紅の紋章
逃避行
道也との約束の時間は過ぎていたが、純子は信男のために工場へ向かう。盗みの疑いをかけられた信男の母親を救うためだった。が、純子の職業を知った工場の社長夫妻から罵倒され、バケツの水を浴びせかけられる。ぐしょ濡れの姿で、純子は待ち合わせ場所へ向かう。果たして、道也は身じろぎもせずに待ち続けていた。道也を巻き込むことをためらう純子の手を取ると、道也は強引に歩き出す。追っ手から逃れるため、2人は必死に夜道を進む。憔悴しきった純子は、崖から転落する。意識不明の純子を、道也は診療所まで運び込む。純子を助けるために、道也は苦渋の決断を迫られる。