第4回AKB総選挙に見る「AKB現象」をどう考える?
先週、日本のテレビ、新聞(特にスポーツ紙)、ネット、雑誌の各メディアは、AKB48の話題に多くの時間と紙面を割きました。
6月6日に行われた「第4回総選挙」はテレビで生中継され、瞬間最高視聴率は28%に達しました。
さらに、この総選挙の投票権でもあるCDの売上は、6月4日付のオリコン週間シングルランキング(集計期間:2012年5月21日~27日)で、オリコン史上最高の初週売り上げ枚数161.7万枚という記録を打ち立てました。
今回は〈不動のセンター〉と言われた前田敦子が卒業した初の選挙とあって、名古屋地区メンバーSKE48の躍進も含め、その順位争いの結果が例年以上に注目されたほか、選挙結果を受けた上位メンバーのスピーチは、ネット上だけでなく各メディアでも盛んに取り上げられるなど、この芸能界の新たな潮流は、今回さらなる盛り上がりを見せました。
現代の芸能のひとつのスタイル、あるいは芸能界の新しいスターの形と片付けてしまえばそれまでですが、この「AKB」現象については様々な角度からの考察もなされています。
若者を中心に人々がこれほどまでに熱狂する理由。
そうした現代の若者たちの気質。
”すぐそばにいる”アイドルをファンがサポートし、育て見守るという、”ファン参加型”芸能ビジネスモデルの可能性。
インドネシア、上海、香港への「AKB」フォーマットの輸出に見るクールジャパンの新たな展開。
そして、この「AKB」現象が、今の日本の何かを映しだしているとすれば、それは何なのか…。
違和感…親近感…無関心…、オピニオンリーダーの皆さまはどのように今の「AKB」現象を見ていますでしょうか。
皆さまから、自由なご意見をいただくことで、日本社会の現状の一端を考察できればと思います。
※コンパスで掲載された全ての意見・回答は各氏個人の意見であり、各氏所属の団体・組織の意見・方針ではありません。
Q1:4回AKB総選挙に見る「AKB現象」の盛り上がりをどう考えますか?
Q2:問1についてコメントをお聞かせください。
プラス面、マイナス面も含めた多角的なご意見をお待ちしております。
( 22件 )
1. コメントする
伊東乾
作曲家・指揮者 ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
たちの悪いギャグを見ているような気分だ。民主主義の陰画とでもいうか・・・
たちの悪いギャグを見ているような気分だ。民主主義の陰画とでもいおうか・・・ 仕掛けた側のビジネスマインドその他はおくとして、国内外にこれだけリスクが蔓延する中、若者がそんなものに熱中できるというメディア環境そのものを見、考え込まざるを得ない。
浜辺陽一郎
青山学院大学大学院法務研究科(法科大学院) 教授,弁護士
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
一般に、コンテンツビジネスでは、日本側の法的対応の弱さから損をしていることが多いと耳にする。この点、米国のハリウッドやディズニーなどを大いに見習って成功してほしい。そのために必要なのは、それにしっかりと対応できる法務に強い人材育成の充実にほかならない。
プラス面
これも一つのビジネスなので、多くの若者から支持されて景気がアップするのは喜ばしいこと。その時代の楽しい話は悪くない。日本が平和で、まだ余裕がある証拠。
新しい魅力的なアイドルの誕生の形として、面白い。
マイナス面
こういうことに時間を割かれて、大事なことを考える時間が奪われていないか。
このビジネスをしかける側はこれで稼げるが、これを追いかける人たちは、ここで消費をしているわけであるが、その若者たちは、どこで稼いでいるのだろうか?本業がちゃんとしているのであれば、どういう趣味で楽しむのかは自由で問題ないが、本業が傾いていて、現実を逃避する形でアイドルを求めているだけでは困る。
もっと大切なことは沢山あるが、それらがおざなりになっている現実が心配。そして、日本の厳しい現実に無関心なまま、AKBみたいなものばかりを追い続ける若者が、あまりにも多いことが心配だ。
AKBメンバーはがんばっているのだが、それを追いかける人たちは、もっと自分のことを考えてもらわなければならないのでは?
