2012年07月14日 ザ・コンパスで放送
生活

いじめ自殺をなくすために何ができる?そして、公教育のあり方とは?

1:設問テーマの背景(facts)
昨年10月に大津市で中学二年生の男子生徒が飛び降り自殺しました。
その後、教育委員会と学校が、全校生徒にアンケートを行い、いじめの事実は認めたものの、
男子生徒の自殺との因果関係は不明とし、また、アンケート内容の詳細は非公表としました。
今年2月、男子生徒の両親は、大津市や加害者とされる同級生とその保護者を相手に損害賠償を求め提訴。
3月には、男子生徒の卒業式で、越直美 大津市長が自身が過去にいじめられ、自殺を考えたことを告白、
「いじめのない社会をつくる責任がある」と発言し、注目されました。
今月に入り、昨年行われたアンケートには、男子生徒が自殺の練習をさせられていたと記されていたこと
も判明しました。
こうしたことから、教育委員会、学校の隠蔽体質が新たな問題となり、今週、大津市は有識者による
外部調査委員会の設立を決定。
文部科学省も事実関係及び市教育委員会の対応が適切であったかを調査する方針を固めました。

2:社会の反応(reaction)
この問題では、明らかになったいじめの内容にとどまらず、教育委員会、学校、市をはじめ、被害届を
3度不受理とした警察の対応に多くの関心が集まっています。
また、大津市教育委員会には、苦情電話やメールが4日から6日までの間に少なくとも1800件以上
寄せられたことが報じられています。

3:番組として(our aim)
あってはならない”いじめ自殺”については、これまでも何度も何度も考えさせられてきましたが、
今回の問題を契機に、「ザ・コンパス」では、今一度「いじめ自殺」をなくすために何ができるのか、
そしてそのための公教育のあり方について考えたいと思います。
大変難しい問題でありますが、責任の所在を追求することに終始するのではなく、
今後同じような出来事を起こさないために何ができるのかを、
学校教育に携わる方、法律に詳しい方にも多くご参加いただいている、
「コンパス」のオピニオンリーダーの方々のご意見から見出したいと思います。
どうか、ご意見をおきかせ下さい。

オピニオンリーダーへの問いかけ

※コンパスで掲載された全ての意見・回答は各氏個人の意見であり、各氏所属の団体・組織の意見・方針ではありません。
Q1:「いじめ自殺」をなくすための最も有力な担い手をどこに求めるべきでしょうか?
Q2:問1の回答理由についてお答え下さい。
Q3:文科省、教育委員会、学校という階層構造で運営されていることなどを含め、今の日本の公教育のあり方は、「いじめ自殺」がなくならないことに、何らかの影響を与えていると考えますか。
選択肢をお選びの上、(影響しているとすればその本来あるべき姿等)ご意見をおきかせ下さい。

オピニオンリーダーの回答

( 25件 )
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1. 学校(教師)

坂野尚子
株式会社ノンストレス社長
Q2. 「1 - 学校(教師)」の回答理由
いじめには芽が必ずある。その芽の時期にいじめを感知し、防ぐことができる最も近いところにいるのは学校の教師である。教師の協力なしに社会、行政がいじめ自殺をなくすのは不可能に近い。必要なのは、教師や学校がいじめを根絶するために、教師や学校では見えないものが見える必要がある。子供は親にはいじめを知られ学校に通告されることを怖れる。何故ならいじめがエスカレートされるからである。

いじめを匿名で通告できる仕組み、そして、二度といじめを起こさないために安全に子供が学校生活を送れるように常にウオッチできる仕組みが学校単位で必要と思われる。それと同時に、場合によっては、いじめたほうの人間を更生するための仕組みも必要と思う。

起きてしまったいじめの問題を委員会で議論し、どこでどう防げば良かったか検証することも大事だが、今後起きない仕組みづくりを自治体、教育委員会で早急に装備してほしい。
Q3. 影響していると思う
いじめの問題はもう何十年も問題として感じているにも拘らず一向に改善しない。
それどころか、隠ぺいするなど、文科省、教育委員会、学校というラインの問題を感じる。
実際に見聞きしているところでも、なるべく問題を問題として認めず、水面下で処理し、マイナス評価にならないようにという気配を感じる。とすると、いじめを根源からなくすためには、文科省、教育委員会以外の自治体や地域社会など公平に見ることのできる第三者の軸が必要だと思う。

何が本質的に重要か、子供たちが楽しく学校生活を送ることのできる仕組みを一番に考えるべきである。
 
 
山村武彦
防災システム研究所所長
Q2. 「1 - 学校(教師)」の回答理由
・学校(教師)が主たる担い手となり、社会全体で責任を持つ仕組みづくり
・いじめ問題解決のカギは児童生徒間の関係性にもあるのではないか
・近助の精神(ピア・サポーター/近くの仲間が近くの仲間を支え、助ける)学習の実施が急務
本来、いじめ問題はどこが担当というのではなく、社会全体で責任を持つべき。しかし、それではお互いが責任を押し付けあうかたちになり、これまでと同じように有効な対策とはならない。多く陰惨ないじめが学校現場を中心として発生していることを考えると、主たる担い手は学校(教師)とし、その責任は学校(教師)だけでなく、家庭、社会(地域社会含む)、行政(国、県、市役所)、教育委員会、近くの児童生徒も持つとする条例等が必要ではなかろうか。教師が主体になってやるべきだが、教師だけに責任を押し付けてはならない。
社会全体で見守ることを明確にすることが重要だが、いじめ問題解決のカギは近くにいる児童生徒たち。児童生徒自身が自分たちの仲間を自分たちで守ろうとしない限りなくならないと思う。
今、喫緊課題として、近助の精神(ピア・サポーター/近くの仲間が、近くの仲間を支え助ける)学習をただちに実施し、児童生徒の意識啓発を推進すべきでは。
社会全体が共有すべき、ピア・サポーターの心
1、加害者にならず
2、傍観者にならず
3、被害者にならず
Q3. 影響していると思う
事なかれ主義、隠ぺい体質、責任転嫁が問題を陰湿化しているようにみえる。いじめ自殺が発生し問題が顕在化し社会問題化してから対策を講じても遅い。個人情報や子供たちの心を傷つけない範囲での情報公開を行い、いじめ根絶事前対策を積極的に進めるべき。
 
