『都知事選に見たテレビ報道の課題』
徳洲会からの資金受領問題による猪瀬前都知事の辞任を受けた東京都知事選は、新人16人による選挙戦となり、2月9日に投開票が行われます。
今回の都知事選では、当初有力候補が「脱原発」を争点として打ち出したことを一部メディアが積極的に報じ注目を集めましたが、都政に直接関係がなく争点として適切ではないという指摘もありました。
2020年の東京オリンピックや災害対策、インフラの維持、拡充など様々な政策課題を抱える都政を担う都知事を選ぶ選挙で、テレビ報道は有権者に有効な役割を果たすことができたのか、テレビ報道は有権者に必要な情報を提供できたのか、ご意見をお寄せいただけますようお願い申し上げます。
他メディアとの比較においては近年、新聞などのメディアが政治的なスタンスを明確にさせる動きがあるほか、ネットによる選挙運動の解禁で候補者がネットを使って自ら情報発信を行うようになっています。民主主義の発展のために非常に重要な政治参加である選挙を適正な形で行っていくため、投票前の選挙情報の提供におけるテレビ報道の役割を改めて見つめ直す機会として、今回の設問にお答えいただければ幸いです。
※コンパスで掲載された全ての意見・回答は各氏個人の意見であり、各氏所属の団体・組織の意見・方針ではありません。
Q1:今回の都知事選のテレビ報道をどう評価しますか? 有権者に対して有効な役割を果たしていたか、さらに有効な情報を提供できていたかどうか、という観点からお答えください。
Q2:問1の回答理由をお聞かせください。また、他のメディアと比較して、
今回のテレビ報道 をどう評価するかも含めてお答えください。
(文字数に制限はありません。)
Q3:これからの選挙報道でテレビが有権者に対して有効な役割を果たすために、どんな情報をどのように伝えるべきでしょうか。今回の選挙戦での一連のテレビ報道への満足度を選択肢よりお選びの上、ご意見をお聞かせください。
( 20件 )
1. 評価する
Q2. 「1 - 評価する」の回答理由
国政レベルの問題である脱原発という主張をするために東京都行政のトップを選ぶ選挙を利用するという候補者の声を必要以上に大きく報道することがなかったことを評価したい。
都知事選挙が行われるということになったとき、最初の報道は偏った報道が多かったが、その偏った内容は、次第に修正された。公示後は、バランスのとれた報道内容となり、特定の候補者が有利になるような報道は姿を消した。全体としてテレビ報道を評価したい。
具体的にいえば、今回の都知事選挙のテレビ報道は、公示前の段階では、脱原発が争点となるという内容が多かった。国政レベルの問題である脱原発という主張が、当初は、あれほど大きく取り上げられたのはなぜか。それは、脱原発を主張する立候補予定者が、話題に富む人であり、巧みな話術と派手なパーフォーマンスで脱原発を訴える方法を知っている人であったから。また、脱原発という国政レベルの問題を東京都の行政をどうするかという地方自治の問題に絡めながら、政府与党を追い込もうとという政治的意図をもった人々が合流したからだった。
私は東京都に住所を移して45年になり、権利であり義務である選挙権を行使してきたが、東京都が抱える課題がたくさんあることを実感している。東京都のかかえる問題は、原発・エネルギー問題だけではない。社会保障充実、高齢化対策、福祉行政、地震・災害対策、東京五輪の成功など、東京都は膨大な行政上の課題を抱えている。国政レベルの問題である脱原発という主張をするために東京都の行政を利用するという候補者の声を必要以上に大きく報道する事例が減ったことを評価したい。
報道は一部の候補者に有利な報道をするものであってはならない。有権者がより客観的に判断することができる材料を提供するものでなければならない。テレビ報道に関しては、事情があって街頭演説を聞くことができない有権者が、茶の間にいても臨場感のある演説に触れることができたという印象をもつ映像でなければならない。
Q3. 満足していない
各候補者のなかで主要な争点を議論できる候補者に限定して出席してもらい、テレビ討論会を開催していただきたかった。テレビの影響は大きい。候補者の主張の違い、政策を説明するプレゼンテーションの能力の有無、相手の話に耳を傾け自分の主張をする能力があるかどうか、他人が書いたものを読み上げるのではなく自分の言葉で語れるかどうかなどを知ることができるのは、テレビ討論会だ。テレビ討論会で発揮する能力は、都知事として仕事をするときに不可欠のもの。
Q2. 「1 - 評価する」の回答理由
何よりも身近。ほとんどの情報はテレビから。
活字を追うより、絵で見た方が臨場感がありわかりやすい。
ネットの解禁で騒いではいるが、
余計な情報、実際とかけ離れている、そこまで追っかける時間がないなどで、
テレビ報道で何が起こっているかも受け止めることができた。
ラジオでちょくちょく分析したが(選挙期間だけでも10回程度は)、
これは車族の映像が見れない人のため。
出来れば映像があった方がよりいい。
ネットは、趣味の域。
ネットの調査やつぶやき、アクセス数が結果とかけ離れていることからもわかる。
むしろ、情勢不利な候補者が活路を見出そうとツールにするが、
