは、人間としての信念のみ。
Q3. 回答する(人物名を答える)
野田佳彦。
Q4. 回答する
これだけ民主党という組織とその構成員がリーダーに従うという基本的なしつけがなっていない中で、信念を貫き通し、現状の環境で、もっとも妥当な政策を可能な範囲で実現してきたから。
Q5. コメントする
自民党総裁選は、谷垣氏で本当はよかったと思う。

人物としては、安倍氏。

体調万全ならば、前回の借りを返す素晴らしいリーダーになるだろう。

民主党も自民党も ほかの第三局も

いずれのリーダーでも側近が重要。

今の首相を目指す政治家の欠点は、側近(政治家仲間、ブレーンともに)に恵まれていないこと、自分で育てていないこと。
 
 
潮匡人
国際安全保障学者,拓殖大学客員教授
Q2. 「1 - 政治信念・意思」の回答理由
設問どおりの「べき」論なら、これしかない。その他の選択肢は、いずれも「政治信念」や政治理念、思想信条を実現するために必要な能力や資質であり、あくまで手段にすぎない。
Q3. 回答する(人物名を答える)
安倍晋三
Q4. 回答する
私が依拠する、正統的な保守の立場に、もっとも近い候補だから。支持する議員の顔ぶれを見ても、他の陣営より保守色が濃い。もし、またリベラルな政権が続けば、この国はもたないと思う。
Q5. コメントする
民主党代表選は、共同会見を含め、見るに堪えない。もっと、まともな論戦ができないのか。自民党総裁選も、終わっている。選挙で連勝してきた現職総裁が出馬もできないなど、一般常識でも、あり得ない。両党とも、せっかく機会に、オウンゴールを重ねている。
 