 
山田昌弘
中央大学教授
Q2. 「1 - 学校(教師)」の回答理由
力量不足の教師がいること。事なかれ主義が蔓延していること。初期段階で問題を把握し、断固とした処置をとれるように教師を再教育すること。事なかれ主義をとった教師、校長を処分し、優秀な教師を顕彰すること。
教師の力量の格差は歴然としている。
10年ほど前、私の子どもや子どもの友人もいじめから不登校になったことがある。
その公立小学校の担任、教頭、校長とも、基本的に「ことなかれ主義」で、人間関係においてあまりにも無能であった。
まず、新卒の担任は、初期段階でいじめを放置し、いじめグループといじめられグループができていたに関わらず、放置するだけでなく、いじめを「冗談」「遊び」の一種と位置づけ、厳しく指導しなかった。これで、いじめている側の子どもは「冗談、遊び」と言い訳できれば、いじめは黙認されるということを学び、いじめられる側は先生は助けにならないということを学ぶのである。
不登校者が何人も出た段階でも、学校側は担任を代え断固とした処置をとることをせず、ただ、我慢してくれと言うのみであった。クラスのモラルの問題であるにもかかわらず、個人の問題にすり替えているようであった。明らかに、「問題はない、たいしたことない」というように解釈し、真剣に問題を解決する態度はまったく見えなかった。
そこで、転校先を探し、優秀な先生と評判の人が担任になっている公立校に転校させた。その先生は、校長と一緒の面接の時に、私たち両親に、「うちのクラスはこのようにいいところもあります、よくないところはこういうところです」と包み隠さず、様子を説明してくれた。その先生は、モラルには厳しいが、冗談もよくいい、クラス全体の様子を把握し、生徒にも慕われていた。
子どもは、転校後、人が変わったように明るくなり、元気に卒業することができた。
はっきりいって、教師のクラス経営の力量に差がありすぎる。初期段階で問題を把握し、断固とした処置をとれるように教師を再教育すること。事なかれ主義をとった教師、校長を処分し、優秀な教師を顕彰すること、これで深刻ないじめは防げると考える。
Q3. 影響していると思う
一部の教師の「人間関係把握能力」が低く、それを再教育するシステムがない。免許更新教習は完全に形骸化している。
 
 
浜辺陽一郎
青山学院大学大学院法務研究科(法科大学院) 教授,弁護士
Q2. 「1 - 学校(教師)」の回答理由
職場においてもハラスメントを防止するために、それぞれの職場の管理者にそれが求められる時代であるから、教師においては教育的な観点を含めて、教師・学校が組織的に「いじめ」というハラスメントないし犯罪・暴力行為などを防止するようにすることが必要
学校における就学環境は、生徒が安心して生活できるようにすることが求められる。

すでに、一般の社会でも職場においてはハラスメントを防止するために、それぞれの職場の管理者にそれが求められる時代である。教師においては教育的な観点を含めて、教師・学校が組織的に「いじめ」というハラスメントないし犯罪・暴力行為などを防止するようにすることを、重要な職務として位置付けることが必要だ。

(具体的な方策については、問3の回答で説明しています。)
Q3. 影響していると思う
無責任な体制や、隠ぺい体質が、職場におけるハラスメントを解決できない状況にあり、それが子供たちにも影響して、構造的には同じだが、形を変えた学校内の集団的な犯罪ないしハラスメントが「いじめ」として起きているのではないか。

重い行為は犯罪であるし、軽いものでもハラスメントに該当するだろう。本当は「いじめ」といっても、いろいろな性質者もが混ざっているのだろうが、少なくとも、一応の分類をして話を整理する必要がある。すなわち、犯罪に対しては、それなりの厳しい対応も必要であるし、ハラスメントについても、一定の抑制が必要だが、犯罪に至らない程度のものについては、それなりの対応がありえよう。学校や教育委員会の中には、あえてこれらを混同させて「因果関係がない」などと言い張っているような言動も見受けられる。

まずは公教育でも、組織内におけるハラスメントについても防止・抑制し、問題が発生した場合にはきちんと対応する仕組みを導入することが必要。ハラスメント相談窓口やそこでのきめ細かい対応がなされるように、学校でも同じような仕組みを作って、それが適切に運営されること。さらに、教育的な観点からの指導が行われることが求められる。

教育的な観点からは、ハラスメントを教育の素材として考えることもあるだろう。その場合、単なる精神論として「いじめは、よくないからやめよう」という綺麗ごとだけに終始するのでは不十分。社会にも、残念ながら少数でも悪い人間がいるのだから、そのような現実を直視したうえで、そうした場合にどのように対抗していくかという対処法も考えてもらいたい。具体的には、そうした場合には、犯罪行為の証拠を確保するために脅迫等の言動を録音・録画することを考えるなどの証拠の確保をするなどといった対抗策を検討することは、「法教育」の一つの適用場面としてもありうる話ではなかろうか。

また、それらを相談する窓口や通報を受け付ける体制を整備することも重要。民間組織でも、そうしたバックアップを設けている。学校組織においても、そうした体制を作ることは決して難しいことではないはず。たとえば、通報窓口は、個別の学校が無理ならば、もう少し広い地域をカバーするものが設置できるはず。本当にやるつもりがあるかどうかが問われている。企業組織等のハラスメント対策なども参考に、ただ教育機関であることを踏まえた修正を加えて、いじめ自殺をなくすための措置を取る必要がある。

それを実行するためには、個別の学校任せでは不可能なので、文科省や教育委員会がイニシアチブをとって、ベストプラクティスを示し、どうしたらよいかを指導していくことが必要だろう。
 
 
熊谷亮丸
大和総研チーフエコノミスト
Q2. 「1 - 学校(教師)」の回答理由
子どもの教育が一義的に親の責任であることは言うまでもない。勿論、学校における「いじめ」を察知しやすい立場にあるのは教師なのだから、教師と親(加害者・被害者双方)との連携も欠かせない。
Q3. 影響していると思う
幼少期からの「道徳教育」を強化すべきである。文科省や教育委員会は現場の実情を把握しておらず、「空理空論」を振り回している。他方で、現場の教師には「事なかれ主義」が蔓延している。
 
 
中津孝司
大阪商業大学総合経営学部教授,国際問題評論家
Q2. 「1 - 学校(教師)」の回答理由
教師が生徒・児童を丹念に観察できていれば、陰湿ないじめを抑止できる。
いじめの現場が学校である限り、その責任は教師にあると同時に、いじめを抑止できるのは現場の教師しかない。教師は毎日、生徒、児童と接している。日常の観察から異変に気づいているはずである。もしそうでないならば、その教師は教師失格だ。教師が日頃から生徒、児童と正面から向き合っているか。生徒や児童の顔を見れば、両親のこと、兄弟のこと、家庭のことが自ずと見えてくる。生徒・児童同士の対立やいじめも察していなければならない。この意味で教師とは人間観察者でないと務まらない。とにかく教師は生徒・児童を丹念に観察することである。地道な積み重ねが卑劣で陰湿ないじめを無くしていく。
Q3. 影響していると思う
現場の教師は教育委員会への転出を悲願とする。その姑息な根性が日本の公教育改善を妨げている。教育委員会を廃止し、学校と教師の自主性を重んじるべきだ。
 