それもまた別物。
一つの意見を何倍にも何百倍にもなって流れるだけに、見誤る。
一つの意見、味方としてとらえればいいが、
特異なものを、多くがそうだと見せるのはどうかと思う。
面白がるあたりは、ドラマのようなものだ。
Q3. 満足している
テレビ報道がなければ、候補者の選別ができないと思う。
選挙公報を全部読んでみ比べるのも大変だと思う。
主な候補者を横並びで政策比較はありがたいが、
テレビでもそのような報道を心がけている。
2. ある程度評価する
Q2. 「2 - ある程度評価する」の回答理由
まず公選法の縛りのある中で、今回の都知事選は究極の後出しもあり、公示日前の報道は立候補表明に限定され討論会などの政策論議がほとんどないという異常な選挙になりました。とりわけ、東京都として喫緊の課題ではないと思われる原発問題ばかりがクローズアップされ、せいsかうのたいりつじくもあいまいになってしまいました。こうすると細川陣営の批判になってしまうことが、放送法や公選法に抵触する恐れがあり、テレビ報道としても切り込めない原因になっていると思われます。そのなかではまあまあ評価できる報道も少なくなく、また一部テレビでは討論が行われるなど、その使命を果たしていると思います。
残念なことに選挙直前は措置オリンピックの報道が幅を利かせ、また投票日前日は数十年ぶりの大雪になるなど、選挙以外の重要な報道が多くなるなど。タイミングとしては苦しい選挙になってしまった。
また新聞が政治色をこれほど強く出した選挙はなかったのではないかと考えます。その中でテレビはできるだけ中立な報道に終始していたことは高く評価できると思います。もちろん時間的制約もあるので、いわゆる「有力な」候補に限定されたものでしたが、これは致し方ないのでしょう。
Q3. あまり満足していない
やはり近年の低投票率状況の中で、選挙の勝ち負けだけでなく政策論争などの政策評価をある程度増やしてもらいたい。ネット選挙運動解禁によって、有権者は政党や候補者の発信する一次情報を容易に手に入れることができるようになった。こうした一次情報はその意味では必要性が低くなっているので、こうした各候補の政策の評価や論評などの開設を中心に持ってくることも考えなくてはならない。放送法の縛りの中で困難なものもあるだろうが、巨大メディア、信頼性の高いメディアの仕事ではないだろうか。
Q2. 「2 - ある程度評価する」の回答理由
今回の選挙は「原発問題」を争点にしようとする候補者が出現したが、メディア側にはそのようなシングルイッシューの選挙は過去において選挙戦と選挙報道に禍根を残したという認識があり、それを戒めようという姿勢があった。もちろん一部のメディアでは、そうはいう姿勢は示しつつも、原発問題を中心課題に据えるよう誘導するところもあったが、全体としてはそのように言っていいのではないか。
したがって、メディアがそのような慎重な姿勢をとり、多くのメディアが東京が直面している問題は何かということを改めて提起して報じたことは、一定の評価をすることができる。だがだからこそ、素人的には「盛り上がらない選挙」になったということもできる。
Q3. どちらでもない
今回の選挙は選挙自体が急だったこと、だからこそ必ずしも適当な候補者が立候補したともいえなかった。また都知事選が、東京という都市が単なる一自治体と言い切れる存在ではない一方、国政選挙でもないという難しい位置づけであるため、選挙報道自体のあり方もその定義が難しい。つまり、この選挙を包括的に取り扱うには、地元密着のような部分を十分カバーしつつも、自治体としてのスケールの大きさと知名度の高さから国政的な視点も無視できないという点がある。
一方、問1で回答したように、シングルイッシューの選挙としなかったことは賢明であった。同時にそれは選挙報道が「ゲーム」としては盛り上がりに欠け、「メディア的」には好ましくないものでもあったかもしれない。しかしながら、選挙報道とは、本来ゲーム的であることは好ましくなく、政策本位の議論であるべきである。その意味では好ましい一歩だったということもできる。さらに言えば、政策本位の議論をより面白くするだけの工夫と努力をメディアはしたほうがいいし、それに対して国民も呼応するような環境ができれば、日本の政治状況はよりよいものになっていくだろう。
Q2. 「2 - ある程度評価する」の回答理由
昨年来のメディアにおける大きな変化(?)は,webの限界が見えてきたこと
と,旧メディアの影響力の大きさが再確認されたことだろう
近年の都知事選での報道の問題点,または大きな壁の一つが泡沫候補の取り扱
いであった.「中立的な報道」を文字通りに解釈するなら,メディアは全候補
者に等しく時間を割いてその考え方を伝える必要がある.しかし,このような方
針は立候補者が多い場合には,一候補者の政策・主張を 伝える時間を短くする
ことになるだろう.今回の都知事選では,賛否は分かれるだろうが,有力候補に
絞った報道が行われることが多かった.単な る人気投票には終わらない意義あ
る選挙のためにはこのような選択と集中はさけられないところだろう.事なかれ
主義から一歩踏み出した点で,今 回の都知事選のテレビ報道は一定の意義が
あったと考えられる.
