第10回 2003年9月2日(火)放送 あらすじ

#10 32人が起こす奇跡

 勘九郎(山田孝之)、憲男(森山未來)、田中(瑛太)、高原(石垣佑磨)、石塚(石井智也)のシンクロ5人組は、杉田(杉本哲太)の配慮で、晴れて正規の水泳部員として活動が出来るようになった。シンクロを諦めて受験に打ち込む安田(田中圭)も勘九郎たちを眩しそうに祝福する。
 職員室では大地(片山怜雄)をはじめとびうお3兄弟ら競泳グループが教師の祝福を受けていた。インターハイで素晴らしい成績を上げたのだ。セレモニーが終わると山岡教頭(布施明)が「では、新校舎建設に伴うプール取り壊しを着工しましょう」と切り出した。校長(谷啓)、小野川(菊池麻衣子)、杉田らの表情が曇る。
 水泳部の部室を使えるようになって5人組は大喜びであったが、田中はシンクロ公演実現に200人のボランティアが必要だと試算する。学園祭まであと2週間。勘九郎たちは緊張する。
 ともあれ、練習はしなければならない。息が合った練習をしていると、それをプールサイドから江森(江畑浩規)ら元のシンクロ部員たちが見ている。「お前ら見てたらじっとしていらんなくなった。一緒にやりたいんだ」と江森。だが、最初に抜けた連中である。憲男も田中も「何を今更」と取り合わない。
 だが、彼らだけではなかった。プールの入り口では野球部とサッカー部の連中が「俺たちが本気だ」「俺たちこそ」とシンクロ組に参加を申し込んできた。その上、軽音楽部の星山(星野源)たちまでもが参加アピールの歌を歌っているではないか。5人組は考慮の末、勘九郎の「皆が認めてくれたってこと。協力を頼んでいる時に拒むのは何か違うよ」という言葉に従い、希望者をテストすることにした。
 放課後、プールサイドには9人が集まった。経験者もいればド素人もいる。テストは無茶苦茶である。だが、結局やりたい奴は入れちゃおう、と全員合格。シンクロ組は一気に16人に膨れ上がった。
 5人は進藤家に集まりフォーメーションの改案や入場券作りなどを始めた。そこへ麻子(宮地真緒)と響子(香椎由宇)がやって来た。麻子が看板作りなどを手伝うと言う。そんな騒ぎを階下で聞いていた美和子(高橋ひとみ)と勘一(浅野和之)は、プール取り壊しのことを心配するのだった。
 翌日から16人のフォーメーションでの練習が始まった。と、プールサイドには元シンクロ班で受験組に移った川島(川本貴則)ら3人が参考書を読んでいる。勘九郎たちが覗き込むと、参考書の中にシンクロ本が。勘九郎「指導してもらえるし助かるよ。入ってもらおう」。喜ぶ川島たち。田中だけは「今度は19人?」と頭を抱える。そこへ、生徒会副会長の七波(並木伸之)と書記の鷲津(鷲頭功学)が海パン姿でやって来た。「僕らも田中さんと思い出を作りたい」。結局21人の大所帯となる。
 そのころ安田は職員室で小野川の進路指導を受けていた。そこへ教頭が職員会議の資料を持ってきた。そのタイトルは安田を驚かせた。「新校舎建設に伴うプール取り壊しについて」。安田は水泳部室へ飛び込んだ。
 シンクロ班は安田の情報に驚いてプールへ向かった。早くも業者が教頭の指示でブルーシートを張り始めている。すでにそこへ杉田と大地ら競泳班のメンバーが抗議を始めていた。そこへ勘九郎たちも合流する。「何も学園祭前に解体することはないでしょう」「市長に出す計画書も出来たんです」……だが、教頭は「来年の生徒たちのためにも諦めてください」と黙殺し去って行くのだった。
 進藤家にシンクロメンバーと安田の22人が集まった。田中が「一人9人のボランティアを集めれば市長に提出する計画書が出来る」と言うと。新メンバー全員が腰を引いてしまった。そしてその翌日プールに集まったのは、最初の5人に戻っていた。だが、5人の決意はしぼむことはなかった。勘九郎が言う。「もともとこの5人だったんだ。ゴールは間近だよ」。皆強くうなずくのだった。
 「ともしび」に行くとママ(柄本明)らがボランティアを20人集めていた。もちろん清正(八嶋智人)も員数に入っている。先輩の佐藤(玉木宏)も10人。勘九郎たちのを足して50人揃った。
 次の日からボランティア集めに力を注ぐが、なかなか増えない。やっと10人集め川原で集計していると、安田が5人集めてきた。意気が揚がるメンバー。と、そこに教頭と校長が通り掛った。「諦めなさい。君たちに私と同じ後悔を味わわせたくない」と教頭。一体教頭の意図は何なのか?と訝っていると、教頭の方向から大地や去ったはずの江森ら新メンバーが自転車で押し寄せてくる。「ボランティア100人集まったぞ!!」。教頭は静かに歩き去って行く。勘九郎は大地ら競泳メンバーに入班を勧める。とびうお3三兄弟が「シンクロがあるから水泳部は一つなんだ」と声を合わせる。「よおし、やるか!」。なんと競泳班10人も参加である。田中だけが「31人かよ。また徹夜だ」と喜び悲しむ。安田と校長がそれを見守っていた。
 校長は、翌日、合併先の石田高校に足を運んだ。校長室を眺めていると、昭和40年のオーケストラ部県大会優勝記念写真などが飾ってある。何気なく見ているうちに校長の驚くことが…。

キャスト

進藤勘九郎(18)… 山田孝之
立松憲男 (18)… 森山未來
田中昌俊 (18)… 瑛太
高原 剛 (19)… 石垣佑磨
石塚 太 (18)… 石井智也
大西麻子 (18)… 宮地真緒
清正   (36)… 八嶋智人
ママ   (50)… 柄本 明
山岡教頭 (55)… 布施 明
 ほか

スタッフ

■原作
 矢口史靖
 アルタミラピクチャーズ
■脚本
 橋本裕志
 中谷まゆみ
■音楽
 佐藤直紀
■主題歌
 福山雅治
■企画
 金井卓也(フジテレビ)
 関口大輔(フジテレビ)
■プロデューサー
 船津浩一(共同テレビ)
 栁川由起子(共同テレビ)
■演出
 佐藤祐市(共同テレビ)
 村上正典(共同テレビ)
 高橋伸之(共同テレビ)
■制作
 フジテレビジョン
 共同テレビジョン

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