 
有馬晴海
政治評論家
Q2. 「1 - 学校(教師)」の回答理由
学校と回答しましたが、家庭も社会も行政も全てが責任を担う。
だが、いじめそのものが学校という限られた場所で起こっているところから、学校の持つ責任は重い。

大きくとらえれば、政治も含め教育のあり方そのものに重要性と責任を感じる。
最終的には、命の教育の問題ということであろう。

一言でいえば、自分が嫌なことは他人にしないということになるのだが、
それをどうやって子供に教え込むかということが大変だ。
ある政治家が、寄宿舎生活が必要という事を言った。そういう考え方も考え方もあろう。
各家庭で親の教育や生活が大きく違うなかで、どういう集団生活を行い、どういう教育制度わ行うのか。

環境の違うところで育ったものが、違う価値観を持津のは当然だ。
その子供が自分の思いだけで生きていくのか。
相手をおもいやる気持ちをどう教えていくのか。
温度差があり、地価的で一言で解決策を述べれるほど優しいものではない事はわかった上で、やはり
集団生活の中で、いじめ問題や命の大切さをおしえていくしかない。
Q3. 影響していると思う
今回でいえば、子供からの悲鳴があったにもかかわらず、
責任逃れと思われる「知らんぷり」の学校があったと思われる。
全てを未然に防げるとは思わないが、先生のレベルで防げるものもあると思われる。

先生の役割は何なのかということも、少し追及すべきだ。
子供同士では解決できなくても、大人が入ることで傷付かないような解決策もあるのではないか。
命まで落とすに至るほど大きい問題になるまでに、
何でもないもので済んでしまう場合もあるのではないか。

我が身にも多少なりとも経験があるが、
幼心に傷ついたものが、
大人になると逃げ道や解決の方法を見つけることもできる。
いじめが嫌なら投稿しなければいいのかもしれないが、
幼い時は、学校は行かなければならないことになっているということ以外の選択がなかった。
大人になってこういう問題を考えると、死を選ぶぐらいなら学校に行かなければいいのにと
いうふうに思うが、幼いころはそんな選択ができなかった。
今から思うとバカみたいに思えるが、
小さいころは、真剣に悩み苦しんだ。

大きくなれば忘れて生活してしまうことでしかないの。

「自分が嫌なことはしない」という教育も受けなかったような気がするが、
そういう生き方を説かれれば、なるほどと改心するレベルもあるはず。
それだけで済むとは思わないが、
結局は教育にかかっているとしか言いようがない。
 
 
坂東眞理子
昭和女子大学理事長
Q2. 「1 - 学校(教師)」の回答理由
すべての関係者が猛省すべきですが、強いてどこが責任を持つべきかといえば学校でしょう。
私は私立大学の学長として、学校の教育に全力で取り組み、責任を持っています。公教育の最大の問題は、責任が分散し、真の当事者が見えなくなっていることです。
校長が人事権も、予算編成権もなく、2年交代で異動していては、責任ある運営はできません。
勿論地域も、家庭もこどもから目を離さないようにし、かかわっていかねばなりません。
Q3. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)
回答を控える
 
 
鈴木豊
青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科教授・公認会計士
Q2. 「1 - 学校(教師)」の回答理由
一番生徒と身近にいる教師がいじめの兆候を認識する必要がある。学校・教育委員会・議会・行政も連帯して責任があることを強く自覚すべきである。学校・教職員は生徒の命や教育効果に影響するリスクを完全に排除する姿勢が重要である。
1.一番生徒と身近にいる教師がいじめの兆候を認識する必要がある。
2.もちろんその対応として家庭・教育委員会等も連携しなければならないことは当然である。
3.特に公教育の場合は、税金・公金を使用して教育システムを構築しているのであるから、学校・教育委員会・議会・行政も連帯して責任があることを強く認識すべきである。
4.特に学校・教職員は、命や教育効果に影響するリスクを完全に排除する姿勢が重要である。
Q3. 影響していると思う
1.公教育の行政の経済性・効率性・有効性の運営責任の最も重いのはこの3者にある。
2.公教育の有効性は、生徒の学力のみならず、特に精神的発達教育に関与しているのであるから、いじめや自殺はその欠陥を示していることを認識しなければならない。
3.階層構造によって責任の所在をあいまいにし、ひいては責任回避の素地となる。
4.それ故、公教育の目標・指標と責任関係を明確にしなければならない。
5.公教育に対する外部評価を徹底すべきである。
 
 
潮匡人
国際安全保障学者,拓殖大学客員教授
Q2. 「1 - 学校(教師)」の回答理由
法的には教育委員会の責任が重いが、現場に最も近い担任教師が担い手となるべき。加えて、副担任や教頭、学年主任、保護者や地域社会、関連分野の専門家が連携し、サポートする体制が望ましい。官民を挙げた「いじめ撲滅」キャンペーンなど、重層的な取り組みが必要。
Q3. 影響していると思う
権限が分散しており、責任の所在があいまい。現場の教師には、生徒・児童に対する実効的な懲戒権すらない。法的責任を負う教育委員は現場から遠い。責任と権限を現場の担任教師などに一元化すべきと考える。
 