昨年来のメディアにおける大きな変化(?)は,webの限界が見えてきたこと
と,旧メディアの影響力の大きさが再確認されたことだろう.今回の選挙にお
いてもwebを中心に活動した家入一真氏がベテラン候補であるドクター中松に競
り勝つなど,確かにwebには大きな力がある.し かし,webの普及に伴い「web出
身」の持つ意味は変わってきている.三年から五年前であればSNS等で注目さ
れている候補者はSNS等で その動向に普段から触れているが故の投票をより
多く獲得しただろう.つまりは,【webで知っている人だから親近感がある】と
考えるユーザー が多いことから【webで知名度が高い】ことが投票行動に結びつ
いた可能性があったわけだ.しかし,このような関係はwebが一般化すればす る
ほどに失われていく.いわばテレビ・出版・新聞・ラジオといったメインスト
リームメディアのひとつとしてのwebになった.ここに(ユート ピア的にとらえ
られがちだった)webの限界と,これからの(たくさんあるメディアの一つとし
ての)webの可能性があるのではないだろう か.
Q3. どちらでもない
ある程度満足寄りの【3.どちらでもない】.
3. あまり評価しない
伊東乾
作曲家・指揮者 ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督
Q2. 「3 - あまり評価しない」の回答理由
インターネットその他オルタナティヴ・メディアと比較するとき、既存のマスメディアにおける立候補者の取り上げ方に偏りがあったのではないか?
とりわけNHKについて顕著に感じたが、民放にも共通していえることと思うので率直に指摘させていただく。
インターネットその他オルタナティヴ・メディアと比較するとき、既存のマスメディアにおける立候補者の取り上げ方に偏りがあったのではないか? 選挙終了後に検証はなされるのだろうか、疑問に思っている。
Q3. 満足していない
公職選挙に果たすメディアの役割としての公正性、公共性について、風通しのよい議論が必要不可欠と考える、
Q2. 「3 - あまり評価しない」の回答理由
まず今回は、前知事が急に辞職し、候補者のみならず報道の側も準備の時間がなかったこと、オリンピックや大雪などもあって、都知事選の報道は本当に少ししか目にしなかった印象である。
選挙前のテレビ報道は、大きく二つ、候補者をスタジオに呼び各分野の政策を聞いたこと、主な候補者の街頭演説のほんの一部を紹介するというものだったように思う。
選挙報道は立候補者に公平にという制約や、有権者に判断材料を提供するという目的で、これはテレビに限らずだが、候補者の政策を比較し並べるだけという安易な報道も多かった。
国政レベルの選挙で、政党別に政策を比較することは大切である。
しかし、都知事選で、今回のように突然立つことを決めた候補者の、急ごしらえの政策を比較して意味があるのだろうか。
私が知りたかったのは、東京都が抱えている問題に対する各々の認識とその解決法、候補者の実行力、例えば組織をどう使っていくつもりか、などであった。
若者中心にネットや屋外の選挙イベントで都知事選を盛り上げようとする動きがあったようだが、お祭りに行こうレベルの「投票に行こう」といったものが中心で、オバマの初当選の時のような、候補者を推す動きが横にどんどん広がっていく感じにはほど遠かった。
Q3. あまり満足していない
まずは、もっと何度も候補者にテレビに出てもらう。報道の側も工夫が必要である。
候補者をずらっと並べただけの、上っ面の政策比較はあまり意味がない。
有権者が候補者を見るうえでより有効だと思うのは―――。
その地方が抱える問題を、財政、雇用、社会保障、医療、高齢者問題、待機児童問題、教育、安全対策、エネルギー、公共事業、など分野別に、前もって整理しておく。
選挙が決まった時点で、最もインパクトのあるテーマをいくつか選んで掘り下げ、候補者の認識を問いただすとか、彼らの政策を詰めて聞いていく。
副知事候補について聞いてもいいのではないか。
浜辺陽一郎
青山学院大学大学院法務研究科(法科大学院) 教授,弁護士
Q2. 「3 - あまり評価しない」の回答理由
