第6回 2005年2月15日(火)放送 あらすじ

#6 涙…会いたくて

 山村留学が始まって1カ月半。保護者がやって来る中間報告会が来週に迫り、新(熊谷知博)の処遇が問題になった。父親からの連絡は途絶えたまま。保護者のいない子供を預かっていることが教育委員会の耳に入るかもしれない。この山村留学の成功に自らの昇進をかけている田所(筧利夫)は、新を児童相談所に委ねることを主張した。アイ子(国仲涼子)はこれまで通りに一緒に暮らしたいが、分校存続を第一に考える佐上校長(大杉漣)も田所の意見に傾いているようだった。そんな矢先、新の父親からセーターと模型飛行機が届いた。センターの玄関に置かれていたのを柾(瑛太)が見つけたのだ。「お父さん、きっと新くんに会いに来てくれます」。アイ子の熱意に打たれて、校長は新の件はしばらく保留にすると約束してくれた。
 アイ子は子供たちに村の地図と両親へのプレゼント作りを提案した。早速子供たちはグループに分かれて村のあちらこちらに出かけた。新は父親からのプレゼントを喜んでいた。父親が来れば一緒に手作りの飛行機を飛ばしてみたい。田所はこのまま父親が現れず山村留学が失敗したらと考えると気が気でない。
 柾は宿泊センターの庭で天体観測をしているゆかり(白石美帆)に声をかけた。「好きなものと向き合っていると、みんないい顔になるんだな」。ゆかりは教室で一心不乱に地図を描いている子供たちと同じ表情をしていた。柾のさりげない言葉に思わずゆかりはドキリとした。
 新が朝になっても布団から出てこない。父親からもらった模型飛行機を壊してしまったのだ。「大丈夫、先生が直しますから。お父さんに飛行機、作ってあげるんでしょう?」。アイ子が枕元で優しく話しかけると、新が沈んだ口調で返事した。「お父さん、来ないよ」。机の上には作りそこねた、たくさんの竹の飛行機の残骸が散らばっていた。
 報告を受けた田所は新を児童相談所に連れて行くことを強く主張した。ナツ(風吹ジュン)も「一番考えなきゃいけないのは新くんの今後よ」と田所に同調した。アイ子は「もう少し時間をください」とひたすら懇願した。捨てた子供にわざわざセーターと模型飛行機を届けたりするわけない。きっと連絡があるはずだ。アイ子の熱意に折れて、校長が断を下した。「報告会の前日まで待ってみましょう」。
 夕方、アイ子が職員室で帰り支度をしていると電話が鳴った。「もしもし?」。息づかいは聞こえるのに応答がない。もしや! アイ子の直感は当たっていた。新の父親だった。しかしアイ子が泣きそうになりながら「新くん、すごく喜んでいます」と伝えると、「すみません」と言うなり電話を切ってしまった。すぐにアイ子は新に伝えた。「勇気を取り戻したら、お父さんはきっと新くんに会いに来てくれます。だから飛行機を作りましょう」。アイ子に見つめられた新はゆっくりとうなずいた。
 新は一生懸命に飛行機を作った。タイムリミットが迫っている。「明日の授業終わりで児童相談所に連れていきますから」。田所から念を押されて、その夜アイ子は職員室の電話の前で新の父親からの連絡を待ち続けた。しかし連絡はなかった。職員室に呼び出された新は事情を察していた。「ボクが頑張った証拠」と言って新は手作り飛行機の残骸がつまった箱をアイ子に差し出した──。

キャスト

照崎アイ子(24) … 国仲涼子
矢吹昭平(40) … 陣内孝則
佐上 柾(24) … 瑛太
旗ゆかり(24) … 白石美帆
     ●
田所 肇(40) … 筧 利夫
     ●
中村美紀恵(24) … 滝沢沙織
     /
佐上欣也(57) … 大杉 漣
高木ナツ(51) … 風吹ジュン

スタッフ

■脚本
  永田優子
■プロデューサー
  重松圭一(関西テレビ)
  稲田秀樹(共同テレビ)
■演出
  三宅喜重(関西テレビ)
■音楽
  服部隆之
■制作
  関西テレビ
  共同テレビ

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