 
武貞秀士
拓殖大学大学院特任教授
Q2. 「1 - 政治信念・意思」の回答理由
いま日本が直面している問題を考えると、日本の政治家に必要なのは、防衛と外交分野での能力である。迅速な決断を迫られるとき、事態の全体像と細部軍事情報を合わせて判断できる「勘」が不可欠だ。
 政治信念と意思が固ければ、ほかの要素は備わってくる。いま、日本の政治家に必要なのは、安全保障分野に関する信念に基づいて指導力を発揮する能力だ。2012年9月11日の中国国防部の報道官の言葉を、そのまま受けとるとすれば、普通の人であれば、中国が日本の固有の領土である尖閣諸島を軍事力によって奪還にむけて準備をしていると心配するだろう。言葉に過敏に反応する必要はないが、国家の安全は最悪の事態を想定して備えておくことが必要だ。北方領土へのロシア首相の上陸に続く、竹島問題、尖閣諸島問題の発生で今年の日本は暑い夏を経験した。国力の低下の結果、日本は国家の安全、領土保全の態勢が不十分だと国際社会では見られている。このことを考えると、いまの指導者は外交と防衛を含めて安全保障を語れる人でなければならない。
 その次に指導者に必要であるのは、「この政治家に国家の命運を託したい」と国民に思わせる信頼感、自分の政策を持つことができる構想力(発想力)、それをわかりやすく語れる表現力(弁舌の能力)だろう。テレビの生番組に1時間生出演して何を言っているのか意味不明の人は総理大臣には向かない。また、専門知識がなくともいい。大統領や首相は専門家から話を聞いてそれを自分のものにしてしまう「芸」があれば良い。ロナルド・レーガン大統領が映画俳優出身でありながら、いまもアメリカで最も人気ある大統領であるのは、台本を覚える能力があり、レーガノミックス、スペースウォーなどについて側近の専門家の話を聞いても理解が早く、有能な側近の話を聞く謙虚さがあり、有能なひとびとが集ったからだった。側近や有識者を集めて話を聞くことはしても、最後は本来の自分の考えだけを実行してしまう頑固なタイプは総理大臣には向かない。側近、補佐官がいないのと同じになってしまうから。激務に耐える体力も大事な要素だ。深夜、早朝であっても大地震、軍事的緊張が発生すれば、対応しなければならない。ナポレオンのように、睡眠時間を3時間にせよということはないが、激務に耐える体力は重要だ。その意味で年齢も考慮すべきだが、80歳をすぎても人々をひっぱってゆく気力と体力のある政治家もおられる。年齢は関係ない。日本国家を建て直していただけるなら年齢は関係ない。
 そして、6つのなかから選ぶことになると、とうしても1から6までに該当する具体的な過去の総理大臣の名前を思い浮かべてしまう。吉田茂、鳩山一郎、岸信介、池田勇人、佐藤栄作、田中角栄、中曽根康弘、小泉純一郎、それから・・・。こういうときは、過去の総理の具体的な成功と失敗の事例をひとつひとつ思い浮かべると良いのかもしれない。
国内の政治に強く、仲間うちでの調整能力に長けた人が総理大臣になることが多かった戦後日本は、理想を掲げ、国家の利益を考え、行動する政治家を育てることができなかった。国内の調整能力に長けていても、他国の団体が固有の領土に上陸したり、他国の元首が禁じ手を使ったり、弾道ミサイルが上空を通過したりするとき、最善の対応策を「分単位」で検討することはできないだろう。
 実践力を重視すると、問題の全体像を把握して何が必要かを考え、優先順位をつけて最優先事項からとりかかる前に、思いついたことを次から次からと実践してしまう人が総理になってしまう。災害現場に総理がすぐに駆けつけることを実践してしまって、現場の危機管理体制を混乱させることがあってはいけない。実践力を第一に考えることは、危険このうえない。
 発想力を重視すると、問題の前後の文脈を無視したり、外交慣例から離れて決定してしまったり、過去の国際関係で蓄積されてきた教訓を軽視して大胆な政策を実行してしまったりするので困る。行政経験が豊かな人は知識が豊富だし無難で具体的な政策を考えてくれるだろう。しかし、その人は「前例踏襲型」の政治家になりやすい。日本が右肩上がりの経済と、右肩上がりの国際的評価を獲得していた時代にはこのタイプは良かった。しかし、いまはどう考えても、右肩下がりの経済と国力である。スポーツ選手と芸能界をのぞけば、国民の気力も右肩下がりである。「これまでどおりしていれば、幸せがやってくる」という前例踏襲型の人材は、時代の転換点にある日本においては貢献度は低い。いまの日本は、いままで「常識だ」と考えてきたことも「常識ではなかった」という事例が増えている。過去の事例を洗い直した上で、かつ過去の歴史の教訓に学びつつ、周辺と調整しながら大胆な決断を迅速に実行しなければならない。行政経験を重視して総理を選ぶと、右肩下がりの流れを加速してしまうだろう。いままで常識と思っていたことを疑ってみるとは、どういうことか。例えば「原子力発電のありかた」「いまの防衛力で日本の領土は守れるのか」「集団的自衛権の行使の是非」「現行憲法でよいかどうか」「弱者救済のための政策が、実際に弱者救済になっているか」「生活保護が必要な人のみが生活保護を受けているか」など、出発点に戻って検討することができる人が指導者になる必要がある。
国民的人気で総理を選んだとき、政治家としての信念、政策の構想力、実践力、歴史に学ぶ姿勢、周囲との調整能力が不十分な人が指導者になる可能性がでてくる。6つの選択肢の中で1つを選ぶという質問は厳しい質問だが、あえて1つということであれば、政治信念と意思だろう。その他の能力は側近を活用して補えばよい。
Q3. 回答する(人物名を答える)
 自分はどの候補者の支援者でもなく、後援会員でもなく、どの政党にも加入していないことを断っておいた上で、石破茂議員が良いと思う。
Q4. 回答する
 どの候補者が次の総理としてふさわしいかという質問に答えるには、日本が次に直面する問題は何かを考えなければならない。税の改革、社会福祉、財政再建、TPPか日中韓FTAか、尖閣諸島と日中問題、竹島問題と日韓関係、北方領土問題の解決、沖縄の基地問題、日米同盟関係、防衛力整備などの懸案事項など、難問山積だ。数々の難問の中でも明日にでも緊急事態が発生しそうなのは、外交と防衛の分野だ。この分野に強い人でないと、日本の総理大臣はつとまらない。社会福祉、税改革、財政再建を軽視するわけではないが、それは、補佐官に有能な学者、官僚出身者をあてて乗り切る道を探る。外交と防衛、とくに防衛は危機管理能力が試される分野である。税金、社会福祉、財政の話は、1日単位で、決断を迫られことはないが、危機管理は「分単位」で決断しないと国家の存立にかかわることがある。防衛分野を得意としていない人が総理になると、日本がひっくり返ってしまうこともありうる。この分野は「分単位」の世界であるだけに補佐官でおぎなうには限界がある。林芳正・元防衛大臣もいいが、防衛大臣の経験日数と石破議員より4歳若いということを考えた。
野田総理も良い。野田総理批判ばかりが目立っているが、野田総理が8月、竹島、尖閣事案で示した指導力は良かった。尖閣国有化で日中関係は厳しい状況になっているが、尖閣国有化措置を国民の多数は支持しているだろう。長い間の自民党政権の下では、竹島問題を国際司法裁判所に提訴することができなかった。尖閣諸島の国有化もできなかったではないか。他の総理であれば、「善処しましょう」で、まだ何もしないまま、時間が過ぎていたに違いない。いまの政権は野田総理の個性もあってハプニングには強い。しかし、国内問題については、政権発足のときに約束をしたことと、実行してきたこととの乖離が大きい。野田総理はこのことに対する国民の不満を背負ってしまった。この点を考慮した上で危機管理の事態に直面して、先頭にたって采配を振るう人を選ぶということになる。
Q5. コメントする
 「候補者乱立」という言葉が乱発されているが、立候補数が多すぎることはない。一国の指導者を選ぶとき、出発点ではアメリカ、韓国など国でも、多数の人々が名乗りをあげている。そのあと、1年、2年をかけて消去法で候補が絞られてゆくというプロセスを経験している。最初から候補者がひとりに絞られているのは、朝鮮民主主義人民共和国、中華人民共和国など少数の国にとどまる。いまの日本は最期に2人くらいが残るというプロセスの前の段階だと思えば良い。現行の法律の下では、政治家の信念、実践力、発想力、調整能力、健康状態を国民がじっくりと観察して世論調査にそれを反映して、指導者選びをしてゆくというプロセスが望ましい。そのとき候補者の数が多いほうが絞りやすい。絞ってゆく過程で、どのような指導者がいまの日本に必要かという議論が可能になる。ただ絞って行く過程は1年は必要だが。むしろ「競争がないまま、2人のなかから密室で決めてしまった」というほうが困るではないか。
 今回の場合、国内政治が混沌としたまま、法案をめぐり党内でも意見の食い違いがあちこちで発生した。それに総選挙近しという雰囲気のなかで、どの政党も候補者を絞るという調整機能を失い候補者の数が増えたのだろう。民主党と自民党の対峙という図式は、これで終わりになることを予感して、政治家の皆さんが、次にやってくる政界再編の嵐のなかで、頭ひとつ出しておきたいということがあり、候補者数が増えたのかもしれない。
 
 
長田渚左
スポーツジャーナリスト
Q2. 「1 - 政治信念・意思」の回答理由
難しい問題が山積みです。
本当に真からのプロフェッショナルな政治家に登場して欲しい。
そのためには、日本のかじ取りの信念、理念のしっかりした方であって欲しいです。
Q3. 回答する(人物名を答える)
とりあえずで言えば安倍晋三氏
Q4. 回答する
この場合は、削除法です。
Q5. コメントする
河野太郎氏のような実力者が、表に出てこないのはなぜか?!
 
