第5回 2004年5月17日(月)放送 あらすじ

#5 長崎へ

 「好きなのかもしれません」。…思い切って自分の気持ちを口にした友川四季(菅野美穂)。だが、安曇俊介(藤木直人)から返ってきた言葉は「そんなこと言われても、迷惑なだけだ」。傷心の四季。だが、家に帰ると浅倉亜衣(伊東美咲)、折原新吾(玉木宏)、鉄雄(泉谷しげる)、満雄(森山未來)と明るく夕食をとる。亜衣と2人きりになると、俊介との出来事を語る四季。すると亜衣は、四季がふられて良かったと言う。同情と恋愛は別。人生には、好きという気持ちだけでは乗り越えられないものもある、と亜衣。
 翌朝、四季は降谷圭輔(時任三郎)から、ベーチェット病の症状について聞かされる。目よりも先に心を失うこともあると語る圭輔は、俊介には誰かの助けが必要なのかもしれないと言う。それを聞いた四季は、俊介にとっての“誰か”は自分ではなかったと答えた。その時、四季は病院の中庭で入院中の定井翔子(菅野莉央)が何かをしているのを目撃する。
 ちょうどその頃、目を覚ました俊介は、母の良枝(八千草薫)に電話し、次の月曜日に帰ると告げた。すぐに東京に戻るのかと尋ねた良枝に、今回はゆっくりするつもりだと語った俊介の部屋は、荷物がまとめられようとしていた。
 四季は、翔子がいた花壇に彼女の名前が書かれた板切れを見つける。土に刺さった板切れに驚き、板の下を掘るとトーシューズが出てきた。直後、背後から翔子が声をかける。「私のお墓にさわらないで!」と。四季と圭輔は、翔子の様子を両親に話す。父親の正和(大石継太)は見当もつかないが、母親の恵美(谷川清美)はあることに気づく。翔子は、一生懸命練習してやっとできるようになったバレエのピルエットターンが、入院しているうちに出来なくなってしまったことを悲しんでいるのだろうと。翔子の病は骨肉腫だった。圭輔の診察にも、翔子は、こんな足はいらないから切ってしまっていい、と投げやりだ。
 ついに真壁敦生(入江雅人)や西谷陽平(はなわ)にも病気を告白した俊介。突然のことに、事実を受け止めかねている2人を後に、俊介は病院へ向かった。病院に着いた俊介は、眼科医の小笠原行彦(矢島健一)のもとを訪ねたが、すぐに去って行く。様子を見ていた圭輔が小笠原に尋ねると、俊介は治療続行を希望しに来たのではなく、ただ礼を言いに来たらしい。そして、俊介は四季のもとへ。治療を再開しに来たのかと喜ぶ四季に、俊介は、治療をしに来たのではなく四季に礼を言いにきたのだと告げる。それでも、治療の成果を期待した方が良いと説得する四季に、俊介は、治っても見えなくては意味がないと答えた。四季は、俊介と同じことを言う患者がいる、と言って、俊介を翔子のもとに案内する。中庭では、翔子がバレエのターンに何度もチャレンジするが上手くできないでいた。四季から翔子の病気のことを聞いた俊介は、翔子に近づく。一緒に行こうとする四季を圭輔が制した。俊介は翔子の許可を得て、彼女が作った墓の隣に自分の墓を作る。そして、翔子に聞く。墓を作ったらバレエを諦められたか? と。しかし、翔子の気持ちは“踊りたい”だった。すると、俊介はきっと新しくて楽しいこと、新しい自分が見つかると励ます。自分もそれが見つかった、と。そこに、四季と圭輔が来た。圭輔は、みんなと新しい自分に踊りを見せてあげよう、と翔子に声をかけ、その踊る様子を写真にとってほしいと俊介に頼んだ。翔子は、笑顔に戻ってトーシューズを墓から掘り返す。俊介を送りながら四季は、さっき翔子に何を話したのかと尋ねた。すると俊介は、嘘をついた、と一言告げて帰って行った。
 家に帰った四季は、食事を終えて亜衣、新吾と団欒。四季は俊介が婚約を解消されたらしいと報告。それを聞いた亜衣は、つい、四季もふられて正解だったと言ってしまい、その言葉に思わず新吾が反応する。新吾は、四季が俊介に思いを寄せていたことを初めて知ったのだ。もういいじゃないかと取り繕う亜衣だが、新吾は納得できていない様子。
 翔子の撮影日。小児病棟は、ちょっとした発表会の雰囲気。見守る子供たちの前で、翔子はターンを決め、俊介がその模様を写真に収めた。終了の拍手の中、そっと病室を出る俊介に圭輔が気づき、声をかけた。すると俊介は、自分の目は治らないのにどうして病院に来いというのか、と尋ねた。もうあきらめた、と続ける俊介に圭輔は答える術を見つけられないが、逆に、こう問いかけた。俊介が本当に恐れているのは、失明することではないのではないかと。そこに、四季が来た。翔子に思い出をプレゼントしてくれたと礼を述べる四季。と、俊介が自分との思い出作りに海に行かないかと言い出す。四季が困惑していると、過日の事を持ち出す俊介。四季は、忘れてください、と俊介に告げ…

キャスト

友川四季(26) … 菅野美穂
安曇俊介(31) … 藤木直人
浅倉亜衣(26) … 伊東美咲
折原新吾(26) … 玉木 宏
友川満雄(17) … 森山未來
高泉諒子(27) … 黒谷友香
  ・
安曇良枝(62) … 八千草 薫(特別出演)
  ・
友川鉄雄(55) … 泉谷しげる
降谷圭輔(44) … 時任三郎
  ほか

スタッフ

■原作
 さだまさし『解夏』(幻冬舎刊)
■脚本
 坂元裕二
■企画・プロデュース
 大多 亮
■プロデューサー
 矢吹 東
■演出
 水田成英
■音楽
 藤原いくろう
■制作
 フジテレビ制作1部

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