 
武貞秀士
拓殖大学大学院特任教授
Q2. 「1 - 学校(教師)」の回答理由
いじめの舞台は学校である場合が多く、 いじめる生徒、いじめられる生徒に毎日接しているのは教師だから、解決のための教師が解決の鍵を握っている。ただ、インターネットで言葉によるいじめが増幅してゆくことを考えると、子供がインターネットを好き勝手に使うことに対する家庭の責任もある。
いじめの舞台は主に学校であるし、いじめをする生徒と、いじめをされる生徒に毎日接しているのは学校の先生であるので、学校の先生が解決のための最も有力な鍵を握っている。
それも個々の教師の工夫、問題解決への熱意、生徒への愛情が大事だと思う。学校という組織や教育委員会は、いまの日本の社会では組織防衛の本能が働くので、「いじめによる自殺事件」になってしまったあとは、中立的立場からの調査は無理だろう。「いじめと自殺の直接の因果関係は、認められない」という説明は、警察とか裁判所が使う言葉であって、教育関係者の言葉とは思えない。生徒に対する愛情や教育に対する使命感があれば、そのような言葉はでないはずだ。
しかし、教師のみでは解決できない問題であり、家庭、社会の支援が必要だ。問題が起きれば親は学校の責任にしてしまいがちだ。スマートフォン漬けになって、人の悪口も書き込み放題という子供の生活態度を改めさせるためには、親の役割が重要だ。昨日いじめメールを送っていた子供が明日は、自分のパソコンでいじめの加害者になることもあるのだから。生徒が同級生の悪口をインターネットで発信して、それを友人が拡散することもあろう。インターネットでいじめが拡散してゆく場合、いじめの舞台は学校以外の空間まで拡大してゆく。子供にスマートフォンを与え、使わせる家庭にも問題がある。
子供たちには、携帯メール、スマートフォン、パソコンで他人に対する罵詈雑言を書き込んで中傷するとき、名誉棄損、脅迫といった犯罪になる場合があることを、家庭と先生が教えてあげることが大事だ。
先生と学校は事なかれ主義に陥ることなく、問題が起きたとき隠蔽することなく、先生はひとりでクラスの秩序回復に努力するのではなく、同僚の先生と相談して共同で、学年全体で対策を議論する必要があろう。
Q3. 影響していると思う
公教育が階層的に運営されているということは、責任の所在があいまいになることを意味する。いじめ自殺のそれぞれのケースには、それぞれの事情があるのだろう。最良の解決策は担当の教師が知っているはずだ。
ところで、いま学校では何を教えているのだろうか。歴史の本を読み、古今東西の偉人の伝記を読み、数学の素養を身につけ、外国語で討論するための能力の基礎を身につけるための努力をしていれば、中学、高校の6年間は、それだけで時間が足りなくなるはずだ。他人の悪口をいったり、いじめをしたり、携帯電話に夢中になってみたり、いじめ対策をクラスで議論をしたりすることに時間を費やしているのだろうか。いったい、いまの学校は何を教え、何を学んでいるのだろうか。日本の生徒の学力は、中国、シンガポール、香港、台湾、韓国などと比較してどんどん落ちているという話を聞く。その現状を、文部科学省、教育委員会、学校はどう理解しているのだろうか。
 
 
若狭勝
弁護士
Q2. 「1 - 学校(教師)」の回答理由
 教師が、教育の原点に戻り、いじめは極めて卑劣であり卑怯であるとの認識を生徒と共に共有することが必要である。そして、教師がいじめによる暴力がなされているのを見て見ぬふりをしていたら、それは暴行罪等の幇助(手助け)という犯罪になるとの意識を持つべきである。
 教師が変われば、いじめは紛れもなく激減させられる。逆に、学校・教育委員会・教師側が、いじめの実態調査やいじめ防止策に消極的であればいじめはなくならない。当局の消極的姿勢は、いじめ側にとって、いじめを封じ込めようとの当局の意気込みを実感できないため、重い懲罰を意識する契機にもならず、その結果、いじめがはびこり、いじめを助長することになるからである。いじめは、対策を怠れば、エスカレートしていくものである。
 教師は、教育のプロを実感すべきである。いじめられている生徒はきちんと救助を求めるシグナルを出しているはず。ただ、そのシグナルは、目立たないものである可能性がある。しかし、教育や生徒と向き合うことを職業とするプロであれば、その気になれば、そのシグナルをきちんと見抜けるはずである。
 教師は、今、いろいろと大変であることは理解している。しかし、生徒を救えるのは、あなたたち現場の教師であると思ってがんばっていただきたい。
Q3. 影響していると思う
教育委員会の在り方を一変する必要がある。これまでの教育委員会は、事なかれ主義であり、かつ、組織防御的色彩が強すぎるように感じる。それではいじめ防止に対する積極果敢な対応は期待できない。委員会のメンバーは、教職員関係者や校長就任の待ちポスト的な人を排除し、これまで教育に携わって来なかった第三者で構成する。これにより、教育委員会が現場の生の声を聞くようになり、現場の教職員もこれまでの因習的なものに縛られず、いじめ防止対策を積極的に取り組めるようになると思われる。
 
 
にしゃんた
羽衣国際大学教授/落語家
Q2. 「1 - 学校(教師)」の回答理由
担い手は、現実的・短期的には「学校(教育)」、そして教育委員会である。「家庭教育」や「社会教育」そのもの及び互いの連携が機能しない現状において、一先ず、学校教育、または学校を中心として担う体制を拵えることが適当である。
担い手は、現実的・短期的には「学校(教育)」、そして教育委員会である。

「家庭教育」や「社会教育」そのもの及び互いの連携が機能しない現状において、一先ず、学校教育、または学校を中心として担う体制を拵えることが適当である。サラリーマン化、無気力化した教師には『教師は聖職』であることの自覚と威厳を再びもたせ、周りで彼らを支える体制を再構築する必要がある。その延長線上に多くの「熱血先生」や「夜回り先生」に現れて頂きたい。

いじめなき学校教育の保障は、法的な側面からも自覚する必要があろう。例えば、憲法26条は教育の機会均等を謳っており、一先ず、いじめやいじめの見過ごしは、当権利を奪うものであると考える。また教育基本法の第4条も教育を受ける「機会均等」を謳っており、現場の教師や監督する教育委員会はこれを遵守する義務を負うものである。

いじめ(bullying harassment)は、悪質で陰湿なハラスメントであり、時には人の一生を台無しにする最もたちの悪いハラスメントである。セクハラ同様、被害者の気持ちを尊重すべきであり「悪ふざけ」や「冗談」で済ますことはまずありえない。中学校であれ高校生であれ『いじめは犯罪!』だという認識を生徒にも、教師にも、家庭にも、教育委員にも、社会全体にも持たせるような啓発キャンペーンを速やかに、且つ継続的に行う必要である。

・・・・・

今日、明日には間に合わないが、いじめ自殺をなくすための担い手として、本来的には「家庭」と「社会」も当然ながら加わる必要がある。教育は『家庭教育』『社会教育』『学校教育』の三位一体でなければならない。カネと地位が優先される社会になっていく過程がそうさせたのだろうか、家庭教育と社会教育は今の日本では『過去の遺物』あるいは『邪魔者』として『捨て去られた』ことが、現状の陰湿ないじめを生み、いじめ自殺に大きく影響していると考える。

40~50年かかって、今日の事態・背景になっていると考えると、同じぐらいの時間がかかっても、本当の三位一体の教育を取り戻すのが遠回りのようにみえても本筋であろう。先日訪れた答志島(三重県鳥羽市)には家庭教育を補完する「寝屋親」という文化に触れられた。日本には、皆で子供を育てるという良き文化や参考になる材料が多く残っている。

