2011年05月30日 とくダネ!知りたがり!で放送
政治・政策

「菅政権」と日本、そしてこれからの政権の在り方

海水注入に関わる一連の混乱から、政権の能力が問われています。
内閣不信任案の国会提出の可能性も断片的に報道されており、内閣不信任が提出され、可決された場合、内閣総辞職または解散総選挙となります。内閣総辞職となった場合、新たな総理大臣が任命されるまで、職務執行内閣となり、新内閣発足まで、国会審議などの日程が止まります。解散総選挙の場合、被災地での投票準備が懸念されます。
いずれの場合でも、数週間の政治的な空白が生まれると考えられ、
震災復興がさらに遅れることが懸念されます。
「変化」は必要。だが”否定”だけでは不十分。

オピニオンリーダーへの問いかけ

※コンパスで掲載された全ての意見・回答は各氏個人の意見であり、各氏所属の団体・組織の意見・方針ではありません。
Q1:5月28日現在、自民党と公明党は、内閣不信任案の提出を検討していますが、現在の状態で菅政権に変化が生じた場合、日本にとって、功罪(別の言い方では、得るもの、失うもの)どちらのほうが大きいでしょうか。
Q2:問1の選択理由について、具体的にご意見をお聞かせください。
Q3:一連の震災対応を通じ、政治に対する信頼がこれまで以上に損なわれていることが指摘されています。「これからの政権の在り方」を構想する時、具体的にどういった枠組みが求められるでしょうか。選択肢をお選び頂き、コメント欄に、ご意見をお聞かせください。
回答の要点
東日本大震災の対応など課題が山積する中、世間では「政治空白を作るべきではない」との声も聞かれます。
しかし、内閣不信任案の動きを受け、菅政権に変化が生じた場合に想定される日本にとっての功罪
(得るもの、失うもの)はどちらが大きいか?という、問いかけに対するオピニオンリーダーからの回答は、「メリットの方が大きい」が「デメリットの方が大きい」よりも、多数を占めました。

「メリットの方が大きい」という回答では、現在の政権が今後も同じような政治を執り行なうことへの懸念が共通しているようです。中には、現状こそがかえって「政治空白に等しい」といった過激な意見もありました。
また、「デメリットの方が大きい」「そのほか」と答えた回答では、復興が遅れることへの懸念、次のリーダー、政策について確立していない状態では、変化は、政争にとどまるという見解が多く見られます。

併せてオピニオンリーダーに問いかけた「これからの政権の在り方」については、政党や選挙制度など、既存の枠組みそのものを見直すことが必要という意見が多く寄せられています。
政治家の方々には、政権を批判するだけでない、より建設的な行動が求められているようです。

オピニオンリーダーのみなさんの回答をご覧ください。
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オピニオンリーダーの回答

( 27件 )
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1. メリットの方が大きい

若狭勝
弁護士
Q2. 「1 - メリットの方が大きい」の回答理由
今後の復興の成否及びその迅速性は,先見性と具体性を伴った法律の成立・施行である。現行議会制民主主義のもとでは,その可否は与野党を超えた挙国体制がとれるかどうかにかかっている。挙国体制がとれるのであれば,今予想される空白があっても,それは,将来の復興計画にとってはこのまま行くことに比べ遙かに時間短縮にもつながる。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
価値観が多様化した時代にあっては,およそベストの政治は望めない。何をやるにしても,他方では問題も生じる。いわば,より良い,つまり,ベターの政治にならざるを得ない。そうだとすれば,多少施策において問題が生じることがあっても,強い意思で強力に施策を遂行する軸足のしっかりしたリーダシップがある政権・総理が望まれる。ただ,その際,国民に情報を隠蔽するような政権は,国民を愚弄し,10年・20年にわたる時間軸の後退につながり,決して許されない。
 
 
伊藤惇夫
政治アナリスト
Q2. 「1 - メリットの方が大きい」の回答理由
菅総理にリーダーシップが欠如していることは、これまでの推移の中で明らか。信頼を失ったトップのもとでは、すべての政策、対策等の効果が半減する。現状こそが「政治空白」状態。急流で方向を見失って暴れまわる馬は捨て、乗り換えるべき。スムーズな交代であれば、空白は1週間程度で済む。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
民主党政権が全体として、極めて「未熟」であることがはっきりした以上、枠組みの変更が必要。政党の枠、党利党略を乗り越え、一度は「オールスター」体制の連立政権を組んだ上で、一定の方向が見いだせる状態となったときには、理念、政策を軸とする政界再編を目指すべき。
 