こういうことばかりにうつつを抜かしていると、日本の豊かさは維持できなくなり、こういう楽しいイベントもできなくなるかもしれない、という危機感を持つべきだ。もう、その限界はすぐ近くに来ている。
その他
「アイドルをファンがサポートし、育て見守る」というのは、昔からある芸能ビジネスモデルの形であって、新しいのは「総選挙」という形。これは現実の選挙のでたらめさの風刺しているようでもあり。現実の選挙も相当におかしなものであるのに対して、AKBの選挙の方がまともであるように感じられることが深刻な問題である。
インドネシア、上海、香港への「AKB」フォーマットの輸出で、日本に大きな経済的利益がもたらされているのであればいいが、ちゃんと日本に収益は来ているのか。詳しい契約関係を知らないので、この点についてコメントする資格はないが、もしも十分な収益が日本で得られていないとしたら問題。日本に経済的利益がきちんともたらされるようなビジネスモデルになるように、しっかりとした権利確保も考えてもらわないといけない。一般に、コンテンツビジネスでは、日本側の法的対応の弱さから、かなり損をしていることが少なくないという報告を耳にする。この点、米国のハリウッドやディズニーなどを大いに見習って成功してほしい。そのために必要なのは、それにしっかりと対応できる法務に強い人材育成の充実にほかならない。
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
メディアの役割は、民主主義社会の健全な発展に資する重要な情報を日々発信することであるはず。①福島原発事故②原発再稼働③消費税増税•TPP④格差拡大と自殺増加⑤医療介護体制整備等々に費やす報道時間が「AKB現象」の分だけ減少し国民の関心が低下する危険性がある。
コマーシャル、経済という観点からは「AKB現象」は芸能界や関連経済関係者にとって希有な存在であろう。従ってメディアが「AKB現象」をそれなりに報道すること事態は理解できる。
しかし一方メディアの存在意義は、民主主義社会の健全な発展に資する重要な情報を日々発信することであるはず。
現在日本国民には①福島原発事故収束、②電力確保と原発再稼働、③消費税増税やTPP参加、④格差拡大社会と若者の雇用減少や自殺増加、⑤未曾有の高齢化目前に崩壊する医療や介護体制の整備等々、解決が喫緊の課題であるはず難問が山積している。
「AKB現象」で日本が解決すべき課題に費やす報道時間が減少し、これらの難問に対する国民の関心が低下する危険性があることは残念でならない。
南淵明宏
医療法人社団 冠心会 大崎病院 東京ハートセンター 心臓外科医
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
原稿棒読みしかできない無能政治家の醜態やずるがしこい奸僚の答弁の映像が流されるよりはるかにましだ。多くの人に笑顔をもたらす現象はどんどん盛り上がるべきだ。それが社会全体を励起し、新たな創造を生み出すだろう。
世相と言うか社会のエネルギーが結集する現象はこの国が明るい未来を持っていることを感じさせてくれる。何ら生産性がないとか、下らないとか、幼稚だ、などという批判こそ非生産的で文化的創造を否定し、文明破壊的だ。消費税と電気料金の「一体値上げ」を無理強いし、何が何でも放射能発電(原子力発電)を推進する邪悪な軍団の国民総白痴化計画だ、という決め付けも当たらない。
楽しいこと、多くの人たちに笑顔が浮かぶ現象はどんどん盛り上がるべきだ。
国会中継や記者会見で、あるいはここぞと言う大事な場面で、重要な案件で、あるいは国際舞台で、薄汚い政治家が情けなく原稿を棒読みするだけの国辱的映像が放映されているという、恥知らずな現象よりはるかにましだ。
鈴木豊
青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科教授・公認会計士
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
プラス面
不安な・先行きの見えない失望感などのマイナス思考を払しょくする。
マイナス面