そもそも、いじめ自殺は子どもだけの問題ではなく、大人の社会で起こっていることである。セクハラ、パワハラ等ハラスメントという言葉が付く事象が原因で、退職や自殺に追い込まれている人は少なくない。ハラスメント=嫌がらせであり、いじめである。他を虐げたり貶めることでしか、自身の精神的な安定を保てない人が増えているということであり、裏を返せば健全な精神安定方法を身につけることなく大人になった人が多いという事でもある。つまり、子どものいじめとそれによる自殺は、大人の行いの反映結果であると言える。異なる物を受け入れる余裕を持たず、人と違った道を歩むことや時間をかけて回り道することを良しとしない思想が深く反映している日本社会は、そこに追従できない人にとっては非常に強いストレスを感じる社会となる。そして、ストレスに押しつぶされて体調を崩したり、休憩したいと感じる人にもそれを許さない風潮がある。単に知識を教えるだけの学習ではなく、感じるストレスを上手く解消する方法や自己や他を素直に受け入れる方法、異なる物を無関心や放置ではなく、受け入れようとする思想が広がり、安心して休憩し、自分を認め、アイデンティティを確立することができる社会にならない限り、大人も子どももいじめとそれによる自殺はなくならないだろう。
Q3. 影響していると思う
階層構造が問題ではなく、上層の組織の資質が問題である。縦割り行政とピラミッド構造による権力の偏りによって、また、生徒のいじめに直面した教師にとって、教育委員会や文科省は相談機関ではなく、問責機関になっているのではないだろうか。子どものいじめ問題は特に、いじめを受けている児童・生徒のケアも当然のことながら、いじめている側の児童・生徒、その保護者や世帯全体が複雑で解決困難な問題を抱えていることも多く、本来は1つのケースに対して複数の教員やカウンセラー、医師や弁護士などの専門職が連携を図りながら複合的に対応していかなければ、根本的な解決には結び付かないことが多い。

しかしながら現実は、担任教員に対する責任が非常に重く、上司や教育委員会はリスク管理と責任の追及に終始し、現場の教員と相談し、連携を図りながら解決に向かって進んでいいくという組織体制になっていない。反対に、それができている自治体はいじめや自殺は減少傾向となっているはずである。
 
 
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2. 家庭(親)

伊東乾
作曲家・指揮者 ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督
Q2. 「2 - 家庭(親)」の回答理由
いじめ自殺とは自殺に追い込む殺人にほかならず、子供に友達をいじめ殺させるような価値観に育てた親が共同共謀正犯。
自殺に直結する「いじめ」を実行する加害者の心性もまた、この社会がはぐくんでしまったもの。その本質は個人個人の人となりが決定している。択一の回答は困難だが、敢えて一つ挙げるなら、個人の価値観・性癖を決定する家庭教育、すなわち親の責任を最大とする。いじめ自殺とは自殺に追い込む殺人にほかならず、子供に友達をいじめ殺させるような価値観に育てた親が共同共謀正犯、くらいの認識が社会に共有されねば、この問題は変化してゆかないとおもう。
Q3. 影響していると思う
戦後の各種教育改革で、かつての戦前の行過ぎた国家教学体制が解体されると共に、道徳教育の根幹も機能不全になったことは、多くの識者が指摘するとおりとおもう。「修身の復活を」などとは言わない。しかしこの教育改革で育った団塊世代の孫たちがいま学校に通い、自殺に直結するイジメを日々繰り返している。そんな子供たちの人となりは団塊ジュニアの親が各家庭で毎日はぐくんでいるという現実から、目をそらしていては、何一つ物事が解決することはないだろう。その本質に手がつかない公教育体制は、対面と責任逃れが本質的な体質で、事態を改善する力などになるわけがない。
しばらくまえ、身近で自殺があった。50台の男性が社内いじめで首吊りに追い込まれたものだ。彼を主要にいじめていた上司は全共闘世代で周囲には「正義感にあふれた人物」とも見られる人だった。実はそれがいじめそのものだった。現実の個々の事例を見るとき、形だけの公教育のアリバイ作りで何が改善するか、変化などあるわけがない、と情けなく思う。
 
 
土居丈朗
慶應義塾大学経済学部教授
Q2. 「2 - 家庭(親)」の回答理由
人をいじめるという異常な行動を起こしても痛みを感じない人格になるのは、学校教育というより、家庭教育によるものが主である。いじめる生徒とともにいじめられる生徒が、それぞれ家庭でどのように親と接し、親がどのようなしつけをしていたかを解明することで、新たないじめが防ぐことができる。
いじめた生徒が、日頃家庭でどのように親と接し、親がどのようなしつけをしていたかを解明することで、いじめる生徒が新たに出てこないように対策が講じられるだろう。

それとともに、いじめられる生徒も、同様に日頃の家庭での親との関係を改めて解明することで、いじめられる生徒が新たに出てこないように、あるいはいじめられる状態から速やかに抜け出せるように対応することができるだろう。

いじめは、親のしつけの悪さが主因である。それを学校や教員のせいにすべきでない。
Q3. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)
「いじめ自殺」を、学校のせいにするのは筋違いである。たとえ「いじめ」が学校を舞台にして起きたとしても、いじめる生徒といじめられる生徒の人格の大半は、親による家庭教育で形成されたものであり、教員が関わった部分は小さい。仮に、学校でいじめが起き、それを有効に教員がとめられたとしても、いじめる-いじめられる生徒間の人間関係が根本的に改まらない限り、いじめは学校ではなく校外の公園や路地裏に舞台が変わるだけである。学校、さらには教育委員会や文科省が、生徒間の人間関係に関与できる部分は小さい。

ただ、「いじめ自殺」が起きた後の調査や情報公開をめぐり、学校や教育委員会が保身的で隠ぺい体質があるとすれば、それはいじめの問題に限らず重大な問題である。保身的で隠ぺい体質があれば、それはいじめの問題とは別の次元で根本的に改める取り組みが求められる。
 
 
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3. 社会(地域社会も含む)

小幡績
慶應義塾大学ビジネススクール准教授
Q2. 「3 - 社会(地域社会も含む)」の回答理由
われわれは社会で生きている。後のモノたちはすべて手段に過ぎない。だから社会の問題は社会で解決するしかない。
われわれは社会で生きている。後のモノたちはすべて手段に過ぎない。だから社会の問題は社会で解決するしかない。
Q3. 影響していないと思う
要は、いじめている人々に原因がある。いじめはその時点で犯罪であり、殺人である。したがって、いじめの疑いがあればそれは徹底究明し、逮捕し、首謀者、参加者ともに少年院に送るべきである。

いじめの場の中心は学校であり、現在においては、学校が彼ら、彼女らにとってのもっとも影響力のある社会であるから、学校において、いじめを徹底的に取り締まることを行うべきである。