某候補者の「後出しジャンケン作戦」にまんまとはまってしまったかのようで、有力候補者の討論会が十分に行われず、ほんの数回、限られた時間でしか見ることができなかったことは極めて残念。
某候補者の「後出しジャンケン作戦」にまんまとはまってしまったのか、有力候補者の討論会が十分に行われず、ほんの数回、限られた時間でしか見ることができなかったことは極めて残念であった。
争点が整理されて報道するものが多かったけれども、表面的な政策を紹介するものが多く、その人柄とか、政策実現能力、説得力などから、都知事として相応しい人物であるかを判断する材料が少し足りなかったのではないか。とはいえ、それがあったからといって、結果がどれだけ左右されるとは限らないわけであるが。
有権者が抱いている様々な疑問に対して、どれだけ回答しきれていたかはかなり疑問で、ただ候補者が言いたいことを一方的に伝えまくっていたような印象が強い。それもこれも、すべて時間が限られていたということに尽きるような感じである。
例えば、松沢氏がMXで指摘していた「新銀行東京」について、討論の時間がちゃんとあれば、そういうところも突っ込めたんじゃないかといった指摘はその通りだと思う。
もっとも、討論番組が組めなかったのは、報道機関だけの責任ではない。
ただ、先に立候補を表明している人たちだけでも、十分なディベートをすることはできなかったのか。また、後から出馬表明した人についても判断できるようなディベートの場を設けて、「自分だけ馬脚を現さないようにする」といったこともできないような形にすることはできなかったのだろうか。その辺りに疑問が残る。この点を改善できないと、今後も似たような後出しジャンケンを繰り返し、有権者がいつも限られた情報しかないまま選挙に突入するという状況を是正することができない、といったことになりかねない。
それと、選挙後のTV報道番組がやや少ない。NHK、MX、BSの一部がまとまった番組にしていたが、東京のラジオは番組を組んでいたが、今回はあまり盛り上がらなかったこともあるし、東京のことで全国ネットは難しかったのだろう。
Q3. どちらでもない
その選挙の結果が、その後の私たちの生活にどのような影響を及ぼすか、どのような違いをもたらす可能性があるのかを分析して伝えてほしい。もっとも、それは意見や見解の相違が生じやすいものであろうから、時期的な問題や公平性の観点から配慮が必要だろうが、その辺りを深堀してもらわないと、本当のところがなかなか分からない。
人柄に関しては、その人物をじっくりと観察できる時間とチャンスがないと難しいわけで、今回は期間・時間が限られていたから報道機関としても、かなり限界があったことは理解できる。ただ、これまでの取材情報なども踏まえて、有力候補者がその選挙戦において、どのような活動をして、何を訴え、具体的に何をしようとしているのか、が浮かび上がるような報道を期待したい。
幅広い問題を議論し、「新銀行東京」の問題のように、見落とされているような論点についても切り込んでいくような議論の場が確保されるように、候補者も配慮すべきであるし、それをメディアも可能な限り取り上げて、その後の政治の監視に役立てうるような報道が望まれる。
有力候補者間の討論、ディベートについては、各候補者の本音や説得力がちゃんと現れ出てくるように十分な時間枠を取って、司会者がちゃんと捌いて、議論がかみあうように制御するような番組がテレビには向いている。そこに、候補者以外の様々な論客が加わると、議論も厚みが増して、有意義なのではないかと思う。
Q2. 「3 - あまり評価しない」の回答理由
「劇場型」選挙を煽った番組が、逆に、有権者の反発を招いたのではないか。有名タレントやテレビ文化人が熱心に応援した複数候補の得票も意外と伸びなかった。他方、関係法を尊重した冷静な番組も見られたが、選挙戦を通じ、主要候補の、ほぼ同じ主張を繰り返し報じた感は否めない。いずれのケースとも、投票率低下を招いた可能性がある。そもそも原発の「争点化」に無理があった。
Q3. あまり満足していない
