2012年07月28日 ザ・コンパスで放送
社会・公共

『国会前デモ』をどう考える?

■1:設問テーマの背景(facts)
3月から毎週金曜日に国会前で原発再稼働に反対するデモが行われ続けています。
当初300人程度からはじまったこのデモには徐々に注目が集まり、1960年の安保闘争の
国会デモに次ぐ数万人規模にまで拡大しています。
また、この一連のデモには、子供連れの母親や仕事帰りのサラリーマン、
カップルでの参加も目に付くなど、気軽に誰でも参加できる雰囲気があること、
ツイッターやフェイスブックで情報の拡散、共有が行われてることが新たな特徴として挙げられます。
こうした点で、ジャスミン革命やオキュパイウォールストリートと共通する要素もあるとの指摘もなされています。

野田総理は、これまでのところデモに対して、積極的に関わる姿勢を見せていませんが、
そうした中、7月29日(日曜日)には、最大規模の国会包囲デモが予定されています。

■2:社会の反応(reaction)
デモについての反応はさまざまです。
幅広い人々が政治に対して意思表示していること自体への評価や、
整然としたデモの行われ方についての評価の一方で、
原発再稼働反対を訴えるのみであることなどについて
否定的な見方もみられます。

■3:番組として(our aim)
エネルギー政策、TPP、社会保障制度など、今の日本が向き合っている大きな政治課題は
いずれも国民と政府のコミュニケーションの重要性がこれまでになく高いものであることを踏まえ
今回、番組では『国会前デモ』をどう捉える事ができるかを考えたいと思います。
コンパス・オピニオンリーダーの皆さまのご意見を是非お聞かせ下さい。

オピニオンリーダーへの問いかけ

※コンパスで掲載された全ての意見・回答は各氏個人の意見であり、各氏所属の団体・組織の意見・方針ではありません。
Q1:問1:『国会前デモ』はこれからの日本の政策決定に影響を与えると思いますか?
Q2:問1への回答理由を教えてください。
(影響を与えると思われた場合、どのような影響を与えるかについてもお聞かせください。)
Q3:今後、政府や政党、国会議員は『国会前デモ』にどのように対応するべきでしょうか。
Q4:『国会前デモ』のような行動は、今後、国民にとって、国政に対する有効な意思表示になりうるでしょうか。

オピニオンリーダーの回答

( 26件 )
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1. 大きな影響を与えると思う

山村武彦
防災システム研究所所長
Q2. 「1 - 大きな影響を与えると思う」の回答理由
・原発事故は未だ収束せず、それぞれの事故調報告書はバラバラで総括されていない
・安全対策は後でやるから安全が担保され再稼働、という子供だまし論法に国民の怒りに火が付いた
・継続した整然で静かなデモほど、為政者に強いメッセージを与える
多くの人々が再稼働反対の一点に共鳴・集結し、静かにだが強い抗議の意志を継続的に示している。「再稼働反対」というスローガンの中には
1、福島第一原発事故という人災がまだ収束しておらず、事故調でも総括されていない段階で、他の原発再稼働は政府の暴走である。
2、安全対策は後でやるからという、子供だましの再稼働ありきに突き進む政府への不信感
3、事故多発のオスプレイ搬入を受け入れる政府姿勢を含め、安全への重大な懸念
などが含まれている。
 参加者の中には倒閣運動に結び付けようとする一部政治家もいるが、大部分は今まで声を上げてこなかった普通の市民のように思われる。この国の将来の安全に対する不安が「もう放っておけない」「もう黙っていられない」という声がデモ行進につながっていると思う。選挙を間近に控えた政治家や政府が、この動きを無視することはできない。
 
Q3. コメントする
 危険なのに安全であると言いつくろおうとする姿勢を改める必要がある。危険なものは危険とはっきり説明し、もっと率直に現状を語るべき。
Q4. 有効な意思表示になりうる
継続した整然で静かなデモほど、為政者に強いメッセージを与える
 
 
夏野剛
慶応義塾大学特別招聘教授
Q2. 「1 - 大きな影響を与えると思う」の回答理由
これまでと違って今回のデモはいわゆる「組織化」されたものではなく、ツイッターやネットでの呼びかけに賛同するものがいわば勝手に集まってやっている。だから組織力こそないが、国民の賛同を広く集めつつある。決める政治と言いながら、各論では逡巡し、密室型の決着に終始する現政権の弱さを、このデモは結果的にクローズアップすることなっている。元首相が参加するなど民主党内の動揺も広がっており、早晩無視することはできなくなるだろう。
Q3. コメントする
そもそもITやネットの発展により、国民と政治家の情報格差はほぼなくなったと言っていい。一方現在の間接選挙や政党政治の仕組みは60年以上前に作られたもので、この情報格差を前提としている。そういう意味では現在の国会議員には申し訳ないが、選挙で選ばれてはいても、常にその行動は国民の監視の対象となっている。つまり選挙が近いかどうかに関わらず、常に国民の声、特に一部の団体が「組織化」して出してくる声ではなく、自発的に巻き起こる運動やデモにはこれまで以上の関心を持って耳を傾けるべき。自発的に官邸前に集まる規模は実際の声のほんの数分の一であろうから。決める政治も決めた背景と論拠をきちんと説明して初めて成り立つということを理解した方がいい。
Q4. 有効な意思表示になりうる
エジプトやチュニジアのように自発的なデモには政権を揺るがす力があることを先進国でも証明しつつある。政治の仕組み自身が時代遅れなものである以上、前時代的なデモという手法が国民の意思表示に有効であるというのは皮肉な話だ。
 