中途半端な対策は、陰のいじめの深刻化を招くから、下手に介入すべきでない、という議論は間違っており、徹底して、撲滅するまで介入すべきなのだ。

警察なども総動員し、いじめは犯罪であり、殺人と同じ罪に問われるということを強く意識させるべきである。
 
 
夏野剛
慶応義塾大学特別招聘教授
Q2. 「3 - 社会(地域社会も含む)」の回答理由
少年の保護規定が甘すぎる。「いじめ」と言う言葉で語られているといえども、内実は恐喝、暴行、窃盗、強姦、搾取、殺人教唆、殺人未遂。未成年であることだけで実名報道はされず、刑も軽くされているのはもはや時代錯誤。未成年といえども情報量も成人と変わらないし、判断能力が著しく劣っているとも思えない。厳しい刑罰で望まない限り、凶悪犯罪は減らない。
Q3. 影響していると思う
誰が責任を取るのか明確でない。特に教育委員は今回の事件においてもいっさい顔を見せない。公的な仕事に関わる者としての挟持が感じられないばかりか、責任逃れとしか言いようがない。抜本的な権限の委譲と強化、ならびに採用基準の見直しが必要。
 
 
本田宏
医療制度研究会副理事長
Q2. 「3 - 社会(地域社会も含む)」の回答理由
福島原子力災害調査委員会委員長は、原発事故原因は「我々の反射的な従順さ、権力者を疑問視したがらない態度『計画を守り通す』ことへの情熱、集団主義、島国根性」にあったと述べ「これが『日本製』の災害だということだ」と指摘。日本人そのものが変わらなければいじめ自殺もなくならない。
2012年7月6日付 英フィナンシャル・タイムズ紙によれば、国会の命を受けて福島の原子力災害を調査した調査委員会の委員長は、事故は「日本文化に根差した慣習」によって生じた「日本製(メード・イン・ジャパン)」の危機だったと断じ、原発事故の原因は「我々の反射的な従順さ、権力者を疑問視したがらない態度、『計画を守り通す』ことへの情熱、集団主義、島国根性」にあったと述べた。「極めて辛いことだが、認めざるを得ないのは、これが『日本製』の災害だということだ」と提言した。日本人そのものが変わらなければいじめ自殺もなくならない。
Q3. 影響していると思う
 本来教育は、この世に生を受けた人間の個々の才能を伸ばし活かして、職をえて社会貢献をしながら充実した人生をおくることができるように教え育むこと。
 しかし日本では明治維新以降、公教育は国家の統治と殖産興業・富国強兵の目的で機能してきた。人間の「ごく一部の能力である偏差値」で国民を選別、偏差値教育の究極の勝者が高級官僚となって国民を支配し、敗者はお上に反抗せずに従順に生きるように育てられてきた。まさにクレプトクラシー(盗賊・収奪政治)を支える教育となっている。
 そのため現在の日本社会では大人社会の「いじめ」が放置されている。①国民の多くが反対しても消費税増税断行・原発再稼働、②官僚主導政治打破を唱えると証拠ねつ造までされてバッシング、③最低賃金が生活保護受給額より低く、世界でも高い貧困度や自殺大国放置、④子育て支援等を「ばらまき」と揶揄する風潮、⑤医療費だけでなくGDP当たり教育予算も先進国最低クラスで貧しい家庭の子弟が高等教育を受ける機会少なく貧困が世代間で伝わっていく現実・・・・・等々。
 「その社会の質は、最も弱き人がどう扱われるかによって決定される」、前ドイツ連邦副議長のアイティェ・フォルマー氏の言葉だ。子供は大人社会をよく観察し知っている。大人が自身のいじめ社会を容認したままで、子供社会のいじめを減少させることは困難。
 
 
マリヨン・ロバートソン
都市開発会社Metplan社Chairman and CEO
Q2. 「3 - 社会(地域社会も含む)」の回答理由
社会全体が取組むべき問題
幾度も繰り返されている責任の所在に関する論争の骨子は、学校の管理体制が悪い、いや家庭に於ける躾の問題などと、解決を見いだす議論ではなく、責任のなすり合いでしかない。責任は当事者である子供たち以外の大人にあるのでは。トラブルに巻き込まれたくない、無関心を装う、正義感(ヒーローとしてでは無く、成人としての常識範囲内での)の欠如など、従来日本人が持っていた理念がなくなっている気がする。米国の様な多民族、多文化、他宗教からなる国と違い、日本は比較的、意思を統一しやすい社会の筈だが。
いずれにしろ、地域も含めた社会全体で学校、家庭、行政のすべてが、いじめや暴力を阻止する仕組みと実践する機能を備えなければいじめ行為とその終着となる自殺は無くならない。子供たちを社会が監視するのでは無く、見守り指導する環境を整えなければ、コンピューター・ゲームをする感覚でいじめをする子供たちは絶えない。ゲームはリセットできるが生身の人間は生き返ってこないのだから。
Q3. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)
この質問そのものに疑問が有る。運営団体や組織の円滑化、風通しは必要だが、前述したように、個人、団体、組織全てがいじめ自殺を無くすキャンペーンを早急に始める事。そしてメディアも事後報道ではなく、いじめによる結末が、いじめる側、いじめられる側双方にとっていかに不幸な結果となるか、又それを防ぐ為の手段とは、と云った報道を積極的にすべき。
因にバラエティ番組でよく見かける、芸人・出演者同士のいじめ(例え、ヤラセであっても)としか思えない行為、時には拷問にとしか思えないエスカレートしたものも有り、多くの子供を含めた数百万単位の視聴者が見ると考えれば、その影響力も少なくはない。
 
