新しい民主党代表への期待と課題
8月29日。民主党の新代表に野田佳彦氏が選出されました
新たな民主党代表にどの程度の期待ができるのかを考えることは、
これからの日本の政治のあり方をより良いものにする新しい視点を
得ることに繋がります。
オピニオンリーダーのみなさまからのご回答をいただけますよう
お願い申し上げます。
※コンパスで掲載された全ての意見・回答は各氏個人の意見であり、各氏所属の団体・組織の意見・方針ではありません。
Q1:新しい民主党代表に対して、どの程度の期待ができると考えますか?
Q2:問1の設問への回答理由など、新しい民主党代表へのご意見をお聞かせください。
8月29日、民主党の新代表が野田佳彦氏に決定しました。
コンパスでは、オピニオンリーダーのみなさんに、事実上の新首相でもある、野田新代表への期待の度合いを尋ねました。
新代表に対して「期待できる」、「まあ期待できる」と、肯定的に受け止める回答が半数以上を占めました。野田氏の安定感、バランス感覚を評価し、堅実な政治運営を期待する意見が多く寄せられています。
一方、「あまり期待できない」「期待できない」「そのほか」という回答では、理由として、党内基盤の弱さや、菅政権下での財務大臣としての実績不足などが指摘されています。
また、積極的評価ではなく、野田氏の政治的手腕に対して「期待したい」「期待するしかない」という現実を受け入れる形で今回の結果を捉える回答も複数みられました。
内外に課題が山積する情勢下で、野田新代表そして政権交代から3年目を迎える民主党の真価が問われています。
オピニオンリーダーのみなさんの回答をご覧ください。
あなたのご意見も〈コメントを投稿する〉からご投稿ください。
( 24件 )
1. 期待できる
Q2. 「1 - 期待できる」の回答理由
民主党唯一の人望のある政治家。彼で民主党がまとまらなければ、民主党は終わり。民主党最後のチャンス。
本当はもっと早くなってほしかった。
森信茂樹
中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員
Q2. 「1 - 期待できる」の回答理由
野田総理は、派手なパフォーマンスはないものの、国民に苦い政策について説得する技術・能力があり、自民党への対話も可能となるので、さまざまな課題・政策が動き始める。
まずは、第3次補正予算の編成。復興を進めるにあたって、歳出削減で賄いきれないところは、臨時増税による期間限定の国債(復興債)を発行し、世界に、日本人として現役世代の連帯を示すことが、投機の津波から守ることになる。
伊東乾
作曲家・指揮者 ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督
Q2. 「1 - 期待できる」の回答理由
内心ホッとしている。まともな政策を展開できる数少ない候補が選出された、というのが率直なところで、具体的な施策で期待に応えていただきたい。結果を出してこその行政の長なのだから。
牛尾奈緒美
明治大学情報コミュニケーション学部教授
Q2. 「1 - 期待できる」の回答理由
増税や原発への対応など、現実を見据えた政策を打ち出そうという姿勢が見られる。
一日も早い復興を実現するためにも、「ノーサイド」という言葉通り党内の融和を図り、 野党との適切な協力関係の構築にあたることを期待したい。
Q2. 「1 - 期待できる」の回答理由
政権運営の基本の一つは予算をしっかり編成できることであり、財務大臣を経験している野田氏はこのための十分な知見を有しているはずである。
また、政権にとっての問題はいかに国会の「ねじれ」に対応するかであるが、新首相には野党の政策案を大胆に取り入れることで対応していくことを期待している。
2. まあ期待できる
ジョン・キム
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任准教授
Q2. 「2 - まあ期待できる」の回答理由
「期待できる」というよりは「期待したい」
ただ、いずれにしてもこの国の首相を選ぶ方法を抜本的に改革しない限り、
携帯電話のモデルチェンジのように頻繁に見られる首相交代の悪循環を
止めることは出来ないように思う。
なぜなら、
国民からしては自らが選んだ気がしない、
選ばれた側は国民に選ばれた気がしない、
のが今の首相の選び方だからだ。
国民による首相の直接選挙的な要素の導入を真剣に議論する時期に来ている。
