新都知事への期待、そして課題
4月10日。これから4年間の都政を担う都知事として、石原慎太郎氏が再選されました。これまでの3期12年間にわたる石原都政では、新銀行東京、築地市場移転問題などについて批判も挙がっていました。しかし今回の選挙結果は、未曾有の被害となった東日本大震災を受けて、首都・東京が都だけの政策にとどまらず、これまでよりも一層、国内の各地域との連携をとり、世界への情報発信を行うことが求められる状況下に向かってゆく中で下された都民の判断と言えます。
現時点ではこれからの都政の基本戦略は明らかになっていません。4期目となる石原都知事にどの程度の期待ができるのかを考える事は、今後4年間の都政をよりよいものとするための新たな視点につながります。
※コンパスで掲載された全ての意見・回答は各氏個人の意見であり、各氏所属の団体・組織の意見・方針ではありません。
Q1:新都知事に対して、どの程度の期待ができると考えますか?
Q2:問1の設問について、回答の理由など、ご意見をお聞かせ下さい。
Q3:新知事にとって、これからの都政の最も重要な課題は何であると考えますか?選択の理由とご意見を、コメント欄にご記入ください。
1-東日本大震災後の対応・対策(支援・防災・エネルギー施策)
2-築地市場移転問題
3-新銀行東京問題
4-青少年健全育成条例改正
5-少子化・高齢化への対応
6-景気・雇用対策
7-そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)
投票締め切りの午後8時とほぼ同時に、当確情報が出された今回の都知事選。4期目を迎える石原都知事に対して、オピニオンリーダーからの回答は、「期待できる」「期待できない」で真っ二つにわかれました。
これまで3期に渡る都政での実績、決断力で、東日本大震災後における強力なリーダーシップが期待される一方、新銀行東京やオリンピック招致、築地移転など過去の政策への疑問から、今後本当に都民の望む都政が実現するのか、といった厳しい意見も寄せられています。また、震災の影響でテレビ・新聞などメディアから得られる情報が限られ、政策をめぐる議論が十分になされないまま選挙が行われた、との指摘もありました。
これからの都政での最も重要な課題としては、防災対策、エネルギー政策など東日本大震災後の対応を挙げるオピニオンリーダーが多数を占めました。
景気・雇用を落ち込ませない経済の活性化や、都民のライフスタイルの変換など、未曾有の災害をうけ、首都・東京が様々な側面からドラスティックに変革することへの期待が、4期目を迎える石原都政に求められています。
オピニオンリーダーのみなさんの回答をご覧ください。
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( 26件 )
1. 期待できる
Q2. 「1 - 期待できる」の回答理由
毀誉褒貶はあっても、抜群の実行力に期待したい。
Q3. そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)
恐らくは最後になる任期に、作家石原慎太郎としての都政への味付けを期待したい。
それはアンドレ・マルローが文化相としてパリを美しく作り直したように、作家石原慎太郎の美意識で東京を美しくし、文化を根付かせることだろう。
南淵明宏
医療法人社団 冠心会 大崎病院 東京ハートセンター 心臓外科医
Q2. 「1 - 期待できる」の回答理由
期待できる。というより、期待するしかない。ご本人はこれ以上、何も望むものがないところまでご自信を確立されておられる方。何らかの目的でパフォーマンスやアピールをする必要のない立場の方なのだからまさに我欲を微塵も持たずに常に直球勝負でやってもらえると思う。これまでもしがらみに囚われず、ダメはダメ、いいはいいを決断し、実行してきた姿勢が今回の選挙の結果になったと思う。既存の権力や強いものや利益に迎合することが政治だと思っている輩で充満した今の日本の世の中では希少な存在だ。
特に今回の福島原発の放射能汚染の問題では、東京で使う電力のために福島の人が被災(原発災害)しているという理不尽、不条理が厳然とある。まさに政府の棄民政策が露呈した形だ。これについても都民を代表して福島の人たちに明哲な言葉で誠心誠意、改めて謝罪していただきたい。
Q3. そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)
掲げられた問題すべてはこれからの日本をどうするかにかかわっている。また、すべてが相互にかかわっている。震災で見えてきた政府のでたらめさ、たとえば放射線にかかわる仕事に従事している労働者が許容される放射線量は国際基準で年間20ミリシーベルトでさらにそれを5年間浴びて蓄積量が100ミリシーベルトになった時点で限界であるのに、今回厚生労働省が何の根拠もなしに勝手に250ミリシーベルトとしたような、お上の「ご乱行」「ご無体」を、国連やWHOに「非人道国家」のレッテルを張られてしまう前に、東京都だけでも独立国の如くにきっぱりと条例で禁止するなど、国を無視して合理性、国際水準、を持って行政を行って欲しい。そしてやはり東京こそが元気とアイデア、勢いを全国にスピル・オーバーすることでこの国を牽引して行かなければならない。
それは経済だけでなく、エネルギー対策や教育、医療改革も同様だ。東京がまずやってみて、全国の手本になるべきだ。
Q2. 「1 - 期待できる」の回答理由
知事会で都市・地方の相異なる自治体の思い切った議論をリードし活動してもらいたい。今からの4年間でポスト石原を2名は育ててもらいたい!!