 
南淵明宏
医療法人社団 冠心会 大崎病院 東京ハートセンター  心臓外科医
Q2. 「3 - 社会(地域社会も含む)」の回答理由
教育委員会の対応は実に腹立たしい。ご両親の心中を思うと怒りが込み上げてくる。人の感情など全く無視して、とにかく自らの『保身』を第一に行動する、事実をしっかりと確実に隠ぺいする、というゆるぎない教育理念が今回の問題でも燦然と輝いた。文部科学省のスピーディのデータ隠ぺい事件に並び評されるぐらい、日本列島に住まう人々の心に末永く深く深く刻み込まれたことだろう。件の学校の生徒のみならず、全国の生徒、学童、保護者はこれから先もずっとも盤石の体制と不屈の闘志でこの国の無能教育者社会が堅持する『保身第一』という根本思想をすさまじいばかりに見せつけられることだろう。
大人の醜態を見せつけることに余念のないこの国の社会だが、今回も「究極にみっとも情けない、究極の大失態」を未だ進行形で見せつけ続けているように思える。
このままでは、「背広来てネクタイ締めて偉そうにしているおっさん」全部が一般社会から「情けない社畜ども」と蔑まれてしまう。人の足をひっぱたり、コネと太鼓持ちと権謀術数で出世してきた、自分の手を汚しては何もしない、そこいらへんにいる「小利口」な役人みたいな生き方を激しく侮蔑して嫌悪する「価値観」が生まれてくることを大いに期待する。
「あんなんまでして自分らの責任のがれて情けないのぁ。あんな大人にはなりたないわ。日本中、どこみてもしょーもないつまらん大人であふれてる。そうや世界や!世界に飛び出そう。いや、自分でこの国に新しい世界を作るのもええ。人に頼ったらアカン。特に偉そうにしとる大人に頼ったら食いもんにされるだけや。自分の道は自分で切り開く!よっしゃ!これや!いくでぇー」
というふうに一人でも多くの生徒が覚醒してほしい。
それにしても今回の問題では教育委員会の頑な「責任転嫁」の姿勢が報道されているのだが、だとすると、ここまで問題が大きくなったのだから、滋賀県の教育委員会の内部でも例えば一番立場の弱い委員に全責任が押し付けられたりして、あるいはあることないこと全部一人の特定の委員のせいにされたりして、新たな「イジメ」が発生して、自殺者が出る事態になる可能性はないのだろうか。委員の間で「遺書を書く練習をさせられている」という話がでてきそうだ。これぞいじめの「フラクタル構造」だ。
そういった意味で、究極の卑怯者は究極の反面教師になったわけで、今回のまだまだ続くあきれるばかりの醜態の全国民に果たした教育的意義は絶大だ!
つまり、反面教育委員会の「保身授業」である。
Q3. 影響していると思う
誰しもいじめられたりいじめた経験がある。今回の問題も、誰もが関心のある出来事だろう。私の場合、先生に相談すると、先生は一生懸命相談に乗ってくれた。いろいろとやってくれたし悩んでくれた。こんなに先生を悩ませてはいけない、と言う、生徒の同情も、いじめの抑止力となった。先生は現場に突入し、自分の体を張って、いつも生徒に対してくれた。そういう教師に学ぶところは絶大だった。大事なのは現場である。現場で体を張ってリスクを取って仕事する。そんな現場を偉そうに支配しているつもりの機関、いや結社は根絶やしにすべきだ。
文部科学省は外務省と同じく、全く必要のない省庁の一つだ、と常日頃から考えている。いや、多数の御用学者を輩出している点は罪悪をまき散らす「賊省」だと思う。国民が一分一秒でも早く死ねばいいと考えている厚生労働省ほど国民生活に悪影響を及ぼしているわけではないと今まで思っていたが、やはり考えさせない、感じさせない、NHKだけを信じなさい的な「兵隊さん」教育を押し付け、「社畜」「省畜」の育成を至上の目標とする、一種のカルト集団的組織とも言える。つまり「保身と閨閥、幇間で出世するのが人生最高の処世術!」みたいな「つまらない人間」を大量生産するのが目標なのであれば、あまりに時代遅れであって、無くなってもらうのが一番効果があると思う。そういう「教育」という名の思考停止操作意外に、「常に強い者の味方」をする学問的権威、学識経験者とかいうビンボウったらしい怪しいじいさんが裁判などでかならず行政や政府、教育委員会や大学病院、毒物垂れ流しの企業の味方をわざとらしく一生懸命にやってきた我が国の「科学史」からすると、積み重ねられた罪悪も相当に大きいと言うべきだ。その下部組織も、今回もその責任転嫁システムは見事に機能するだろうが、口は出すし人事もいじるが責任はお前らがとって記者会見で土下座しろ、という堅固な体制が構築されており、その意味で思考の力、発信力、理解力、想像力、どれをとっても何もない、何を聞かれても答えるのに最低一分は必ずかかるのが得意技、といった「どうでもいい名誉だけ欲しがる最もつまらないおっさん達」が登用されることになるのだろうか。
何故そうなるのか、というと、結局、たまたま中央省庁の高級役人になったやつらの目の前にある仕事が教育みたいなもの、なだけであって、基本、つまらない仕事だらけなのだろう(役人の仕事など無味乾燥の事務仕事が大半、誰にとってもつまらないに違いない。その点、心から尊敬する)。そして須弥山よりも高いプライドの塊である彼らはとにかくこれをネタに如何に自分が利得を搾り取れるか、という発想で何事にも対応しているからだろう。つまり、「つまらない仕事を無理やりやらされている」集団であるところにその病理は存在する。他の省庁同様、とにかく文部科学省などいらない。「私の天下り館」もろとも即刻廃止すべきだ。
とにかく実際の現場社会は実力勝負だ。現場でしっかりとリスクをとって働くプロフェショナルにとって、あるいはそういう「ふつうの社会人」の育成に文部科学省は全く必要ない。これ以上、「社畜」「省畜」の育成は国力の著しい低下を招く。なんとかならないのだろうか?
文部科学省に限らないのだが、こういった古式ゆかしき儀礼的な組織は現代社会からは一日も早く一掃されるべきだ。文部科学省を残すのであれば宗教法人として残せばいい。主な教義は「保身」「前例踏襲」「トーダイ権威至上主義」「御用学者道」「裁判必勝」だろう。入信すれば「御利益」あっていくらマスコミからいじめられても馬耳東風でいられる「法力」はしっかり備わる。
大津市長がNHKニュースで「文部科学省から助言を得て外部調査委員会を立ち上げる」と言うことだが、何を調査するのか?いかにして行政や国が責任を取らない形で、問題を終息させるか?今後はどうしたらもっとうまくこの種の問題をうまく隠ぺいできるか?中央省庁の言い訳方法を伝授するつもりなのか?
「情報は得ていたが、公表すると言う発想がなかった」これで世間が「はいそうですか」と納得すると勘違いしている省庁なのだから問題はもっとこじれる気がする。隠蔽省、あまり悪あがきをしない方がいいぞ!
 
 
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4. 行政(市役所など)

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5. 教育委員会

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6. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)

松田千恵子
首都大学東京教授/マトリックス株式会社代表
Q2. 「6 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
「いじめ」が他者との関係性の中で起こる以上、一般的な解などあり得ない。親に救われる子もいるだろうし、地域社会の繋がりに光明を見出す子もいるだろう。

強いて言うならば、最も近くにいる教師と親がシグナルに気付く役割だろう。行政や教育委員会に何かを期待するような話ではない(全く期待できない)。
Q3. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)
日本の公教育の在り方といった問題設定に違和感を感じる。もちろん、そこに問題はあるが、
こうした総論的な問題設定は何の解決にもならない。

個別案件における、各関係者の「不作為の罪」(或いは作為的なものもあったかもしれないが)を具体的に洗い出し、追及していくことが必要なのではないだろうか。

今回問題になっている案件は、十分その検証に値する。

階層構造といった問題がいじめ問題を生んでいるのと同じ位、いじめ問題を階層構造といった一般問題に帰して終わりにしようとする構造こそが、終わりなきいじめ問題を

生んでいるように感じる。
 
 
長田渚左
スポーツジャーナリスト
Q2. 「6 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
すべてを選択(1.学校(教師)、2.家庭(親)、3.社会(地域社会も含む)、4.行政(市役所など)、5.教育委員会)