 
細川昌彦
中部大学教授
Q2. 「1 - 政治信念・意思」の回答理由
 ここ3年間の民主党政権で党内政局、世論迎合で重要政策(エネルギー政策、TPP交渉の参加など)が先送りないし歪められ、軸の無さが外交問題(対米、対中、対韓)で日本のポジションを極端に弱める結果になっている。
 政治的信念意思は一国のリーダーとしては当然の資質ではあるが、こういう国家の基盤が根っこの部分で揺らいでいる危機的状況であるからこそ、殊のほか今こそ求められる。

そのうえで、官僚組織をうまく使いこなせるだけのマネジメント力を備えて、国家の総力を結集できる体制を早急に作る必要がある。この3年間でこれまでのそうした資産が活かされていない。

なお国民的人気ほど危ういものはない。
Q3. 回答する(人物名を答える)
敢えてこの9名から選ぶとすれば、・・・。
安倍氏か町村氏、林氏か未だ決めかねが、町村氏、林氏については未知数の部分もあるだけにもう少し見極めたい。
Q4. 回答する
以下の消去法的アプローチの結果。

民主党については野田さん以外の立候補者の資質については疑問。討論会でのやりとりを聞いていると、とても一国のリーダーを選ぶ場ではないのが実態。
野田さん自体はある程度評価できるが、民主党自体の行動パターン、構造が変わらなければ、ご本人も動きが取れないだろう。

自民党
石原氏は立候補後の発言が稚拙でお粗末で、危なっかしい。国を委ねていいか不安にさせており、自ら評価を下げている。今までは野党の幹事長として批判だけしていればよかった立場であったが、これからの責任ある立場ではそうはいかない。
石破氏は安全保障以外の分野での見識が未知数。バランスのうえで考えさせるものがある。
林氏は今回ではなく、党三役での経験を積んでから次の有力候補か。
町村氏は安定感、バランス感覚はある。
安倍氏は退陣の経緯に敢えて目をつぶって、まず今の国難である外交を立て直すことを期待か。
Q5. コメントする
細野氏、谷垣氏の辞退で一挙に興味減。
民主党の代表選は全く内容の無いやりとりに終始。谷垣氏については人柄の良さがアダになったようだが、総裁選に加わったうえでも路線対比を明確にした総裁選であってほしかった。「長老跋扈」の点は自民党のあり方への批判も招く結果に。

こういうリーダー選びを見させられると、維新八にもある「首相公選制」の声が出てきてもおかしくない。
 
 
岩渕美克
日本大学法学部教授
Q2. 「1 - 政治信念・意思」の回答理由
 理念、新年なき政治家の台頭は、ムードに依存する政党、有権者の登場を助長する。これらの複合体としての政治不信は、日本の現在、将来に対して致命傷となりかねない。その負の連鎖を早く断ち切らなくてはならない。
 現在の政治は、あまりにも理念なき政治が展開されています。その結果が、首相が変わるたびにコロコロ変わる政府方針、政策。ためにするかのような野党の方針など、あまりにもひどすぎる。次の選挙の台風の目になると目される日本維新の会にしても、マニフェストなのか綱領なのかがはっきりしていないし、それに合流する国会議員も今までの自らの政策とは必ずしも一致していない。時として政策に対する態度が変わることもありうるけれど、それには揺るがない信念や政治理念が自ずと透けて見えるのが最低限必要なものではなかろうか。
 2005年の郵政選挙以降、09年の政権交代、今回予想される選挙結果など、いわゆる『風」、ムードに左右される割合が大きくなっている。もちろん、有権者のせいでもあるのだが、その土壌となっているのは政治家の態度であり、政治不信である。まずは何の目的で政治家になるのか、何をするのか、その考えの下となっている考え方、理念はどのようなものであるのかは明らかにしていただきたい。
Q3. 回答する(人物名を答える)
 民主党はいない。しかしながら、選挙と同じでいないと答えても誰かが鳴ることは間違いないのであるから、「よりましな」、苦渋の決断をしなくてはならない。野田政権の官僚依存は度を越していると思われるが、それでも省益重視とはいえ国益に必ずしも反するものばかりではないので、野田現代表であろうか。
 自民党も同様の理由がベースであるが、少なくとも保守の信念、理念は持っている候補者が多い。安部、石原、石場の3候補になるのだろう。石原氏には期待していたのだが、野党幹事長になってからのためにする発言や政権攻撃には閉口した。石破氏も防衛外交政策通であることは認めるが、それ以外の政策については未知数であり、次の総理であることを考えると、勝算は高くはないが安部元総理の再登板に期待するしかないのではないか。
 上記の結論しかだせないことが、日本の不幸なところであることは言うまでもない。
Q4. 回答する
 消去法の何物でもない。残念ながら、積極的な理由は見いだせない。
Q5. コメントする
 公党とはいえ、一政党の代表選挙にここまでマスコミが翻弄されるのはいかがなものか。根底にあるのは、次の選挙の予想であり、現行の党議拘束といった、選挙終了時点で国会の指名の結果が自明となるところにある。必ずしも賛成しかねるが、首相公選が議論されるのも致し方なく思えてくる。
 政党の構成員が、少なくとも同じ理念なり政治信念なりで集まっていると仮定すれば、代表なり総裁なりの選挙に政策論争を持ち込むのは違和感がある。同じ政策、少なくとも同じ方向を向いているのであるから、政策などの違いは最小限なものであり、そうした小異で選挙が戦われるのは奇異な気がする。リーダーシップであるとか、有権者への発信力であるとかあるいは個人の魅力で選ばれてもいいのではないかとも思う。その意味では、政策がぶれていなかったり、政策などがしっかりしていれば、選挙の顔を選ぶ要素があっても構わない。内向きな論理で選択されることも、組織内論理としては許されることもありなのではないだろうか。それが許されない風潮となっていることは、何よりも組織体としての政党そのものが信頼されていなかったり、トップの意向でコロコロ変わることが予定されている悲しい現実があるためである。
 