Q3. 東日本大震災後の対応・対策(支援・防災・エネルギー施策)
・平日、休祭日の時間帯における防災対策の見直しと公表。
・都県市の防災とエネルギー対策の見通しを公表し都知事としての
強力な活躍を願う。
藤巻健史
株式会社 フジマキ・ジャパン代表取締役社長
Q2. 「1 - 期待できる」の回答理由
大震災を経たあと今回の選挙は「今後の都政をどうするか?」という戦術を説いた選挙ではない。
日本が、今までとは土俵が違う、とんでもない局面に向かいつつある時に、我々がどういうリーダーを必要としてかを問うた選挙だったと思う。その最初の選挙が偶然、都知事選だったというだけだ。映画上のスーパーマンとまでは言わないが、何か我々凡人とは能力的に異なるスーパーマンは国民は求めている。頭脳、判断力、外国とのコミュニュケーション能力を考えてその位置に一番近いと思われたのが石原さんだったと言うことである。強いリーダシップと見識のある新都知事に期待する。
Q3. そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)
問2ご参照
2. まあ期待できる
Q2. 「2 - まあ期待できる」の回答理由
石原慎太郎氏には、前例の問われない決断力や指導力がある。また、これまで三期都知事を務めてきた実績もある。これまでの都行政の継続性にも配慮しながら、東日本大震災に伴う危機に対応してくれることを期待している。
Q3. 東日本大震災後の対応・対策(支援・防災・エネルギー施策)
東日本大震災のため、今後日本経済が落ち込むことが予想される。特に電力不足は東京の経済に大きな悪影響を及ぼすと考えられる。そうした中で、東京の経済を活性化するために東京都としてできることに柔軟に積極的に取り組んでもらうことを期待している。例えば、今の法制度では難しいのかもしれないが、東京都が発電所を建設することなど検討できないものか。あるいは東京の多くの住宅にソーラーパネルを設置するための補助金を東京都が交付することなどはできないのか。
Q2. 「2 - まあ期待できる」の回答理由
未曾有の大震災後、日本全体が大きな変化を求められている。中央政府がやらないなら、東京から日本が変化すべき方向を内外に示してもらいたい。
石原氏には期待するが、それにしても他に魅力ある候補者はいないのだろうか。今回の都知事選でこうした方向性の議論が低調だったことを非常に残念に思う。
Q3. 景気・雇用対策
大震災対策ももちろん重要な課題だが、これは国家レベルで取り組むべきことだ。まずは東日本大震災後の東京で景気と雇用を落ち込ませないようにしてほしい。
鈴木豊
青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科教授・公認会計士
Q2. 「2 - まあ期待できる」の回答理由
自治体経営の信頼性の基礎は、企業とその利害関係者と同じく、行政サービスについて都民にとって有効性ある成果(業績)を達成したかどうかの信頼性ある測定とその開示である。今後出来るだけ詳細に包み隠さず公開できるかが、都の財政・行政・財務状態がさらに改革できるかの鍵となる。
Q3. そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)
都のような税金を原資とする公的部門の行う効果的な課題解決の原点は、行政と議会が都民に対して有効なパブリックアカウンタビリティを履行できるかにあり、都知事・行政・議会構成員が、真に一層の高品質のそのようなマインドをさらに持ちうるように行動できるかにある。これはすべての課題の基礎にある。
牛尾奈緒美
明治大学情報コミュニケーション学部教授
Q2. 「2 - まあ期待できる」の回答理由
新銀行東京の問題など対応に不明瞭な点がいくつか存在するものの、
彼の持つ強力なリーダーシップと政策実行力には比類ないものがある。
Q3. 東日本大震災後の対応・対策(支援・防災・エネルギー施策)
その他の項目も大変重要ではあるが、現段階では1を優先すべきと考える。
未曾有の震災を受けて、都民の多くは先行きへの不安感と被災地域への貢献の責務を実感しており、知事には強力なリーダーシップのもと迅速かつ効果的な都政運営が求められている。
震災後の都政に期待することとして、、
1:首都東京に安心と安全な暮らしを実現するため、防災インフラのさらなる拡充、再点検。有事を想定したリスクマネジメント
2:被災者の生活基盤の再建を促すためのハード・ソフト両面での積極的支援(住居インフラ、経済支援、就業支援、子供の学校のあっせんなど)
