第5回 2004年8月3日(火)放送 あらすじ

#5 衝撃の告白

 ついにちひろ(加藤あい)は和也(玉山鉄二)の部屋で一夜を共にしたが、翌朝は苦い思いで迎えた。「これで何がどうなるとか、思ってませんから」。昨夜連絡がつかずに心配していた奈緒(観月ありさ)がまもなく来る。「いい思い出にします」。ちひろと入れ替わるように奈緒が現れた。「昨日はごめんなさい」。光彦(椎名桔平)の育った孤児院に行ったために、和也の両親に会えなかったことを奈緒はわびた。改めて実家に挨拶にいくことを約束した。
 「それにCMのことも。何も知らないでごめん」。和也がディレクターの藤嶋(相島一之)と衝突して自ら企画したCMを降板させられたことも、後輩スタイリストの優子(中山恵)から教えられて知ったのだ。「もういいって」。それで奈緒の気持ちは晴れたはずだったが、床に意外なものを見つけた。自分のものではないイヤリング。「誰か来たの?」「別に」。奈緒の胸に小さな不安が芽生えた。
 和也は奈緒と実家に帰った。「本当にいい方でよかったわ」。両親も奈緒を気に入ってくれた。一方、さらに自分の過去を知りたいと願う光彦は孤児院の院長に、生みの母親について調べてくれるよう頼んだ。息子の祐輔(広田亮平)はすっかり光彦になついていたが、奈緒と和也が結婚すると聞かされると寂しそうな顔をのぞかせた。
 和也は上司から藤嶋に会うように言われた。「現場に戻ってくれないか」。ごう慢な藤嶋が頭を下げるには理由があった。頼んだのはちひろだった。藤嶋が軽い気持ちで一晩つきあうならと応じると、ホテルまでついてきた。「冗談も通じないんだから。大事にしたほうがいいぞ、あの子」。自分のためにそこまでしてくれたなんて。和也はちひろの思いの深さに心打たれた。
 上京してきた奈緒の父親、正治郎(小野武彦)がマンションを訪ねてきた。「これ、植えてやってくれ」。実家のぶどう園の苗木。亡くなった姉の美穂はベランダにぶどう棚を作りたいと願っていた。正治郎は実家に美穂の墓を用意してくれるという。「ありがとうございます」。光彦の穏やかな表情を正治郎は意外な思いで見つめた。「ちょっと雰囲気が変わったな」。正治郎の目には別人のように見えた。奈緒は孤児院のいきさつを伝えた。「お前のほうはどうなんだ」。奈緒は照れながらも和也の両親に気に入ってもらえたことを打ち明けた。
 しかしあのイヤリングがちひろのものであることを知ると、奈緒の不安はさらにふくれあがった。ちひろは、和也への思いを断ち切ろうと仕事に専念した。その姿をじっと見つめる和也の視線には気づいていなかった。
 出社した光彦は資料室から聞こえてきた話し声に思わず足を止めた。「いい加減、あの人のことは忘れたらどうだ」。いら立っているのは杉山(山口馬木也)。「あれだけつくしたのに最後の最後に奥さんに乗り換えられて、まだ未練があるのか」「やめてください!」。悲鳴にも似た声は順子(木村多江)だった。「どういうことでしょうか」。杉山が立ち去ると、光彦は順子に問いただした。かつて2人は恋人同士だったのだ。「私はもう忘れました。あなたも忘れてください」。しかし光彦はうなずくことはできなかった。
 ちひろはなじみのバーのマスター小野寺(松崎しげる)にさりげなく聞いた。「相手がいる人を好きになったことあります?」「そういうこと関係ないと思うよ」。けれどちひろは切ないため息をもらした。「やっぱりあきらめるしかないですよね」。
 来週にもお墓ができると正治郎が知らせてきた。「ちょっとイヤなんです。お姉ちゃんが死んだことを認めてしまう気がして」。奈緒が沈んだ声で打ち明けると光彦は優しくたずねた。「悩み事があれば私に話してください」。しかし和也のことは言えない。「ありがとう。でも大丈夫です」。奈緒は自分を励ますように答えた。
 奈緒は和也に会いたくて撮影スタジオをのぞいてみた。和也に駆け寄ろうとして奈緒は思わず立ち止まった。辛そうな表情のちひろが一緒にいたのだ。「やっぱり、いい思い出になんかできない」。泣きだしたちひろを和也は抱きしめた。奈緒は凍りついたように2人を呆然と見つめていた─。

キャスト

佐伯奈緒 … 観月ありさ
望月光彦 … 椎名桔平
富田ちひろ … 加藤あい
結城和也 … 玉山鉄二
阿久津順子 … 木村多江
望月美穂 … 森口瑤子
望月祐輔 … 広田亮平
小野寺慶 … 松崎しげる
杉山 悟 … 山口馬木也
長峰弘樹 … 藤沢大悟
村岡優子 … 中山 恵
中沢紀子 … 若月彩子
田辺芳子 … 草村礼子
藤嶋豪太 … 相島一之
柏木孝行 … 平泉 成
佐伯正治郎 … 小野武彦
ほか

スタッフ

■脚本
  清水友佳子
■プロデューサー
  笠置高弘(関西テレビ)
  小椋久雄(共同テレビ)
  谷古浩子(共同テレビ)
■演出
  河野圭太(共同テレビ)
■音楽
  西村由紀江
■制作
  関西テレビ
  共同テレビ

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