 
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2. 実践力

坂野尚子
株式会社ノンストレス社長
Q2. 「2 - 実践力」の回答理由
内外とも危機的な状況を乗り切るためには強い信念で実行する力のある方に総理大臣の激務を担っていただきたいと思う。
Q3. 回答する(人物名を答える)
民主党は全く期待はずれだが、前2名に比べて野田総理はきちんとやっていると思う。野田総理の続行もしくは自民党なら石破茂氏にかすかな期待。
Q4. 回答する
消去法による。
Q5. コメントする
正直、国民は見ているだけ。何もできないのが残念。
 
 
上山信一
慶応大総合政策学部教授
Q2. 「2 - 実践力」の回答理由
党の総裁として各派閥にとって都合のいい人を選ぶのではなく、総理大臣、つまり国家の経営者、チームリーダーにふさわしい人物を選ぶべきである。その意味では首長や社長、閣僚を経験したような人が良い。
Q3. 回答する(人物名を答える)
民主は野田さん、自民は石破さん
Q4. 回答する
野田さんは、それまでの首相が1年ほどで政権を投げ出した事実に比べ、安定的に政権を維持してきている。改革者としてははなはだ物足りないが少なくとも安定的に政府を運営してきたという実績がある。自民の場合、石破さんは防衛大臣として漁船との衝突事故の処理など数多くの課題解決の実績がある。
Q5. コメントする
 かつてのような密室談合で決める時代に比べるとだいぶオープンになった。だが候補者が願望を語る以前に、過去5人の総理の政権をまずどう評価するか、現状をどう評価するか、過去の総括をききたい。そのうえで具体的課題について(郵政民営化、普天間、原発依存、財政再建など)の戦略と実現のための方法論を説明してもらいたい。
 
 
伊東乾
作曲家・指揮者 ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督
Q2. 「2 - 実践力」の回答理由
能力と器のない人間を宰相、などありえない。当然のこと。
能力と器のない人間を宰相、などありえない。当然のこと。
Q3. 回答する(人物名を答える)
実現可能性、党派などとは別に、能力・資質で考えるなら、林芳正氏に一票を投じると思う。
Q4. 回答する
政界再編を念頭に、実際に政策課題に応えてゆける能力・資質を考えて。
Q5. コメントする
代表選・総裁選以前の調整の時点で見るに耐えないものがある。
 
 
川上高司
拓殖大学海外事情研究所教授
Q2. 「2 - 実践力」の回答理由
選挙の問う実践力!
過去6年間に6人の総理大臣が交代したが実践力が著しく欠如していた。指導者は、まず、確固たる政治信念をもち、ぶれずに、実戦せねばならない。民主党政権になってから執拗に総理の職にしがみつき、責任をたらない姿勢がめだつ。自分の政治信念が正しいか、実践力があるかは、国民に問う=すなわち選挙をすることであり、それも実践力である。
Q3. 回答を控える
Q4. 回答を控える
Q5. コメントする
民主党は、細野代議士が立候補しなかったために野田総理続投の茶番劇となった。はじめから答えありきである。民主党内部でも人気の高かった細野代議士はなぜ立候補しなかったのか、野田氏続投では全く新鮮味がない。これでますます民主党から国民ははなれる結果となった。

自民党は、いい選択をした。各人がそれぞれ日本の未来を思い立候補している。大いに競っていただきたい。
 
 
山田秀雄
弁護士
Q2. 「2 - 実践力」の回答理由
1,4,5も極めて重要な資質であるが現在の日本の国情を考えると何よりも課題を解決実行していく実践力が重要と考える。財政の悪化、外交、防衛の弱体、経済の低迷、国力の低下は顕著といわざるをえない。政治に対する国民の不信は臨界点に達している。強力なリーダーシップを国民は明らかに求めており、まだ実体のつかめない維新の会に対する異常な盛り上がりは決められない政治に対する不満の表れである。現状を変えていく力は実践力でリーダーにはこの力が求められている。人気は国政に不要である。嫌われても国を良き方向に引いていくパワーこそが求められている。
Q3. 回答する(人物名を答える)
石破氏がふさわしいと思う。外見が怖いという人がいるが話していることに一貫性がありぶれない。外交、防衛のセンスはすぐれている。石原氏は若い点は良いが調整力の人で実践力は乏しい感じが強い。民主党では野田氏が群を抜いている。覚悟を感じる。嫌われることを恐れていない点は評価すべきである。
Q4. 回答する
3のコメント参照。
Q5. コメントする
政策論争の結果、複数候補が出てきたというより総裁という地位に就く機会を狙って候補が増えたという印象。政治家を目指す以上総理を狙う野心は理解できるが国民不在の印象も免れない。政局ばかり追う日本の政治状況がいよいよ末期的症状を露呈してきた感もある。
 