3:被災地域の経済復興の受け皿となるべく、一般市民や企業に対して、被災地域の産業支援を意識した購買行動を促進・啓蒙する具体的プランの策定
をあげたい。
Q2. 「2 - まあ期待できる」の回答理由
石原都知事の政策実現力に加え、独特の発信力に期待したい。これまでも政府や政党に、またメディアを通してさまざまな提言をしてきた知事だが、それらは国民の意識改革から役人の仕事についてなど、具体的でわかりやすく魅力的な提案が多かった。
Q3. 東日本大震災後の対応・対策(支援・防災・エネルギー施策)
防災対策はもちろんだが、それに絡めて、新しい省エネルギー政策を示してほしい。例えば、節電について、人間本来の暮らし方に近い「アンチ24時間眠らない都市」構想など。もうひとつ、東京の国際的地位を高めるための政策、羽田空港国際化に匹敵するようなプロジェクトも是非。一見相反する政策だが、双方が必要、実現を望む。
Q2. 「2 - まあ期待できる」の回答理由
期待せざるを得ない。
78才の石原氏に多くのことを期待するのは難があるが、この国難の打開にほかの候補者はあまりに頼りない。圧倒的なリーダーシップを期待する。多少の失言、拙速は許容する。
Q3. 東日本大震災後の対応・対策(支援・防災・エネルギー施策)
震災復興を第一の目標とする、東京発日本再生を行わなければこれから10年、あるいは20年、日本は他国に劣後する。石原氏は名誉、功績の面で成功されており、命を賭して都民、国民を鼓舞する大胆な政策を行うことが必要である。
Q2. 「2 - まあ期待できる」の回答理由
石原さんは少なくとも自分の意見をきちんと問い、信念に基づいて政策を遂行しているという点で、国のリーダーと対極をなしている。
Q3. そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)
交付金に依存していない自治体の長としてどんどん実質的自治権を拡大していって欲しい。
Q2. 「2 - まあ期待できる」の回答理由
大震災による未曾有な危機的状況のもとで
軸足がしっかりしていてぶれがなく、強い
リーダーシップが期待できるから。
Q3. 東日本大震災後の対応・対策(支援・防災・エネルギー施策)
東京が東北等の復興資金を極力援助すべき。また、
原発問題はわがこととして積極的に取り組むべき。
3. あまり期待できない
浜辺陽一郎
青山学院大学大学院法務研究科(法科大学院) 教授,弁護士
Q2. 「3 - あまり期待できない」の回答理由
当然のことながら、本当は期待したいのだが、期待しにくいという意味で。
大震災の報道にかき消され、TV,新聞など報道から得られる情報が極めて限られていた。
議論が十分になされたとはいえない。生煮えの印象。
石原氏の出馬表明が遅れた理由は分からないではないが、結果としてでも後出しジャンケンとも揶揄された姑息な戦術が、再度、功を奏したような格好になってしまった。
これまでの実績には評価できる面があるにしても、問題もあった。選挙は、過去の実績評価ではないはず。石原氏の政策に対しては、新銀行東京、築地移転、高齢多選、オリンピック招致、各種の失言問題など、疑問が多く、本当に都民の望む舵取りができるのか不透明。
ただ、当選した以上、これらの疑問がまったくの的外れとなるように仕事をしてほしい。
Q3. そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)
どれが一番という形で絞ることはできない。全体のバランスが重要である。
東日本大震災後の対応・対策(支援・防災・エネルギー施策)は当然に重要で、ただ、都知事のやれることには限界もある。敢えて言えば、大震災は、争点が十分に議論されなかった点で、現職の石原氏に有利に作用する形になったように思う。特に、原発に関しては、石原氏に入れなかった都民が過半数いることも忘れるべきではない。なぜなら、福島原発の深刻な問題は石原氏にとってはマイナスとなった面はあるはずで、反原発の投票行動があっても、一つにまとまらなかったのは仕方がないからである。
築地市場移転問題や新銀行東京問題も、かなり重要で、注目もしているが、客観的に検証することができるのか疑問もある。
個別の問題については、是々非々で、過去の政策には固執しないで、状況に応じて大胆な政策転換があってもいいのではないかと思われる。ただ、もう高齢すぎて、そういう柔軟性を失ったかのように見えるのは寂しい限りである(先ほどの石原氏の会見を見て)。
