東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

第2回 2007年1月15日(月)放送 あらすじ

涙の別れ後

 1989年、東京。筑豊を後に上京した中川雅也(速水もこみち)の美術大学生生活が始まろうとしていた。オンボロアパートに居を構え、母の栄子(倍賞美津子)が送ってくれた生活用品を並べる雅也。その頃、筑豊では栄子が妹の香苗(浅田美代子)相手に、雅也を心配している。それでも、栄子は雅也のために仕事を増やし、知り合いには息子の自慢話を明るく話していた。
 いよいよ大学の授業が始まったが、雅也は初日から遅刻寸前。初体験の満員電車を降りて、大学へと続く道、目に入ったのは上京した日のバスで出会った佐々木まなみ(香椎由宇)だ。雅也は、まなみの姿を気にしつつも、自分の教室に入る。
 鮮やかな標準語をしゃべる学友たちに気圧される雅也に、鳴沢一(平岡祐太)、澤田玉夫(星野源)、並木守(大橋智和)が話しかけてきた。筑豊出身だと言う雅也を鳴沢たちは、授業後、東京の街へと連れ出す。繁華街の人込みに、驚きながらも鳴沢たちに紹介された古着屋などで服を買った雅也は、すっかり都会人の装いになった。
 アパートに帰って、雅也が自分の部屋を開けようとすると、隣の部屋に大きなもやしの袋を持った怪しい男がいる。このアパートの住人、手塚修一郎(石黒賢)だ。手塚は、もやし袋を徳本寛人(高岡蒼甫)に渡し、代金はレオ・リー(チェン・ボーリン)が支払う。徳本とレオも同じく、アパートの住人。手塚も含め、どう見ても裕福ではなさそうな住人たちに、雅也は首をひねる。
 大学の授業が軌道に乗り始めると、独学の雅也は学友たちの才能に圧倒される。そんな時、雅也とキャンパスを歩いていた鳴沢がまなみを見つけて気軽に声をかけた。雅也はまなみと目を合わすことも出来ない。
 秋の展覧会に向けての作品製作のため、高級な美術道具を買い込んだ雅也は手持ちの金がなくなってしまう。仕方なく栄子に仕送りを無心する雅也。アパートの公衆電話で栄子と話していた雅也を、手塚が手招き。
 次の日の早朝。雅也は手塚と自転車に二人乗りして商店街へ。後部席の手塚は、雅也にスピードを指示し、店の前に配達されたもやし袋をゲット。つまり、雅也はもやし泥棒の片棒をかつがされたのだが、久しぶりに爽快感を味わう。大学の生活が自分の居場所ではない気がすると打ち明ける雅也。すると、手塚は流されているうちは、居場所は見つからないというが…。
 夏休みの話題で盛り上がる友人たちを横目に、雅也は展覧会用の作品が出来ずに焦っていた。そしてなんとか完成させて展示した絵も、教授に批判されてしまう。確かに、周囲に飾られた作品は、雅也にはかないそうもないものだった。雅也は手塚たちアパートの住人たちのマージャン仲間になりつつあった。
 1890年。雅也の後輩、山田耕平(柄本佑)がダンサーになると上京。雅也の部屋に転がり込んだ。しかし、散らかり放題の部屋で手塚たちとマージャンする雅也に、耕平は顔をしかめる。耕平は、栄子から預かった仕送りを雅也に渡すが、それも借金返済のため、右から左…。耕平は、雅也がどうやら大学にも通っていないらしいと知る。そんな雅也が大学から呼び出された。
 久しぶりにキャンパスに行った雅也は、鳴沢とまなみに出会う。ふたりは、企画展を開くと言う。教授室に行くと、留年を示唆される雅也。帰り道、雅也は繁華街でもらったティッシュに書かれた儲け話に飛びつく。
 アパートに帰ると、レオらに小豆の先物に仕送り金をつぎ込んだと自慢する雅也。心配する耕平に、雅也は大学を辞めると宣言。そんな時、アパートの大家(久保田磨希)が、栄子が事故に遭ったと電話が入ったと飛び込んできて…。

キャスト

中川雅也 … 速水もこみち
佐々木まなみ … 香椎由宇
鳴沢 一 … 平岡祐太
山田耕平 … 柄本 佑
レオ・リー … チェン・ボーリン
徳本寛人 … 高岡蒼甫
手塚修一郎 … 石黒 賢
藤本香苗 … 浅田美代子
中川兆治 … 泉谷しげる
中川栄子 … 倍賞美津子

ほか

スタッフ

■原作
 リリー・フランキー
 「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(扶桑社刊)

■脚本
 大島里美

■プロデュース
 中野利幸

■演出
 久保田哲史

■音楽
 河野 伸
 澤野弘之

■制作
 フジテレビドラマ制作センター

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