 
岸本裕紀子
エッセイスト,政治コラムニスト
Q2. 「2 - 実践力」の回答理由
すべて重要だと考えますが、もし一つ選ぶのなら、ということです。
働く内閣、働く総理大臣ということです。
理由は、いま日本が直面している問題については、大方意見が一致していると思うからです。財政赤字、不況、雇用不安、少子高齢化、来るかもしれない大災害、東日本大震災後の復興などで、それらをいかに迅速に、効果的に、国民のコンセンサスをまとめ上げながら解決するか、が求められています。
目の前にある課題を、同時進行で、着実に取り組み、前進させてほしいです。
Q3. 回答を控える
Q4. 回答を控える
Q5. コメントする
報道を見ても、推薦人が集められそうだとか、大物議員が推しているとか、選挙の顔になるならないとか、本人周辺のことについてが多いように感じます。
候補者の討論会を見ても、まずは本人の思い?があって、次に、当たり障りのないこれまで繰り返された意見が来て、そのどちらにも心を動かされることはあまりなかったです。
また、同じ党でも、大事な問題について意見が両極にわかれていることが混乱を招いています。
今、アメリカ大統領選の真っ最中ですが、今回の選挙は、アメリカがどのような道を選ぶかの選択だとしています。日本もいくつかの対立軸で、政界再編をしたほうがいいのかもしれません。
 
 
松田千恵子
首都大学東京教授/マトリックス株式会社代表
Q2. 「2 - 実践力」の回答理由
如何に信念・経験・人気があろうが、発想が豊かであろうが
実行しなければ何の意味もないから。調整能力は実践力に含まれるのではないか。
Q3. 回答を控える
特に実践力に優れた候補者が見当たらない。
Q4. 回答を控える
Q5. コメントする
いったいどこを見て何をやっているのか、コメントにも値しない、とぜひコメントしたい。
氷山にぶつかりそうなタイタニック上の密室で席次争いに血眼になっているように見える。
 
 
若狭勝
弁護士
Q2. 「2 - 実践力」の回答理由
私にとって、理想的な政治家は、軸足のしっかりした人である。軸足である左足をしっかりと地面につけ、他方、右足は50センチ幅で前後左右に移動してもよい。50センチというのは、基本的な事については変更なしということ。いわゆる運転時のハンドルの「遊び」程度のもの。こうした意味の軸足がしっかりとしている政治家を評価する。軸足のしっかりとした人が実行力・実践力をもって政治をリードしていくのが理想的。
例えば、小泉元総理は北朝鮮から拉致被害者を一部連れ戻した。あくまで、この点に限っては、まさに実行力実践力を持った政治家と評価できる。
Q3. 回答を控える
Q4. 回答を控える
Q5. コメントする
候補者同士でもっと信念・主張等につき激論を交わして欲しい。右足50センチ幅の移動を許容しながらも、軸足のしっかりとした政治家が誰であるかを見いだすためにも、激論が必要である。激論を交わせば、軸足がしっかりとしているか、それともぶれるかを見いだせる契機となる。
 
 
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3. 調整能力

有馬晴海
政治評論家
Q2. 「3 - 調整能力」の回答理由
あらゆる能力が高い方がいい。
上記に上げた全てが揃った方がいいに違いない。
だが、そんなスーパーマンはいない。
政治家には、志が高く情熱がある人がいいと思うが、
トップリーダーとなると、それらの知恵をどう結集するかが大切ではないか。
つまり国内の力を結集して大きな力にする。
三本の矢、1+1は3というような。

人気があれば選挙に強いと「選挙の顔」選びになりがちだが、
パフォーマンスより、本来は実現力が問われるべき。
予算を成立させない態度は、怠慢に見える。努力をしているのか。
何時までに予算を成立させる。そのためには何をすべきかを納期までの段取りが必要だ。
内閣の一番の仕事は、予算を成立させること。
それには、やはりトータルコーディネーターだ。
Q3. 回答する(人物名を答える)
野田首相以外その役を任じられたことがないから、問われると難しい。
現実にやっているのは野田首相だから、これについては述べられる。
予算の不成立に法案成立率が50%程度では評価できない。
小沢グループの党内の合意形成を邪魔する状況で大変だと思うが、
それを何とかすべきだった。
そんな中、自民公明と三党合意を組んで消費税増税二漕ぎ着けたのは、評価できる。
ねじれが障害というが、その解消の努力があったのか。
両院協議会の開催。国民への説明など。
怠慢が目立つ。

竹下登は、消費税増税を成立されるために、
反対意見で質問に立った野党の議員に「いい質問だ」と、
質問の議事録を本にして「支持者の皆さんに配ってください」と持ち込んだという。
成立させる努力が大幅に不足しているように感じる。

今回の候補者は、政策通が多いような気がする。
政策は必要だが、それ以上に反対意見を協力者に変えなければいけない。
政策より政局が勝っているのが石原伸晃氏だが、だが、強硬姿勢が目立ち融和姿勢は未知数だ。
総理に必要なのは、与党野党に関係なく、国の力を一つにする統率力だ。
Q4. 回答を控える
Q5. コメントする
大統領のように直接選挙をしないのは、政治家の力量を知らない国民に選ばせることがもっとひどい。
日本は間接民主主義制だ。
その方がわかっている人が選んでくれる。
国民全体がが投票に参加できる制度だと、
それこそ、メディアを通じての印象で人気投票をするようなもの。
それで選んだ国民に責任を取らせることの方がそれこそ無責任だ。
政治家は、国民が生活のための仕事に精を出しても幸せになる仕組みを作ってあげること、
安心して働ける社会をつくる責任を負っている。
だから、国民の幸せを考える政党同士が競い、実現できる政党づくりを党の政治家が競ってやっているというのが悪いというわけではない。
幸いなことは、世論調査などで、国民の支持を知ることができ
政治家の投票に何らかの影響を与えている。
メディアの発達による所産だが幸いだ。
 