みんなと一緒なら安心という安易な対応とならないであろうかと心配になる
プラス面
①不安な・先行きの見えない失望感などのマイナス思考を払しょくする。
②何かに集中させる時間を持たせる。
マイナス面
①意味ある・意義ある行動・言動に有用とは思えない心配がある。
②みんなと一緒なら安心という安易な対応とならないであろうかと心配になる。
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
AKB48は、歌もステージもレベルが高いと思う。最近の歌の歌詞は心の中ばかりを表現している(君は大切なことを教えてくれたね、とか)のに比べて、AKBの歌には、二人の様子や光景が思い浮かぶような詩がつけられ、メロディーもいい。ライブはテレビでしか観たことがないが、華やかで、観客を飽きさせない。しかし、メンバーはふつうっぽく、売り出し方も秋葉原の舞台からで身近な感じである。
つまり、エンターテイメントとしてのレベルの高さと、身近な雰囲気のアンバランスの面白さ。
ビジネスモデルとしてはかなり新しく挑戦的なのに、総選挙発表時のメンバーのコメントは日本的な古風な感じで、これもまたミスマッチだ。
昨年の総選挙で、一位をとった前田敦子が、「私のことは嫌いでも、AKBのことは嫌いにならないで、好きでいてください」と言ったが、その時に、そういえば今の政治家は、「政党のことは嫌いでも、私のことは好きでいてください」と言っているようだなと感じて、なんだかおかしかった。
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
率直に申し上げれば、日本人の「民度」の低さを端的に示す現象だと思う。もっと他にやるべきことが沢山あるだろう。
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
第4回AKB総選挙が終わり、「AKB現象」が盛り上がり、無事終了したそうだ。初めは日本の総選挙の日程が決まったのかと、記事に注目したが、そうではなかった。第4回AKB総選挙の一部始終を知っているわけではないし、「AKB」のメンバーについては、インターネットで写真を見る程度しか知らない。持っている音楽CDといえば、先日、170枚のバッハ全集と、172枚のモーツアルト全集を買ったたばかりで、AKBのものは一枚もない。知らないことにコメントをするのは勇気がいることだが、プラス面は、国民の消費意欲が沸いたということだろう。経済にとってもっともよくないのはタンス預金をする人が増えることであり、消費が縮小してお金が回らなくなって経済が沈滞してしまう。今回の「総選挙」では、日本のテレビ、新聞(特にスポーツ紙)、ネット、雑誌の各メディアが、AKB48の話題に多くの時間と紙面を割き、6月6日に行われた「第4回総選挙」はテレビで生中継され、瞬間最高視聴率は28%に達し、この総選挙の投票権でもあるCDの売り上げは、6月4日付のオリコン週間シングルランキング史上最高の初週売り上げ枚数161.7万枚という記録を打ち立てたという。それだけ、消費が伸びたのだから、結構なことと思う。もっと他に、お金を使うべきことがあれば、日本人は使うのにと思う。
またインドネシア、上海、香港への「AKB」フォーマットの輸出によって、クールジャパンが新たな展開をみせているのであれば、文化の海外への進出ということで、韓流ばかりが目立ってきたことを考えると結構なことと思う。韓国では大統領府の高官までが、韓国の威信のために、いかに韓流を持続させ、欧米で拡大するかを検討していると話をしていた。芸能分野は国の文化大使という側面がある。韓国の大学で若い世代に「日本について」「日本文化について」というタイトルで教える機会があるが、「カップ麺が好きで、日本文化に興味を持ち先生の講義を選択しました」というベトナムからの優秀な留学生がいた。「カップ麺・・・・」と、複雑な気持ちになったが、日本の芸能界の話が海外に伝わり人気が出て、日本への旅行を計画する外国の若い世代が増えれば、それも嬉しいことではないか。このようなブームの直接、間接的、具体的、経済的な効果は絶大である。