投票日の前日に都内で大雪が降り、一部区間で「電力供給が不安定のため」「東京電力の要請により」運行を見合わせると説明され、ネット上は「脱原発なんか無理」との書き込みで溢れた。以上はテレビが報じるべき論点だったと思う。さらに投票日も「ネット投票させろ」との書き込みで溢れた。そうした有権者の思いを代弁した番組があっただろうか。以上は投票日朝刊(新聞)が扱いにくいテーマでもある。今後はテレビの速報性を活かしつつ、データ放送やネットを活用した視聴者との双方向性も図るべき。なにより、主要候補が一堂に会した討論場組をプライム枠で生放送してほしい。たとえば米大統領選のように……。
村沢義久
合同会社Xパワー代表/
環境経営コンサルタント
Q2. 「3 - あまり評価しない」の回答理由
冬季オリンピックと重なったこともあり、メディアによるカバーが十分でなかった。もう少し、論点の掘り起こし努力が欲しかった。今後はインターネットの役割が増加していくと思われる中で、TVには、TVならではの取り組み、例えば、討論、対談など、の充実が求められる。
冬季オリンピックと重なったこともあり、メディアによるカバーが十分でなかった。
序盤戦で「舛添優位」が伝えられる中、論点掘り起こしがなく、選挙が全く盛り上がらなかった。
Q3. あまり満足していない
今後は、インターネットの役割が増加していくと思われる。その中で、TVには、TVならではの取り組み、例えば、討論、対談など、が求められる。
Q2. 「3 - あまり評価しない」の回答理由
・投票率の低さは大雪のせいだけでなく、有権者の投票意欲を駆り立てられなかった側にも
・テレビ討論拒否候補に振り回され、政策の違いなどを明確にすることができなかった。
・候補者、政策を有権者が見極める時間が極めて短いことが問題、選挙制度にメスを入れるべきでは。
今回の都知事選に関して、テレビ討論会出席を拒否する候補などに振り回され、約14件のテレビ討論会が中止となったと聞いています。その結果、各候補が掲げる政策について、掘り下げたり論点を明確にすることができなかったことは誠に残念無念です。後半になって一部テレビで討論会が行われていましたが、それぞれが短時間で選挙公報以上の情報は得られなかったように思います。一人の候補が出席を拒否すると他候補も出席を見合わせ、局がしり込みするという構図も、有権者に対し政策を誠意をもって訴える熱意が伝わらず、テレビ局も主体性に欠けるような気がします。
また、各候補とも選挙戦までの準備期間が少なかったこともあり、政策も見出し的な抽象論が多く具体性に乏しく、羅列された項目だけみると政策の違いを明確に読み取ることができないように思われました。これでは有権者が何を根拠に選択するか迷ってしまいます。
投票率が低かった主な要因は大雪だけでなく、有権者を投票所へ積極的に向かわせるモチベーションを刺激できなかった選挙制度、候補者、報道側にも責任の一端があると思います。
政策や候補者の人となりを見極めるためには、もっと時間をかけて候補者が政策を語ることのできる仕組みと有権者がそれを選択できる時間と機会を得られるような根本的に選挙制度に変える必要があるのではないでしょうか。
Q3. あまり満足していない
前回及び前々回の都知事選でも石原候補、猪瀬候補の資質や適性度について、どれだけ伝えることができたか疑問です。結果として3年で3回も都知事選を行うはめになってしまいました。この点の反省なくしてテレビの有効な役割を云々することはあまり意味がないように思われます。
政策や人となりを周知徹底できる仕組みや期間など、根本的な選挙制度にまでメスを入れなければ、選挙にかかわるテレビ報道は毎回消化不良のまま終わるような気がします。
Q2. 「3 - あまり評価しない」の回答理由
テレビが果たす役割は、本で言えば「目次」程度の報道しかできなかったと思う。
東京都知事選挙はあくまでも一地方選挙、という報道の域を出ていなかった。国政選挙とは異なることはわかるし、東京都民以外は都知事選挙に投票権を持っていないから、(全国ニュースとして流せる程度の軽い内容なら報じられるが)都民に有効な情報を提供する域まで全国ネットで入れ込む報道をするのは難しいこともわかる。それでいて、東京のキー局が東京都だけ放映する番組を作ることも難しい。つまり、東京都民だけのために東京で報道する大手テレビ局がなかったというべきである(MXテレビを除く)。だからこそ、テレビ報道では、東京都民に訴える番組を作ることができず、テレビが果たす役割は、本で言えば「目次」程度の報道しかできなかったと思う。
