愛し君へ

第1回 2004年4月19日(月)放送 あらすじ

#1 解夏~愛は注ぎ続けるもの

 夏の長崎。観光客で賑わう街に、場違いな喪服姿の友川四季(菅野美穂)、浅倉亜衣(伊東美咲)、折原新吾(玉木宏)がいた。石畳の長い坂道を登りながら、新吾はかつて安曇利也(岡田義徳)が実家から送って来たと言っていたカステラを買って帰ろうと四季たちに投げかける。3人が向かっているのは、その利也の実家。ほかならぬ利也の葬式に向かう途中だった。家族にカステラの販売店を聞こうと言う新吾に、葬式の最中で聞けないとたしなめる四季。高台に出た3人が海を見ていると、カメラを提げた男がすれ違っていった。四季だけが気づいて、去っていく男を怪訝に見送る。
 四季たちが訪ねた安曇家では、葬式が営まれていた。3人は祭壇に手を合わせる。利也の母、良枝(八千草薫)が四季らに礼を述べる。四季、亜衣、新吾、そして利也は大学時代からの友人だった。お清めの席で、親戚たちは利也の兄、俊介(藤木直人)の噂をしている。弁護士を目指していた利也に比べ、ファッションカメラマンという派手な職業についている俊介の評判はすこぶる悪い。そんな中、中庭に出た亜衣と新吾は、亡き利也に改めて思いをはせる。亜衣は、四季が、死の直前に利也の姿を見たと言っていたことを話す。急いでいた四季は、彼に声をかけられなかったと…。
 その頃、四季は1人で海岸にいた。利也ら仲間4人が一緒に写った写真を持ち、最後に見かけた時の利也の姿を思い出している。と、突然間近でシャッター音が。驚く四季の傍らには、カメラを構えた男、俊介がいた。写真を送るから住所を教えて欲しいと、ナンパ口調で迫る俊介に嫌悪感を覚える四季。四季が安曇家に帰ろうと俊介に背を向けた。すると、俊介は海に向かってある言葉をつぶやいた。
 その日の夜。川辺に人々が集い、灯籠流しが行われている。利也の家族や親戚、四季たちの姿もあった。四季は、その中に俊介の姿がないことに気づく。周囲を見回すと、俊介は離れた場所で携帯電話をかけていた。四季が近づくと携帯を切る俊介。利也の灯籠がもうすぐ流されると四季が促すと、俊介はカツ丼を食べに行こうと言う。四季が俊介の非常識を責めようとすると、花火が上がった。花火を見ている四季に、俊介が、ある問いかけをした。恋人から自分の携帯に電話がかかってきた。恋人は飛行機に乗っていて、間もなく墜落すると言う。そんな状況になったら、四季は恋人に何を言うか? と。答えを見つけられなかった四季は、そのかけるべき言葉を俊介に問うが、答えは得られなかった。安曇家に戻ると、利也の親戚が形見分けの品物を持ってきた。利也が子供の頃に遊び親しんだがらくたの中に、四季はおもちゃのホイッスルを見つけ、手に取った。
 四季や親戚たち弔問客が去ると、安曇家には俊介と良枝が残された。1人で死んでしまった利也を嘆く良枝に、東京へ出てくるようにと俊介は勧める。
 それから8ヶ月後。春を迎えた東京の文京中央病院小児科では、四季が慌ただしく働いている。四季は、研修医としてこの病院にいた。休診時間に、疲れ果てた四季がへたり込んでいると、強面の医師、降谷圭輔(時任三郎)が現れた。ハッとして居住まいを正す四季を圭輔は小児病棟の大部屋へと誘った。圭輔は、この病棟の担当になるように告げ、その中で最も重い症状の患者は誰だと思うかを四季に問う。四季は、ふさぎ込んだ様子の少年だと思うが、圭輔の答えは違っていた。
 四季、亜衣、新吾が居酒屋に集まった。問わず語りに、話題になるのは利也のこと。四季は、未だに最後に見かけた時の利也の表情を忘れられずにいる。店を出た3人は四季の家へ。その時、四季の父、鉄雄(泉谷しげる)と弟の満雄(森山未來)は、取っ組み合いの真っ最中。四季が止めに入って、友人が来たと告げるとようやく治まる。鉄雄は、新吾がお気に入りの様子。亜衣と新吾が帰って満雄が寝てしまうと、鉄雄は、あまり頑張りすぎないようにと四季に忠告する。死んだ母親の保険金で医者になったからといって、無理は禁物と言う鉄雄。そんな父親に向かって、四季は…。
 小児科医としての四季は、目まぐるしい毎日を送っていた。担当の病棟では、どうしても四季に心を開かない少年もいる。うまくいかない仕事に、暗い顔で四季が帰宅しようとすると見覚えのある人物が病院にいるのを目にした。俊介だ。四季が小児科の研修医と知った俊介は、頼みがあると誘う。四季が無視しようと行きかけたとき、ちょうどそこに彼女を手こずらせている少年が看護師から逃げてきた。注射が嫌だと駄々をこねる少年だったが、四季がクイズに答えられたら受けても良いという。四季が適当に答えをやりすごして少年に注射を受けさせようとしていると、俊介が少年になにやら耳打ち。嬉しそうに「正解」と答えた少年は、俊介に、クイズの王様のしるしだといってシールを渡した。
 子供と接する俊介の様子を見て、とりあえず話を聞いてみる気になった四季は、俊介とともに、とあるバーに行く。四季の警戒心が少し和らぎかけた時、業界人風の男が俊介に声をかけてきた。2人の会話から俊介が軽い男だという印象を強くした四季は、再び嫌悪感を抱いた。男が去ると、俊介は自分が撮った写真を見て欲しいとファイルケースを出し、気に入ったら撮らせて欲しいと告げるのだが、四季はファイルを開こうともせずにつき返してしまった。四季は、俊介を見ていると兄を好きだと言っていた利也が可愛そうになる、と言い残し店を出て行く…。

キャスト

友川四季(26) … 菅野美穂
安曇俊介(31) … 藤木直人
浅倉亜衣(26) … 伊東美咲
折原新吾(26) … 玉木 宏
友川満雄(17) … 森山未來
高泉諒子(27) … 黒谷友香
西谷陽平(24) … はなわ
  ・
安曇良枝(62) … 八千草 薫(特別出演)
  ・
友川鉄雄(55) … 泉谷しげる
降谷圭輔(44) … 時任三郎
  ほか

スタッフ

■原作
 さだまさし『解夏』(幻冬舎刊)
■脚本
 坂元裕二
■企画・プロデュース
 大多 亮
■プロデューサー
 矢吹 東
■演出
 水田成英
■音楽
 藤原いくろう
■制作
 フジテレビ制作1部

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