マイナス面ではないが、違和感という点から言えば、一部の現象にすぎないものを、マスコミで大きく報道しすぎではないか。「AKB現象」が盛り上がっているとき、世界では子供のときから練習してきた楽器を演奏して堂々、国際コンクールで良い成績をおさめる若者や、外国で平和協力のために汗を流している人々がいる。
ユーチューブで映像を見るかぎり、「第4回総選挙」の結果を踏まえて感激のインタビューを受けているタレントがその世代を代表する人々のようには見えない。「当選」した人々の感激の記者会見の中身は、世界に発信して人々に感銘を与える内容でもない。それに人々が一喜一憂しているのが、AKB現象ではないか。現代の芸能のひとつのスタイルであるのはわかるが、若者を中心に人々がこれほどまでに熱狂するのは、「参加型」が受けているからだろう。国内のすぐそばにいるアイドルをファンがサポートし、育て見守るというファン参加型の芸能ビジネスが盛んになってきたそうだ。この現象は映像を使って、身近にある一部分のものを大きく取り上げるという手法が影響していることに加えて、いまの日本が、何かの分野で人材を育て、世界に通用する人材として評価する対象が不足して、閉塞状態に陥っている結果でもある。日本国内でしかわからない感激の風景であり、盛り上がりであり、興奮にすぎない。この現象に関する報道に接したとき「ガラパゴス現象」という言葉を思い出した。
このようなとき、マイナス面を指摘すると、「老いの繰り言」」といわれるだろうから、だいたいみんなが肯定的な発言をすることになる。報道することで新聞は部数を伸ばし、テレビは視聴率を獲得する。国会議員は大衆文化を讃えることにより一票につながるので、みんなが盛り上がる。やはりこの騒ぎは違和感が残る。国会議員選挙と間違えやすい「総選挙」という言葉の使用を控えるべきだろう。「人気投票」で良いと思う。厳粛であり国家の前途を左右する人を選ぶ国政選挙が総選挙である。芸術、スポーツ、科学者、指導者に限らず、国家の前途を担う人を選び、育て、送り出すことにお金と時間とエネルギーを使う社会にしたいものだ。
原田曜平
博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
私の専門である「若者」と「アジア」と「マーケティング」という3点の観点から
お話させて頂きます。
まず、AKB人気は凄まじい状況にありますが、「若者」という視点で言えば、やはり
「会いに行けるアイドル」というコンセプトが、今の若者の心をがっちり掴んだの
だと思います。逆に言えば、10年前であれば、恐らくこのコンセプトはここまで
威力を発揮しなかったように思います。今の若者たちは、かつての若者のように
「高嶺の花」に憧れる傾向が薄れ、むしろ「等身大」の存在に強い共感を示すよう
になってきています。
例えば、ものすごく美人の芸能人に憧れるよりも、同じ大学にいる素人の読者モデ
ルに共感するようになっています。日本の成長ステージにいたかつての若者であれ
ば、上昇志向が強かったため、高嶺の花に憧れ、いつかは自分の手に入る、といっ
た期待を抱くことができました。しかし、日本の成熟ステージしか知らない今の若
者にとって、高嶺の花は異国の地の現象に過ぎず、あくまで身の周りにあり、そん
なに努力をせずにも自ら摘める花に共感を示すようになっています。
ですから、秋元氏も「どのクラスにもいるようなちょっと可愛い子を集めた」と
言っていますが、等身大の、しかも会いに行ける、つまり、自分事化できるという
ポイントが、今の若者の心のツボをついたのだと思います。
次に、「マーケティング」という観点で言えば、やはり、投票券をCDに付けた、と
いうモデルは新しかったと思います。今、世界中、CD不況です。中国、韓国を中心
としたサイトで、世界中の音楽が無料(違法)ダウロードできるからです。(日本
もそうした傾向になってきていますが、まだ世界的に見れば売れている方だと思い
ます。)
そういった状況を受けて、欧米のアーティストは、CDで儲けるのではなく、世界各
国を飛び回り、コンサートの収益、そして、グッズの収益を中心にマーケティング
をするようになっています。音楽だけでなく、映画も同じ状況ですから、ハリウッ
