第4回 2005年2月1日(火)放送 あらすじ

#4 愛と挫折の星空

 佐上校長(大杉漣)も交えてみんなで、子供の家で節分の豆まきをすることになった。ジャンケンに負けた田所(筧利夫)が鬼の面をつけて現れると、アイ子(国仲涼子)の「鬼は~外!」のかけ声に合わせて、子供たちは一斉に豆を投げつけた。ふだんの仕返しとばかりに昭平(陣内孝則)も一緒になって豆を投げたが、風太(高木優希)とモモ(伊藤沙莉)だけは見るからにやる気がなさそう。そしてもう1人、ゆかり(白石美帆)も階下から聞こえてくるにぎわいに「うるさいなあ」と顔をしかめて、自分の部屋にこもっていた。
 豆まきはトラブルもなく終わったが、女子部屋にムカデが現れたものだからモモと詩音(野村涼乃)はすっかり怯えてしまった。そこで今夜だけという約束でゆかりの部屋で一緒に寝させてもらうことになった。目が冴えて眠れない詩音はゆかりが部屋を出ていったすきに、押入れの中に彼女の天体望遠鏡を見つけた。翌日、詩音から天体望遠鏡のことを聞いたワタル(糟谷健二)が「見たい」と言い出した。龍平(深澤嵐)が肉眼で見ることのできる七等星をぜひ見たいのだ。そこでアイ子がゆかりに頼んでくれることになったが、待ちきれないワタルは無断で天体望遠鏡を持ち出してしまった。それに気づいたゆかりは「人のもの、勝手に触らないでよ」と声を荒らげると天体望遠鏡を奪い返した。大人気ない怒りように「彼女、何かあったのかなあ」と柾(瑛太)は首をひねった。確かにゆかりは星の研究をするために帰ってきたのに、ぼんやりとしている姿が村ではよく見られた。往診帰りのナツ(風吹ジュン)が「研究はどう?」と声をかけても「ぼちぼち」と浮かない表情をのぞかせた。
 アイ子は柾から使い古したこたつ布団とミシンを譲り受けた。柾は気を利かせてゆかりにアイ子の家まで一緒に運ぶよう頼んだ。アイ子が「昨日はすみませんでした」と謝ると、ゆかりは大学でのある出来事を打ち明けた。研究の成果を恩師に奪われたという。失意を抱えての里帰りだったのだ。ゆかりが子どもの家に戻ると美紀恵(滝沢沙織)が母親からの宅配便を届けてくれた。しかし衣類に混じった天文学の雑誌を見つけると、ゆかりはむしゃくしゃした気分になって愛用の星座早見表をぽいと庭に投げ捨てた。その夜、ゆかりが座敷をのぞくといつものように風太が1人で勉強していた。風太に算数の問題をたずねられたゆかりは「やめちゃえば」と軽く言い放った。すると風太は「お姉さんにとっての一番って何?」と聞き返した。風太は一番の大学だから東大を目指している。ゆかりは「忘れちゃった」とつまらなさそうにつぶやくと座敷を出ていった。
 翌朝、昭平が朝食の支度をしていると龍平が興奮して駆け寄った。「アイ子先生がくれたの」。あのこたつ布団で体操着入れの巾着袋を作ってくれたのだ。「手作りか」と昭平も大感激したが、他の5人の子供たちにもおそろいで作ったと知ると少しがっかりした。もっとも龍平はじめ5人の喜びようを見て、徹夜で作ったアイ子もニコニコ。「教師ってそんなに楽しい仕事なの?」。ゆかりから訊ねられたアイ子は「楽しいですよ」と即答した。ゆかりは柾に「彼女も東京でいろいろあったみたいだよ」と耳打ちされたが、ふだんのアイ子からはそんな素振りはみじんも感じられなかった——。

キャスト

照崎アイ子(24) … 国仲涼子
矢吹昭平(40) … 陣内孝則
佐上 柾(24) … 瑛太
旗 ゆかり(24) … 白石美帆
       ●
田所 肇(40) … 筧 利夫
       ●
中村美紀恵(24) … 滝沢沙織
       /
佐上欣也(57) … 大杉 漣
高木ナツ(51) … 風吹ジュン

スタッフ

■脚本
  永田優子
■プロデューサー
  重松圭一(関西テレビ)
  稲田秀樹(共同テレビ)
■演出
  河野圭太(共同テレビ)
■音楽
  服部隆之
■制作
  関西テレビ
  共同テレビ

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