 
宮家邦彦
外交評論家,株式会社外交政策研究所代表
Q2. 「1 - メリットの方が大きい」の回答理由
 本来であれば、緊急時に首相を交代させることには大きなディメリットがある。また、危機の真っ最中にこれまでの様々な不手際の責任を問うことも適当ではない。
 それにしても、過去はともかく、将来もこれまでと同様の右往左往が続くかもしれないという不確実性、不安感が復興に与える悪影響は、残念ながら、決して少なくないと考える。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
短期的には、期間限定で挙国一致・緊急大連立内閣を作り、復興とその財源などの基本政策について決断し実施する
中長期的には、選挙制度の改革、一票の格差の是正などを通じて、より健全な形で定期的に政権交代ができるシステムを作る
 
 
海老原嗣生
株式会社ニッチモ代表取締役 HRmics編集長
Q2. 「1 - メリットの方が大きい」の回答理由
今回の内閣の布陣は、「震災前」に作られたものであり、震災対応に最適とはいえない。野党もまじえて、プロの集団を作るべき。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
震災問題を機に、救国連立内閣を作り、その余勢を駆って、「国のあり方」に対して、全国会的な論議をすべき。税制や社会保障もいいが、そのまえに、日本国憲法の改編を本気で議論すべきと考える。改憲というとすぐに「9条」を想起するが、それは間違い。今、一番の問題は41~64条までの「国会」規定と、96条の「改正」に関する部分だろう。
まず、参院衆院のあり方を根本的に考え直す。そうしない限り、半永久的に「ねじれ」国会が続き、その結果、短命で機能不全の内閣が生まれる。主に60・61条が対象となる。
次に、議員内閣制のあり方についても一考が必要だろう。首相公選や大統領制なども視野に入れた包括的な論議が待たれる。65~67条が関連部分。
最後に、憲法改正のハードルの高さ。こちらは96条の問題。欧米各国が、戦後数十回の憲法改正を遂げている中で、不磨の大典とかした日本国憲法は異常。70年近く前の枠組みが、現在に通じなくなってきた。その一番の証左が、ネジレ国会と首相1年交代と見る。
こうした枠組みを全国会的な与党のコンセンサスで作り上げ、社会保障や税制など各党意見が異なる部分は、各論を上げて、総選挙を行う。それまでの2年程度の期間限定型「救国連立内閣」を求む。
 
 
山田吉彦
東海大学海洋学部海洋文明学科教授
Q2. 「1 - メリットの方が大きい」の回答理由
現在、すべての国家事業が停滞しているといっても過言ではない。経済を活性化させ、その力を復興に結び付けなければならない。菅内閣継続によるこれ以上の時間の浪費は避けるべきだ。強い指導者なくしては、この国難を乗り越えることはできない。近隣諸国、特に中国、ロシアは日本が動けない間にも海洋侵出を進めている。また、北朝鮮の動向も気になるところであり、国の建て直しは一刻の猶予もならない。
 震災の復興へ向けた力を国家の再生に向け、新たな資源エネルギー、特に海洋エネルギーの開発をいち早く進めるべきである。さもなければ、日本は、原発騒動に見られるように電力の枯渇、エネルギー資源の不足に怯えることになり、経済の沈滞を招く恐れがある。そのためにも新しい柔軟な視点を持つリーダーが不可欠。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
 政党の枠組みを越え、積極的な施策を打ち出せる行動派の政権が必要。短期的には、官僚を有機的に動かしえる各分野に知見を持つプロ集団による組閣が必要。
 被災地、特に福島だけにとらわれるのではなく、日本全体を考え、震災復興、そして経済復興に結びつける柔軟かつダイナミックな施策を展開できる政権。国難に対処するには、国家の主権を忘れず、隣国の動向にも注視しながら、積極的な施策を打ち出すことが必要。
 
 
 