Q3. どちらでもない
各県の地方局ならば、その県だけに流すべく選挙報道ができるが、東京のキー局が東京に流す選挙報道をどうするかと、その報道をすべく人員をどう配するかが問われる。
東京のキー局が、東京のローカル局的に東京都知事選挙の報道ができるのか。それとも、割り切って(他の道府県民には興味がないかもしれない)東京固有の論点や課題を全国ネットで流す番組で深く報道しようと試みるか。東京のキー局が、そのどちらかをしない限り、東京都知事選挙のテレビ報道は深い内容のものを扱えないだろう。
ちなみに、全国ネットで流すニュース番組で浅く広く都知事選挙の論点や課題を扱うという現状としては、今般の報道は、上出来ではないが一定の役割を果たしたものだったと思っている。
Q2. 「3 - あまり評価しない」の回答理由
政界に影響力の大きい人物に焦点が当たりがちなのが、残念でなりません。都知事の椅子にふさわしいかどうかはさておいても、獲得票数の少なかった候補者の主張が、実は都民が向くべき大切な課題を含んでいることも多いので、このあたりもきちんととりあげるべきだったと思っています。そうかと言って、ネットで目立つコメントにもかなりの偏りがあるように思えます。実際、ネットで得た調査結果は、都民感情と必ずしもマッチしているようには思えません。とかく偏った主張を掲げる声が目立つウェブと一線を画すためにも、テレビの報道では、あくまでも冷静に客観性と公平性を持った報道が今こそ必要なのではないかと思えます。
Q3. どちらでもない
これまで通り、わかりやすさはもちろん大切ですが、目立つ事案ばかりにとらわれるのではなく、目立たない場所にある情報を見逃さず、観る人の選択肢の幅を狭めない公平性と客観性をもって報道できることが
大切だと思います。
Q2. 「3 - あまり評価しない」の回答理由
法律の観点から他のメディアとテレビ報道の最大の違いは、テレビ局については「政治的に公平であること」であることが、法律によって義務づけられていることである。ネット選挙の可能性が取り沙汰される現在でも、テレビ報道は最も多くの人が見る影響力が強いものであり、だからこそテレビ局には重い責任が負わされている。特定の候補の主張に偏った報道はできないという点で、テレビは他のメディアと比較して選挙報道について制約が大きい。
そのような制約を前提としても、盛り上がりに欠けたといわれる今回の選挙は、テレビ報道が少なかった印象を受けた。選挙が盛り上がりに欠けた背景としては、原発だけを争点として打ち出したい候補と、そうはさせたくない候補が存在し、そもそも議論が噛み合わず、対立軸が鮮明にならなかったことも一因としてあると考える。
このような選挙において、テレビ報道はどうはあるべきか。主要四候補が一堂に会したテレビ討論を見ていると、それぞれの質問に対して各候補が順番に答えるという形式で、結局、最後まで議論がすれ違った印象を受けた。もしここで、各候補同士が議論するような構成になっていたら、各候補の立ち位置が明らかになって、対立軸をより鮮明に多くの視聴者に伝えられた可能性がある。
政治的に中立であるというテレビの理念が、議論を避けて表面的な「討論」に終始する慣行につながってはならない。どこが争点か、各候補が争点についてどのような意見を持っているかを、より多くの人に分かり易く伝えるようなテレビ報道、「盛り上がりに欠ける選挙」において、対立軸を明確にし、選挙を盛り上がらせるようなテレビの力がのぞまれると考える。
4. 評価しない
中津孝司
大阪商業大学総合経営学部教授,国際問題評論家
Q2. 「4 - 評価しない」の回答理由
都知事選の争点があいまいになり、テレビ報道はそのあいまいさにメスを入れず、かつ、テレビ報道の醍醐味である映像をまったく有効に活用できていなかった。
テレビ報道の醍醐味は映像にある。今回の都知事選において、テレビ報道はその利点を十二分に発揮できたか。はなはだ疑問である。筆者の住まいが関西であることとも大いに関係あるだろうが、関西では、大阪市長の辞任劇報道に力点が置かれ、都知事選の報道は色褪せて見えた。それは大阪市長辞任の理由がきわめて明確であることに対して、都知事選の争点、すなわち前任者辞任に伴う選挙であることをいつの日か忘れ、原子力発電に対する候補者の見解に、争点がすり変わってしまったこととも無関係ではあるまい。前任者がなぜ、辞任したのか。それにかわる候補者は何を語るのか。テレビ報道はまったく映像を通じて追いかけていなかった。
