紅の紋章
二度目の嘘
精太郎の自殺が受け入れられない綾子は、精太郎は道也に殺されたのだ、と言いふらす。死者を詮索するのはやめよう、と純子は言い聞かせるが、純子と道也が共謀して精太郎を殺したのではないか、と綾子はさらに感情を高ぶらせる。一方、道也は、精太郎は自分が殺したも同然だ、と医者としての不注意を悔やむ。精太郎亡きあと、珠彦は会社経営に力を注いでいた。が、社内で孤立し、社員の誰も珠彦の命令を聞こうとしなかった。学校では、精太郎の死についてさまざまな噂が飛びかっていた。不安を感じる生徒たちから精太郎の死の真相について聞かれた純子は…。