 
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4. 発想力

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5. 行政経験

土居丈朗
慶應義塾大学経済学部教授
Q2. 「5 - 行政経験」の回答理由
政策の実行力が問われる。すべての国民が満場一致的に利害が対立せず実行できる政策はほとんどない。ある国民は望んでいるが、他の国民は望まない政策を実施せざるを得ない状況でも、毅然として政策を実施できる能力・覚悟を持っているか否かが問われるべきである。
小泉首相は、良い意味で八方美人ではなかった。しかし、それ以降の日本の首相は、しばしば八方美人的な対応を見せ、政策決断の場面で、国民の間にある利害対立に左右されて、毅然たる態度で政策の実施を決定できなかった。

そのためには、政治家本人に細かい行政実務の能力は必要なく官僚をうまく使いこなせればよいのであって、政策実行に当たり毅然たる決断力と官僚を部下として統率できる能力が問われる。その意味で、行政組織(内閣)の中で部下たる官僚を動かした経験が必要である。それは、「官僚主導」にならないためにも必要なことと言える。

政権交代は、ある特定の利益を持つ国民(ないしはそうした利益集団)ばかりが、政府の政策のよっていつでも利益を得続けるということがないよう、違った利益を持つ国民が異なる与党が実施する政策によって政策のよる便益(利益)を享受することが、時間を通じて交互に訪れる、ということに意味がある。いつでも与党にすり寄り政策のよる便益を得ようとする国民(ないしは利益集団)はあるかもしれないが、選挙において多数派にならなければ、そうした地位は得続けられない。しかし、特定の国民(ないしは利益集団)がそうした地位を得続けることは簡単にはできない。

その観点から言えば、自らが支持する政党内において、他の政党がどうであれ、できる限り多くの支持が党内で得られるような形で、メリハリ(望む政策を推進するが望まない政策は実施しない)のついた姿勢で政策課題に取り組むことが求められる。
Q3. 回答を控える
今の時点で、基準に照らしてふさわしい人物とは明言できない。

小泉純一郎元首相もそうだったが、総理就任前および総理就任1年程度では、あらかじめ「名宰相」と断言できるほど自明に優れた人物というのは容易に現れるものではない。

むしろ、総理の座にしばらく就いていて、その地位にふさわしい能力が備わってくる、すなわち事前には能力があるか否かは自明ではないものの、事後的にはふさわしい能力を備えているという人物が出てくるということがある。

要するに、事前には自明に「総理にふさわしい」とは断じられないとしても、その座に就いてしばらくして「総理にふさわしい」能力を発揮する人物は現れうる。事前に自明に「総理にふさわしい」がいるとみられない現状を踏まえれば、だからと言って落胆する必要もなく、今後事後的に「総理にふさわしい」といえる人物が現れることを期待したい。
Q4. 回答を控える
Q5. コメントする
現行の選出方法は、自らに与えられた票に自らが最も望む候補者を1人しか書けない仕組みになっている。多くの人にとって事前に自明に「最もふさわしい人物」がいないならば、むしろ選出方法を変えて、「最もふさわしい」かどうかは別としてこの人なら代表や総裁になっても是認できるという候補者を記入して投票するという「是認投票」という選出方法にして、最も多く「是認」された候補者を選出した方が、各政党にとって、有権者から批判され見放されないで済むのではないか。

自らが最も望む候補者を1人しか書けない仕組みで、政党内で過半数を超える支持が得られた人物だからといって、有権者が「是認」できるかどうかわからない。むしろ、多くの有権者から「嫌われたくない」なら、できるだけ多くの人から(最も望む人か否かは別として)「是認」される人物を代表や総裁になってもらった方が、政党(およびそこに属する議員や選挙の候補者)にとって望ましいのではなかろうか。
 
 
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6. 国民的人気

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7. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)

南淵明宏
医療法人社団 冠心会 大崎病院 東京ハートセンター  心臓外科医
Q2. 「7 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
若いのにやらせたらどうか!どうせ沈没船の船長なんだから。
民主は総理を決めるのだから若い年齢を基準にすべきだ。ということで一番若い原口氏。
他の要素があまり変わり映えしない、というか知られていないし知らないし知るつもりもない。
また航行不能で30度ぐらい傾いている沈没しつつある船の船長になるのだから付け焼刃、烏合の衆、軽量級ということで誰でもいいのだから若い人でやらせてみたらどうか。
誰がなっても次の内閣は、国民の忖度なしの沈没船内閣、あるいは海面下でまだ機関を停止しないという意味でサブマリン内閣だ。
「消費税と電気料金の一体値上げ」に御執心の現首相は奸僚と大企業にあまりにも露骨に操られ過ぎているイメージだ。
それに昨日の金融大臣の自死は訃報でもあるがそれよりも大事件と認識されるべきだ。
ご親族様は大変にご愁傷様であろうし、文字通り国政に命をなげうった精神はすさまじいというべきである。ただし、これは内閣の大失態である。戦前なら即日総辞職だろう。
なにせ世界有数の経済大国の金融大臣が自死したというのは世界人類にとっても大ごとだ。
そういう事件性をひた隠しにして自分が被害者ずらしている現首相はとことんんい無能だ。また、『訃報』とだけ報じるメディアもどうかしている。なにか徹底的に隠蔽なければならないことがあるのだろうか?
もっとまともにやってよぉー、普通にあたりまえに。頼んますー!
Q3. 回答する(人物名を答える)
原口一博氏
Q4. 回答する
一番若い。その点一番世相に敏感。民主党が次の選挙で惨敗するであろう、などなど一番よくわかっていると思う。他の方は個人的に全然知らないと言うこともある。
それと賊省である経済産業省や逆賊電力会社が一番困る人は誰か、という基準からすれば原口さんではないだろうか?
Q5. コメントする
誰になっても変わり映えしないだろうから全く興味はないし、個人的興味は度外視しても、まともにまじめにいろいろと分析するのもいかに暇な仕事がない評論家であってもバカバカしいと感じているのではないか。こうまでニュースバリューが落ちるとテレビ的にも厳しいものがあるのではないか。
 