Q3. 満足していない
選挙戦では大切な争点を明確にしたうえで、各候補者がどのような見解を有権者に訴えかけているのかを、映像を通じて視聴者に届けなければならない。各種メディアが溢れる今日、テレビ報道の利点、すなわち争点を映像で追いかけるという利点を有効に活用できていない。
南淵明宏
医療法人社団 冠心会 大崎病院 東京ハートセンター 心臓外科医
Q2. 「4 - 評価しない」の回答理由
ぜんぜん盛り上がらない、「強いものに従え」的な体制迎合、権力服従、臣民思想の、景気回復、富国強兵の共同幻想を拡散するためのつまらない報道だった。
テレビを24時間監視して観ている人などいないのだからどんな報道があったかなどたまたま自分が見たもので評価するしかないのだが、1.立候補した人が何を争点にしてもいいのだから原子力発電所の再稼働が争点ではないなどといやらしい陰謀の片棒を担ぐ輩をあばきだしてたたいてほしかった。2.では原発以外の争点は何なのかというと何もない。というか救急医療や高齢化社会への対策、オリンピックの開催云々、あほみたいな誰でも何とでも言いそうな、そんな争点を羅列して連呼して型どおりの選挙を繕っている、という感があったので、メディアがもっと突っ込んで質問して盛り上げてほしかった。例えば
「候補は東京オリンピックまで知事でいらっしゃるおつもりですか?」
とか
「そうなるためには何がポイントだと思いますか?」
など気の利いた質問はできないものか。
今時の候補者らしく、とにかく失言しないよう、曖昧で丁寧な言葉だけを無難につずる、という様はぜんぜんおもしろくない。NHKの会長なみにいっぱい失言してほしかった。
選挙という風物詩を古式ゆかしくそつなくミス無く意味も無く絵にしただけ、という感が残った。
結局、体制迎合で細く長く生き残ろう、という腰抜けなメディアの姿勢が覗えた。
即座に脱原発を唱える候補者の主張は報道管制されたことになるのだろうか?
昨年3月31日に佐村河内守氏を取り上げたNHKスペシャルの「すごさ」今多くの人達はY-tubeで確認していることだろう。メディアによってウソが造られ、それを我々は簡単に信じ込まされてしまう。
国民に事実を教えず、考えさせない、虚偽を信じ込ませ、押しつけられた価値観に閉じ込められ、権力に絶対服従する臣民思想をさらに上塗りするようにメディアは動きつつあるよう大変危惧している。
それを多くの国民は認識し始めている。メディアの危機だ。その現状に気がつかないメディアのなんとおめでたいことか。
Q3. 満足していない
権力迎合を辞めてほしい。頭のきれる、しっかりと日本語ができる人がしっかりと質問して
「言い合いことは言うけど言いたくないことは言わない」
そんな候補者の「主張」をもっといきいきとした活力みなぎるエンターテインメントにまで止揚してほしい。
「保身主義」が蔓延した今のメディアでは無理だろうけど。
Q2. 「4 - 評価しない」の回答理由
①選挙の発端となった政治と金の問題に対する切り込み、その視点での候補者への切り込みが甘い
②劇場型選挙報道の様相を呈して、各候補所の公約や人となりの紹介が少ない。
③SNS駆使できる立場の人から見れば、テレビはSNS行う時のBGMに近い状態になっている。
①選挙の発端となった政治と金の問題に対する切り込み、その視点での候補者への切り込みが甘い
②劇場型選挙報道の様相を呈して、各候補所の公約や人となりの紹介が少ない。
③SNS駆使できる立場の人から見れば、テレビはSNS行う時のBGMに近い状態になっている。
Q3. 満足していない
日本が一応民主主義の国ならば、国民の意思を政治に反映させるためには、投票率を上げることが長期的に見て最重要課題。投票すること、政治に関与することの重要性を訴えるべき!
一部の既得権者によるクレプトクラシー(収奪・盗賊政治)打破し、格差拡大是正、社会保障充実するためには投票率アップが必要最低条件!
昨年訪れた医療・教育無償のキューバは常に90%以上
社会保障充実の国は?