Q2. 「2 - まあ期待できる」の回答理由
小沢元代表の影がちらつく海江田氏よりは、野党との関係も含めて、停滞する政治状況を少しでも前に進められるのではないかとの期待から2(まあ期待できる)と回答しました。期待を裏切らないでほしいと切に期待します。
新代表(新首相)としての野田さんにはぜひ以下のことを言いたいと考えます。
復興のための資金に税を充てようというのであれば、また将来の消費増税をお考えなのであれば、議員定数削減などの歳出削減のプランをぜひ並行して指し示してほしい。一方で税率は上がっても税収が下がることがないように景気刺激策、経済成長戦略をきちんと打ち出してほしい。
さらに今後のエネルギー政策についてビジョンを示してほしい。将来、代替エネルギーのシェアをどこまで高めようと考えているのか、電力自由化についてはどのようなスタンスなのか。東日本大震災と福島第一原発事故がつきつけた重大な問題について、ぜひ正対してほしい。
Q2. 「2 - まあ期待できる」の回答理由
震災対応、復興、原発事故の処理、景気回復、円高、財政赤字、税と社会保障の一体化など、全ての問題が待ったなしの状況だが、こんな時期にはあらゆる力を結集できる政治家が必要だ。
野田氏は、一言で言えば、大変バランスのとれた政治家だと思う。
総理のスタンドプレーをリーダーシップと勘違いする、などということもないのではないか。「ノーサイドにしましょう」の言葉通り党内のバランス、官僚とのバランス、野党とのバランスをうまく取り、多方面の力を引き出して、政策をひとつずつ実現していってほしい。
ただ、そうなると元の馴れ合いの古い体質の政治に戻ってしまう懸念はあるが、野田氏の若さや重みのある話を聞いていると、「古い政治からの脱却」を感じることができる。
まずは期待したい。
吉崎達彦
株式会社 双日総合研究所副所長主任エコノミスト
Q2. 「2 - まあ期待できる」の回答理由
サポーターの参加もなく、議員だけでわずか3日間で行われた代表選。
これが次の首相ですと言われても、大多数の国民にはピンとこないだろう。
政策論争も不十分だった。それ以前に数合わせや合従連衡、各候補の
「小沢詣で」が焦点となる異常な代表選だった。
個人的には、海江田氏の「三党合意を白紙に」発言に驚いた。前の社長が約束したことを次の社長が反故にするようでは、そんな会社は誰も相手にしなくなる。民主党は政党の体をなしていないことになる。
結果として、事前の予想では不利だったものの、5人の中で最も安定感のある野田氏が選ばれたことは、「民主党の知恵」を感じさせるものだった。
期待値は高くないと思うが、低姿勢で安全運転の政権運営をお願いしたい。
今月末であの政権交代選挙からちょうど2周年。無謀なマニフェストの後始末と、党内抗争に明け暮れた2年間だった。もはやそんな贅沢は許されない。
民主党として3人目の首相の責務は重いといえる。
Q2. 「2 - まあ期待できる」の回答理由
野田新代表は、事前の世論調査での人気も高くなかったので、その意味では「期待度」が低い時点からのスタートで、かえって、スタンドプレイではない堅実な政策を展開できるかもしれない。
もちろん、「増税」政策は不安材料だろうが、国民も、社会保障のための「増税」はやむなしと思っているわけで、歳出削減や公務員改革などの環境を整え、誠意を持って粘り強く理解を求めるしかないだろう。誰かが、国民に嫌われても決断しなければならないわけで、その意味での実行力に期待したい。
Q2. 「2 - まあ期待できる」の回答理由
小沢・鳩山グループの数の勝利ではなかったことで、まだ、民主党内に自浄作用があり、期待できると思った。というより、期待しないと、国民としてはやっていられないと思う。また、リーダーとしての力強さも、二人の決戦演説から、結果は明白であった。野田氏については、財務大臣としてはどちらかというと、官僚に取り込まれた結果増税論者としてネガティブなイメージを持っていたが、俯瞰から見て国難を乗り切ってほしいと思う。
Q2. 「2 - まあ期待できる」の回答理由
菅さん以下の総理は考えにくい。人間的にはぶれない印象で駅前演説を長く続ける等真面目にに政治に取り組む姿勢は期待できる。小沢さんの影響が少なさそうな事も評価の対象。
鈴木豊
青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科教授・公認会計士
Q2. 「2 - まあ期待できる」の回答理由
