ハコイリムスメ!
#6 運命の夜
「今それどころじゃないと言われました」。山の仲間たちから問いつめられたキース(マーク・コンドン)は花(飯島直子)にプロポーズして断られたことを明かした。じっとキースの話を聞いていた健(勝村政信)は迷いをふっきるように言った。「お前がそこまで真剣なら、俺は応援してやる」。十郎太(古田新太)も純平(玉山鉄二)も健が心ひそかに花のことを思いつづけてきたことを知っている。その健がそこまで言うなら彼らに異存なかった。「俺たちに任せとけ!」。
ウワサはまたたく間に山中をかけめぐった。もちろん茶屋の家族の耳にも入った。朝子(吉田日出子)が「その場で断ったんでしょ」とこともなげに言えば、灯(深田恭子)は「妊婦なのに魔性の女よね」と面白がる始末。吉太郎(地井武男)だけは「もう結婚しなくていい。立派な跡継ぎを生んで、店を継ぐことだけ考えろ」と真剣モード。
花は麓の産院で出産することに決めた。「うちの母はここで私と灯を生んだの」。診察を終えて純平のパブをのぞくと、いつもの顔ぶれが何やら相談の真っ最中。「朝子さんの誕生日パーティーをパーッとやろうよ」「その話ならのる」。二つ返事でうなずいた花だったが、皆の本当の思惑はちゃんと見抜いていた。「キースは呼ばなくていいからね」。
灯は徹郎のため自分に何ができるかを考えた。そして短大の就職課をたずねた。「障害をもつ人たちのために役立ちたいんです」。就職ではなくボランティアの仕事を目指すことにした。
「ない、どうしよう!」。花はあわてた。母子手帳がない。山中探したがどこにも落ちてない。花が肩を落として茶屋に戻るとキースの姿があった。母子手帳を届けてくれたのだ。「助かった。ありがとう」。ところがキースの表情が固い。「それを拾ったのはボクではありません」。じつは十郎太が花のバッグから盗みだしてキースに手渡していたのだ。「もう顔も見たくない!」。花はものすごい剣幕でキースはもちろん、こっそりなりゆきをうかがっていた十郎太たちも店から追いだした。「花、よく言った」。吉太郎だけは上機嫌。
翌朝、花が灯と吉太郎に朝子の誕生日パーティーのことを相談していると、太郎(高橋賢人)が血相を変えて店に駆けこんできた。「花、大変だよ。来て!」。花は目にした光景に絶句した。キースが滝にうたれていた。「やめなさい!風邪ひくわよ!」。あわてて茶屋に連れ帰ると、十郎太が「まさか本当にやるとはなあ」と呆れた。どうやらキースをけしかけたらしい。「皆が応援してくれる気持ちに応えたいと思いました」。キースはからかわれていると知りながら、あえて滝にうたれたのだ。「もう花さんを困らせません」。意気消沈したキースは花が作ってくれた玉子酒を飲みながら約束した。
茶屋で朝子の誕生日パーティーが開かれた。山の仲間たちは全員集まったが、十郎太は滝の一件で自宅謹慎。キースの顔もなかった。「お前はどうなってんだ?」。吉太郎から進路を聞かれた灯は意を決して打ち明けた。「私、就職するのやめた」。ボランティアの勉強して介護福祉士の資格をとるという。「やっと自分のやりたいことを見つけたんだ」。花は灯の選択を喜んだが、吉太郎は「あいつのために人生、棒にふる気か」と声を荒らげた。ここで朝子が助け船をだしてくれた。「こんなお父さんだけど、お母さんは一日も後悔したことないわ。灯も自分の信じる道、行きなさい」。
その夜、灯は徹郎に分校に来てほしいとメールをうった。そこは徹郎が記憶を失う前に一緒におとずれた思い出の場所だった…。
ウワサはまたたく間に山中をかけめぐった。もちろん茶屋の家族の耳にも入った。朝子(吉田日出子)が「その場で断ったんでしょ」とこともなげに言えば、灯(深田恭子)は「妊婦なのに魔性の女よね」と面白がる始末。吉太郎(地井武男)だけは「もう結婚しなくていい。立派な跡継ぎを生んで、店を継ぐことだけ考えろ」と真剣モード。
花は麓の産院で出産することに決めた。「うちの母はここで私と灯を生んだの」。診察を終えて純平のパブをのぞくと、いつもの顔ぶれが何やら相談の真っ最中。「朝子さんの誕生日パーティーをパーッとやろうよ」「その話ならのる」。二つ返事でうなずいた花だったが、皆の本当の思惑はちゃんと見抜いていた。「キースは呼ばなくていいからね」。
灯は徹郎のため自分に何ができるかを考えた。そして短大の就職課をたずねた。「障害をもつ人たちのために役立ちたいんです」。就職ではなくボランティアの仕事を目指すことにした。
「ない、どうしよう!」。花はあわてた。母子手帳がない。山中探したがどこにも落ちてない。花が肩を落として茶屋に戻るとキースの姿があった。母子手帳を届けてくれたのだ。「助かった。ありがとう」。ところがキースの表情が固い。「それを拾ったのはボクではありません」。じつは十郎太が花のバッグから盗みだしてキースに手渡していたのだ。「もう顔も見たくない!」。花はものすごい剣幕でキースはもちろん、こっそりなりゆきをうかがっていた十郎太たちも店から追いだした。「花、よく言った」。吉太郎だけは上機嫌。
翌朝、花が灯と吉太郎に朝子の誕生日パーティーのことを相談していると、太郎(高橋賢人)が血相を変えて店に駆けこんできた。「花、大変だよ。来て!」。花は目にした光景に絶句した。キースが滝にうたれていた。「やめなさい!風邪ひくわよ!」。あわてて茶屋に連れ帰ると、十郎太が「まさか本当にやるとはなあ」と呆れた。どうやらキースをけしかけたらしい。「皆が応援してくれる気持ちに応えたいと思いました」。キースはからかわれていると知りながら、あえて滝にうたれたのだ。「もう花さんを困らせません」。意気消沈したキースは花が作ってくれた玉子酒を飲みながら約束した。
茶屋で朝子の誕生日パーティーが開かれた。山の仲間たちは全員集まったが、十郎太は滝の一件で自宅謹慎。キースの顔もなかった。「お前はどうなってんだ?」。吉太郎から進路を聞かれた灯は意を決して打ち明けた。「私、就職するのやめた」。ボランティアの勉強して介護福祉士の資格をとるという。「やっと自分のやりたいことを見つけたんだ」。花は灯の選択を喜んだが、吉太郎は「あいつのために人生、棒にふる気か」と声を荒らげた。ここで朝子が助け船をだしてくれた。「こんなお父さんだけど、お母さんは一日も後悔したことないわ。灯も自分の信じる道、行きなさい」。
その夜、灯は徹郎に分校に来てほしいとメールをうった。そこは徹郎が記憶を失う前に一緒におとずれた思い出の場所だった…。