 
本田宏
医療制度研究会副理事長
Q2. 「1 - 大きな影響を与えると思う」の回答理由
 歴史学者の朝河貫一は「日本の禍機」で「事情をよく知らされていない日 本では罪のない忠実な一般の人民が気の毒。 日本人は愚かな指図や悪い指揮にも簡単に従 つてしまう傾向がある」と嘆いた。ようやくSNS等を駆使して国民は正しい情報にアクセス可能となった。国民が変われば政治(≒政策)も変わる。
 明治時代に日本人初で米国の大学教授となった歴史学者の朝河貫一は「日本の禍機」で世界を敵にまわそうとする日本人を戒め、当時の日本人をこう嘆いた。「事情をよく知らされていない日 本では罪のない忠実な一般の人民がもつとも気の毒です。 日本人は愚かな指図や悪い指揮にも簡単に従 つてしまう傾向がある。自由主義にあっては、その国民が世界における人間の立場をすべてにわたつて 意識するまでに進歩しているかどうか、それこそが重要である」と。21世紀になってSNS等を駆使して国民は正しい情報にようやくアクセス可能となった。日本人が真の民主主義国家の国民に脱皮する証。国民が変われば政治(≒政策)も変わる。
Q3. コメントする
 国民の民意を直視し、政策に活かすのが政治家の仕事。今回のデモを明治以来日本が抱えた問題の深層である「官尊民卑の官僚主導政治」と「道徳経済合一論がない経済界」の問題解決のため、心ある政治家は千載一遇のチャンスとして活かすべきだ。
Q4. 有効な意思表示になりうる
 日本人が諦めずに政治に声を挙げるために協力な武器となる。大震災•原発事故、消費税増税、TPP、未曾有の高齢化目前に医療福祉崩壊、格差拡大•自殺大国等々、国民が政治に訴えるべきテーマは多い。国民は選挙の一票のみでなく、デモが政治参加の一法として有効なことを体感すべきだ。
 
 
中津孝司
大阪商業大学総合経営学部教授,国際問題評論家
Q2. 「1 - 大きな影響を与えると思う」の回答理由
国会前デモが最悪の場合、反政府運動に変質していくことも想定して、日本政府はデモ参加者に対して率直な見解、回答を提示すべきだ。
 いわゆる「アラブの春」やロシアで展開されている「反プーチン・キャンペーン」で活躍したのが情報インフラ。集客の手段となる情報インフラがなければ「アラブの春」も「反プーチン・キャンペーン」も規模が拡大しなかっただろう。前者の場合、独裁者を政界から追放する勢いとなった。その発火点は弱者、少数派、貧困層を政界トップが軽視したことにあった。
 国会前デモは現段階では平和裏に行われているが、国会前で実施されていることに深い意味がある。幸い、治安当局や機動隊と衝突、流血といった事態には至っていない。しかし、日本政府は彼らの行動を世論の一つと捉えて、厳粛に受け止めるべきだろう。もちろん、デモ参加者がどのような社会的層なのかを政府は分析する必要がある。左翼勢力が市民を扇動しているのか、メーデーのようなデモなのか、中身を精査する必要があるだろう。ただ、原発再稼働反対という要求は社会的に重い要求である。対案を提示できていないという難点もあるが、政策当局は彼らの要求に対して率直な見解を示すべきだ。そうでないと、要求が無視されたと彼らは認識するだろう。そのズレが恐ろしい事態、すなわち反政府運動を招くこともあり得る。
 
Q3. コメントする
 同調するのか、反対するのか、デモに対する姿勢、立場を鮮明に表明すべきである。日本政府は政府の見解を、各政党はそれぞれの見解を、国会議員は各自の見解をそれぞれ表明すべきである。立ち位置を明らかにしないと、それぞれの対処方法が不明確となる。言葉と態度で明瞭に示すべきである。
Q4. 有効な意思表示になりうる
 有効な意思表示になるとの前提に立って、対処することが重要である。最も回避すべきは日本政府がデモ参加者の意見や要求を無視することだ。無視すれば、後になって大きなズレが生じ、問題が収束しなくなってしまう。一般市民はデモという行動でしか政府に要求を突き付けることができない。それは換言すると、日本の政府、国会議員が無能だというデモ参加者の意思表明である。社会問題に一般市民が関心を示すことは前向きに評価すべきだろう。積み重なれば、日本の政策決定に少なからず影響を及ぼすはずだ。
 
 
長田渚左
スポーツジャーナリスト
Q2. 「1 - 大きな影響を与えると思う」の回答理由
デモをしたことの無かった人々の参加が大きい。真剣に人々が自らの生活を考えての行動です。このことが反映される政治が社会になるべきでしょう。必ずもっと大きなうねりとなる。
Q3. コメントする
絶対に無視できない。すべて有権者です。デモに参加している人の声をきちんと話を聞く必要がある。
Q4. 有効な意思表示になりうる
勿論、意思表示になりえる。
もっともっと大きく参加者が増すはずですし、期待しています。
 
 
若狭勝
弁護士
Q2. 「1 - 大きな影響を与えると思う」の回答理由
 国政選挙における投票率の低さは、自らの一票の重みが実感できないこと
にあると思います。
 それに比べ、裁判員はどうでしょうか。裁判員としての自分の一票は、
リアルタイムに判決に影響し、その重みを非常に実感できます。やりた
くなかった人も裁判員の任務を終え、充実感を持つゆえんです。
 今回のデモは、自らがデモに参加することで、その勢いの大きさや行動に
移す必要性につき、重みとして実感できると思います。
 その実感は、自分の小さな一つの意見でも重要な役割を演じると更に実感
でき、徐々に一つの課題につき団結するという大きな力になっていくものと
思います。
 従って、こうした動向は、日本の政策決定に大きな影響を与えると思い
ます。
 政府や議員は、一般市民の生の声を無視出来ない、無視してはいけな
い、いや、機敏に生の声に聞く耳を持たなければならない、そして、
政策に具体的に反映していかなければならないという影響を与えます。
Q3. コメントする
デモの今後の推移によっては、そのデモの声が一般国民の声をどの程度反映しているのか
を明確にするために、選挙によって原発再稼働の当否に関して意見を具体的に聞いていく
必要があると思います。
Q4. 有効な意思表示になりうる
有効な意思表示にはなりうると思いますが、サイレントマジョリティ(デモに参加しない人の多数意見)
を見極めるためには、選挙を行うことになると思います。
 