小幡績
慶應義塾大学ビジネススクール准教授
Q2. 「1 - メリットの方が大きい」の回答理由
今の官邸は機能不全どころか、東京電力の賠償スキームにおける債権放棄の強要など、マイナスの行為を繰り返してきており、官邸機能が停止したほうが(少なくともトップスリーはいないほうが)、国のためになるという皮肉な言い方も出来る。
私は、現在、日本は、政治的倒産状態にあると考える。
したがって、不信任案提出とは、会社更生法ならぬ国家更生法の申請であり、不信任案を出すのであれば、必ず可決しなければならないし、可決後のシナリオ、政府の姿を綿密に準備しておく必要がある。企業の倒産との類推ならプレパッケージ型(新しい経営陣や出資者などすべて次のシナリオが出来上がった上で倒産させること)の倒産だ。
これらの条件が満たされるなら、難しいが、私は不信任案に賛成する。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
組織として行動する政党の確立。
 
 
夏野剛
慶応義塾大学特別招聘教授
Q2. 「1 - メリットの方が大きい」の回答理由
首相としての資質があると思えることが一度もなかった一年間が過ぎつつあり、これ以上現首相を続投させることは政治家のモラルハザードを起こす。日本にとってもこれ以上悪い状況はない。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
思い切った指導者の若返りを求める。「上がり」ポジションとしての首相を目指す政治家は必要ない。既存の政党の枠組みを一度無視し、新首相には適材適所の挙国一致内閣を組閣してもらえないか。日本の将来のためにここが正念場。
 
 
岸本裕紀子
エッセイスト,政治コラムニスト
Q2. 「1 - メリットの方が大きい」の回答理由
「今は非常時であり、菅総理に問題があるとしても、政治家は一丸となって総理を支えていくべき」ということがありながら、それでも政権を支える気運が盛り上がらず、支持率は低迷を続け、物事が先に進まなくなっている以上、総理をかえるしか展望はないように思う。ただ、このような状況をなさけなく思うが。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
現在の政治の混乱は、民主党内の問題が大きいように思う。そろそろ幹事長が総理に進言してもいいのではないか。その上で、両院議員総会を開いて新しい代表を決めるべきだが、その際、候補者は震災対応をはじめとした政策で争ってほしい。今の、「菅総理はパフォーマンスだけ、場当たり的、ポピュリズムだ」といった政治家による一般論の批判は意味はない。批判するなら、しっかりした対案を出して批判してほしい。
 
 
稲増龍夫
法政大学教授
Q2. 「1 - メリットの方が大きい」の回答理由
この難局に政治的空白は避けるべきと思ってきたが,菅政権の優柔不断さとスピード感の欠如をみていると、空白が生じても今よりはマシな気がするので、ここで、新しいスキームに移行してもらいたい。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
不信任決議に民主党内から造反が出たら、大胆な政界再編のチャンスなので、政局的に動くのではなく,復興プランを核に、政策で団結してほしい。
 
 
石川和男
社会保障経済研究所代表
Q2. 「1 - メリットの方が大きい」の回答理由
国として震災復旧復興対策に遺漏無きよう適応していくべき時ではあるものの、それは短期的には行政府に委ねても進めることは十分に可能である。
被災者被災地対策の遅れ、ねじれ国会による政策立案と遂行への隘路の深さ等々に鑑みれば、短期的な政治空白が発生しようとも、早々に菅政権の交代が必要と考える。
今の体制では、震災復旧復興のみならず、震災前からの最大の懸案事項である社会保障•税財政一体改革も、目に見える進捗は全く期待できない。
解散総選挙か一時的大連立かは別として、政権態勢の根本的シャッフルが必要である。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
我が国の高度成長時代を支えた旧勢力から、90年代バブル崩壊以降の低成長時代ひいては今後の少子高齢時代を担う新勢力へのバトンタッチが円滑に行われていない。
そうしたバトンタッチ即ちプレーヤー交代が本質的に実現するよう、少なくとも、政治•行政が司るヒト•モノ•カネ(規制制度、予算など)に関する公的システムを近未来的なものに昇華させる政権運営をすることができる政権が切に望まれる。
 
 
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2. デメリットの方が大きい

山村武彦
防災システム研究所所長
Q2. 「2 - デメリットの方が大きい」の回答理由
復興の道筋さえ見えず原発事故も予断を許さない状況下、権力闘争による政治空白、リーダー不在はデメリットのほうが多く、決して許されるものではない。国民が放射能に怯え、多数の震災被災者が将来への不安に困窮している今、次期リーダーの政策も顔も見えない首相不信任案提出はさらに政治不信を招く。「誰がなっても管よりまし」という程度の次期首相ではさらに混迷を増す危険性がある。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
これほど首相が短期間で交代していては、継続性が求められる長期的政策遂行は不可能だし、国民生活は不安定となり国際的信用も失っている。こうした政治状況を打破するためには国民が総理を選ぶ「総理大臣公選制」に移行すべき。そして、腰を据えて山積みの難題に取り組める環境を作るべきではなかろうか。
 