 
山村武彦
防災システム研究所所長
Q2. 「7 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
1、党籍を離れ、官民・与野党を問わず、国家国民のための人材登用ができる品格と政治力
2、政策や意志をわかりやすく伝え、不都合な真実でも国民の理解を得る説明力
3、問題の本質を見極める感性と洞察力
4、課題を解きほぐし単純化し解決のプロセスを導く過去にとらわれない創造力
5、人と組織を動かす熱意、説得力、行動力
6、政治理念の一貫性と、臨機応変に対応できる柔軟性と決断力
7、危機に怯まず、問題を把握し迅速・適切な指示命令ができる危機管理対応力
8、反対意見といえども国家にとって正論であれば受け入られる度量・雅量
9、大局観を持ちつつ、弱い者への気配りのできる人間的優しさ
10、外国首脳との短時間会談でも信頼感と安心感を与えられる人間力
Q3. 回答を控える
Q4. 回答を控える
Q5. コメントを控える
 
 
熊谷亮丸
大和総研チーフエコノミスト
Q2. 「7 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
ひとつには決められない。「政治信念・意思」と「実践力」は内閣総理大臣にとって極めて重要な能力だと思う。さらに、国民や行政府・立法府・経済界・学会などを巻き込む形で、政策を実現して行く、「結合力」が必要だ。逆に、「調整能力」と「発想力」は、そういった面に長けた人をうまく使いこなせば十分である。また、竹中平蔵氏の活躍を見ても「行政経験」が必須とはいい難く、本当に能力のある人は経験が少なくとも活躍できる。「国民的人気」はあるに越したことはないが、民意はうつろいやすく、最も重要な条件でない。
Q3. 回答を控える
Q4. 回答を控える
Q5. コメントする
個人の利害得失が前面に出ており、政策論争が極めて不十分な印象を受ける。
 
 
浜辺陽一郎
青山学院大学大学院法務研究科(法科大学院) 教授,弁護士
Q2. 「7 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
国民に対する説得力のある人でなければ、説明責任を果たすことができないので、表現力も必要。
加えて、国民からの信頼に足る倫理観を備えて、状況に応じて的確な判断を下せる人物が求められる。
きちんとした政治信念のある人物でなければ信頼できないだろうが、それだけではないだろう。
国民に対する説得力のある人でなければ、説明責任を果たすことができないので、表現力も必要。
加えて、国民からの信頼に足る倫理観を備えて、状況に応じて的確な判断を下せる人物が求められる。
経済、外交、弱者へのまなざし、それらのあらゆる問題について敏感なセンスも必要だ。
結局、それらの総合判断ということになるので、一つの基準で割り切れない。
Q3. 回答する(人物名を答える)
今回の9名の中から選択した場合に限って言えば、自民党の石破氏が比較的ましではないだろうか。
Q4. 回答する
いろいろな問題に対するコメントや説明の仕方などを総合すると、他の候補の人たちの言動などと比較して、そういう印象である。
Q5. コメントする
民主党は、党そのものがバラバラなので、誰が選ばれても、党の代表と言えるのか、疑問が残るので、ほとんど評価に値しない。もっとも、残りの1年近くを総理大臣になるというのであれば、そこで逆転できるほどの手腕を発揮できる人物が選べるのか、また選ばれた人物がそういう実践ができるのかが注目される。ただ、これまでも中枢にいた人たちばかりだから、そんなに変わるとは思えない。

自民党も、いろいろな考え方が割れているようである上に、党内の人間的な確執がドラマまたは政治ショーとして面白い。が、それに惑わされてはいけないのだろう。日本がどうなるのかということを考えると、政策本位の議論がどこまでされるのかをしっかりと見極めたい。ただ、こういう状況で権力欲丸出しというのは、あまり共感できない。
 
 
石澤靖治
学習院女子大学長
Q2. 「7 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
 一つを選択することは不可能である。ただ最近重視されすぎている「6国民的人気」というのは、あまり意味がないように思う。なぜなら「国民的人気」というものは、メディアからつくり上げられた感のある一過性のものだからだ。そもそも人気というものの理由が明確でない。ある種の流行のようなものであり、それを前提に指導者を選ぶことは危険である。この「国民的人気」と類似するものに「若さ」が挙げられることがある。しかし「若さ」だけでそれをメリットにすることも表面的である。
 それ以外では選択肢の1から5までは全て必要であろうし、どれが欠けても指導者として国家を率いていくことは難しい。
Q3. 回答を控える
Q4. 回答を控える
Q5. コメントする
 最も重要なことは、候補者の人たちが本当にこの国を背負った指導者になるつもりがあるのかということである。現在の党の体制に不満であったり、代表選、総裁選に立候補して存在感をアピールすることで、党内での自分の地位を高めたり選挙での有利さを引き寄せたりするものであってはならない。つまり「出ればいい」「出て損をすることはない」という感覚である。これらはあってはならないことだが、残念ながら候補者の中にそのように感じさせる人もいる。このような状況で日本の指導者になるには、かなりの能力と覚悟がいることは言うまでもない。それらを感じさせる選挙でなければならない。
 
 
森信茂樹
中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員
Q2. 「7 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
信念・実践力・調整能力というのは、価値観の問題なので、いくらあっても、自分と異なっていれば意味はない。国民的人気は、一瞬にして変わっていく。