 
武貞秀士
拓殖大学大学院特任教授
Q2. 「1 - 大きな影響を与えると思う」の回答理由
普通の人々が街頭に出て静かに主張をしなければ、とりかえしのつかないことになると考え始めた。既成の政党、権威あるものへの信頼が薄らいできた結果、静かなデモが始まった。このデモは「支持政党がない」という日本人が5割を超えたことと関連している。
問2:問1への回答理由を教えてください。
 (影響を与えると思われた場合、どのような影響を与えるかについてもお聞かせください。)

 大きな影響を与える可能性がある。先日、仕事の帰りに車で日比谷から溜池へ抜けようとしたとき、国会近くでこのデモに遭遇した。整然としたデモだった。人々は信号が赤信号に変わると青に変わるまで整然と待っていたのが印象的だった。1960年の安保反対闘争とは全く異なる。「普通の市民」が参加して主張をはじめた。いま日本人に浸透しつつあるのは、「普通の人々が街頭に出て静かに主張をしなければ、とりかえしのつかないことになる」という意識である。このデモの背景には、国民が国家の安全、生活の防衛、原子炉の保安を監視しなければという切羽詰まった意識がある。既成の政党、権威あるものへの信頼が薄らいできたのである。これは「支持政党がない」という日本人が5割を超えたことと関連している。
このような意識の変化をもたらしたのは、去年の3月11日の大災害とそれ以降の福島第一原発の惨事である。そして、この災害と惨事に対する対応を検証する報告書が次々と出てきて、責任ある立場の人々に対する不満が高まった結果である。あの日以前の日本と以後の日本は違うということを理解しなければならない。国民の意見を聴取する政府主催の会に電力会社の人間が「公募」して意見を述べた。絵に描いたような「さくら」である。電力会社の関連会社が放射線測定量を少なくするために偽装したり、責任ある部署がとった対策が、検証の結果、手抜かりが多いことが判明したり、国民に対してきちんと説明すべき指導者が危機管理意識が希薄であったりということが明らかになってぎた。そして国民は静かに異議申し立てをする方法を考え始めたのである。国民は以前とは異なる方法で目を光らせることが必要と考えるようになっている。
Q3. コメントする
政府や政党がこの静かな異議申し立てを無視し続けたとき、とりかえしのつかないことになる。国民の5割を超す無党派層らがこの街頭デモの参加者の背中を押している。この暑さのなかで街頭に出て、カメラで写真をとられることを覚悟してデモに参加する人々は、強い憤りを持って街頭に出てきた普通の人々である。国民は政治に対する不満、不信を静かに表現し始めた。有権者が自分の選んだ国会議員に自分の願いを託すというシステムだけでは、不十分だと思い始めた。首相官邸周辺の静かなデモがこのような人々による静かなデモであるかぎり、影響力は続く。しかし、特定のイデオロギー色の強い反原発運動や、昨年3月11日以前からあった反原発運動が、この静かな普通の人々の異議申し立て運動のエネルギーを利用しようとするとき、この異議申し立て運動の意義は消滅してしまう。
Q4. 有効な意思表示になりうる
ドイツ、フランスなどではごく普通の形のデモである。日本において、いままで日本のデモが影響力に限界があったのは、暴力で政治を転換させるべきという発想を内部に含めながら「場外闘争」(国会外での闘争)をしたからだった。議会制民主主義を支持する多数派の心を掴むことはできなかった。問答無用というスタイルのデモでは、政治をかえることはできなかった。今回の静かな国会前デモは、無党派層による意思表示であり、有効な意思表示になりうる。既成政党のありかたや政界再編に一石を投じる可能性がある。
しかし、日本では韓国やフランスのように街頭デモがきっかけで革命が起きるようには思えない。やがて街頭デモのエネルギーは、その意見を代弁する新しい政党が誕生して、その政党の活動に吸収されることにより、街頭の異議申し立て運動は吸収されてゆく。そのことは、民主主義の成熟度とは関係ない。政策を変えることができるのは結局は「おかみ」だという意識が日本人にはある。新しい「おかみ」(新しい政党)の登場、あるいは、「おかみ」の組み換え(政界再編)を促すことを選択するのが日本人なのだろう。
 
 
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2. 何らかの影響を与えると思う

南淵明宏
医療法人社団 冠心会 大崎病院 東京ハートセンター  心臓外科医
Q2. 「2 - 何らかの影響を与えると思う」の回答理由
「うるさい音」にしか聞こえないようだし、いろいろな事情もあってあの人の「不退転の決意」は変わらないのだろうけれど、この社会の何かが大きく変わって行く実感があります。そう、日本社会歯しっかりと目覚めつつあると思います。
これまでずっとメディアはこの種のデモを黙殺してきたわけで、それを近視眼的即物的政権迎合資金難当局怖い!のメディアでさえ取り上げるようになったのだから世の中動いた、と言うべきだ。「組織票でがっつり!まともな国民は選挙なんか行かないぞー」に胡坐をかいてきた政治家どもも少しは「これは票になりまんがな!」と配慮はするようになるだろう。corporatismの黙殺が通用しなくなった段階でもある。そうと判断したら今度は奴らは妨害を試みるかも知れない。かつて司直に原発問題の説明会(タウン・ミーティング形式?)参加者のリストが経産省から渡されたのではないかとの報道があったが、そういう手法(怪しい奴は黒と決めつけ、決して再考しない)が我々の知らないところでもっとえげつなく行われているのかも知れない。ジャスミン茶革命やウーロン茶革命などと悠長に浮かれるのもいいが、そういった古式ゆかしき王道的やり方でデモ参加市民の中から「細胞」が特定され、一つ一つつぶされていく、かつての「特高」方式の開陳が巷であふれる時代なのかも知れない。
他にも考えられるのは、ちょうどオリンピックなのでそういう話題に持っていくとか、もう一回アイドルの総選挙をやるとかイジメ黙殺教育委員会の弾劾公開魔女狩り裁判などで国民の目くらますとか、いずれにせよ、今の時代では既に相当に陳腐なやり方での末期政権の「反動」が少しは見られるだろうからそういった「風情」を少しは楽しむことができるだろう。
例えばある大新聞社がこういったデモを「ある思想勢力やお金持ちの文化人が騒ぎを大きくしたい」ために参加している、と論評している。記者をここまで社畜にするとは、なかなか骨のある新聞社だ。
ただし、このデモの本当のエネルギーは現代社会の政治の在り方への根源的な問いだと思う。今の政権がどうとか言う問題ではなく、民意で選ばれたはずの国会議員が大多数の民意にそぐわない法案や政治姿勢で突き進んでいる大矛盾と目の前に、「民主主義って何だよ!?」という根源的な疑問が全国民の中に生まれている。リップマンが「幻の公衆」で1920年代に既に指摘したように、選挙で選ばれた議員に流動的かつ他sy多様な民意が付託できるはずなどない、選挙は議員と言う特権階級を「民主主義みたいなぁー、そういう感じが少しはするやり方でぇー、イチビリなおっさんたちを選んだだけのぉー」茶番に過ぎない。しかし代替案があるのか、というとない。私はと言うと、いつものフレーズだが、毎日の日課として自分の目の前に広がる自分の畑を自分の手で、しっかりと汗を流してただただ耕すだけだ。セシウムを浴びながら(「キャンディード」)。
Q3. コメントする
せいぜい集票にご活用なさったら。
皆さん例外なく次の選挙はやばいでしょうから。
Q4. 有効な意思表示になりうる
偏向メディアでさえ動かしたのだから当然、大きな意思表示になる。
今回の暫増的盛り上がりはメディアの黙殺に毎回多くの人達が業を煮やしたからだろう。
メディアの取り扱いで社会はどうにでも動くということだが、メディアの思惑通りには動かない、という実証でもあると思う。
とにかく今回のデモの盛り上がりは、アホな議員どもの動向がどうのこうのより、メディアの動向を分析することでその本質、ひいては社会の構造がつまびらかになるように思う。
番組で取り上げるなら、デモとメディアの在り方、としたほうがより多くの視聴者が関心を寄せるのではないか。
 
