第8回 2004年6月7日(月)放送 あらすじ

#8 父の日のプレゼント

 安曇俊介(藤木直人)は、友川四季(菅野美穂)の父、鉄雄(泉谷しげる)に自分の病気の全てを伝え損なってしまった。しかし、鉄雄は書店で医学書を立ち読みし、俊介が口にした病名を手がかりに、ベーチェット病について調べる。
 浅倉亜衣(伊東美咲)の娘、佳奈(松尾瑠璃)が、四季の勤める病院に入院した。佳奈は、ふと耳にした四季と亜衣の会話から、俊介が視力を失う運命にあることを知る。その頃、鉄雄も病院に来ていた。降谷圭輔(時任三郎)に、ベーチェット病について詳しい話を聞くためだった。俊介の目を心配する鉄雄だが、圭輔は答えることができない。答える代わりに圭輔は、病棟に子供たちの写真を撮りに来ている俊介の仕事ぶりを見て欲しい、と病棟に案内する。
 病棟で、俊介が子供たちの写真を撮っていると、鉄雄が現れた。佳奈の見舞いに訪ねたふうを装いながらも、俊介が気になる様子の鉄雄は、俊介を飲みに誘う。
 飲み屋で鉄雄は、俊介が巡ってきた世界中の話を聞く。だが、鉄雄が飲みに誘った真意を感づいていた俊介は、自分から、もうすぐ視力を失うかもしれないと語り出す。そして、絶望していた自分を励ましてくれたのが四季であること、彼女のためにも“その時”が来るまで頑張りたい、と語った俊介は、これまで鉄雄に話せずにいたことを詫びた。さらに四季を誰よりも大切に思っていると言う俊介だったが、鉄雄は、配達があると言って店を出てしまった。鉄雄が店を出ると、そこには圭輔が佇んでいた。圭輔に怒りをぶつける鉄雄。圭輔は、四季は真剣だと諫めるのだが、鉄雄は、だからこそ自分が止めなくてはいけないと言い残して、去って行った。
 父の日でもある日曜日の友川家の昼食に、折原新吾(玉木宏)が来ていた。しかし鉄雄は留守。満雄(森山未來)は、鉄雄が何か企んでいるのでは、と睨む。と、そこに鉄雄が山ほどの食材を抱えて帰ってきた。四季は鉄雄に父の日のプレゼントを渡そうとするが、鉄雄は受け取ろうとせずに押し入れから古びたノートを取り出し、料理を作ると言い出した。ノートは、鉄雄の亡き妻が生前に残した、料理のレシピを記したものだった。鉄雄は、四季と満雄に有無を言わせず手伝いを要求。3人でたくさんの料理を完成させるが、味はどれもいまいち。がっかりした様子の鉄雄は、四季と満雄に母親がいなくて淋しい思いをさせたと詫びた。さらに鉄雄は、四季に、俊介から結婚を申し込まれたらどうするのかと尋ねる。結婚する、とキッパリ答える四季に、鉄雄は即座に反対。とりなそうとする満雄。しかし、鉄雄は反対の一点張りで譲ろうとしない。そんなことになったら、亡き妻に顔向けできない…と。それでも鉄雄に父の日のプレゼントを渡そうとする四季だったが、鉄雄は受け取らずに出て行ってしまった。
 そんな時、四季の病棟には悲しい異変が起きていた。いつも元気に振る舞っている川根史也(桑原成吾)に残された時間が極めて少なくなってきたことが判明したのだ。四季は圭輔から、持ってひと月、と伝えられるが、史也の担当は外されてしまう。圭輔は、四季が病院での仕事以外に、俊介のフォローもしなくてはならないことを気遣っていた。四季が病棟に戻ると、子供たちがなにやら相談している。四季が尋ねても子供たちは何も話してくれない。病院からの帰り道、俊介は仕事が回ってきたと四季に報告した。
 四季と別れた俊介が、仕事の打ち合わせのために事務所へ行くと高泉諒子(黒谷友香)が来ていた。カフェに場所を移すと、諒子は俊介に、結婚の報告に来た、と告げた。それも、俊介との…。別れてしまったことを後悔していると言う諒子に、俊介は好きな子がいると答える。だが、諒子は父の財力をバックに、俊介を支えられるのは自分だけだと説得しようとする。諒子を残して事務所に戻った俊介は、ようやく回ってきた仕事も、実は諒子の父親が手を回したものだったことを知る。
 四季と鉄雄の関係は、まだぎこちない。さらに、病院でも史也の担当を外されたことで子供たちとの間に距離ができてしまった、と淋しさを感じる四季。だがある日、そんな四季を患者の1人、早田秋穂(山田夏海)がレクリエーション室へと誘った。四季が部屋に入ると、勢ぞろいした病棟の子供たちが合唱を始める。自らも病に苦しむ史也が、俊介のために、みんなで合唱をプレゼントしようと発案したのだ。史也は、四季にオルガンで伴奏して欲しいと頼む。その様子を見ていた圭輔は、自分が研修医の頃に起きた、ある出来事を四季に告白する。

キャスト

友川四季(26) … 菅野美穂
安曇俊介(31) … 藤木直人
浅倉亜衣(26) … 伊東美咲
折原新吾(26) … 玉木 宏
友川満雄(17) … 森山未來
  ・
友川鉄雄(55) … 泉谷しげる
降谷圭輔(44) … 時任三郎
  ほか

スタッフ

■原作
 さだまさし『解夏』(幻冬舎刊)
■脚本
 坂元裕二
■企画・プロデュース
 大多 亮
■プロデューサー
 矢吹 東
■演出
 水田成英
■音楽
 藤原いくろう
■制作
 フジテレビ制作1部

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