Q2. 「3 - あまり期待できない」の回答理由
今回の当選は都民の緊急避難的選択であったのに、会見での強いイデオロギー的発言に危機感を感じた。四選に自信を持ちすぎて、しかも、今度こそ最後ということで、暴走してほしくない。
Q3. 東日本大震災後の対応・対策(支援・防災・エネルギー施策)
今さしあたっては、これしかないが、あくまで緊急避難の課題であり、本来は、いい意味での地域主権システムを構築して、国と対峙してほしい。
Q2. 「3 - あまり期待できない」の回答理由
自ら「今までと同じ」ということですし、最近の発言から、あまり期待はしていません。自分としては新しい改革を東京からお願いしたかった。
ただ、結果、彼のリーダーシップに期待するシニアの方が多かったということなので、それなら、真剣に彼の持っている良いところを活かして、東京から日本を引っ張ってほしいです。
Q3. 景気・雇用対策
日本の核、東京が元気にならないと、日本は元気になりません。花見自粛発言もありましたし、今日も色々と発言していましたが、とにかく、経済活性化をし、東北の支援をしてほしいです。そして、今後の都の防災対策もお願いします。
Q2. 「3 - あまり期待できない」の回答理由
今回の原発事故では、大規模集中電源から一方方向的に電気を送電する垂直統合型の電力供給システムの脆弱性があらわになった。つまり火力発電所や原発などの大規模集中電源が機能不全におちいれば、たちまち電力不足になる、という脆弱性である。こうした脆弱性を克服するためには、スマートグリッドといわれる電力供給システム、つまり自家発電を含めた小規模電源を多層的に組み合わせたネットワーク状の電力供給システムに移行することが有効である。東京に十分な電力を供給し、東京の経済生活を守っていくためには、どのようなエネルギー政策が必要なのかを考えるなら、電力自由化によるスマートグリッドへの移行は不可欠だろう。また再生可能エネルギーによる発電とスマートグリッドの組み合わせは、制御システムの構築において最先端の技術を必要とするので、産業的にも大きな可能性をもった分野である。しかし石原新都知事は今回の原発事故を受けてあらためて原発推進論者の立場を表明したように、新しいエネルギー政策への意識がほとんど欠けているように見える。ぜひ、石原新都知事には、強靭な電力供給システムへの移行と、新しいインフラ産業の可能性に向けて、柔軟な発想をもっていただきたいと思う。
Q3. 東日本大震災後の対応・対策(支援・防災・エネルギー施策)
多くの地震学者が指摘しているように、今回の大震災によって、首都直下型の地震が今後数年のうちに連鎖的にひき起こされる可能性がひじょうに高まった。今後の都政にとってもっとも重要な課題となるのは、したがって、防災的な観点から強い東京をいかにつくっていくのかということだ。上記の新しい電力供給システムへの移行はその一つだが、それだけでなくやるべきことはたくさんある。私は、今回の都知事選の結果は、そうした危機に強い東京をつくりたいという都民の意識が反映されたものだと思う。都政が強靭な都市づくりを進めることで、日本の復活に寄与することを切に願う。
4. 期待できない
Q2. 「4 - 期待できない」の回答理由
1期目、2期目、3期目と年を重ねるごとに、政策や発言が劣化している。問題発言が増えたことやかつてはアンチポピュリズムだった硬派の石原がいまや単なるポピュリストに成り下がっている。新銀行東京、オリンピック、築地と失政を重ね、今回の選挙で震災や電力の問題だけを議論するのは石原氏が批判するポピュリズムそのものだ。
Q3. そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)
教育。青少年だけでなく、幼児から高齢者までの教育。高齢者は保護の対象ではなく。労働力としても社会構成員としても大きな戦力。すべての人々を現代社会の中で再教育する必要がある。原発関連の風評被害は都民の知的レベルの低さによるものであり、教育が必要。
伊東乾
作曲家・指揮者 ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督
Q2. 「4 - 期待できない」の回答理由
明確に「再検討」が必要な時期、実質的には「継続」をメインに掲げる候補者が、対立候補の票割れの中、安定感イメージを主な背景に無風に近い形で再選されたように見える。政策を巡る健全な議論が、もっと必要だったのではないか?
