緋の十字架
祖父の遺言
薫と浩一は毒薬を飲んで心中を図る。幸い発見が早くて、二人とも一命を取り留める。悦子は浩一を叱るが、浩一は、薫を家から追い出そうとする限り、何度でも二人で逃げる、と一途に薫を想う。そんなとき、将造が急死。薫を手放したほうがいい、という将造の遺言に、直哉は薫を里子に出す決心をする。が、悦子は浩一の暴走を心配。浩一を寄宿舎付きの受験校へ行かせることにする。悦子は薫に、今後浩一とは関わらないよう釘を刺す。まもなく、浩一が寄宿舎に入る日がくる。薫にふさわしい一人前の男になって戻ってくる、と言い残して、浩一は出て行く。