必要なのは、わが国のおかれた現状を正確に認識する能力と、それへの対応力ではないか。
Q3. 回答する(人物名を答える)
この中で政治家として最も評価するのは、野田総理。
Q4. 回答する
少なくとも、批判があろうとも、社会保障・税一体改革・消費税増税法案を成立させたこと。
Q5. コメントする
自民党のみなさんは、テレビでのコメントを聞く限り、リスクを取らないような無難な話しばかりで、内容での判断は難しい。
民主党の顔触れは、野田総理を除き、政治家としての見識や魅力に全く欠けており、発言を聞く意味がない。
 
 
にしゃんた
羽衣国際大学教授/落語家
Q2. 「7 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
一国の総理「候補」を『国民的人気』を重視して選ぶのがばかばかしいほど恐ろしいのと同様に、行政経験だけを重視して選ぶのもばかばかしいほど恐ろしい。総理大臣はもちろん、総理大臣候補も、1から5までを兼ね備えた人物であるべきだ。当たり前のことである。国民的人気は、1から5までがあれば、おのずと後から付いてくる。

人材のなさは国民レベルの象徴でしょうか。「われわれ国民はわれわれ国民のレベル程度の政治家しか持てない。」と聞いたことがあるが、ドンピシャッ!ですね。物事に対する本質を見抜ける、質の良い国民を育てる上でメディア(特にテレビ)の役割があまりにも大きい。メディアには、現状の「政策嫌いで政局好き」を脱する必要がある。
Q3. 回答する(人物名を答える)
野田佳彦
Q4. 回答する
絶対的ではないが、あくまでも相対的に見て、ふさわしいのは野田佳彦である。民主党人気が階段を転がり落ちるように下がった時点で総理になったのに、民主党内外とも、周りは引きずり下ろそうとする人間ばかりなのに、人気・支持率がさらに下がるのを恐れず、10年後、30年後を見据え、政治家の一番やりたくない政策(増税)を実現したということは、もっと評価すべきである。他にも、ぶれない、こびない、世襲でもない、など、9人の中では一番信頼できる。
Q5. コメントする
自民党の5人の総裁候補=総理候補について少し調べて見た。
・安倍氏:3世。父方の祖父が元衆議院議員。母方の祖父が元総理で、その弟も元総理。父は元外務大臣。
・石破氏:2世。父は元内務官僚で警視総監、建設事務次官、鳥取県知事、衆議院議員などを歴任。
・石原氏:2世。父は石原慎太郎。石原が生まれる前、父は既に芥川賞を受賞した人気作家。そして政界へ。親父が首都の知事で息子がひょっとすると総理!?(19世紀ならまだしも)
・林氏:5世というか、4世というか。まず、父は官僚から政界へ。祖父も政治家。曽祖父は理科系だったが、その親(高祖父)も衆議院議員。
・町村氏:2世。父が内務官僚から北海道知事、そして参議院議員。祖父は政治家ではないが、北海道の酪農を築き上げたような人物。

この5人はこの世に生を受けたその瞬間、既に父親は権力者、著名人、人気者であった、という共通点がある。生まれた時から、「OOさんのお家のおぼっちゃん」であった。5人の候補の「2世」「4世」などを合計すると、5人で(林を5世とすると)「14世」。平均すると「2.8世」になる。

民主党の4人も見てみると、

野田氏:世襲でない。百姓の孫で自衛官の息子。松下政経塾第1期生。
原口氏:血縁関係で国会議員はいない。松下政経塾。
鹿野氏:2世。父親が衆議院議員。
赤松氏:2世。ではあるが、父親は戦前からの組合運動家で逮捕・投獄の経験もある。戦後、日本社会党結成に参加し、衆議院議員に。赤松本人も18歳で社会党の党員になっている。県会議員の後、国会へ。衆議院議員に初当選したのは、父親が落選=引退してから14年経っている。

内閣総理大臣や国会議員が国民の代表であるという視点では、まだ民主党の4人の方が身近に感じられる。

次の総選挙で自民党が選ばれるという世論がつくられているのではないだろうか。そのことが問題である。民主党の支持率の低いのは、メディアが「ダメ」「ウソ」「マニフェスト違反」「能無し」と、言葉の限りを尽くして悪口を言い続けてきからであり、国民・有権者も「そんなものなのか」、「そうなんだ」と不信が募った結果である。

民主党政権になり、鳩山氏の言葉の軽さをいくら批判しても批判が過ぎるということはないが、例えばあの大震災は自民党谷垣政権だったら被害は軽くて済んだと思えない。事後処理とか国民への説明とか、民主党「以上に」できたと思えない。原発は自民党政権が50年かけて推進してきたものである。原発の「危うさ」に目をつむり、安全神話を振りまいてきたのも自民党政権である。「その事実」とそれへの「反省が聞かれない」まま、「民主党政権の力のなさ」だけが活字として、アナウンサーの言葉として踊った。原発も消費税も外交問題も自民党からの積み重ねであることを忘れてはならない。
 
 
マリヨン・ロバートソン
都市開発会社Metplan社Chairman and CEO
Q2. 「7 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
通常なら政治信念と答えるが、現状ではそれだけでは物足りない。志しと経験の二つを兼ね備えて欲しい。
震災復旧、経済再生、外交問題などがとりわけ深刻な状況にある今、理想論者は入らない。
Q3. 回答する(人物名を答える)
選択は厳しいが、町村信孝氏。
Q4. 回答する
外務大臣時代に直接話したこともあるが、温厚な印象とは、対象的な意思の強さ、政治理念がある。
Q5. コメントを控える
 
 
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