東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

第11回 2007年3月19日(月)放送 あらすじ

涙の最期

 胃ガンで再入院した中川雅也(速水もこみち)の母、栄子(倍賞美津子)の抗ガン剤治療が打ち切られる。薬による衰弱が激しい栄子の姿に、雅也は耐えられなくなったのだ。雅也の申し出を受けた医師は、栄子の余命があと2、3カ月と告げる。
 それから2カ月が経過。仕事帰りに病室に立ち寄った雅也を栄子が迎える。やつれはしたが、見舞いに来た山田耕平(柄本佑)、レオ・リー(チェン・ボーリン)、徳本修一郎(石黒賢)と一緒に食事する栄子の調子は良さそう。
 そして藤本香苗(浅田美代子)は栄子と外泊したいと雅也に申し出る。病院近くのホテルで、久しぶりに姉妹枕を並べて寝たいと言う香苗に、雅也も栄子が喜ぶと承知した。
 数日後、医師の許可をもらった栄子は、雅也に見送られて香苗とともに病院を出た。アパートに戻った雅也が、鳴沢一(平岡祐太)と仕事をしていると香苗から電話が入る。香苗は、病院では流動食ぐらいしか摂れなかった栄子が、ホテルでは刺身も食べたと報告。電話を代わった栄子は、美味しいものは食べられると嬉しそうに雅也に告げた。
 夜になると、アパートには耕平たちがやってきて、食事兼、飲み会が始まる。みんな雅也にさり気なく気を使っていた。しかし深夜を回るころ、一本の電話が入った。ホテルで栄子が倒れたというのだ。
 雅也が病院に着くと、栄子はすでに個室に移されていた。香苗は、胃痙攣だと雅也に説明。そして雅也がベッドに近づくと目を覚ました栄子は、うわごとのように語りはじめ…。
 以来、栄子の体力は著しく低下。雅也は医師から、あと数日だと思って欲しいと宣告される。病室には、いつものメンバーが集まり、代わる代わる栄子を励ます。栄子は、一人一人に力なくも優しく応対し、雅也を頼むと繰り返すのだった。佐々木まなみ(香椎由宇)も飛び込んできて…。
 みんなが帰ると、雅也は眠っている栄子に語りかける。東京タワーに登る約束を果たしていないこと、今までの思い出。雅也は、自分は東京に来た頃と何も変わっていない、まだ何も見つけていないから独りにしないで欲しいと訴える。そして兆治(泉谷しげる)も駆けつけた。栄子の顔を見て安心した様子の兆治は、自分もすぐに眠りだす。栄子と兆治の寝顔を見ていた雅也も、やがて静かに眠りについた。家族3人が同じ場所で眠る…それはまさに栄子が長年望んでいたことだった。
 翌朝、雅也は栄子の苦しむ声に目を覚まされた。慌てて兆治を起こし、ナースコールをかける雅也。栄子は、苦しみの中、雅也に何かを告げようとするが声にならない。雅也が、もう自分のことは心配しないで良いと言うと、栄子は唇を動かすのを止めた。代わりに、握っていた雅也の手を潰れるくらい強く握り締める。その力も、次第に抜けていき…。

キャスト

中川雅也 … 速水もこみち
佐々木まなみ … 香椎由宇
鳴沢 一 … 平岡祐太
山田耕平 … 柄本 佑
レオ・リー … チェン・ボーリン
徳本寛人 … 高岡蒼甫
前野和夫 … 山崎裕太
徳本洋子 … りりィ
手塚修一郎 … 石黒 賢
藤本香苗 … 浅田美代子
中川兆治 … 泉谷しげる
中川栄子 … 倍賞美津子

ほか

スタッフ

■原作
 リリー・フランキー
 「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(扶桑社刊)

■脚本
 大島里美

■プロデュース
 中野利幸

■演出
 久保田哲史

■音楽
 河野 伸
 澤野弘之

■制作
 フジテレビドラマ制作センター

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