ドなどは、ネットで見れない3D映画の製作に注力しています。そういった意味で
は、「CDを買わせる意味」を生み出したこのAKB手法は、賛否はありますがマーケ
ティング手法としては新しいと感じています。アーティストや作り手にお金が入ら
ないと、文化は前進しません。新しいマーケティング手法の開拓は今後も進めてい
くべきではないかと考えます。
最後に、「アジア」という視点でお話させて頂くと、アジア全域は、今、K‐POP一色
です。特に一番人気があるのがスーパージュニアです。中国大陸でも、インドネシ
アでも、ベトナムでも、圧倒的な人気を誇っています。ビッグバンや少女時代やワ
ンダーガールズなども大変な人気を誇っています。
日本の若者の間でも、K‐POPはここ数年で、本当に根付きました。日本では、KARAか
少女時代が一番人気でしょう。若者たちは、こぞって彼女たちの歌をカラオケで歌
い、休日には新大久保に行くようになっています。韓国は人口が日本に比べると少
なく、無料(違法)ダウンロード大国ですから、海外にいち早くマーケットを見つ
けざるを得なかったという事情がありますが、日本も若年人口が減り、深刻なCD不
況で似たような状況になっているので、海外マーケットを視野に入れるべきステー
ジにきています。
アーティストの質と量に関しては、日本は韓国に一切ひけをとりませんから。日本
を代表するSMAPが、ようやくここ数年で、しかも上海と北京でコンサートをする状
況にきたというのは、韓国に比べると、遅すぎる状況であるのは確かです。しか
し、最近では、ジャカルタ48や、ジャニーズ事務所による中国大陸でのジャニーズ
グループ設立の動き、ジャニーズの山下智久さんが中国の紅白に出演するなど、海
外マーケットを狙った動きが活発になってきたのは、日本にとって大変良いことだ
と考えます。更に様々なアーティストが、もっとアジアマーケットに注目すること
を期待します。
但し、アジアマーケットを考える上で重要なのは、アジアの最先端地域である日本
と、その他の国では、発展ステージが違う位置にいる、ということはおさえておか
ないといけません。前述したように、成熟ステージにいる日本の若者は、「高嶺の
花」ではなく、「道端に咲く花(等身大)」を求めます。台北、上海、シンガポー
ルなどの若者を対象にするのであれば、ある程度日本と同じステージにあるの
で、AKB方式が通じ易いかもしれませんが、その他エリアですと、まだ「高嶺の
花」を求めるステージにあるので、例えば、かつての松田聖子的アイドル(高嶺の
花としてのアイドル)と今のAKB的アイドル(会いに行ける対象としてのアイド
ル)を組み合わせるなど、今の日本とは少し違った知恵を絞る必要が出てくるよう
に思います。
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
ビジネスモデルないしコンセプトは必ずしも独創的でない。私は宝塚歌劇団を想起する。ただ善かれ悪しかれ、宝塚よりファンとの距離が近い。実証済みの成功モデルを、現代風にアレンジしたのが成功の理由では。衆議院の解散総選挙より、こちらの「総選挙」に注目が集まる現状は、政治が劣化したシニカルな象徴。
中津孝司
大阪商業大学総合経営学部教授,国際問題評論家
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
肯定的にとらえ、日本社会を描写する一つの姿だと思えばよい。
根強い人気の背景には、ファン層が比較的広いことがあるように思う。若年層のみならず、さまざまな年齢層のファンが数多く存在することが、強烈な人気の持続の原因になっているように思われる。これは実際の社会現象であるわけだから、それを否定したり、避難したり、嘆いても仕方がないだろう。ここは前向きにとらえて、現在の日本社会を象徴する一断面図と理解すればよいのではないか。
松田千恵子
首都大学東京教授/マトリックス株式会社代表
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
すみませんが、全く興味がありません。様々なビジネスモデルの可能性が言われたりもしますが、芸能メディアの末期症状としか映りません。ただ、日本人がネオテニーであるといわれることの証左としては興味深いです。
