第4回 2004年7月27日(火)放送 あらすじ

#4 嵐の予感

 奈緒(観月ありさ)と光彦(椎名桔平)の姿にショックを受けた和也(玉山鉄二)がマンションまで戻ってくると、ちひろ(加藤あい)が待っていた。「ずっと好きだったんです」。しかし和也が困惑した表情を覗かせるとちひろは涙をこらえた。「もう邪魔しません」ちひろは小走りに夜の闇に消えた。
 しかし2人は思わぬ形で顔をあわせることになった。和也が企画したCMで、ディレクターの藤嶋(相沢一之)がスタイリストにちひろを指名したのだ。当然和也とは仕事場で一緒の時間を過ごすこととなる。「頑張ってね」奈緒は複雑な思いを抑えてちひろを励ました。「ありがとうございます。」早速ちひろが打ち合わせに出かけると優子(中山恵)が聞いてきた。「心配じゃないですか」「仕事は仕事でしょ。」もちろん奈緒は平静を装った。だから2人の仕事場を訪れたときもなぜか声をかけそびれてしまった。
 奈緒が事務所に戻ると、光彦が祐輔(広田亮平)と待っていた。「今日は私がご馳走します。」「おいしい店があるんです。」奈緒は近くの行きつけの店を選んだ。窓際のテーブルで楽しそうに食事をする3人。その姿をたまたま車で通りかかった和也に見られていたことは、奈緒は知るはずも無かった。
 「また行こうね」よほど楽しかったのだろう、はしゃぎすぎた祐輔は帰宅するなりソファで寝入った。奈緒と光彦がベランダに出ると、夜空には明るい月が浮かんでいた。「こうしていると落ち着くんです。」月を眺める光彦の横顔に向かって、奈緒は少女時代山梨で過ごした少女時代の思い出を語った。「姉と一緒に星を見ていて、よく父に怒られました。」光彦はもらすように行った、「私はどんな子供時代を送ったのでしょう。思い出したいです。」
 光彦の心療テストの結果が出た。「かなり落ち着いてきたみたいですね。」臨床心理士とのやりとりの中で光彦は教会の鐘の音について打ち明けた。「懐かしいような気がしました」記憶を失う前にどこかで耳にしたらしい。
 もうひとつ光彦の過去につながる手がかりが見つかった。光彦名義の通帳と古い写真。利用明細によると年1回の割合でタナベヨシコという人物に送金している。写真は古びたマリア像だ。「お兄さん身寄りが無いってことだったけど、遠い親戚かも」けれど奈緒に聞かれても光彦は何も答えられなかった。
 藤嶋は人気ディレクターだったが、その我がままぶりは業界でも有名だった。予想通り撮影初日からもめた。セットの変更をいきなり要求してきたのだ。「注文どおりのはずですが」。和也は怒りをこらえて反論すると、藤嶋は「俺が気にくわないって言ったらダメなんだよ」。挙句にはスタジオから帰ってしまった。
 和也はいつものバーに奈緒を呼び出した。「何かヤなことでもあった?」奈緒は敏感に気付いたが和也は打ち明けられなかった。いつになく深刻なムードのマスターの小野寺(松崎しげる)と紀子(若月彩子)も声をかけづらい。和也は話題を変えた。「明日両親が出てくるからあってくれないかな」。奈緒は、明日、休日をとっていた。そこへにぎやかに弘樹(藤沢大悟)、優子、そしてちひろがやってきた。不倫がたまたま話題に出た。「本当に好きなら仕方ないんじゃない」。ちひろの一言は奈緒にも意外だったが、その場は深く考えることもなかった。
 順子(木村多江)の調べによって、送金先は孤児院の院長と判明。「これから行ってみましょう」。奈緒が祐輔も連れて3人で出かけようとすると、和也がやってきた。「ゴメン、今日はだめになったの」和也はため息を漏らすと帰っていった。
 尋ねた先で鐘の音が響いた。その孤児院には教会があった。そして写真の古びたマリア像も。「お待ちしておりました。」そこにシスター姿の田辺芳子(草村礼子)立っていた…。
 一方、撮影スタジオでは藤嶋の横暴ぶりはますますひどくなっていた「いい加減にしてください」和也は怒りを押し殺したつもりだったが、藤嶋は「そういう態度なら俺おりるよ」と開き直った。和也は上司からも「藤嶋さんに謝れ」と諭されたが…。

キャスト

佐伯奈緒 … 観月ありさ
望月光彦 … 椎名桔平
富田ちひろ … 加藤あい
結城和也 … 玉山鉄二
阿久津順子 … 木村多江
望月美穂 … 森口瑤子
望月祐輔 … 広田亮平
小野寺 慶 … 松崎しげる
杉山 悟 … 山口馬木也
長峰弘樹 … 藤沢大悟
村岡優子 … 中山 恵
中沢紀子 … 若月彩子
田辺芳子 … 草村礼子
藤嶋豪太 … 相島一之

ほか

スタッフ

■脚本
  清水友佳子
■プロデューサー
  笠置高弘(関西テレビ)
  小椋久雄(共同テレビ)
  谷古浩子(共同テレビ)
■演出
  河野圭太(共同テレビ)
■音楽
  西村由紀江
■制作
  関西テレビ
  共同テレビ

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