緋の十字架
ゆきえの遺言
ゆきえが再び、倒れる。医師からかなり危険な状態だと告げられ、衝撃を受ける直哉。ゆきえはうわ言で詩織の名を呼ぶ。悦子がゆきえの見舞いにくる。詩織のことを謝るゆきえに、悦子は、愛の炎は誰にも消せない、と微笑みかける。その頃、直哉はゆきえの体のことを薫に語り、ゆきえを看取ってやってほしい、と頼んでいた。ゆきえを一生許さない、と言っていた薫が、ゆきえのもとへ来る。自分の心に素直になった薫は、ずっと本当のお母さんが欲しかった、と言って、ゆきえに抱きつく。それから間もなく、ゆきえは直哉の胸に抱かれて、息を引き取る。