第6回 2004年11月11日(木)放送 あらすじ

#6 覚悟の夜

 お万(瀬戸朝香)の御寝所に初めて家光(西島秀俊)がやって来た。お万に心を見抜かれるような清冽な光で見つめられ、家光はたじろいでしまう。実は、お万の奥の部屋には謎の男、半井隼人(金子昇)が身を潜めている。緊張の空気が三人を取り巻くが、家光は顔を見に来ただけと去って行く。安堵したお万が奥の部屋を開けると、すでに半井の姿は消えていた。
 そんな頃、お玉(星野真里)はお万に会える日を夢見て、大部屋の女中として歯を食いしばり頑張って働いていた。ある日、廊下を歩く春日局(松下由樹)を見つけたお玉は、意を決してお万について尋ねるが、春日局に尼寺へ帰れとあしらわれてしまう。いらだつお玉の横を葛岡(鷲尾真知子)たちがバカにしたように通り過ぎる。怒り心頭に発したお玉は、思わず葛岡たちに桶の水をぶちまける。そこを通りかかった朝比奈(梶芽衣子)が、それを見とがめお玉に罰を与える。朝比奈はその罰に耐えたお玉の根性に感心し、若き日の春日局を思い出す。そして部屋付きに取り立てることにする。
 朝比奈が用意してくれた着物を着込んだお玉は、部屋を抜け出し、お鈴廊下で上様を迎える列に紛れ込む。すると、髪を長く伸ばしたお万が目の前を歩いていく。お玉はたまらず「尼君様!」とお万に声を掛ける。振り向くお万。緊張する春日局。すぐさま女中たちに押さえられ退出させられそうになる。それをお万は「やめなさい!」とよく通る声で制した。お玉に近づき手を取るお万は、お玉の苦労を察し涙ながらに侘び、二人は抱き合い再会を喜んだ。そしてお玉はお万の部屋付きに取り上げられた。
 夜、お万とお玉が久し振りに語らっていると、外からあの笛の音が聞こえてくる。お万はお玉にあの笛の音のお陰で死を思いとどまったと話す。笛を吹いていた半井は、家光が現れたのを見て吹くのをやめようとする。家光は吹き続けるように促しながら、お万について語り始めた。半井は気弱な男の顔を見せる家光を見ながら、村が襲われ姉が連れ去られた時のことを思い出し、複雑な思いに駆られる。
 日が変わり、お万の元へ家光からの贈り物の着物を持って春日局が訪れる。家光からの着物を拒んだお万に、春日局は側室としての務めを果たすよう強く言いつける。お万は話をそらし、家光の正室・孝子(木村多江)に侘びを言いたいと申し出る。春日局はお万の落ち着きぶりにたじろいでしまう。
 お万はお玉を伴い、中の丸に追いやられた孝子を訪ねた。お万が詫びを述べるが、孝子は「侘びなど無用」と言い放ち、反対にお万を哀れむ。
 ある夜、家光・孝子がお万のために催した音曲の宴の席で、お万はあの美しい笛の音を聞き驚く。お万は楽士たちの中に笛を吹く半井隼人の姿を見つける。音楽が終わり、家光に思わず半井のことを尋ねてしまうお万。お万は半井から目が離せない。そんな二人の視線のやり取りを春日局は見逃さなかった。
 その晩、春日局が膳を座敷牢に運んでくる。その中には朽ちるように一人の女性が横たわっていた。その女性とは、半井の姉・おゆき(遠山景織子)であった。
 ある日、お万は幽閉されていた座敷牢で見つけた十字架を春日局に見せ、本当のことを教えてほしいと尋ねる。春日局はお万を連れて牢に向かった。お万がいた座敷牢よりさらに奥の暗い牢の中に、げっそりとやつれた半井の姉・おゆきが臥せっていた。春日局は、おゆきのいきさつを語り始める。お万は、おゆきの姿に涙しながら「なぜそうまでして上様に側室を」と春日局に問う。「それは徳川の世が続くため。強い力が世を束ねれば戦乱はない。そのためならば命を鬼に取られても悔いはない」と、春日局はきっぱりと言い放った。
 そんな夜、中の丸の孝子からお万にお呼びが掛かった。出向いてみると孝子は楽士たちを集め遊びに興じていた。その楽士の中に半井の姿を見つけたお万は心ときめく。お万は機を見て半井に歩み寄り声をかけ、自らの覚悟を語り始める。

キャスト

春日局 … 松下由樹
お万 … 瀬戸朝香
徳川家光 … 西島秀俊
お玉 … 星野真里
孝子 … 木村多江
半井隼人 … 金子 昇

おらん(お楽) … 京野ことみ

朝比奈 … 梶 芽衣子

スタッフ

■脚本
 浅野妙子
■企画
 保原賢一郎
■プロデュース
 林 徹
 樋口 徹
 手塚 治
 若松 豪
■演出
 林 徹
■音楽
 石田勝範
■主題歌
 サザンオールスターズ
■制作
 フジテレビ
 東映

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