緋の十字架
妹のパトロン
直哉が姿を消して、四年の歳月が流れた。薫が産んだ子どもは三歳になり、聖と名付けられ、大河内家で育てられていた。四年前、薫の妊娠を知った浩一は、薫にプロポーズ。薫はニューヨーク行きを取りやめ、浩一と結婚する。浩一は新しい大河内製鉄を軌道に乗せるため頑張っていた。聖はそんな浩一を実の父親として慕っている。悦子も聖を可愛がり、薫との関係も雪解けになる。幸せに包まれた大河内家だが、ただ一人雅美だけが薫をまだ憎んでいた。雅美はデートクラブで働いていると言って、悦子を心配させる。そんなある日、薫は雅美が男とデートしている現場を目撃する。