Q3. 東日本大震災後の対応・対策(支援・防災・エネルギー施策)
今回の災害は従来政策の結果が天災の被害を拡大した面が指摘されている。復興支援・防災・エネルギー政策のいずれも、断言口調の頼もしげな発言等を越え、地味で長期的な取り組みが必要不可欠だ。もし(他分野で失政を指摘されるような)合理的根拠の希薄な政策が実施されるならリスクを指摘せざる得ない。状況は常に変化している。他に選択肢が少なく、不安の中で安定を求める有権者の気持ちに押された今回の票割れの結果を、都民の支持を得た、即路線承認などと短絡すべきではない。安全のためには、変化に応じて随時、根拠に基づく正確な政策の策定、実施が求められる。
いまだ東北太平洋岸各地では復興に向けて苦闘を続け、福島第一原発が現在のような状況にある中、とりわけ上記課題については科学的に事態を捉え、有効な政策の冷静沈着な策定・再検討・実施を常に求めて行かねばならないだろう。
Q2. 「4 - 期待できない」の回答理由
医療・福祉は、健全な経済発展を支える共通基盤であるという考えが乏しい政治家の再選によって、医療再生だけでなく高齢化社会に対して準備すべき最期のチャンスを失った。
Q3. 少子化・高齢化への対応
今までの石原都政12年間に、都立小児病院を集約化し病院へのアクセスを低下させる等、すでに首都東京の医療・福祉体制は全国最低レベルに悪化していた。
東京は現在高齢人口増加数全国第一位。世界が注目する未曾有の高齢化社会(2025年問題)は目前である。予知が困難な大災害と違い、着実に迫りくる高齢化社会を乗り切る東京都に再生させるラストチャンスを失ってしまった。
1000年に一度の未曾有の災害で、多くの方の尊い命が失われた直後、本来は国民が今までの日本の経済最優先の在り方を冷徹に振り返り、今後の日本の進む道を選択できる選挙であったはずだ。しかし原発問題も含めた大量の大震災報道にまぎれ、都民は候補者個々のマニフェストはもちろん、各候補者間の討論を聞く機会も乏しいままに都知事選が断行された。
2025年、高齢化社会という危機に押し寄せる頃、今回の選挙が行われたタイミングの是非、選挙に関するメディア報道の情報の質と量の在り方が問われることになると思われる。
Q2. 「4 - 期待できない」の回答理由
震災後まもない時期の都知事選を含めた統一地方選はそもそも延期するべきであり、このような状況で実施しても現職が極端に有利な形式だけの空疎な選挙となるのは当然である。これまでの3期も政治的自由を侵害する施策を強行してきた以外、主だった公約は軒並み破ってきており、さらなる高齢多選の4期に期待がもてる理由がない。せいぜい知事自身は半ば隠居して、都庁職員たちの奮起を望むほかない。
Q3. そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)
4年にも亘る任期では、いずれの課題も重要である。
Q2. 「4 - 期待できない」の回答理由
四選によって石原氏の身内びいき側近政治が深刻になるおそれ大。思いつきの銀行外形課税、新銀行東京、東京オリンピック誘致失敗等などの失政が帳消しになるわけではない。奢り暴言を慎み誠実に徳をもって勤勉に都政に取り組んで欲しい。国を批判して大向こう受けを狙うより、着実な実績を挙げてほしい。
Q3. そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)
防災も重要だが、東京の機能の分散が東京の機能の分散をはかり、首都(政治機能)は福島県に、経済機能は関西・名古屋に、文化機能は京都・岡山・金沢・熊本などに配分することを考える。特に本社機能、首都機能の福島南部移転は重要。
Q2. 「4 - 期待できない」の回答理由
新銀行やオリンピック、築地移転は、もともと政策課題でも何でもないのに都庁の巨大な財源を目当てに石原氏が勝手に作り上げた争点である。いわば自作自演のうえにもう破たんしている。それを破綻宣告、処理すらできない議会はだらしなさすぎるしメディアの勉強不足(以下の問3の争点集も実は石原氏に翻弄された結果では?・・)は末期的。石原氏はもともと知事として不適格。中国蔑視発言などの暴言を繰り返しては「作家としての発言」という言い訳で逃げているが国際的には許されない。またあの人の暴言に惑わされる4年が続くと思うと本当に憂鬱である。
Q3. そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)