 
中野晃一
上智大学教授
Q2. 「2 - デメリットの方が大きい」の回答理由
内閣不信任を行おうとしている人たちが、菅内閣に変わる首相や政策について合意している「建設的不信任案」ならいざ知らず、自民党も公明党も、菅首相に対する個人攻撃や揚げ足取り以外に何も提示できていない。民主党が割れない限り衆議院で多数派を形成することさえできないのに、反菅陣営である小沢系とは菅内閣より政策も理念も乖離している。被災者や国民の利害を無視した近視的な党利党略、政局としても最低レベルとしか言いようがない。国際的に見ても恥ずかしい。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
永田町の住人たちに必要なのは何よりも「慎み」。菅内閣も、被災者、ほかの有権者、党内、野党に対して慎みをもった政権運営を心がけるべきだが、それ以上に民主党内の反菅陣営、自民党、公明党など野党は我が身を振り返って慎むべき。罵詈雑言を弄するだけの評論家的な態度は捨て、政権をかつて担ったことがある政治家として慎みと責任をもった建設的な態度を。自民党、公明党、小沢、鳩山らがかつて政権を担ったときに菅内閣と比べてそんなに素晴らしかったとは誰も思っていない。震災後の危機的な状況にあって、人としての慎みを基底にした建設的な態度なくしてどんな政治の枠組みも機能する訳がない。
 
 
坂野尚子
株式会社ノンストレス社長
Q2. 「2 - デメリットの方が大きい」の回答理由
残念ながら現在の政権については評価できないが、この時点での政治空白は避けたい。また、次の顔が見えない。今は与野党一致団結して国政を優先させること。海水をとめた、知らない、などの一連のやりとりに国民は辟易している。もっと国会で討議すべきことが山のようにある。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
日本のあるべき姿を明確に内外に打ち出すこと。
短期的には、東北の復興、および、日本全体の経済再生、財政の立て直しが一番の重要課題。
少子化、高齢化、クリーンエネルギー化などは、中期的なテーマ。
長期的には、世界の中での日本のポジションを。
 
 
萱野稔人
津田塾大学学芸学部国際関係学科准教授
Q2. 「2 - デメリットの方が大きい」の回答理由
なによりも震災復興がさらに遅れることのデメリットが大きい。
もちろん管政権に問題がないわけではないが、大震災と原発事故が重なった、今回のような未曾有の非常事態では、どの政党が政権でも50点未満の点数しか取れないはず。本来なら、立場の違いを超えて大同団結して非常事態に対応すべきなのに、政局にもちこんで復興を遅らせるなんて言語道断。ここで内閣不信任案が提出されれば、それが可決されようが否決されようが、非常事態に何をやっているんだと、日本の政治は国際社会から愛想をつかされてしまうだろう。それに原発事故に関しては、小泉元首相も5月28日の横須賀市での講演会で指摘していたように、歴代の自民党政権にも責任があるはず。それを棚にあげて、原発事故対応を理由に不信任案を提出すれば、自民党も国民からの信頼を完全に失うことを覚悟したほうがいい。
Q3. 回答を控える
 
 
木村太郎
ジャーナリスト
Q2. 「2 - デメリットの方が大きい」の回答理由
チャーチルの民主主義論式に言えば、「実際のところ、菅政権は最悪の政権ということができる。その他のあらゆる今の政治指導者を除けばだが」となる。
菅政権に代わりうる選択肢がないまま総選挙に突入すれば、災害復興を少なくともひと月失速させるだけでなく、800億円の選挙費用を浪費するだけになる。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
脱原発に始まるパラダイムシフトを受け入れて、これまでにない発想で内外の政策を推進すること。
 
 
坂東眞理子
昭和女子大学理事長
Q2. 「2 - デメリットの方が大きい」の回答理由
日本の国内事情は外からは見えませんから、1年未満で総理がころころ変わるのは、日本政府に対する信頼をさらに低下させると思います。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
そうはいっても震災、特に放射能対策では改めて民主党の政治の稚拙さが明瞭になりました。官僚を無視するのではなく能力を発揮させることこそ政治家の仕事です。ボタンの押し方を知らないのは経験不足でやむを得ないと思いますが、まだ仮免の総理にこの事態を預けなけえばならない日本は、天災に合うのと同じくらい不運だなと思います。
 