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
AKB48自体は限界なきチャレンジを
彼女たちの成長後、あるいは解散後、ポストAKB48後のアイドルシーン、音楽シーンに不安あり
30年後の大島優子は何をしているのか?熟女化する彼女たちの活躍に期待
AKB48くらいしか熱くなるものがない我が国を憂う
世界的に見ても、アイドルの商業化が極端に進んだ例だと言える。AKB48ブームであって、アイドルブームではない。AKB48自体は商業として成功しているものの、日本のアイドルビジネスが、もっと言うと音楽産業が盛り上がっているわけではない。
AKB48単体については、おそらく今後、卒業、引退するメンバー、その後結婚、出産するメンバーなどもいるだろう。またメンバーの高齢化も進むかもしれない。その後、どう展開していくのかが注目される。一方、AKB48がもし解散することがあったとしたならば、その後の日本のアイドル市場はどうなるのか気になるところである。
AKB48について、ファンとしての興味は全くないのだが、海外展開などのチャレンジなどをして頂き、新しい記録を作ってもらいたい。
一方、一音楽ファンとして、AKB48とジャニーズしか売れていない日本の音楽シーンを憂う気持ちでいっぱいである。やや牧歌的かもしれないが、もう一度J-POPシーンが、音楽が盛り上がるといいと思う。
また、AKB48解散後、日本の音楽シーン、アイドルシーンは破滅するかもしれないという不安を抱いたりもする。
若者論的に言うならば、AKB48くらいしか熱狂できるものがない時代を憂う気持ちでいっぱいだ。昔のファミコンブームを思い出す。AKB48よりも熱くなれる何かがある国にしたい。
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
自分の意見が影響力を持つことを自覚できることはよいでしょう。就職先を決定する際に、自分が中小企業を育てるとの意識を持てることにつながるのであれば、よいことでしょう。
プラス面
・自分の意見が影響力を持つということを自覚できることはよいことだと思います。
というのは、とかく、自分の意見で政治を変えることなどできないということから
政治不信が高まると思うのですが、社会の動きは、自分の意見一つで変えられる
という実感を抱けることなるのであれば、よいことではないでしょうか。
ちなみに、実際に裁判員を経験した人がやりがいを感じることが多いです。
これも、自分の意見がリアルタイムで(国の意思決定である)判決に影響を与え
ることを実感できるからだと思います。
・また、AKBのメンバーは、必ずしも際立ったタレント性がなくとも、ごく普通
の感じが人気につながる面があります。若者の就職意識も、当初から大企業ではな
くても、自分の力で中小企業を育てていくとの意識が芽生えるのであればよい効果
だと思います。
マイナス面
他の人がよいと言うから、自分もよいと思うという主体性のないことで投票し、順
位が決まって行く傾向が強くなると、かえって(判断における)個性が失われていく
ことになり、よくないと思います。本当の魅力を見抜き、それに基づいた投票行動が
大事だと思います。結構、政治家への投票の課題・問題点と共通するところがあると
思います。
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
AKB48のビジネスモデルは、かつての美空ひばりや山口百恵のような、個人のカリスマ性に頼るのではなく、多様な選択肢を用意して、そこからファンたちが自分好みの子を見いだし、あたかも、その子を自分が育てていくという「育成感覚」(厳密には「育成幻想」)を醸成するやり方で、ジャニーズや宝塚歌劇が先鞭を付けた日本的システムである。このシステムを1980年代半ばに展開し成功させたのが「おニャン子クラブ」である。ただ、テレビというマスメディアの依拠していたために、ピークを迎えるのが早く、わずか2年あまりで解散を余儀なくされた。仕掛人の秋元康氏は、もっと長期的に持続するシステムの構築を模索した。