親も教師も子供たちの関係をしっかり見ることが一番大切。いじめは子供と子供の関係において基本的に、
まずあるという認識をもってみつめてほしい。
子供は未熟だから、いじめてしまうことをそうとは気づかずに、行動してしまうこともある。
ゲームの中で死が日常的にあることも関係ある気がする。
Q3. 影響していると思う
役所は、いじめを不祥事と考えやすい。
だから隠そうとする体質が元にある気がする。
子供の生活を一番に考える人が本当にどのくらい存在しているか。
 
 
木村太郎
ジャーナリスト
Q2. 「6 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
「いじめ」として扱うな。校j内犯罪として扱え。
「いじめ」という言葉を使うのをやめること。
いま問題になっているのは、脅迫、恐喝、暴行であり、大津市のケースのように自殺の練習をさせたのは自殺教唆罪にあたる。
これは犯罪であり、それをいじわるの延長線上にある「いじめ」として取り扱うことが問題の扱いを誤らせている。
このような犯罪行為があった場合、学校は被害者と共に警察に被害届を出して捜査を促すよう認識を改めるべきだ。
Q3. 影響していると思う
橋下大阪市長が知事時代に「クソ教育委員会」と言ったのが、全てを物語っている。
文科省自身、平成17年1付きにまとめた「地方分権時代における教育委員会の在り方について」という文書の中で次のように指摘している。
●非常勤の委員は事務局の言いなりで、実質的な意思決定を行っていない。
●地域住民の意向を反映せず、教育関係者の意向に沿った教育行政を行っている。
●住民から遠い存在になっている。
これでは、「いじめ」のような学校や教員に不都合な事案に対応することも期待できない。
教育委員会は機能していない。
 
 
江川紹子
ジャーナリスト
Q2. 「6 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
こういう質問設定自体が違うのではないか
 「いじめ自殺」は「いじめ」の結果なので、「いじめ自殺」だけを問題にする意味が分かりません。
 また、いじめをできる限り減らすための取り組みは、学校、保護者、地域、行政などがそれぞれにやれることをやり、どう連携をとっていけるかという話であり、どこか1つをあげろというのは違うと思う
 逆に、どの立場の人であっても、いじめを減らしていくための取り組みのリーダーになれる、とも言える
Q3. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)
階層構造が影響しているかは分かりません。
 そういうことではないような気がしますが…
 いじめられた本人は、なかなか申告できない。一番早く知るのは同級生なので、いじめに気づいた生徒が通報することが大事だと思うが、それがしやすい状況にないことも、いじめやその結果としての自殺が減りにくい一因ではないか。
 ただこれは、子どもだけの問題ではなく、大人の社会も公益通報者の保護には不熱心で、通報者が不利益を被ることが少なくない。不正を告発することはいいことで、通報者には不利益が及ばないという意識を社会が共有しないと、子どもにいじめに気づいたら通報するように、と言っても、なかなか浸透しないのではないか。
 また、学校の先生が忙しいこと、管理職のマネジメントが重視され、効率のよい学校運営などがよしとされる風潮が、悪い影響を与えなければいがと心配している。
 
 
原田曜平
博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー
Q2. 「6 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
近頃の若者たちは、中学生や高校生からケータイを持ち始めます。ケータイを持つと、メアドやソーシャルメディアでクラスメイトの多くとつながり、それどころか他の学年、部活の遠征先で出会った人、バイト先の人など、どんどん人間関係が拡大していきます。その結果、たくさんのコミュニティに所属し、それら多くの友達と常時接続の人間関係が構築されます。

ですから、いくら学校がいじめの動向に目を光らせていても、学校内でのいじめを抑止することはできると思いますが(今回のケースは大変残念ながら、それもできませんでしたが)、いじめそれ自体を撲滅することは難しいと思います。また、行政、地域社会、親がいじめの現場に目を光らせたとしても、増え過ぎてつながり過ぎた若者の人間関係の全てを把握することはできないため、同様に難しいでしょう。

つまり、学校、親、地域社会といった場が、今の若者にとっては絶対的な居場所ではなく、one of themのコミュニティに過ぎなくなっているということです。たった1シーンでいじめの対策をしても、効果が全くない訳ではありませんが、根本的な問題解決にはつながらないと思います。

いじめが起こらないように現場を監視する、というやり方ではなく、広がり過ぎた・つながり過ぎた人間関係をどう渡り合っていくか、一つのコミュニティでうまくいかない時に他のコミュニティに逃げる方法など、人間関係の構築の仕方・対処法などを教育に盛り込んでいくことが重要だと思います。
Q3. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)
前問回答の通り、大事なのは人間関係の構築の仕方・対処法などを教育に盛り込んでいくことだと思います。
 
 
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  • 中学校の時、どこの学校にでもありそうないじめがありました。

    一人いじめられてる女の子がクラスにいて、

    僕は特に勇気があったとか、いじめをなくそうとか、

    そういう気持ちはなかったんですが、

    一人だけこんなに特別扱いされるという事は、

    そんなに変な子なのかな?と単純に興味を持って、

    どんな子なのかな・・・といろいろ好きな事とか聞いたり、

    話をして仲良くなっていったら、次第にその子と話をする人が増えて、

    クラスからいじめがなくなりました。



    なかなかそういう行動を起こせる人はいないかもしれないけれど、

    おかしいと思った事を、なぜそうなんだろうか?と、

    既存の価値観を超えて考えられる人を育てる教育、

    話合えるようにする教育は必要なのではないでしょうか。
  • 1、子ども人権条約の内容を実行
    2、子どもオンブズパーソンを全国で
    3、多様な学校の設置を許可

    ほぼこの3つで子どもの環境は間違いなくよくなる。
    したがって、いじめの発生が減少し、発生したいじめは表に出すことができ、
    当然解決する可能性が高まる。

    あきらかになったそれぞれの事例を参考にすることで、
    いじめの実態が明確になれば、今横行しているいじめの間違った概念、
    特に被害者への偏見が改善されれば、それもまたいじめの発生をおさえることになる。

    文科省は「いじめ報告をした学校、教師をほめるべきである」
    それをすれば短期でいじめは撲滅できる。
    いじめが発生すること自体は人間社会においても当然の事であり、
    問題はそれを隠ぺいすることが自分たちの利益になる制度である。
    それがいじめの解決を遅らせ、多くの、取り返しようのない傷を産む。

    自殺以外いじめは多くの問題を再生産する。
    人間不信、自己否定、コミュニケーション不全など。

    不安定で不正義な社会を作っている大きな要因である。