 
中津孝司
大阪商業大学総合経営学部教授,国際問題評論家
Q2. 「2 - デメリットの方が大きい」の回答理由
管政権の支持率は3割を下回っており、国民は管政権を支持していない。即刻退陣―これが有権者の審判だろう。ただ、G8サミットが終了した直後、補正予算を審議しなければならない事情、管首相に代わる新首相が誕生しても、能力に期待できないこと、その前に現在の政界に首相にふさわしい人物が存在しないこと、といった要因を考えると、誰が首相になっても国民の支持は得られない。そうであるならば、続投が最も生産的だと思われる。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
政権の在り方を考える前に、政治家を要請する、政治家になろうとする人物に研鑽を積ませるシステムをまず、構築すべきだろう。いわば政治家エリートを養成する制度がないと人材不在の状態が永遠に続く。急がば回れで、各政党内に政治家養成訓練所を設置することを提起したい。たとえば、福島原発事故が国際問題、外交問題であることを真に理解する政治家が一体どれだけいるか。エネルギー政策を打ち出すことなど、土台無理な話である。
 
 
伊東乾
作曲家・指揮者 ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督
Q2. 「2 - デメリットの方が大きい」の回答理由
震災復興ないし福島第一原発の収拾に一定の目処が見えた(らしい)、という政治的判断で、サミットなどのタイミングにあわせて政争を仕掛けるものと見るが、被災地の現実や事故対策など詳細を見れば、現状は政治日程に空白を作るべき時期ではない。

現政権の政策には疑問もあるが、足を引っ張り合うべきタイミングであるか、頭を冷やして考えるべきだ。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
少なくとも現在の米国程度には、まともに頭の動く人物が、きちんとした意思決定に責任を持てる形を整えなければ、国の行く末は暗いとしかいいようがない。

こと原発に関していえば、現在の事態を出来させたのは自民党政権であるのが一点。米国のスポイルズ・システムを見てみよ、というのがもう一点。国難をどのように現状認識するか、というとき、どれほどの大局が見えているか? 

現在の民主党政権が十全とは到底思えないが、既存党派の組み換え程度のことで、施策が質的に向上するとは、率直に思えない。

形骸化の著しい自民党政権にNOを突きつけての民主党への政権交代だった筈だ。暗黙の前提となっていたシナリオが、いま明らかに通用しなくなりつつあり、本質的な転換が求められる中、政策決定に判断能力のある人材を適切に登用し、確実に履行できる政権システムが必要不可欠である。

エクスパティーズの水準にない意思決定は衆愚政といわねばならない。そこからの脱却こそ真の民主主義実現の原点と考える。
 
 
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3. そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)

浜辺陽一郎
青山学院大学大学院法務研究科(法科大学院) 教授,弁護士
Q2. 「3 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
「仮に不信任案が可決されたらどうなるか」という仮定の質問だが、いままでの民主党の議員の方たちの動きからすると、そうなる可能性はかなり低いようである。そのため、この仮の質問に対する回答も、かなり非現実的なものにならざるをえない。

もしも、民主党の人たちのかなりの人数の議員が勇気を持って不信任案に賛成すると、それは民主党の分裂を意味することになり、政界再編となる。それは、どこかの時点でやるべきことである。

国民の期待を裏切り続けている現在の民主党政権は限界に来ている。
また、どこかの時点で政界再編が必要なのだが、どの時点でも、その時々の問題があるので、タイミングを待っていれば、永久に来ない。

従って、この際、民主党も自民党も、出直し的な解体をしてもらいたいので、この時点における政界再編もありだと考える。

ただ、確かに、震災や原発問題で、デメリットも大きい。そのため、メリットというほど積極的には評価できない。つまり、不信任否決も好ましくないし、不信任可決も、好ましくない面があり、どちらも良くはない。しかし、物事を全体として前進させるためには、苦しいところだが、今も政権再編をするべき一つの時機ではないだろうか。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
短期的に速攻で直ちにやるべきこと、中期的な課題、長期的な課題を整理して、それぞれの問題を、着実に進めてほしい。

しかし、現在の民主党政権は、何を目指すか方向性もわからなくなっており、国民の支持も失っており、ほとんど何も期待できなくなっている。

他方、自民党も古いままでは困るが、新しい動きもあって、いくつかの考え方が混在しているようである。

そこで、これからの政権の枠組みとして、エネルギー政策、社会保障、財政再建、外交政策その他の主な課題について考え方を整理して、基本的な理念を共有した人たちを中心に政権を再編成することはできないであろうか。
 