本当の争点は今の東京都の枠組みの見直し。戦時下に作られ、その後、修正やりくりでやってきた東京都制度の限界がきている。第1に地下鉄、バス、ゴミ、水道の合理化民営化。第2に23区役所への権限委譲と分権化。さらに広域行政体制の強化(グレーター東京)と国からの権限奪取も必要。要はいままでの東京都の枠組み自体を見直すべき。大阪都構想ではまさにそれが争点になった。東京も本当は大阪や名古屋と連携して全国の大都市制度の模範となる制度を今のうちに作る必要がある。だが石原氏は目先のわかりやすい政策しかやらない。というよりも経営感覚が欠如。巨大組織を粘り腰で改革する能力はもっていないし、興味もないように見受けられる。東京はまた無駄な現状維持の4年を費やすだろう。
Q2. 「4 - 期待できない」の回答理由
石原都知事の4選は不純動機。本人は震災に関係なく本心は辞めたかったと思う。日常の言動聞く限り、老害表現(一時の中内さん伊を髣髴させる)、短絡表現、感情表現が目立ちすぎ痛い。
本人も懸命な方だから 自身の変化に気がついているはずだ。
石原のぶてる氏との関係も頂けない。幹事長という重要ポスト
が親子関係で更に強固になり、不自然な力関係が党内に存在し
健全な党の運営バランスが崩れていく。
Q3. 景気・雇用対策
3と6に尽きる。他は都知事でなくても十分可能。
リーダーシップは漠然としたもの、クラウド的なものの中から
弁証的な知力手法により方向性を導き出さなければ。
素早い決断力と選択力、都知事にしか出来ない。
加速的に悪化していく景気問題を東京が率先して現実渇化する
ことが国政を牽引することにもなる。
5. そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)
Q2. 「5 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
世論についてコメントします。今回の石原氏の当選は、石原氏に対する期待というよりも、他の候補者が都政を託するだけの器ではなく、結果として石原氏を選んだものと推測します。その意味で、また当人自身が当初は引退することを考えていたことを考えると、何かを期待することは酷なような気がします。一方でそれは、このような時期に都民が「安定感」を望んだ結果だと考えた反映だと思います。
Q3. そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)
現政権に希望が持てない現在、政治があるいは指導者が何らかの点でやれることがある、ということを示すことこそ石原新知事に託された期待だと思います。
森信茂樹
中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員
Q2. 「5 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
本人に期待するというより、若い有能なブレーンに期待したい。
Q3. 東日本大震災後の対応・対策(支援・防災・エネルギー施策)
東京都民が、今回の震災・津波・原発事故で知らされたことは、東京都民の電力が、東北地方の原発に依存しているということ、つまり、原発問題は、東京都民の問題であるということであった。今後原発への依存を縮小していかざるを得ず、東京都民のライフスタイルを変えていく必要がある。
そこで、震災に強い街づくりというハード面の強化に加えて、都民のライフスタイルを、電気ひいてはエネルギー節約型のものにするという変革に向けての説得的な指針を示すなど、ソフト面の政策も打ち出す必要がある。
このためには、新しい発想力・構想力と、それを実行するリーダーシップが必要となる。知事は、若手のブレーンを集めて都民にわかりやすく変革を促すプランを作成するとともに、自らの強いリーダーシップの下で実行に移してほしい。
Q2. 「5 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
知事の高齢が心配だ。それを補うためにも、各方面からの才能ある若手の起用をお願いしたい。
Q3. そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)
今回の東日本大震災ではっきりしたことは、国のリスクマネージメントが非常に脆弱だということだ。震災対策もさることながら、原子力発電所のそれは、あまりにも安易かつお粗末なものであった。
今後4年間に新都知事に期待する中心課題は、こうした弱点克服の手本を示すことであり、都民の生命と財産を守るための東京大改造である。この改造が進む過程で雇用も生まれ、過去の政策の取捨選択や継承方向も見えてくるはずだ。東京都が決心して改造に進めば国も動かざるを得なくなるだろう。
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