災害復興と財政再建は同時に行うべきであり、その出発点は、財政支出の大幅な思いきった見直しと、それでもなお必要であれば増税の国民に対するインフォームドコンセントを十分に行って税制改革も行うべきである。新代表の考え方も同方向と見えるが、霞ヶ関側の環境に流されるようにも国民は危惧しており、厳然とした方針で臨まなければ短命となるであろう。
Q2. 「2 - まあ期待できる」の回答理由
まあ期待するにします。選挙前は海江田さんにしても前原さんにしてもいままでの民主党的な言葉が上滑りして実行が伴わない、国民の人気ばかり気にするポピュリズム総理になるだろうと危惧していましたが、選挙演説でも責任感をかんじました。実現不可能なマニフェストに拘泥することなく、前に進んでほしいです。
やっと小沢、鳩山間の時代から若い世代にバトンが渡った感じです。もちろんこれからの人事、野党との関係、財務省の論理にからめとられないようになど不確定要素、波乱要因はありますが、何とかまともに仕事をしてほしいものです。
Q2. 「2 - まあ期待できる」の回答理由
本格的に構造改革を行って、高齢者ではなく若者中心、
箱ものではなく、サービス中心への転換、
とにかく、男女共同参画と正規、非正規待遇格差縮小をやらなければ
社会がもたないと思っております。
3. あまり期待できない
Q2. 「3 - あまり期待できない」の回答理由
誰が首相であっても、国政を巡る極めて困難な条件(大震災復興、東電福島第一原発事故、世界経済の混乱、財政赤字、ねじれ国会など)に変化はない。永田町内の問題で言えば、ねじれ国会を打開できるかがキーとなるが、大連立の可能性は低く、また民主党内の対立も収束にはほど遠い。まずは政権浮揚のきっかけをつかんで、多少は上がるだろう内閣支持率を背景に野党側からの協力を引き出せるかが注目されるが、A級戦犯をめぐる発言など、野田氏個人の資質にすら危うさがみえる。
Q2. 「3 - あまり期待できない」の回答理由
代表選挙のプロセスが物語る党内基盤の脆弱性。これだけ本選で票数が割れ、しかも、本選2位だった野田さんが選ばれたこと、小沢陣営は野田さんに協力しないことなどが懸念材料。ただ、野田さんには、「100万人といえども我行かん」の気持ちで頑張って欲しいと思う。
Q2. 「3 - あまり期待できない」の回答理由
あまり期待できないが、でも、民主党代表イコール首相ですから、首相には期待するしかない。
政治は優先順位を明確にすることだと思います。政策は緊急性、重要性、結果の重大性で優先順位をつけて推進すべき。そのためにも閣外閣内を問わず、大連立を進めて行かざるを得ないのではないでしょうか。
浜辺陽一郎
青山学院大学大学院法務研究科(法科大学院) 教授,弁護士
Q2. 「3 - あまり期待できない」の回答理由
菅政権の中枢にいて、何をなされていたのかよく分からない。
あまり新しさを感じられない。
選出された経緯も、何やら民主党の議員の間での、いろいろなバランスからこうなったということでしかない。
「やるべきことはやる」ということだが、公務員改革が期待できないことはもとより、増税路線を今までの流れのなかで「無難」にやり過ごされてしまいそうな印象である。
ただ、首相になる以上は、メディアでいろいろと言われている悪口を打ち消すような大胆なリーダーシップを期待したい。そうでなければ、他の議員たちは、自民党などもいっしょに政界再編でもしてもらうほかないのではないか。
4. 期待できない
中津孝司
大阪商業大学総合経営学部教授,国際問題評論家
Q2. 「4 - 期待できない」の回答理由
期待したいが、期待しないほうが良いだろう。野田氏はスピーチも巧いし、議員としては有能かもしれない。東日本大震災の後始末には菅氏よりも適しているかもしれない。しかし、菅氏と同様に一国の指導者としては相応しくないだろう。財務相時代、円高を阻止できなかった。米ドルにペッグ(固定)すれば、円高の勢いは止まり、必ず円安になる。その可能性だけでも口にすれば、市場関係者は警戒する。日銀に指導、説得をすれば実施に踏み切れる。しかし、野田氏は口にさえしなかった。現在の円高は財務省と日銀の怠慢にその原因がある。
経済対策でも具体的な方針を示していない。今は平時ではなく、有事。
その認識が野田氏にあるか。有事の際には政府が積極的に経済政策を打ち出していくべきである。増税ではなく、減税。税率を上げるならば、個人所得税や法人税ではなく、消費税。外資系企業を念頭に置いた簡潔な税制の確立が重要である。