 
浜辺陽一郎
青山学院大学大学院法務研究科(法科大学院) 教授,弁護士
Q2. 「2 - 何らかの影響を与えると思う」の回答理由
継続的に、一定規模の市民がこうしたデモ、集会を続けているという事実は無視すべきものではないから、何らかの影響はあると考えてよい。デモや集会は、憲法で保障された表現の自由の一つの発現形態であることを想起すべき
継続的に、一定規模の市民がこうしたデモ、集会を続けているという事実は無視すべきものではないから、何らかの影響はあると考えてよい。デモや集会は、憲法で保障された表現の自由の一つの発現形態であることを想起すべきだろう。

ただ、どのような影響を与えるかについては、その争点によって様々である。原発稼働反対については、原発政策に対して慎重な考慮を求める要素となりえよう。
Q3. コメントする
国民がわざわざ自分の時間を犠牲にして、わざわざ国会前にまで出かけるのは、よほどのことである。そのよほどのことが起きていること、やむにやまれず国会前にまで来ているという事実を、政府や政党は、重く、真摯に受け止める必要がある。
Q4. 有効な意思表示になりうる
確かにすべての政策課題についてデモが有効なものとは思われない。

しかし、政府の基本的な信任が問われているような根本問題について、政府がきちんとした説明責任を果たしていないとか、信頼できる人たちが政策形成をしていないようなケースにおいては、政府・為政者に対して国民の素朴な意思表示をする形として、デモという形は有意義であると考える。

デモ等によって不満の意思表示をすることは、選挙の時期まで国民が政治から疎外されているような形になっていることに対する異議を述べる機会として評価できる。

国民と政府のコミュニケーションのルートは、各種メディアを通じた議論や公聴会をはじめとして、多様に用意される必要があるわけであるが、原発政策については公聴会での進め方の問題などもあり、政府や既存のマスメディアの作った場とは異なるデモといった草の根の活動もまた意義があるだろう。

それに対して、外交問題や経済問題のように、思想的な立場や経済的な立場など、複雑な要因を議論しなければならないような問題については、デモの有効性には限界があると考える。

もちろん、その線引きは難しいし、常にクリアカットというわけではないが、現実に起きているデモに参加している人々の性格、人数などによって、総合的に判断すべきものだろうと思われる。
 
 
坂野尚子
株式会社ノンストレス社長
Q2. 「2 - 何らかの影響を与えると思う」の回答理由
デモが民意の全てではないと思う。サイレントマジョリティの方が絶対数からは多い。しかしながら、民意の一部として把握できる数字であることは間違いない。フェイスブックやツイッターでの情報は最初から見ることができたが、鳩山元総理がデモで発言したあたりから、大手のメディアも積極的に取り上げるようになってきた。また、知人また、有識者がデモに参加し始めてもいる。ジャスミン革命やオキュパイウォールストリートもしくは百姓一揆ではないが、もはや政府が無視するべき「声」ではない。今後の政策決定の何らかの参考にすべき声だと思う。
Q3. コメントする
国会前のデモに乗じて自分の政党や政治活動の道具にすべきではない。しっかりとした一貫した持論との関係性が高いのなら、政治家が国会前デモに参加することもあり得るとは思う。鳩山元総理のような言動には違和感を覚える。
Q4. 有効な意思表示になりうる
今まで政治に無関心と言われていた国民だが、今後、若い世代、家族で政治に興味を持つ良いきっかけとなったと思う。ただ、現実的な政策や、政治の粛清までどう具現化できるかは、今後の状況次第である。
 
 
坂東眞理子
昭和女子大学理事長
Q2. 「2 - 何らかの影響を与えると思う」の回答理由
それは間接的で、しかもそれほど大きくはないでしょう。
しかし、野田総理の人気の低落につながりますし、場合によれば次の総選挙の争点・座標軸が原発是か、非かとなるように直感的に思います。もう消費税は争点にならないでしょうから。
おそらく原発が争点になるときに備えてすべての国会議員は、自分の立場を明確にする必要があるでしょう。反対派を説得するのはとても難しいです。
Q3. コメントを控える
Q4. コメントを控える
 
