第11回 2003年6月18日(水)放送 あらすじ

#11 涙!迫られた選択

 今日の麗香(観月ありさ)はちょっぴり不満そうに鍋島(岸谷五朗)に同行してきた。仕事終了後の午後は新一郎(谷原章介)から映画、食事と誘いを受けていたのに、鍋島は定例になっている弁護士会主催の無料法律相談会があるからと市民センターに麗香を連れてきたのだ。
 弁護士が当番制で困っている人々の相談にのるというもの。高慢な弁護士たちは、金にならない仕事に不満をもらし、今ではモーリス牧村法律事務所に所属しているが、かつては町事務所の弁護士にすぎなかった鍋島をみやり、「こういう庶民的な仕事は鍋島先生にとっては懐かしいでしょう」など皮肉を言ったりしてくる。そんな連中を見て、さらに腹を立てる麗香。
 そんな中、鍋島は、折原正一(田山涼成)、佐和子(山口詩史)という夫婦から娘の医療過誤に対する訴えを起こしたいという相談を受ける。だが、鍋島は珍しく「この手の裁判はむずかしい」とそっけなく夫婦を追い返してしまう。怪訝に思った麗香が、夫婦の捨てた相談用紙を拾って見ると、そこには入院していた10歳の娘が簡単な手術の後容態が急変し、亡くなったという事情が書きこまれていた。
 事務所に戻った麗香は、何とか夫婦の力になれないかと鍋島に相談する。しかし、「被告の病院側から弁護の依頼がきていて、同じ事務所で、被告と原告(折原夫婦)の弁護をするわけにはいかない。」それに「明らかなミスの証拠がない限り裁判では絶対的に不利」と鍋島は、この件に関わることをかたくなに拒むのだった。
 だがその後、鍋島のことを調べた折原正一は、力になってくれるのは鍋島しかいないと足しげく事務所にやってくるようになった。しかし鍋島は正一に会おうとしない。なぜ、そこまでしてこの件に背を向けるのか?気になった麗香は、6年前鍋島が担当した医療過誤に対する資料を読み、さらに君子(白川由美)に当時の様子を聞くなどして、モーリス事務所を相手に戦い、鍋島が経験した苦悶の時の様子を知るのだった。
 それは、鍋島と共に戦っていた原告側の家族の崩壊と鍋島自身の家庭の崩壊など、二度と医療過誤の裁判に関わりただからない鍋島の心境を知るには十分なものばかりだった。あらためて鍋島の辛い胸のうちを知る麗香。
 その後モーリス牧村法律事務所では、恵成病院の代理人となることが決定する。事務所の一弁護士である鍋島は、折原夫婦との件は、完全に断たれることになった。
 だがその頃鍋島は、ある覚悟を決め折原夫婦のもとを訪ねていた。それは、弁護士生命をもかける鍋島の再度の戦いを意味していたのだった。

キャスト

観月ありさ
岸谷五朗
原沙知絵
谷原章介
 ○
大島さと子
濱田マリ
 ○
勝村政信
白川由美
ほか

スタッフ

■脚 本
  川嶋澄乃
  山浦雅大
  田辺 満
■監 督
  小椋久雄
  村上正典
■音 楽
  本間勇輔
■企 画
  石原 隆
■プロデューサー
  稲田秀樹
  矢吹 東
■制 作
  フジテレビ/共同テレビ

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