第11回 2003年9月9日(火)放送 あらすじ

#11 男のシンクロ公演最高の涙!

 シンクロ公演もあと8日に迫った。唯野高校渡り廊下では、勘九郎(山田孝之)、憲男(森山未來)、田中(瑛太)、高原(石垣佑磨)、石塚(石井智也)らを中心に、海パン姿のシンクロメンバーが練習真っ最中である。それを校長(谷啓)、山岡教頭(布施明)が見守る。校長は一転、大反対からシンクロ公演実施に翻意した教頭に感謝する。
 勘九郎たちは、刷り上ったシンクロの招待券を、世話になった人々に配り始めた。「ともしび」のママ(柄本明)ら商店街の人々に渡していると、高原と憲男が、自分の分を封筒に入れている。高原は誰に送るか言わないが、憲男は両親に送るのだと言う。と、ママが「あんたはお父さんにそっくりだわ」と言い出す。なんと、ママと憲男の父親は高校の同級生だったのだ。しかも初恋の人だという。ママは「でも、告白できなかったのよ。あんたたちも今のうちに伝えたいことは伝えとくのよ」とアドバイス。一同、思い思いの顔を浮かべるのだった。
 その帰り、勘九郎は麻子(宮地真緒)と行き会った。麻子の美大進学を父親が許したと言う。「あんたに負けられないでしょ」と麻子。勘九郎は褒められたとつい喜んでしまう。
 公演まであと五日。休憩の時、憲男が「今がチャンス」と勘九郎を呼びにきた。プールの前で響子(香椎由宇)が看板つくりに励んでいる。憲男は招待券を渡して告白せよというのだ。が、勘九郎の話は麻子のことばかり。響子は微笑んで「応援しているからね」とその場を去って行った。と、そこへ麻子が戻って来た。勘九郎は自分が描いてある麻子のスケッチブックを慌てて閉じた。麻子は、「渡したいものがある」とお守りを勘九郎にくれる。そして「響子にチケット渡した?」と聞く。勘九郎はお守りを握り締め、そのまま練習に戻るのだった。
 あと3日。憲男が寂しげな顔をしている。父・憲介(平泉成)から「これ以上親の顔に泥を塗るな」とチケットが送り返されてきたのだ。声のかけようがない勘九郎に憲男は明るく振る舞うのだった。
 あと2日。とうとう田中が響子に招待券を渡した。困った顔の響子が鞄を開けると、チケットだらけ。「田中君のを使わせてもらいます」と響子。その時、勘九郎が渡していないことを知った田中は、勘九郎を捕まえ問い質した。「本当にいいのか」と念を押す田中。勘九郎は…。
 と、そこへ不良たちがやってきた。メンバーと不穏な空気になる。以前高原と暴力事件を起こした連中!?高原は不良に近づき「向こうで話そう」と連れ立って消えていった。
 夜になって勘九郎の家に集まった中心メンバーたち。勘九郎は憲男のことを気にするが、憲男は「仕方がないよ」と話を変えるのだった。勘一(浅野和之)はそんな様子を外から聞いていた。皆が帰った後、勘九郎は家族にチケットを渡した。美和子(高橋ひとみ)は「友達を大切にしなさい。素敵な一日にね」と台所へ立って行った。勘一が「よかったな、お母さんに喜んでもらえて。憲男君のお父さんも分かってくれるぞ」と示唆するのだった。
 あと一日になった。勘九郎が「憲男を休ませて欲しい」とメンバーに言う。驚く憲男。田中が「勘九郎もついていけ」と言う。メンバーも温かく賛成する。「悪いな、みんな」。憲男は仲間の気持ちに感謝する。
 憲介(平泉成)の家に着いた。憲介は「時間の無駄だ」とけんもほろろにチケットを付き返す。たまらず勘九郎が口を挟んだ。「立松はお父さんと同じように自分の道を見つけたいんです」。だが、憲介はそのまま部屋を出て行ってしまった。憔悴しながらプールに戻る二人だった。
 その夜、勘九郎は誰にも渡せなかったチケットを見つめていた。眠れぬ勘九郎は一人でプールへ向かった。そこへ一人二人と主要メンバーが現れる。皆寝付けないのだ。石塚の音頭で前夜祭となった。“前夜祭”は「ポスト・シンクロ」のことで湿っぽくなっていく。と、石塚が着けたドラム缶の火に、干していた全員の海パンが次から次へと落下していったのだった。
 本番の日がやって来た。だが、海パンは黒焦げである。田中があわてて32人分を手配していたが、本番前に到着するのだろうか、メンバーに不安がよぎった。
 商店街はシンクロ一色である。清正(八嶋智人)は、これで晴れて自由になれると清清しい気分でいたが、ママはこれからも働けと言う。清正は逃げ出した。清正は唯野高校に飛び込んだ。と、そこにいるのは磯村(竹中直人)ではないか。「兄貴ぃー」と清正。磯村は「これが返済だ」とママに金を渡すが…。
 プールでは、勘九郎たちが海パンを待っていた。だがそこへ海パンを積んだトラックが渋滞で遅れるという連絡が入る。青ざめるメンバーの前に佐藤(玉木宏)がプレゼントを持って現れた。それどころでない、という風情の部員の空気に帰ろうとする佐藤のプレゼントはなんと海パン。一同「佐藤さんが神様に見える」と佐藤の前を通り過ぎ、海パンに飛びついた。
 続々と客がやってくる。石塚が呼んだあつみ(相武紗季)が彼氏を連れて来た。がっくりの石塚。例の不良たちもやって来た…。
 本番が始まった。生き生きと陸ダンスが始まる。客席に陣取る招待客たち。果たしてシンクロ公演は成功するのか?勘九郎はチケットを誰に渡すのか?

キャスト

進藤勘九郎(18)… 山田孝之
立松憲男 (18)… 森山未來
田中昌俊 (18)… 瑛太
高原 剛 (19)… 石垣佑磨
石塚 太 (18)… 石井智也
大西麻子 (18)… 宮地真緒
杉田   (38)… 杉本哲太
佐藤勝正 (20)… 玉木 宏
磯村   (45)… 竹中直人
尾崎校長 (60)… 谷 啓
ママ   (50)… 柄本 明
山岡教頭 (55)… 布施 明
 ほか

スタッフ

■原作
 矢口史靖
 アルタミラピクチャーズ
■脚本
 橋本裕志
 中谷まゆみ
■音楽
 佐藤直紀
■主題歌
 福山雅治
■企画
 金井卓也(フジテレビ)
 関口大輔(フジテレビ)
■プロデューサー
 船津浩一(共同テレビ)
 栁川由起子(共同テレビ)
■演出
 佐藤祐市(共同テレビ)
 村上正典(共同テレビ)
 高橋伸之(共同テレビ)
■制作
 フジテレビジョン
 共同テレビジョン

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