 
森信茂樹
中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員
Q2. 「3 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
かりに大連立政権になった場合、国会で現政権の原発責任はだれが問うことになるのか、それを考えると、現在の状況はそれなりに意味があるのではないか。そもそも自民党にリーダーがかわっても、原発スキームがドラスティックに変わるとは思えない。現政権が責任を感じて全力で力を尽くすことしかないのでは。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
国の形を考えるのは、社会保障・税一体改革である。6月に公表される、「2015年に向けての社会保障の充実・効率化と税負担増」という姿に、政治家各人がどうコミットするかが、将来の我が国の形を決めることになる。政治家一人一人に考え方を求めて、将来の選挙まで記録にとどめてはどうか。
 
 
本田宏
医療制度研究会副理事長
Q2. 「3 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
官僚主導政治からの脱却を謳って政権交代を果たした民主党政権は、今回の未曾有の大震災発生の前から、官僚主導政治に舞い戻ってしまっている。すでに当初のリーダーは、政治献金等のスキャンダルが繰り返しメディアで報道され、司法の判断がなされる前に、政治の表舞台から現場に戻れない状態に葬られている。
その現実を考慮すると、官僚主導で構築されてきた電力事業問題を、誰かが変わりに首相になったからといって、すぐに変わるという期待は抱きにくい。
一方、情けないが自身ではなかなか変われない日本。今回の国難とも言える大震災は、黒船襲来と敗戦に次いで、日本が大きく変化できるチャンスとも捉えられる。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
明治以降、官僚政治の最大の問題点は「甘い情報分析と遅い基本方針転換」で官僚政治は危機管理対応には不向き。今こそ明治の渋沢栄一が嘆いた官尊民卑を脱却する気概を持つ人々が結集する時。小沢氏を含めて強力な危機管理が可能な内閣の確立が求められる。
 
 
朴斗鎮
コリア国際研究所所長
Q2. 「3 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
菅内閣に危機管理能力、国家指導能力がないことは明白だ。それは震災地への対応や福島原発事故に対するこれまでの経緯を見ても明らかである。本来ならば即交代が妥当であろう。
だが現在の状況において政治空白だけは避けるべきだ。政治空白が発生しなければ菅総理の退陣はあってよい。そうした道筋をつけるためにも、ここは苦しいけれども忍耐を続け、もう一度大連立を模索するなど日本が一丸となる努力をすべきである。党利党略に走るときではない。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
現在の難局克服に目処がついたとき、政界再編を行なうべきだろう。
 
 
牛尾奈緒美
明治大学情報コミュニケーション学部教授
Q2. 「3 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
今回の不信任案提出によらずとも、民主党内からの支持も得られていない現政権は、このままの状態での継続は無理であろう。
ただ、震災後の財源確保に向けて、特別国債の発行の是非など早急に国会の審議を進めていかなければならないことは言うまでもなく、
与野党双方が私利私欲を超えて政策的な歩み寄りを行わない限り、
前向きな結論は導かれず、それこそ日本にとって大きな損失となる。
Q3. 回答を控える
 
 
石澤靖治
学習院女子大学長
Q2. 「3 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
 回答は「変わらない」世論調査の結果をみても、国民が菅政権を信頼していないことは明らかである。しかしながら民主党の小沢氏を中心とする反菅勢力、あるいは自民、公明の野党に対しても国民の信頼を得ているわけではない。しがって、今後の政界の動きは単なる政争としてしか国民の目には映らないであろう。
 その中で大連立になれば、多少はましな選択であろう。しかしその際には、首相、閣僚、議員の全てが政治的な駆け引きを棚上げして、日本の復興のために尽力するという態度を表明する必要がある。そうでなければ、国民は政治的な選択がないと認識して、日本の民主主義は極めて危険な状況に陥るであろう。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
ある程度の混乱は予想していたものの、民主党政権はあまりに未熟だった。しかしながらそれでも政権交代は必要だった。それは次の段階として、外交や経済政策、思想などの面で一致する人たちが集まる政界再編が行われることが前提だからであり、日本の政治は初めて戦後の二歩目を踏み出すことができる。ただその時期が震災直後の現在であるかどうかは、定かではないが。
 
