第1回 2003年4月14日(月)放送 あらすじ

#1 恋愛はガケっぷち

 映画から3人の男が出てくる。映画に感動した様子の男の名は、高杉真先(江口洋介)、35歳。ミニシアター系の小さな映画配給会社『ココモ』の社長だ。他の2人は、副社長の千葉吉成(宮迫博之)と社員の日向暎二(玉山鉄二)。『パシフィック映画祭』に、映画の買い付けに来たのだが、真先は吉成や暎二の意見を押さえて、今見たトルコ映画の買い付けを決定。会社に電話して社員の篠原忍(高岡蒼佑)から、簡単なトルコ語を教わると、トルコ映画の宣伝ブースへ直行。プロデューサーのチャカローズ(ジェム・チャカローズ)、タイフン・エクラン監督(モハメッド・ミルザイ)に配給契約の熱いプレゼンを展開する真先。
 その頃、映画祭の会場近くに豪華クルーザーが停泊していた。船内では、フォーマルドレスに身を包んだ卯月晴子(財前直見)が、ハリウッドの映画プロデューサー(バーニー)と配給契約を進行中。晴子は、大手映画配給会社『フェノミナン』の凄腕バイヤー。社長の江戸川薫(竹中直人)が見守る中、契約を成立させる。晴子が提示した買い付け金額は2千万ドル。真先たちの商売とは、桁違い。もちろん、契約は即成立した。
 結局契約まで持ち込めなかった真先は、吉成にたしなめられる。それでも「何がなんでも買う!」と強気な真先に、吉成は結婚して落ち着くように諭す。だが、真先の頭の中にあるのは良い映画を探すこと。女は探して巡り合う合うものではないと全く興味なし。そんな話をしながら、オフィスに戻った真先たちに、忍が突然の辞意表明をして出て行く。追い討ちをかけるようにクライアントが、出資見送りの電話をかけてきた。慌ててクライアントに会うため出かける吉成たちは、アメリカ映画の代理人と帰ってきた晴子の前をバタバタと行き過ぎる。慌てたものの、クライアントの方針は変わらず『ココモ』の前途に暗雲が。だが、真先はトルコ映画の買い付けに突っ走る。
 『フェノミナン』オフィスでは、晴子が社員たちに契約成立を拍手で祝われていた。口では、拍手は映画がヒットしてからと言うものの、思わず頬が緩む晴子。そこに社長秘書の坂本理紗(伊東美咲)が現われた。理紗は、面と向かって晴子に35歳の誕生日の祝辞。晴子がカチンときていると、今度は同僚の堺照子(浅田美代子)が、誕生日は明日と訂正の追い討ち。晴子は仕事に没頭するあまり、気付いたら独身のまま35歳になろうとしていた。その深夜0時に、35歳を迎えた晴子はワンルームマンションを買うことに決める。
 翌日は『ココモ』が配給する映画「パリのラブラブショー」の初日。レイトショーに備えて真先と暎二が宣伝に出ようとすると、吉成が会社を辞めると頭を下げて走り去る。真先と暎二が追いかけると、吉成の行く手に忍が。吉成を追い越して真先たちが忍を追うと、彼はエレベーターで11階に向かった。忍は『フェノミナン』に移籍したのだ。『フェノミナン』に乗り込み、戻ってくるよう説得する真先たち。吉成も口をそろえるが、忍に戻る意思はない。その頃、晴子は応接室で翻訳家の二階堂絹代(鷲尾いさ子)と会っていた。2人は、互いに35歳の独身と知って意気投合する。
 夕方「パリのラブラブショー」のチケット売り場に恥ずかしそうに晴子が現われた。その傍らで、真先たちは必死の宣伝活動。鑑賞してくれたカップル一組に抽選でトルコ石のブレスレットをプレゼント!・・・と、大盤振る舞い。しかし、実はこのブレスレット、吉成が意中の女性に渡しそこねた代物。吉成が買い付けた台湾映画に「パリ~」、真先が渡りに船と取り上げたプレゼントはトルコ石。互いのいい加減さを真先と吉成が罵り合う。吉成が、これで決着とばかりに俺は辞めると捨て台詞を放った時、暎二がアルバイトの園田麻子(白石美帆)を連れて来た。すると、吉成の態度が急変。麻子こそ、吉成がトルコ石を渡せなかった女性。麻子がバイトに来るのなら、吉成は『ココモ』を辞めるわけがない。吉成にあきれた真先がトルコ石で客を呼び込んでいると、ある女性が難癖をつけてきた。女性のしつこさに、真先がつい声を荒げると絹世だ。2人は大学時代の知り合い。
 「パリのラブラブショー」の上映間近。全然、客が入らない。真先たちが落胆していると、女性客がたった一人で入ってくる。吉成が『フェノミナン』の晴子と気付くと、真先は嫌がらせに来たと鼻息を粗くする。ともあれ、上映が始まるがコテコテのラブストーリーに客が入らないのもしかりと真先。だが、晴子は瞳を潤ませ食い入るように画面を見つめている。映画が終わり、外に出てもなお余韻を引きずる晴子に、真先が気に入っていただけて光栄ですと声をかけた。気恥ずかしさから否定する晴子と、嫌がらせを疑う真先は言い争いに発展。晴子がポスターを破いて、真先は幸先悪いと追い返す。
 翌日、晴子が出勤すると江戸川に呼ばれた。江戸川は晴子にハリウッド担当を降りてミニシアター部門のリーダーになるように命令。可愛そうに・・・と、他人事で様子を見ていた理紗にも、社長秘書は25歳までと晴子と同じ部署に就くよう江戸川。変わりの若い秘書、峰沙耶香(石川亜沙美)に江戸川はご満悦。突然の異動に、怒り爆発の晴子だが、ミニシアター部門で結果を出せばハリウッド担当に戻れると精力的に動き出す。早速、目をつけた作品は・・・。
 『ココモ』では、タイフン監督の再来日情報をキャッチ。空港へと出迎えに行く真先たちだが、監督には会えなかった。仕方なく、宿泊先のホテルに向かう真先たち。そこでは、先客が監督と契約の話を進めていた。

キャスト

高杉 真先(35)・・・ 江口洋介

卯月 晴子(35)・・・ 財前直見

千葉 吉成(30)・・・ 宮迫博之
坂本 理紗(25)・・・ 伊東美咲
園田 麻子(23)・・・ 白石美帆
日向 暎二(23)・・・ 玉山鉄二
峰 沙耶香(21)・・・ 石川亜沙美
篠原  忍(23)・・・ 高岡蒼佑
八木のり平(28)・・・ 荒川良々

堺  照子(42)・・・ 浅田美代子(特別出演)
二階堂絹世(35)・・・ 鷲尾いさ子
江戸川 薫(48)・・・ 竹中直人

スタッフ

■脚 本
 藤本有紀

■主題歌
 大滝詠一 『恋するふたり』
 (ソニー・ミュージックレコーズ)

■挿入歌
 バグルス 『ラジオスターの悲劇』
 (ユニバーサルミュージック)

■プロデュース
 中島久美子
 樋口 徹

■監 督
 平野 眞

■制 作
 フジテレビ制作センター

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