 
岸本裕紀子
エッセイスト,政治コラムニスト
Q2. 「2 - 何らかの影響を与えると思う」の回答理由
デモへの参加者は、「初めて政治に関わった」とか「政策に対して声を上げることができた」と実感していると思うから。また、「一人一人の声が大きなうねりになる」ことも肌で感じとっているとだろうから。
野田総理の説明は、「消費税は将来世代につけを回さないため」とか、「原発再稼働は、しないと日本経済が立ち行かなくなるから」など、大きな括りすぎて、国民一人一人の立場に立っていないようにうつるのだ。
対して、デモは、「原発再稼働反対」の一点で参加を呼び掛けたから効果があったように思う。
今、国民に関心のあるテーマは、「オスプレイ配備の是非を問う」など、一点のわかりやすいテーマだ。
その一点から、範囲を広げて考えていくスタイルは、政治に入りやすい。オスプレイから、基地問題や国防問題。原発から、エネルギー政策。大津のいじめ問題から教育に携わる人たちの事なかれ主義について考えるという具合である。
野田総理は、このデモへの対応を間違えると、ますます国民の支持を失うように感じる。多くの国民はデモの参加者に対して、否定的な見方はしていないからだ。別に鳩山元総理のように、デモの中に入っていく必要はないが、これだけの人たちのうねりをどうくみ取って政治に反映させていくかが問われている。
Q3. コメントする
無視してはダメである。軽く見てもダメである。彼らの意思をどうくみ取って政策に反映するかだと思う。
Q4. 有効な意思表示になりうる
選挙だけが政治参加ではない。住民投票、デモなど、住民の意思が見える形で政治につきつけられる時代が来ているのかもしれない。
 
 
熊谷亮丸
大和総研チーフエコノミスト
Q2. 「2 - 何らかの影響を与えると思う」の回答理由
多くの国民が、政府の原発再稼働を巡る国民への説明が丁寧さを欠いていた点に憤っていることが明らかになり、今後の原発再稼働には従来以上に慎重な判断が求められることとなろう。ただし、残念ながら、大多数のデモ参加者が、原発再稼働に伴うメリット・デメリットを冷静に比較衡量した上で、デモに参加しているとは言い難い。今後、わが国では「ポピュリズム」の蔓延が懸念される
Q3. コメントする
政府の情報発信力を高めることが喫緊の課題である。政府は原発再稼働に至った経緯等を、国民に対して丁寧に説明する必要がある
Q4. 有効な意思表示になりうる
論理的な判断に裏付けられた具体性のある要求を政府に提示することが必要だ。
 
 
稲増龍夫
法政大学教授
Q2. 「2 - 何らかの影響を与えると思う」の回答理由
こうした「デモ」自体は、個別政策に対する「イエス/ノー」というより、「祭り」的要素が強く、あまり振りまわされるのは賢明ではないが、かつてのような、圧力団体の「組織力」やオピニオンリーダーの「影響力」とは違う文脈から起きてきた「動員」は、世論の形成=政治的意思決定プロセスに対する革命的な変化であり、健全に機能すれば大きな政治的影響力を有するはずで、逆に、政治家などは、その流れを軽視してはならないだろう。
Q3. コメントする
個別テーマで右往左往する必要はないだろうが、政策決定プロセスに対する「革命」が起きつつあることを認識してほしい。
Q4. 有効な意思表示になりうる
「アラブの春」などのデモは、国民全体の「隠れた大きな世論(ホンネ)」を代弁したからで、わが国では、
そもそも「大きな世論」が存在せず、明確な主張を持った政治的動員は起きにくい。だったら、「祭り」なので無視をすればいいかと言うと、底流にうごめく「政治的アパシー」を読み取らなくてはならない。それは、個別イシューに対する「意見」というより、現行の政治システムに対する根源的な不信感の現れであり、その意味で、かつての「ええじゃないか」ではないが、こうした「デモ」が頻発することは、政治システムの改革が急務だというメッセージなのである。
 
 
にしゃんた
羽衣国際大学教授/落語家
Q2. 「2 - 何らかの影響を与えると思う」の回答理由
日本の政治、ネットがこれほど普及した現在では『声ある声』を無視することはできない。過去、数十年、政治的無関心の度合いがいささか強すぎた日本に、自分たちで直接、政治を監視していこう。選挙で、だけでなく、大事なことは政府に、直接訴えていこうという動きが定着したら、ガラス張りの政治が実現するかも知れない。
日本は60年安保以降、市民レベルの民主主義が『敗北』から『沈黙』へ、そして『観客民主主義化』し、遂には『極限レベルの個人主義』になってきた流れの中で、今度の『集まり』を見ていると、希望的観測ではあるが、「何らかの影響を与えると思う」。

今の政治家が『声なき声を聞く』などと有権者を無視した言い方などは、メディアやネットで袋叩きに合う。野田総理も「音がしている」という発言は、厳しく批判され、その表現は2度としていない。『鳩山が出てくる』のも含めて、『野田が表現を改める』のも含め、『何かが変わってきたかな』という雰囲気・空気を多くの人が感じている。

これは単なる推測ではあるが、金曜日の国会前に集まる人は『これまで投票に行ったことがない』というのが多いのではないだろうか。そこで、デモの参加者はもちろんだが、テレビでデモ隊を見て「私らと同じ普通の人が行ってるんや」と感じた人、「デモ隊なんて『何でも反対の共産党』やと思ってたら、そうやないんや」と感じた、普通の人たち、その多くは選挙なんか投票に行ったことのない人では?そういう人たちが、『選挙になったら、投票所に行く』ようになる=投票率が高くなる=ことを期待する。

政策がすぐ変わることはなくても、『政治?私らが何してもどうにもならない』だったのが『ちょっと声を出してみようか』『投票しに行ってみようか』と、政治は、有権者が主人公、国民が主人公、という当たり前のことが、みんな実感する、そう変化していくことを期待している。