 
鈴木豊
青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科教授・公認会計士
Q2. 「3 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
回答を控える
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
政権の変化は、国民の視点からはやむをえない。しかし後を誰がやるかは難しい選択である。というのは、この混乱の元凶は、旧政権・新政権の大多数がもともと関与していたのであるから、与党・野党ともに国民に責任がある。されど時間の浪費は、国民のリスクが増大するだけだあるので、与党・野党の連合によって、旧弊にとらわれず、適材適所の人材配置を国民の目線で緊急に検討して決定すべきである。
 
 
江川紹子
ジャーナリスト
Q2. 「3 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
実のところ、メリットが大きいのかデメリットが大きいのかよく分かりません。
 というのは、内閣不信任案を出されようとしている自民党は、これまで、災害時の対策の不十分さや危険性を指摘されても、十分な対策をとらないまま、原発を推進されてきたわけで、そこに今起きていることの原因があるわけです。
 原因を作った側が、対応の悪さを指摘しても、ちっとも説得力がありませんし、自民党を中心にした政権ができればよくなるなどとも思えません。
 自分たちのどこが間違っていたのかを、きちんと総括し、国民に謝罪するべきではないでしょうか。
 にもかかわらず、現政権の問題点をあげつらうばかり。しかもこんな状況でも、自民党内の原発推進派の方々が動き出しているとの報道もあります。
 内閣不信任案を云々する前に、自分たちのやってきたことをまず反省し、その責任をとるべき人はきちんととるべきだと思います。
 しかし、そうは言っても、現政権の対応は、本当にひどすぎます。
 当初、パニックを恐れて情報を小出しにしたために、余計な放射線を浴びてしまった人がたくさんいました。事態を矮小化しようとする対応により、国民は何を信頼したらいいのか分からず、不安な気持ちでいます。国際社会からも不信感を抱かれかねない状況です。
 原発被災者を「国策の被害者」と位置付けたのはいいにしても、その生活の対策などが遅すぎます。
 海水注入のことで批判をされると、事実を十分に確認もしないまま、あたふたと発表するなど、政権を守ろうとする動きは拙速といっていいくらい、素早いのですが…
 だからといって、自民党政権だったら、情報は適格に素早く正確に開示されたでしょうか…自民党政権時代の情報公開に対する対応を思い起こすと、決してそうは思えないのです。
 菅政権が続くがいいか、それを潰して自民党中心の政権ができるのがいいのかというのは、まるで地獄の一丁目がいいか二丁目がいいか選べと問われているようで、本当にお答えに窮してしまいます。
 まったく答えにならず、申し訳ありません。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
上記のような状況ですので、長期的なことを考えれば、自民党か民主党かという枠組みではなく、エネルギー政策と環境問題、社会保障と税など、いくつかの重要な政策について、概ね方向性が一致するグループで、再編をした方がいいと思います。
 そのうえで、国民に選択をさせて欲しい。
 ただ、そのためには、国民自身が今の課題について、きちんと意思表示ができないといけない。
 今の政治の姿は、国民の状況をよく反映している、と言えるのかもしれません。
(これまたお答えになってなくて、申し訳ありません)
 
 
南淵明宏
医療法人社団 冠心会 大崎病院 東京ハートセンター  心臓外科医
Q2. 「3 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
議論すること自体が問題、というか職場放棄。そういう議論をしている国会議員が全員、まず不信任をつきつけられるべきだ。
国会は議案を論じる場で今の議案は震災復興。与えられた現場とルールで全力を尽くすことが人が仕事をする、ということ。
国会は烏合の衆が「政党政治」という慣習的制度や法律を曲解した単なる遊びの場と化しているようだ。何も変えられず何も作れない、ごく限られた人間の資産が増えるだけの政治をやり続けるなら、それなりの審判をいつか受けることになると自戒すべきだ。
Q3. 「これからの政権の在り方」への意見
3月11日以来、国会議員は何をした?各政党も何をした?政党の中でも何も決められず、何も言えない、もちろん何もできない。国民は思っている。「なんだ、あの人ら?」
えらそうにバッジをつけ高級車を乗り回し、国会議員は国民のために何もしごとをしていない、と言う事実が3月11日、刻々と日本の歴史に刻まれている。その現実を直視し、国会議員一人一人が何をすべきかを考えるべきだ。そうでなければ国民は、官首相だけでなく、国会議員全員を不信任する。
 
 
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