第8回 2004年11月25日(木)放送 あらすじ

#8 将軍倒れる

 春日局(松下由樹)は、家光(西島秀俊)の心がお万(瀬戸朝香)だけに惹かれることを懸念していた。正室の孝子(木村多江)はもとよりお万も公家の出身であり、もしお万が世継ぎを産んだ場合、朝廷・公家勢力の伸張を促す恐れがあるのだ。実際、お万の父親・六条有純は江戸城を訪れ、家光に強く政治的な配慮を求めるのだった。だが、六条有純は城内でお万を見ても娘とは気付かず、お万は家族の絆の虚しさを感じ、深く傷つくのだった。春日局は、そのことを含んだ上で、町娘のお楽(京野ことみ)、お夏(野波麻帆)を側室として招いたのだ。
 もちろん、政治家でもある家光は、春日局の考えは理解していた。すぐにお楽と褥(しとね)を共にする。だが、お楽は恋人・宗兵衛のことを思い出し、無意識に家光を拒絶してしまう。春日局は慌て、家光が入っている風呂へお夏を送り込む。家光はその夜お夏と褥を共にするのであった。翌朝、春日局はお楽のもとへ出向き、「側室は武士と同じ。お役怠慢の武士がどうなるか考えよ」と説得、お楽は兄の仕官や母親の治療などを考え、唇を噛み締めた。
 春日局には気になることがあった。家光の脇息に刀傷があったのだ。—半井隼人(金子昇)との立ち回りでついた傷である—。そういえば、隼人の姿も見えない…。家光にそれとなく尋ねるが「座興で切れ味を試しただけ」と家光は言葉を濁す。ただ春日局には見当がついていた。
 ともかく春日局にはお万の存在は疎ましかった。家光が「お万のもとに渡る」と言い出す晩には、春日局は「あの薬を飲ませます」と切り返す。そう聞くと家光はやめざるを得ない。なんと、劇薬の避妊薬を食事に混ぜるというのだ。ところが、春日局は毎日その薬を飲ませていたのだった。お万は家族からも家光からも、そして隼人からも遠ざけられる形となり気が沈む毎日であった。
 そんな隼人は孝子の実家・鷹司家ゆかりの寺で働いていた。そこを通り掛かる武士たちが、「近くキリシタン狩りが行われる」と話しているのを聞き、亡き姉や家族や仲間を思って、抑えがたい怒りと悔しさが湧き上がるのであった。
 そんなある日、お楽が具合を悪くし倒れた。妊娠であった。春日局は満面の笑みを浮かべるのであった。だが、お楽の体調は戻らない。それを聞いたお万は、春日局にお楽を家族に会わせるようお願いする。春日局は聞き入れようとしないが「お世継ぎのために」と言われ、しぶしぶ認めることに。その甲斐あってお楽は家族と涙の対面を果たす。お万がほっとしつつ、それを羨まし気に横から眺めている。そんなお万の気を晴らすため孝子はお万を寺参りに誘う。
 お万が、孝子やお玉(星野真里)、飛鳥井(かとうあつき)らと孝子なじみの寺に行くと、なんと隼人がいる。孝子の計らいであった。お万はしばし隼人と二人の時間が過ごせた。隼人はそこでキリシタン狩りの話をする。お万は隼人の性格から、不安でいっぱいになった。離れて二人を見ていた孝子は「まるで織姫と彦星」とのんきに構えているが、飛鳥井はその事実をすぐに春日局に報告した。春日局は直ちに隼人の素性を調べるよう側近に命じ、家光にその結果を報告するのであった。家光はお万に裏切られた気持ちで苛立ちを覚えた。嫉妬に苦しめられる家光は、その胸苦しさを矢に込め一人弓を射っていた。すると、家光がよろめきその場で気を失ってしまう。

キャスト

春日局 … 松下由樹
お万 …  瀬戸朝香
徳川家光 … 西島秀俊
お玉 …  星野真里
孝子 … 木村多江
半井隼人 … 金子 昇

お楽 … 京野ことみ
お夏 … 野波麻帆

朝比奈 … 梶 芽衣子

スタッフ

■脚本
 浅野妙子
■企画
 保原賢一郎
■プロデュース
 林 徹
 樋口 徹
 手塚 治
 若松 豪
■演出
 武内英樹
■音楽
 石田勝範
■主題歌
 サザンオールスターズ
■制作
 フジテレビ
 東映

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