政治家や政党、政府にしても、ネットがこれほど普及した現在では、『声ある声』を無視することはできない。問題は『どの程度まで対応するか』だろう。突っ込みすぎると、後戻りができない。上っ面だけの対応では、心の内を読まれてしまう。デモ参加者が、一種の流行、ファッションのような感覚で行くのも、成熟への過程では起こる。「誘われたから来た」のも「時間があったから来てみた」のも良し、今はそのことをあれこれ言うまい。むしろ「時間があったからこのデモに参加した」というのが、案外根強く続くのかもしれない。過去、数十年、政治的無関心の度合いがいささか強すぎた日本に、自分たちで直接、政治を監視していこう。選挙で、だけでなく、大事なことは政府に、直接訴えていこうという動きが定着したら、ガラス張りの政治が実現するかも知れない。
Q3. コメントする
『国会前デモ』を「音」としてではなく「声」として判別し、受信することは言うまでも無い。心配ご無用。放っておいても、このデモの輪に加わる第二、第三の鳩山が現れるのは時間の問題。選挙に近づけば、間違いなく政党ごと登場してくると確信している。
Q4. 有効な意思表示になりうる
日本のエネルギー政策のあり方(特に原発事故を経験を経て)についての決断は、民意を反映しない限り、間接民主主義で扱うには限界がある。現状の間接民主主義を補うための国民投票などの制度の導入がなく、現状の政治的決断と民意との隔たりがある日本の現状において、民意を直接訴える方法は「国会前デモ」の他に何がありましょうか。
 
 
山田昌弘
中央大学教授
Q2. 「2 - 何らかの影響を与えると思う」の回答理由
特に、原発稼働の問題は、「身体にセンシティブな女性、子どもの健康を第一に考える女性」にとって、もっとも喫緊かつ最重要な課題である。そのようなに考える人は、さまざまなな支持政党、支持グループ、政治家、無党派層に散らばっている。だから、そのような怒る人々の存在を目に見せることが重要。
今、政党や一つのグループが全てのイシューで、一個人の全く同じ意見を持つと言うことはあり得ない。と問えば、TPPには賛成だけど、オスプレイには反対。靖国参拝は反対だけど、小泉改革には賛成など、各政策ごとに意見、価値観が異なる。
 特に、原発稼働の問題は、「身体にセンシティブな女性、子どもの健康を第一に考える女性」にとって、もっとも喫緊かつ最重要な課題である。そのようなに考える人は、さまざまなな支持政党、支持グループ、政治家、無党派層に散らばっている。散らばっているから、個々の政党(グループ)は代弁できないし、従来の政治システムでは目に見えない。そのような意識をもつ人が「怒っている」ことを見せるという手法は、これから重要になってくる。
Q3. コメントする
政党の政策にとらわれず、政治家個人として意見表明することが求められる。
Q4. 有効な意思表示になりうる
 
 
萱野稔人
津田塾大学学芸学部国際関係学科准教授
Q2. 「2 - 何らかの影響を与えると思う」の回答理由
今回の国会デモの背景には、政府に対する国民の大幅な信頼低下がある。この信頼低下は、実は原発問題にかぎらず、あらゆる領域に及んでいる。今回の国会デモはその象徴にほからない。政府は今後、こうした信頼低下に何らかの仕方で対応していかなくては、政策決定そのものが困難になるという事態に直面しかねない。とくに現在は、増税や社会保障給付削減など、不人気政策を政府が実行していかなくてはならない状況にある(原発再稼動問題もそうした不人気政策の一つである)。国民の政府に対する不信感はますます増幅し、政府はますます政策遂行が困難になるだろう。したがって政府は今後、国民の不信感に応えるための新しい国民とのコミュニケーション回路を模索していかなくてはならなくなるから。
Q3. コメントする
政府に対する国民の信頼低下を前にして、政府はこの夏、エネルギー基本政策に関する討論型世論調査などの試みを実施しようとしている。こうした方向性自体は、国民の信頼低下という事態を考えるなら不可避なものであるし、一定程度評価されてもいいだろう。とはいえ、いまの徹底的な信頼低下のまえでは、こうした試みすら「政府はみずからの都合のいい方向に世論誘導しようとしている」という疑念や批判が国民から噴出してしまいかねない。どれほどそこに政府の恣意が入り込まないように工夫しても、おそらくそうした疑念や批判はでてくるだろう。3・11以後の、さらに不人気政策が避けられない時代において、政府は合意形成のコストがかつてなく高まったことを真摯にとらえ、新たな国民とのコミュニケーション回路の確立のために地道な努力を惜しむべきではない。
Q4. 有効な意思表示になりうる
今回の国会デモはSNSによる呼びかけなどと連動しており、インターネットにおける言論とともに、一つの新しい世論のかたちをつくっている。その新しい世論のかたちは、既存のメディアに対する不信感をも基盤にしており、これまでの合意形成のルールではうまく取り込めないものだ。元来人気稼業である政治家やマスメディアは、こうした新しいかたちの世論のまえで立ち往生しており、時には過度のポピュリズム(大衆迎合)に傾いたりもしている。それは政局の不安定化や、選挙における新興勢力の躍進などをもたらしている一因となっており、確実に政治のあり方に影響を与えている。
 
 
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3. あまり影響を与えないと思う

原英史
政策工房 社長
Q2. 「3 - あまり影響を与えないと思う」の回答理由
官邸デモは、多くの国民が強く再稼働反対であることを示したという意味で大きな価
値があったと思います。

ただ、このデモをとらえ「原発反対が国民のほぼ総意」のごとく評することには、強く
違和感があります。
一定の原発を維持すべきと考える国民は、別に電力会社の社員や関係者以外にも、少な
からず存在するでしょう。

これからの局面で必要なのは、異なる意見を持つ人たちが冷静に議論できる場だと思い
ます。

反対派だけで集まるデモは、推進派だけで集まって議論していた密室会議の裏返しに過
ぎません。
それぞれの陣営に分かれて不信と対立を深めていても、建設的ではありませんし、政策
決定に影響を与えることも期待できないと思います。
Q3. コメントする
デモに参加する政治家もいるようですが、今回のデモが、政治家に対して多くの反
対者がいることを伝える趣旨だとすれば、政治家の参加は意味がないと思います。
国民の声を聞く目的で、様子を見に行くことは否定しませんが。

政治家は、むしろ、異なる意見を持つ人たちが冷静に議論し、相互理解に近づけるよう
な場の設営に力を注ぐべきだと思います。
Q4. 有効な意思表示になりうる
意思表示の手段としては有効でしょう。
 
