東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

第10回 2007年3月12日(月)放送 あらすじ

最期の選択

 中川雅也(速水もこみち)の母、栄子(倍賞美津子)は、二度のガン手術を克服していたが、ガンはすでに胃に転移していた。呆然としてアパートに帰った雅也を、栄子はいつものように迎えるが、自分の死んだ後のことを話しだす。栄子は、医師が書いた紹介状から、自分のガンが進行していることを知っていたのだ。雅也は、手術すれば今回も治ると励ますが…。
 アパートにはいつものように、山田耕平(柄本佑)、手塚修一郎(石黒賢)たちが栄子の料理を食べに来ていた。皆、口々に栄子の早期退院を願うがその中に、佐々木まなみ(香椎由宇)の姿はない。雅也は、まなみが実家に帰ってしまい、二人は事実上別れたということを栄子に話していなかった。
 それから、入院までの日々、栄子はまるで何かを予期するかのように、部屋を片付け、身の回りを整理し始める。再入院の日、栄子は雅也に新しく買っためざまし時計を渡し、これからは自分でちゃんとスケジュール管理をするよう言いつける。そして、自分に何かあった時には、引き出しの中の箱を開けるようにと頼んで家を出た。そうして、栄子は雅也に連れられて、東京タワーの麓の病院に入院した。
 数週間後、兆治(泉谷しげる)が病院にやって来た。相変わらず、栄子とろくに会話も出来ない兆治。だが、アパートに戻ると雅也に、今度は栄子もダメかもしれないと漏らす。
 栄子の看病などで気持ちが安定しない雅也は仕事も遅れがちになっていく。そんな雅也を心配した鳴沢一(平岡祐太)は、まなみに栄子のことを連絡したのかと尋ねる。だが、雅也はまなみには栄子のことを伝えていなかった。
 栄子の検査結果が出る日。雅也は、藤本香苗(浅田美代子)と病院へ向かった。雅也と香苗は担当医から、栄子の胃ガンが進行性で他の部位にも転移しているため、手術は出来ないと言われてしまう。残された治療法は、抗ガン剤治療のみだがそれは栄子の体には負担がかかる。雅也は、それでも栄子のためにと抗ガン剤治療を頼むのだった。
 先に医師と会ったことを栄子に隠そうとする雅也と香苗だが、すっかりばれていた。仕方なく、雅也は医師の説明を栄子に伝え、そして雅也たちの説得に、栄子は抗ガン剤治療を受け入れる。
 栄子の抗ガン剤治療が始まった。それは、わかっていたこととはいえ、辛い毎日。雅也の仕事はますます遅れ、生活もすさんでゆく。そんな雅也を見ていられない鳴沢は、まなみに栄子のことを伝えて…。

キャスト

中川雅也 … 速水もこみち
佐々木まなみ … 香椎由宇
鳴沢 一 … 平岡祐太
山田耕平 … 柄本 佑
レオ・リー … チェン・ボーリン
徳本寛人 … 高岡蒼甫
手塚修一郎 … 石黒 賢
藤本香苗 … 浅田美代子
中川兆治 … 泉谷しげる
中川栄子 … 倍賞美津子

ほか

スタッフ

■原作
 リリー・フランキー
 「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(扶桑社刊)

■脚本
 大島里美

■プロデュース
 中野利幸

■演出
 久保田哲史

■音楽
 河野 伸
 澤野弘之

■制作
 フジテレビドラマ制作センター

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