野田氏の外交方針も不明瞭。日米同盟を基軸にすることは子供でも分かる。問題は対ロシア戦略、対中国戦略をどのように描くかこそ日本にとっての喫緊の外交課題だ。欧米との良好な関係を保持しつつ、新興国をどのように取り組めるかこそが今問われている。外交デビューを果たす国連総会でどのようなスピーチをするか。そこでのスピーチは駅前演説とは舞台が違う。野田氏は日本の外交課題について踏み込んだ発言をしていない。
当面、野田氏の行動を注視するが、国民が納得しなければ、再度、短命政権に終始し、民主党は分裂する。
5. そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)
Q2. 「5 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
とにかく首相になる以上は期待するしかありません。いま本当に危機に瀕しているのは民主党ではなく、日本という国家そのものだからです。もうそろそろ「賞味期限一年以下の内閣総理大臣」はやめにしてほしいものです。
南淵明宏
医療法人社団 冠心会 大崎病院 東京ハートセンター 心臓外科医
Q2. 「5 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
国民は期待するしかありません。それしか選択肢はないのです。国民だけではない、世界も期待しているはずです。本日ただいまからの日本の外交、経済政策、安全保障政策、震災の復興と原発による汚染国土の処理、これらに世界が注目しています。実際、人類の近未来の明暗にかかわるアクション、と言っても過言ではないでしょう。いや、今日から新首相のもと日本が世界に向かって明確にビジョンを示すことで、同時に全人類に指針を示すことにもなるという、責任ある立場に立たされている現実をしっかりと認識してもらいたいものです!
一方でこの機会にしくじればダメージは不可逆。国民の政治不信、行政忌避、役人侮蔑はさらに加速するでしょう。
いつもは時代劇のお殿様のような「男前」な野田さんが今回は必死の形相でした。国民はとにかく期待します。ジャイアンの走狗に甘んじるスネ夫じゃなく、出木杉君の役回りで正義と信念を貫いてください!誰にも気を使うことなく、とにかく自由に、よいと思ったことは実行してください。でも増税なんですかぁ~?それだけはやばいと思うんですけど。
Q2. 「5 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
ノーサイドにしようと言った言葉の裏にあるのは、挙党態勢に対する懸念と不安の表れ。所詮、小沢一郎氏の動向に委ねられるスキムは変わらない。そうであれば、いっその事、政治家として手腕と人脈のある小沢氏を遠ざけず新体制に組み入れるべき。内部抗争、派閥争い、足の引っ張りあいをやめ無ければ、過去2年間と何も変わらなく、むしろ後退する。民主党が政権を維持し国政を続けるには、挙党一致プラス外部から(野党も含め)の人材登用は必至。野田新代表がそれを遂行できなければ、民主党政権が終わりを迎えるのでは。
Q2. 「5 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
まず今回の選挙報道で大変気になったのは「脱小沢」か「親小沢」かというようなあまりにも単純化された民主党代表選報道だった。本来この差は「官僚主導容認」か「脱官僚」の違いではなかったのか。
明治以来日本がかかえた「官尊民卑」という問題を、小沢氏のイメージをある方向に作り上げて、国民を目を真の争点から遠ざける報道が相次いだのは、戦時中と同様の情報操作の匂いがして大変残念だった。
先の菅総理は財務大臣からの総理大臣で昨年7月の参議院議員選挙では財務省念願の「消費税アップ」を訴えて民主党惨敗のきっかけを作った。今回の野田氏も財務大臣出身で、代表選の演説でこそ国民の生活第一等と訴えたものの、早晩財政再建最優先策が頭をもたげてくるのではと危惧している。
官僚の中の官僚組織である「財務省」出身大臣が続けて再び日本のトップに立つ事態は、民主党が本来唱えた「脱官僚」という目標がさらに遠くなった証明。大震災、原発事故を「災い転じて福となす」ためにも、日本の国のあり方そのものを見直す千載一遇のチャンスだったはずだ。
まさに現在は戦後最大の「日本の禍機」。日本の将来を心から危惧している。
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