第10回 2005年3月15日(火)放送 あらすじ

#10 廃校!涙の訴え

 校庭で子供たちと遊んでいたアイ子(国仲涼子)は田所(筧利夫)から職員室に呼ばれた。「森の水分校は3月をもって廃校になります」。選挙で当選した新市長が決めたという。ナツ(風吹ジュン)は「せっかくここまで頑張ってきたのに」と唇をかみしめたが、佐上校長(大杉漣)は無念そうに言葉を飲み込んだ。「オレ、どうなっちゃうの?」。田所と昭平(陣内孝則)のやり取りを耳にした龍平(深澤嵐)にとってもショックは大きかった。分校が無くなれば4月から本校通いだ。分校が無くなれば、アイ子もこの村を出ていかざるを得ない。龍平から知らせを受けた子供たちはアイ子の下宿先に駆けつけた。「オレ達、もっとここに残りたい」。
 龍平が帰宅すると食堂のカウンターに美紀恵(滝沢沙織)がいた。田所と待ち合わせらしい。やがて田所が嬉々として現れた。デートの誘いと思いきや、美紀恵は新しい宅配サービスのチラシを田所に渡しに寄っただけだった。これを見て龍平はひらめいた。「偉い人のとこに持ってって、廃校を止めてくださいってお願いする!」。早速子供たちは手分けして、分校存続のチラシを作り始めた。柾(瑛太)とゆかり(白石美帆)はおにぎりを差し入れした。やがてアイ子も紙袋をかかえて応援にやって来た。チラシ作りは大人たちも巻き込んで夜遅くまで続けられた。
 翌日、出来上がったチラシを配り始めて計算違いに気付いた。この村はあまりに人が少なすぎた。配りたくても誰も歩いていない。「大丈夫! まだ他に方法はあります」。いつもと変わらないアイ子の笑顔に子供たちは元気を取り戻した。ホームページで山村留学の素晴らしさを紹介し、それぞれ都会の学校のクラスメートにもサポートを頼んだ。そして子供たちは村の民家を一軒ずつ訪ねて、分校存続のための署名活動に取り組んだ。集まった署名の束を子供たちはうれしそうに眺めた。
 アイ子と柾は子供たちを引率して市役所を訪れた。「分校を無くさないでください」。龍平が代表して集めた署名を差し出したが、応対した職員は多忙を理由に市長との面会を撥ね付けた。しかもアイ子は教育委員会から「こういうことをされると困る」とクギを刺された上で、アイ子の東京での教え子が家出したことを告げられた。アイ子の出した手紙が原因で、母親はアイ子がそそのかしたのだと言っているらしい。「これ以上、児童を巻き込むような真似はやめてください!」。教育委員会のスタッフは、厳しい口調でアイ子に命じた。
 アイ子が校庭で遊ぶ子供をぼんやり眺めていると、ナツが「背中、寂しそうよ」と声をかけてくれた。「彼は私にどうしてほしいんでしょう」「会いたいのよ、あなたに。電話かけてあげたら」。アイ子はためらったが、意を決すると生徒の自宅へ電話をかけた──。

キャスト

照崎アイ子(24) … 国仲涼子
矢吹昭平(40) … 陣内孝則
佐上 柾(24) … 瑛太
旗 ゆかり(24) … 白石美帆
       ●
田所 肇(40) … 筧 利夫
       ●
中村美紀恵(24) … 滝沢沙織
       /
佐上欣也(57) … 大杉 漣
高木ナツ(51) … 風吹ジュン

スタッフ

■脚本
 永田優子

■プロデューサー
 重松圭一(関西テレビ)
 稲田秀樹(共同テレビ)

■演出
 高橋伸之(共同テレビ)

■音楽
 服部隆之

■制作
 関西テレビ
 共同テレビ

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