第3回 2003年10月21日(火)放送 あらすじ

#3 姉の秘密

 徹郎(吉沢 悠)の事故を知らない灯(深田恭子)は麓のケーブルカーの駅で待ち続けた。その健気な姿はすぐに山の人々に知れ渡った。「医大生だろうが約束を守らないヤツは最低だ」。やはり事情を知らずに待ちぼうけを食わされた吉太郎(地井武男)は十郎太(古田新太)に当たり散らした。朝子(吉田日出子)に言われて花(飯島直子)は灯を迎えにいった。「もう来ないよ」「私、徹郎の所に行ってくる」。しかしマンションは不在。携帯電話もつながらない。もう二度と会えないのでは。灯の不安は大きくふくれあがった。
 かたや花は思いきって朝子に打ち明けた。「私、一人で赤ちゃん生む!お父さんにはまだ黙ってて」。それとなく察していた朝子は冷静だった。「赤ちゃんのお父さんとは結婚できないの?」。花は無言でうなずいた。「子供を生んだからって、女は一人前になれないのよ」。朝子はつぶやくようにもらした。
 翌日再びマンションを訪れた灯はようやく管理人から徹郎の事故を教えられた。「会わせて下さい」。徹郎はICUの中で昏睡状態。「どうかお引き取り下さい」。徹郎の両親から頭を下げられて、灯は立ち尽くすしかなかった。
 「徹郎クンの意識が戻るまで、そば離れちゃダメだよ」。灯から事情を聞かされた花は灯の着替えをカバンに詰めこんだ。「そそのかすんじゃない!」。吉太郎は反対したが、朝子も「行ってらっしゃい」と後押ししてくれた。「三対一か!」。吉太郎はぼう然とするのみ。そしてもう一人切ない目で灯を見送ったのが純平(玉山鉄二)だった。
 翌朝、花は出産に備えて母親学級に参加するために山を降りた。朝子は承知ずみだが、吉太郎にはまだ話せない。「これ、灯に」。朝子から託された弁当を病院に届けると、灯はベッドの徹郎の手を握りしめたまま眠っていた。花は弁当をそっと置くとそのまま病室を出た。
 花はキース(マーク・コンドン)からチケットをもらった展覧会場へ向かった。観覧客の中にキースの姿があった。「最後だから、あの時、殴ったお詫びに」。花は外の公園でキースのデッサンを描きだした。「花さんの一番大切なものは何ですか?」。キースの問いかけに花は生まれてくる赤ちゃんへの思いを新たにした。どんなことがあっても自分の手で守ると。「ハイ、できた。これで貸し借りなしね」。花は描きあげたデッサンをキースに渡すと、明るく笑って立ち去った。
 その頃、高尾山では花の妊娠のウワサが瞬く間に広がっていた。花が本屋で育児書を買っているのを目撃されたのだ。居ても立ってもいられなくなった健(勝村政信)はキースの会社に向かった。父親はあの外国人以外に考えられない。「花ちゃんのおなかの子の父親はあんただろ?あんたが花ちゃんを守らないでどうするんだ」。一方的にまくしたてる健の前でキースは誤解だとも言えずに激しく動揺した。
 徹郎が意識を回復した。「良かったね、灯。お父さんは怒るのが仕事だから」。花は灯の心労を少しでも軽くしてやりたかった。徹郎の病室では両親、そして脳外科医の兄一成(袴田吉彦)がほっと胸をなでおろしていた。「わかるか?みんなのこと」「母さん、兄さん」。ところが徹郎は一人離れて立っていた灯に不思議そうな視線を向けた。「その人、誰?」。ショックで立ち尽くす灯─。

キャスト

古森 花(34) …… 飯島直子
古森 灯(20) …… 深田恭子
高村徹郎(24) …… 吉沢 悠
小泉純平(23) …… 玉山鉄二
田久保 健(38) … 勝村政信
山田十郎太(37) … 古田新太
高村一成(33) …… 袴田吉彦
キース・コーベット(30)
   … マーク コンドン
   ・
古森朝子(57) …… 吉田日出子
   ・
古森吉太郎(60) … 地井武男

スタッフ

■脚本
  中園ミホ
■プロデューサー
  三宅喜重(関西テレビ)
  井口喜一(共同テレビ)
■演出
  都築淳一(共同テレビ)
■音楽
  中西俊博
■制作
  関西テレビ
  共同テレビ

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