 
土居丈朗
慶應義塾大学経済学部教授
Q2. 「3 - あまり影響を与えないと思う」の回答理由
ソーシャルメディアが影響を与えたとされるジャスミン革命とオキュパイウォールストリートとの決定的な差異は、対案を持っていたか否かである。対案(民主政治)を持っていた前者と、持たなかった後者とでは、その後の政治に与えた影響が異なる。原発再稼働反対のデモは、後者と類似し、今のままだと影響は軽微にとどまる。
原発再稼働に反対するなら、今後(特に今年や来年)の電力供給をどう確保するかについて、現実的かつ建設的な対案を示さなければ、政治的な支持がこれ以上広がらないだろう。

ソーシャルメディアやインターネットが、日本の政策決定に影響を与えうる手段となる可能性は大いにある。しかし、ソーシャルメディアやインターネットの影響力と、ソーシャルメディアやインターネットを通じて拡大した国会前デモの影響力とは、峻別してみるべきである。

ソーシャルメディアやインターネットを通して、陰に陽に現職国会議員や官僚の政策立案・形成に影響を与えることは大いにあり得る。それが発端となって、法的根拠のあるフォーマルな政策決定過程を通じて、日本の政策決定に影響を与える可能性がある。

しかし、国会前デモは、ソーシャルメディアやインターネットを通じて拡大したとはいえ、手段としては政策決定過程においてあくまでも法的根拠のないインフォーマルな意思表示にすぎない。国会前デモが、現職国会議員や官僚に心理的な影響を与えるかもしれないが、今さら彼らの意見を大きく変えるようなものにはなりえない。特に今般の原発再稼働の賛否は、国会前デモで表示された意思を聞いたから彼らの意見が大きく変わるという類のものではない。
Q3. コメントする
デモで自らの意見を表明するのはよいが、民主主義による意思決定は、あくまでも法的根拠を持った政治過程に従って行うべきものであって、インフォーマルな方法による介入の影響を安易に受けるべきではない。

国政において、特にデモと同意見を持つ政党が、国会前デモを利用しようとするだろう。しかし、デモで表示された意思だけが国民の意思でなく、国民には「声なき声」(岸信介)もある。政党、国会議員は、有権者の代理人であるのだから、国会前デモよりも、自らを支持する有権者の声を代弁して、国政において対応することが求められる(自らを支持する有権者の声が、国会前デモと同意見であることを排除するものではない)。
Q4. 有効な意思表示にはなりえない
デモで表示しようとする意思は、本来的には国政選挙にそのエネルギーを向けられるべきである。国政選挙という民主主義的正統性を裏づける政治過程の中で意見が表明・反映されてこそ、初めて国政において本質的に意義を持つ。

国会前デモは、国政選挙を行わない時期における意思表示としてはわかるが、あくまでも法的根拠のないインフォーマルな方法にすぎない。国会前デモでエネルギーを消耗して、次期の国政選挙にはその勢いを失ってしまったのでは、国政に意思が反映されることはない。

日米安保改定の際も、今般のデモよりも大規模なものであったにもかかわらず、結局はその勢いは国政選挙には向かわなかったことから、当時改定された日米安保条約が基本的に今日まで継続している。

このことからもわかるように、デモでの表示しようとする意思は、国政選挙で発露されない限り有効にはなりえない。
 
 
有馬晴海
政治評論家
Q2. 「3 - あまり影響を与えないと思う」の回答理由
政治家のとらえ方次第だと思う。
これが国民の声ということでとらえるのかそうはしないのか。
野田首相はこの行動から発せられる声を「音」と言ったそうだが、
あまり重要視していないようだ。

ということは、このもの自体を一時的なものととらえ、
そのうちに収まるという程度と考えているのであろう。
政府がそのような無視を続ければ、結局国民の声は届かないと考える。

まったく影響がないとは言わないが、
そのうちに根負けするものと思われる。
Q3. コメントする
鳩山元首相の行動通り、主催者と首相が合う必要はないと思うが、
こういう国民の声を民意と受け止めて二のあり方を考えなければ、
国民と政治がかい離していく。
政権も危うくなる。
といっても間もなく行われるであろう衆院選でこの声が反映されるという意味で、
影響は出るとも考えられる。


福島原発の事故収束宣言といい、大飯原発の再起動は時期尚早ではないか。
国民の声だけでもなく専門家の意見も含め、
無視した上での見切り発車で何も起こらなければいいが、
事故が起きた場合に政治家の責任が問われる。

政治は国民以上でも以下でもない。
国民のためにあるものだから、国民の声を聞き入れていく姿勢は常に大事た。
国民が築かないことでも将来必要であれば政治決断も必要だが、十分な検討がなされた上での
判断とは思えない。
国民はただの反対ということを言っているのではなく、
危うさを指摘していると思うから、
今一度耳を傾け、謙虚な姿勢で政治をすすめるべだと思う。
Q4. 有効な意思表示になりうる
受け止める政治家側の問題でもあるが、
一つの民意としてとらえるべき。
結局反映できないことも出てくると思うが、
政治の側が高度な正しい判断をしているとは思えない。
民意や、利害のある者の意見も利く耳を持って対処するべきれ減るもあると思われる。

結局は野党の質問に盛り込まれることで、
政府も考慮する機会を持つことにはなると思うが。
 
 
潮匡人
国際安全保障学者,拓殖大学客員教授
Q2. 「3 - あまり影響を与えないと思う」の回答理由
官庁や役所は課業時間外、国会議員も地元に帰る週末の時間帯。マスコミが報道する範囲を超えた大きな影響力は持ちえないのでは。
Q3. コメントする
現職の国会議員がデモに参加することには疑問を禁じ得ない。議会制民主主義の存在意義を揺るがす自傷行為ではないだろうか。有権者の意向を汲み取るのが政治家本来のあるべき姿と考える。
Q4. 有効な意思表示にはなりえない
実際これまでも、政治を変える決定的な影響力を持ちえなかった。ツイッターやフェイスブックなどSNSの普及で参加者の規模は増えたが、逆に、SNS自体が有効な意思表示ともなっており、デモのような行動の意義は低減していると思う。
 