そこで生まれたのがAKB48である。まずは、「劇場に行けばいつでも会える」という親近感を軸にコアファンを固め、そこからネットなどの口コミも利用して地道に活動の幅を広げていった。それが、2009年の第1回総選挙のあたりから人気に火がつき、現在の隆盛を迎えている。この総選挙という仕組は、「ゲーミフィケーション」という「動員手法」として注目されているが、参加感=育成感を飛躍的に高め、AKBに興味のなかった層まで巻き込み、社会現象化する原動力となった。ここに、現代の政治やビジネスも参考にすべきヒントが隠されている。
ちなみに、どこぞのコラムで、AKBが、きわどい水着姿で「性」を商品化していてけしからん的な批判があったが、それは過去の図式である。たしかに、かつての松田聖子やおニャン子クラブのデビュー時は、99%が男性ファンで、彼女たちは「擬似恋愛の対象」であったが、今のAKBには同性のファンも多く、彼女たちに「自分を投影し」、いわば「自己同一化の対象」にしているのである。たとえば今回の総選挙で4位に躍進した指原莉乃は、けっして男の子受けするビジュアルの持ち主ではないが、「へたれ」ながら頑張っている姿に女性ファンが共感しているのである。
総選挙は、ある意味「競争」をあおっており、その点での批判も多いが、メンバーに対して、絵に描いた「ナンバー1」を求めているわけではなく、それこそ「オンリ−1」の多様な評価軸が反映されてるところが、きわめて現代的構図である。
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
それぞれの時代にはアイドルが出現し、主に若い世代が熱狂的に支持する現象が起きるものだと思う。今般の「AKB現象」も、そうした一連のアイドルを巡る現象といえ、形態は若干異なるもののかつてのアイドルに比べて特別な現象だとは思わない。各メディアが盛んに取り上げるのも、人気が集中するアイドルならかつてのアイドルでもそうだった(かつては「歌番組」がその中心だったが現在はそれがあまりないので、別の形態の番組で取り上げられているから、かつてのアイドルと異なっているように見えるが)わけで、今般の盛り上がりを特別視、異常視するようなものではないと思う。
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
AKB現象は目新しいものではなく、古くからおニャン子クラブやモーニング娘などのグループが熱狂的なファンを生み出しています。今回は地方版を含めた大規模商法が全体のパイを大きくしたものと思われます。大騒ぎすることはないのでは。
AKB現象と名付けるのが妥当か、AKB商法と名付けるのかは議論が分かれるかもしれませんが、私は商法の位置づけが強いと考えています。その上で、若者全般というこのような問題の立て方が正しいのか、一部の若者が熱狂しているとみるのが正しいのかを検証すべきでしょう。私は後者だと思います。メディアはコンテンツとしてのAKBおよびそれに連なるグループを重要視しているので、大きく取り上げる、その結果として高い関心を持つという結果につながっていると思います。
モー娘、古くはオールナイターズ、おニャン子クラブと身近なアイドル探しは若者の共通の現象ではないかと思います。一時的な現象として大騒ぎしなくてはいいのではないでしょうか。
選挙研究者としては、これによって無関心な若者が選挙というものに関心を持つプラス面と票を金で買うという行動のマイナス面の教会でせめぎ合っているところです。まあ、肯定的に評価せざるを得ないと思いますが、候補者を応援する気持ちがわかってもらえればいいのかな、くらいの感じです。
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
一過性の幼児性熱病
しょせんは一過性の幼児熱性病のようなもの。
アイドルの寿命はせいぜい5年という。
キャンデーズ 1973〜1978
おニャン子 1985〜1987
モー娘 1997〜2002
AKB48も結成はや7年、紅白初出場以来5年、そろそろ賞味期限が切れるころでは?
