第8回 2003年8月19日(火)放送 あらすじ

#8 夏だ!海だ!サメ男だ!

 勘九郎(山田孝之)、憲男(森山未來)、田中(瑛太)、高原(石垣佑磨)、石塚(石井智也)の5人は、シンクロの練習に励んでいた。だが、田中だけはどうも上の空である。教育委員会のシンクロ中止決定を撤回させる算段をしても田中は乗ってこない。この日は登校日で模試の結果の発表の日でもあった。勘九郎や憲男は相変わらずであったが、田中だけが山岡教頭(布施明)に呼び出された。唯野高校きっての秀才・田中の成績が激落、教頭が直々に予備校の集中合宿を案内しようというのだ。田中はシンクロの練習がある、自分のことは自分で決める、と突っぱねようとするものの、教頭の「何のために」という問いに答えられない自分がもどかしい。
 その帰り、進藤家に寄り合ったシンクロ同好会。成績を見せ合っていると、田中が突然「しばらく練習を休む」と言い出した。決心の固さに残った一同、田中を見送るしかなかった。田中は海パンなどの入ったバッグをその場に忘れていた。その帰り道、田中は響子(香椎由宇)と出会う。響子は「あの告白を気にしているのか」と問う。だが田中は笑顔で「僕は引きずるタイプじゃない」と取りつくろうものの、傷ついているのは明白であった。
 美和子(高橋ひとみ)が、模試の成績を見ながら勘九郎を説教する。その中で「明日から教育委員会は市長と合宿に行く」と漏らす。勘の鈍い勘九郎は何のことか分からなかったが、麻子(宮地真緒)と仁美(碇由貴子)は「教育委員会がだめなら市長を説得しなさいという親心よ」と見抜き、勘九郎の尻を叩く。
 翌日、田中を除いたシンクロ同好会が「ともしび」に集まり、市長説得作戦会議を実施。ママ(柄本明)から身の自由をちらつかされた清正(八嶋智人)が、一同を引率して合宿地へ向かうことにした。その帰り道、麻子に会った勘九郎は、それとなく田中と響子のことを聞いた。田中の翻意はそこに原因があるのではと、察したのであったが、麻子は、勘九郎が響子を気にしていると勘違いしてしまう。
 その次の日、一同はバスに乗って教育委員会の合宿地の海辺へ向かった。全員、田中の不在が今回の説得に悪影響を及ぼすと不安を胸に秘めていた。
 教育委員会の合宿では、「唯野高校と石田高校の合併問題」が討議されていた。その受付に現れた一同は、当然のように追い返される。そこを通り掛った市議が憲男を見つけ「県議のお坊ちゃん」と声を掛け、皆、憲男の素性をしることになる。一同、肩を落として歩く後ろには「夏季合宿」の看板が。その中では田中が一生懸命勉強していた。
 海辺に着くと清正が騒ぎ始めた。知り合いの水泳選手が、明後日、ライフセイバーのイベントを催すが、そこに市長たちが視察に来るのだと言う。イベントを手伝えば市長に会えそうな気配なのだ。
 そのころ進藤家では、仁美の宿題も麻子の指導で終わり、海にでも行こうという話しになっていた。勘一(浅野和之)はどうせなら田中の荷物を持って行ってくれと言うし、仁美は響子も誘おうと言い出す。
 海辺では、清正のとりなしで会ったライフセイバーの権田原(不破央)は、渡りに船とばかりに「手伝ってくれ」と言う。なんとその手伝いとは、救助のデモンストレーションで、30キロの錘を付けサメの格好をして泳ぐことだった。全員、溺れるかと思うようなハードな仕事だ。みんながアップアップしているところへ、麻子や響子たちが到着。目点である。一同、宿も同じで、帰路についていると、なんと前に田中がいる。互いに「何でここにいる?」という質問と答えを交わす。響子の存在が田中の寂しさを膨らます。「サメや市長説得手伝ってよ」という声にも、「その時間はちょうど試験だ」と突っぱねる。
 別れを告げた田中を響子は追った。「私が言ったあの話、なかったことにして」。響子は気付いていたのだ。「皆仲良くして欲しいの」と言う響子。田中は「どうして進藤なんだ」。響子は「一生懸命な姿を見ると勇気をもらえる」と言ってしまう。田中は無言で去って行った。
 夜になって、勘九郎は田中の合宿所に海パンを届けた。田中は「君はなぜシンクロをやっているのだ」と教頭からされた質問を勘九郎にぶつけた。勘九郎は「今しか出来ないことだから……」とやっとのことで答える。「田中は将来と今を両立出来て偉い。皆で見習おうと言ってるんだ」と勘九郎はその場を後にした。
 翌日、ライフセイバーのイベント準備が始まった。サメ役もどうにかやれそうになったところで、清正が逃げ出したことが分かった。4人じゃ演出が出来ないと言われ困っていると、響子が「やる」と言い出し……。
 その夜、皆で市長への直訴状を作ろうとするが、一向にまとまらない。憲男の父を使おうという案も出るが、憲男は絶対駄目と断る。「親のレールと離れてまでもシンクロやりに来たんだ」と憲男。石塚は「僕だって何か出来そうで、自分を変えてみたくて」とシンクロをやる理由を語る。高原は厳しい顔つきで一言。「友達が欲しかった」。勘九郎たちは「俺たち会えてよかった。5人で学園祭やりたいね」とうなずきあう。その姿を遠くで田中が見つめていた。
 翌日、イベントが始まった。市長も教育長も見ている。そこにサメの出番である。そのころ田中の実力判定試験もスタートした。しかし、そのイベントの最中、おぼれている子どもを見つけた勘九郎、憲男、高原、石塚は…。
 果たして市長に直訴は出来るのか?そして田中の恋の行方は??

キャスト

進藤勘九郎(18)… 山田孝之
立松憲男 (18)… 森山未來
田中昌俊 (18)… 瑛太
高原 剛 (19)… 石垣佑磨
石塚 太 (18)… 石井智也
大西麻子 (18)… 宮地真緒
清正   (36)… 八嶋智人
ママ   (50)… 柄本 明
山岡教頭 (55)… 布施 明
 ほか

スタッフ

■原作
 矢口史靖
 アルタミラピクチャーズ
■脚本
 橋本裕志
 中谷まゆみ
■音楽
 佐藤直紀
■主題歌
 福山雅治
■企画
 金井卓也(フジテレビ)
 関口大輔(フジテレビ)
■プロデューサー
 船津浩一(共同テレビ)
 栁川由起子(共同テレビ)
■演出
 佐藤祐市(共同テレビ)
 村上正典(共同テレビ)
 高橋伸之(共同テレビ)
■制作
 フジテレビジョン
 共同テレビジョン

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