 
常見陽平
千葉商科大学国際教養学部専任講師
Q2. 「3 - あまり影響を与えないと思う」の回答理由
デモ参加者も、政治家も、
国民すべてが
エネルギーに関する知識、方針がないことが可視化される機会になる
原発やエネルギーに関する国民の関心が高まっていることを世間や政治家に伝えるキッカケにはなることは間違いない。

ただ、別にデモ参加者がエネルギー政策に関するロードマップを具体的に示しているわけではないし、そもそもデモは民意の表明であるわけだから、ここは責めるべきポイントでもない。

問題は、これを受けた政治家、官僚の政策決定能力だ。ここの課題は以前と変わらず、日和見的である。特に政治家の意思決定の基準は、その支持母体を反映したものであり、デモに参加したごくわずかの国民ではない(デモが大規模であることが話題になっているが、意思決定の主体者の絶対数から言うと小規模である もちろん国民の意識への影響はありうるが)。

結局のところ、感情で動く民衆と決められない政治家、支持母体に配慮した政治が可視化されるだけである。
(それはそれで意義はあるが)
Q3. コメントする
民衆の意思を受けた、エネルギー政策の方針を各政治家、政党が示すべき。

その際には短期、中期、長期で政治家も国民も考えるべきである。
Q4. 有効な意思表示にはなりえない
デモにより原発やエネルギーに関する関心が高まっていることは明らかではあるが、単なる衆愚化の推進になってはいけない。エネルギー政策について政治家も官僚も国民も誰も具体的な方針が固まっていないことが可視化されただけだ。

短期的に見ると、原発を止めるよりも
・福島第一原発の問題をいかに安全に解決するか
・原発が止まっている状態こそ、以前と比べれば異常なのでいつまでにどう動かすか、いつまで利用するか
を明確にするべき

何よりも国民はデモもいいが、選挙に行くべきだ。
国民が納得する政策を政治家、政党は示すべき。

そして、その選挙は1人1票の価値になっていない。私の住んでいる墨田区は参議院で0.6票、衆議院で0.23票の価値しかない。選挙制度改革も中長期で行うべきだろう。

このままでは愚かな連鎖にしかなり得ない。
 
 
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4. 少しも影響を与えることはないと思う

小幡績
慶應義塾大学ビジネススクール准教授
Q2. 「4 - 少しも影響を与えることはないと思う」の回答理由
デモのエンターテイメント化。
みんなデモをすること自体が目的だから。デモのエンターテイメント化。

政策が変わってしまっては、デモをする口実がなくなるので困る。
Q3. コメントする
無視する。
Q4. 有効な意思表示にはなりえない
ならない。

デモをするエネルギーがあり、政治家全体に対する不信があるのなら、政党を作り、候補者を擁立すれば良い。
 
 
木村太郎
ジャーナリスト
Q2. 「4 - 少しも影響を与えることはないと思う」の回答理由
政治を変えるには、デモではなく地元出身の議員に落選の恐怖心を与えることだ。
デモ活動が効果があるのは、他に意見や権利を主張する場のない民主主義制度が未発達の社会に限られる。
事実、独裁体制下でジャスミン革命は功を奏したが、米国のオキュパイドウォールストリートは政治を動かすまでには至らなかった。
日本には「選挙」という制度が機能していて、善くも悪くも国民の主張を反映している。
デモがその民意を覆すようなら、それこそ民主主義の危機だ。
Q3. コメントする
デモに参加してエールを送った元首相は、それが原因で党内の求心力をいっきに失った。
Q4. 有効な意思表示にはなりえない
国民の不満解消のための「ガス抜き」に利用されるだけだろう。
 
 
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5. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)

伊東乾
作曲家・指揮者 ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督
Q2. 「5 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
冷静に観察している。理由は二つ。
第一は、デモに集まる人の、事態への理解が必ずしも十全でなく、烏合の衆化の懸念があること。
第二は、デモそのものをビジネスとしてみている人の存在を知り、冷静にならざるを得なくなった。
冷静に観察している。理由は二つ。
第一は、デモに集まる人の、事態への理解が必ずしも十全でなく、烏合の衆化の懸念があること。
第二は、デモそのものをビジネスとしてみている人の存在を知り、冷静にならざるを得なくなった。
Q3. コメントする
冷静かつ適切に対応すべきと思う。とくに「デモすなわち正義」とでも言わんばかりの誤謬には、丁寧な議論の場を持つべきだろう。性急な排除等が好結果を齎すとはとうてい思えない。
Q4. 有効な意思表示にはなりえない
「根拠をもった意思」が明確になる公衆の行動が民主主義を明るいものにする。根拠不明の群集の「意思」がいかに容易に暴走するかは、時と場所を問わぬ「民衆裁判」事例など、歴史の幾多の例が示すとおりと思う。
 
 
鈴木豊
青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科教授・公認会計士
Q2. 「5 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
このデモが自然発生的なのか、意図された主催者が存在すのか不明であり、これにより影響度が異なるであろう。故に参加する人もその要因を見極めて参加する必要があろう。
1.現在の規模がさらに拡大するようであると、少なからず影響を与えると思う。
2.このデモが自然発生的なのか、意図された主催者が存在すのか、不明であり、これにより影響度が異なるであろう。
3.故に参加する人も。その要因を見極めて参加する必要があろう。
Q3. コメントする
1.過去・現在ともに政府・政党への信頼感が低く、それらの原因によることも考えられる。
2.その真にある国民の不安・非難を本来は、読み取り対応しなければならない。
3.もともと政府・政党のパブリックアカウンタビリティの識別が弱く、これが政治・行政への不信を招来していることを強く認識しなければならない。
Q4. 有効な意思表示になりうる
1.国民のこのような直接行動は、政治・行政が国民の納得を得ている場合は、望ましくはないであろう。
2.そうせざるを得ないとすれば、我が国には民主主義が根づいていないことになるであろう。
3.それ故に、1.2が改善されなければこのような運動が広がる可能性もある。
 
 
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