スウエーデン85%
アイスランド83%
デンマーク 82%
ノルウェー 75%
フィンランド70%
http://www.chikyumura.org/bureau/2013/04/19210643.html
Q2. 「4 - 評価しない」の回答理由
大都市の有権者にとって選挙はエンターテイメント
テレビのせいでもあるいはいかなるほかのメディアのせいでもない。
有権者が選挙に全く関心がないのだから、何をしても無駄である。
都市部の有権者は、政治に全く関心がない。関心があるときは、エンターテイメントとしてである。
小泉郵政解散で盛り上がり、民主党政権交代で盛り上がり、維新で盛り上がり、同じ有権者が、この3つに投票しているのである。盛り上げれば何でもいいのだ。そして、今回のように盛り上がらなければ関心がない。それだけのことだ。まあ、エンターテイメントによって世の中が変わってしまうよりは、無関心でいてくれたほうが世の中のためにはなる。前都知事に400万票も入れた人たちなのだから。
Q3. 満足している
テレビはこのままでよい。
有権者が変わらない限り、何をしても無駄である。
Q2. 「4 - 評価しない」の回答理由
都知事選の一連の報道を見ての第一印象は「東京さえ良かったらいいのだ。他のことは関係ない。」という東京都民の「東京モンロー主義」が一段と進んでいるということである。日本でたった一つの「勝ち組」。フクシマもオキナワも自分の問題とは絶対に考えない。首都機能・皇居など全てが集中しているから日中・日韓・日朝がいくら緊張しても、東京が爆撃されることはない、と信じている。NHKは言うに及ばず、民放も所詮は「東京ローカル局」だから東京に関心があることだけ、東京にいる権力にすり寄るだけのテレビ局となっている。東京は、電力「大」消費地であるという、テレビ局の意識はまるでない。東京に税金をどぶどぶ投入し、テレビ局とその周辺、そして自分たちが豊かになりさえすればOK、オキナワやフクシマ、もちろんオーサカも、他の地域も、あえいでいても我関せずで、オリンピックしか興味ない。反原発票が割れたのが痛かった。宇都宮氏と細川氏の票を足しても、勝てなかった、とかメディアは言うが、一本化されたら「1+1=2」でなく、「1+1+α」があって勝っていたと考えている。
「世界一の街」を声高に叫ぶ東京は、隣街の犠牲によって成り立っていることの自覚がなく、無関心のようでは、東京が華やかになるため厚化粧を塗りたくるほど素顔があまりにも醜いということだけを忘れてはならない。時間と共に風化しようとしている「福島」について、もう一度立ち止まり、真剣に向き合い、人類にとって、日本にとって進化する大きなチャンスを我々が失ったことの自覚は都民や政治家だけではなくメディアも共有する必要があろう。田母神氏に60万以上の票が入り、20歳台では2位だったというのは、近代史がまるで教えられていないことの証明で、安倍氏あたりも喜んでいるのでしょうが、これもまた民衆を恐怖に陥れる結果であることの自覚が必要だろう。
Q3. 満足していない
主権者を心理的に操作し、期待通りの選挙結果に導くための常套手段として、メディアが「世論調査」や「出口調査」を用いると言われているが、言わずしてあってはならない。既に一部の報道では、本来なら比例してもおかしくない、選挙期間中の集会における集客力の状況とメディアの報道内容や選挙結果との乖離なども指摘されている。メディアは今までのように、単なる伝達手段でもなく、利用される存在でもなく、自ら大きな志を立て民衆を未来に向けて育て、導く存在としての役割に期待したい。その点、当初の選挙の争点であった人類にとっての進化の機転になりえる「エネルギー問題」が、途中から摩り替わって行くさまを軌道修正もせず放って置いた、または意図的にそれを導き出したメディアの責任が大きいと考える。
5. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)
Q2. 「5 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
真に都政に必要な政策論争を下火にしてしまった点において実はかなり悔やまれる。
◎評価するもしないもない
テレビも新聞も、報道機関であるので、実際に起こっていることを報道するのが役割。そういう点では、今回の都知事選に関する報道は、“原発Yes or NO?”というワンイシューを一大争点として突然提起した小泉・細川元首相コンビに振り回された嫌いはあるものの、それはそれとして報道していたので、それ自体は決して悪くない。それに、確かに元首相コンビは絵になると思われているようなので、視聴率稼ぎの観点からも、元首相コンビを映す機会が多くなったのは仕方のないこととも思う。
問題は、都知事選という地方選挙の場において、この争点設定が相応しいかどうかを選挙戦最初にきちんと報じていなかったことだ。裏を返せば、都知事の為政範囲を逸脱した争点をいくら論ってみても仕方ないのに、原発問題を殊更に大きく報じたことは、真に都政に必要な政策論争を下火にしてしまった点において実はかなり悔やまれる。
都の大きな政策課題である子ども・子育てや高齢者、2020年東京五輪、東京地域経済などへの報道が原発問題に比して非常に少なかったと感じられることは、報道機関として、大いに反省ないし問題視すべきことであろう。
インターネットが浸透してきたとは言え、まだまだテレビ媒体による情報発信力は大きい。テレビ局が政治的な姿勢を前面に出すことに反対ではないが、せめて選挙戦を巡るテレビ報道においては、特定イシューに偏ることのない報道、選択肢の提示といった本来の報道機関の役割を演じてもらいたかった。このままでは、テレビは、ネットに取って代わられてしまうかもしれない。
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