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
ビジネスモデルとしてこのスキームを考えた秋元氏の先見性とセンスには敬服しつつも、現在の熱狂には違和感を感じる。ターゲットはいわゆるオタクといわれる人たちの財布で手法はいたいけな少女の競争心を過度に煽るもの。あざとさを感じるのは陰でぼろもうけしている人の存在がみえるからかもしれない。
オタクの人たちの文化を作る力は評価しているし、お金がが動くこともよいことではあるがどうしてもなじめない印象を抱いてしまうのは自分の年齢のせいだけではないと思うのだが、、、、。
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
新しい時代のユーザー参加型のスター誕生プラットフォームと解釈でき、非常に興味深い。このフォーマットはソーシャル時代に合っており世界に通用する可能性が高い。秋元康さんの時代を見る先見性に感嘆する。
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
これは何ら新しい現象ではない。日本の社会を体現した、もっとも日本的な現象であり、ビジネスだけでなく、組織、地域社会、日本文化全体に適用可能な素晴らしいモデルである。
これは何ら新しい現象ではない。日本の社会を体現した、もっとも日本的な現象であり、ビジネスだけでなく、組織、地域社会、日本文化全体に適用可能な素晴らしいモデルである。
AKBの総選挙。いまだに理解できない,、ひどいCD販売手法だ、と思っている人も多いだろう。しかし、ビジネス上の効果がどうであれ、彼女たちもファンも真剣だし、総選挙はかけがえのない舞台となっている。それは、彼女たちの順位発表直後の舞台でのスピーチを見ればわかる。あのイベントは、彼女たちの一年間の結晶であるこのスピーチに感動するためにあるのだ。私はアスリートの試合直後のインタビューにいつも感動する。そのためにスポーツを見ているといっても過言ではない。この総選挙においても、同じ種類の感動をした。
彼女たちは、甲子園を目指す高校球児とまったく一緒なのだ。
本気で全力で気持ちをむき出しにしてがんばってきた一年。そしてそれをそのままぶつけるスピーチ。あのスピーチに感動しても嫌悪感を抱いても、どちらでもかまわないが、一見の価値はある。なぜなら、あのスピーチが本物であることだけは間違いがないからだ。
政治家の演説、テレビ出演にはそれがない。彼女たちの総選挙を見習ってほしい。そして、本当に見習うべきは、われわれだ。AKB総選挙に賭けるファンの情熱。これが総選挙を意味のあるものにしている。
あの総選挙は、まったく意味のないことを全力でやり、それをまったく意味もなく見返りもなく全力で応援する。価値のまったくないことを全力でやることこそ、大きな価値があることを、AKB総選挙は教えてくれる。
人生も社会もそうあるべきなのだ。
スポーツもだからこそ美しい。
政治家も有権者も、そのような捨て身の全力の姿勢で政治と向き合わないと何も得られないのである。
得ようとすれば得られない。
これが真理だ。
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
ビジネスとはいえ、投票目的の心理をついてのCD販売はどうかと思う。
つまり、商売としては、うまいやりかただが、
一人に複数のCDを買わせるという「おまけ商法」は、本来の商売のあり方としてはがてんがいかない。
ファンにとってはお小遣いの許す限り、買い支えたいという心理なのだろう。
この思いは、多くの人が賛同できるものでもある。
その一方で、本来一人一枚、せいぜい4、5も買えば満足するものを、1000枚2000枚と買わせるというやり方は、むだなものを買わせている点で、正しいとは思えないものも感じる。
一昨年、メンバーの一人が、「批判はあるが、愛だ」と言い張りました。
つまり、票=おカネで何が悪いとうのだ。
好きな方と高級なお店で食事することや高級宝石を買い与えることとどう違うかといわれれば異論は挟めない。
政治献金とも似ている。
政治献金には制限があるが、やり方次第で相当な支援はできる。
大人のお小使いでの支援だから、贈与税さえ払えば無限にできる。
この場合、恩を着せるということができるが、AKBは誰の支援かはハッキリしない。
その点で、純粋な愛ととれないこともない気がする。
そこには無償の愛のようなものがあるのだろう。
そう考えれで角度を変えれば理解ができないこともない。
物の対価ではなく、想いや愛の対価と考えれば、溜飲も下がる。
投票が愛だと言いきることに驚きと同時に感動を覚えた。
若いものでも、競争や研ぎ澄まされた生活で成長するものだ。
毎日時間を流している大人よりしっかりしている。
石川遼君もそうだが、若いころから物事を極める努力をすれば、目標が定まる。
言うことが違う。
しかも下積みも長く、辛抱やがまん、忍耐力もあろう。
ただのAKB現象ではなく侮れない。
これから多くが、様々な分野に飛び立ち活躍して行くと思われる。
若いころの競争は人を強くするが、今の日本の教育にはそれがない。
負け組は新たなチャレンジができる。
競争を知らないまま大人になると、社会での負けが全ての敗北に感じ生きる望みを失う。
その点で、競争を覚え、頭の程度という成績ではなく、選挙という選ばれ方で客観的な評価というものを受け止めることを知った彼女たちは、強い人生を迎える準備ができているのだと思う。
2. コメントしない
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