第11回 2004年6月28日(月)放送 あらすじ

#11 最後に見せてあげたいもの

 好きだから別れる…。相手の幸せのため…。友川四季(菅野美穂)と安曇俊介(藤木直人)は、そんな別れ方をした。四季は、俊介が高泉諒子(黒谷友香)と結婚すると思っていた。しかし、それは俊介の嘘。俊介は、母の良枝(八千草薫)と長崎に帰っていた。
 そうとは知らない四季は、病院での勤務中に倒れてしまう。すぐさま河村医師(円城寺あや)の治療を受けた四季は、子供を宿していることが判明。付き添っていた四季の指導医、降谷圭輔(時任三郎)の顔が曇る。俊介には副作用のある薬が投与されていたため、無事に子供が産まれたとしても健康かどうかが分からないというのだ。圭輔は、駆けつけた鉄雄(泉谷しげる)と満雄(森山未來)に、そのことを説明する。鉄雄は、2人の命を助けて欲しいと懇願するのだが…。
 母体は持ち直したものの、子供は残念な結果となった。目を覚まして事実を知った四季は、俊介と自分の家族全員で写真を撮った夢を見たと鉄雄に語る。夢では四季は子供を抱いていて、俊介の目は治り、全員が幸せそうな顔をしていた、と。そして、四季は鉄雄に、自分の身に起きたことを俊介には伝えないで欲しいと頼んだ。その頃、長崎では良枝が俊介の心配をしていた。四季と別れて帰ってきてから、俊介はまた投げやりな感じになっていた。
 数週間後、退院した四季は仕事に復帰。以前のように元気に振る舞う四季だが、浅倉亜衣(伊東美咲)と折原新吾(玉木宏)は、かえって心配。鉄雄も、亡き妻の遺影に四季を守って欲しいと頼むのだった。また、休職願を取り下げ、小児科に残りたいと申し出てきた四季を圭輔も心配する。その夜、心配ばかりかけて、と鉄雄に謝る四季。すると鉄雄は、心配はしていないが思い切り我慢していると告げる。鉄雄は四季の望む通り、俊介に連絡していなかった。だが四季は、自分のことで心配をかけることが俊介の負担になる、と心を押さえつけている。そのことが、我慢できないというのだ。そんな鉄雄に、四季は俊介との約束を守れなかったことを鉄雄に話す。俊介が最後に見たいもの、四季が最後に見せたいものをずっと考えたが答えが出なかったと言う。
 その翌日、四季の病院に諒子がやって来た。以前、ひどいことを言ってしまったと詫びる諒子に、四季は祝いの言葉をかける。俊介と結婚したと思っている四季の言葉に、諒子は驚く。訂正せずに立ち去ろうとする諒子だが…思い直して四季に真実を告げる。結婚は俊介が四季についたウソだと言う事を。諒子には、好きだから四季と別れると俊介が言っていたと。
 夕方の公園で、四季は思い切って安曇家に電話をかける。応対したのは良枝。良枝は、俊介が元気で病院にも通っていて就職も決まりそうだと言う。だが、その声に四季は不安を感じ取る。家に帰った四季は、亜衣や新吾に相談する。亜衣は、四季に、起こったことを全て俊介に話すよう促した。だが、四季は首を振り、自分が長崎に行って俊介を支えたいと言う。俊介と一緒にいられるだけで自分は幸せ。そう話す四季の決意に、亜衣も新吾も異論を挟む余地はない。その話を、鉄雄も聞いていた。
 四季は長く急な坂を登っていた。安曇家で良枝が花に水をやっていると、四季が現れる。四季は、長崎にやって来た。驚く良枝は、なんとか四季を俊介に会わせまいとする。だが、四季の意志は固かった。海辺でひとり佇む俊介のもとへ向かう四季。しかし、俊介も四季を撥ね付けようとする。諒子と結婚すると頑なにウソをつき続ける俊介。一日だけでも傍にいたいという四季の懇願も通じない。やはり、諦めなければいけないのか…。四季は、わざと明るく振る舞って俊介から去って行った。俊介が家に帰ると、良枝は3人分の食事を用意して待っていた。そして、良枝は四季が俊介のウソに気づいているのではないかと疑問を投げかける。ホテルに戻った四季は家に電話。ダメだったと言う報告に、鉄雄、満雄、亜衣、新吾は交互に電話を代わって四季を励ます。家族や友人の温かさをありがたく感じる四季。しかし、俊介と一緒にいることが出来ない寂しさは消えない。
 俊介と良枝が食事を始めようとした時、玄関の戸が叩かれる。俊介が出ると、そこには圭輔が立っていた。圭輔は、四季のことでどうしても俊介に話しておかなければいけないことがあると言う。居間に通されると、圭輔は病院の子供たちが四季に元気がないことを心配していると話し始める。少し逡巡しながらも、圭輔は四季の身に起きた悲しい出来事を俊介に告げる。あまりの事に、悔やむ俊介。圭輔はその俊介に、四季の思いを無駄にしないで欲しいと頼んで安曇家を辞す。四季を思い、涙があふれて止まらない俊介。俊介は、四季の姿を求めて家を飛び出した。視力の低下を感じながらも必死に四季を探す俊介。と、ようやく路面電車に乗ろうとする四季を見つけた。俊介は、大声で四季を呼ぶのだが聞こえない様子。四季を乗せた路面電車は、無情にも走り出してしまって…。

キャスト

友川四季(26) … 菅野美穂
安曇俊介(31) … 藤木直人
浅倉亜衣(26) … 伊東美咲
折原新吾(26) … 玉木 宏
友川満雄(17) … 森山未來
高泉諒子(27) … 黒谷友香
  ・
安曇良枝(62) … 八千草薫(特別出演)
  ・
友川鉄雄(55) … 泉谷しげる
降谷圭輔(44) … 時任三郎
  ほか

スタッフ

■原作
 さだまさし『解夏』(幻冬舎刊)
■脚本
 坂元裕二
■企画・プロデュース
 大多 亮
■プロデューサー
 矢吹 東
■演出
 水田成英
■音楽
 藤原いくろう
■制作
 フジテレビ制作1部

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