第8回 2003年5月27日(火)放送 あらすじ

#8 ボロもうけ占い師の巧妙手口

 「二課に負けないように、まともな仕事しろ」。蔵持(東幹久)は、朝から三課の部下たちに当たり散らした。ライバルと目される黒鉄(金子昇)統括官率いる二課が、最近マスコミで注目を集めている占い集団“アルカの宙(そら)”の強制調査に入ったからだ。ところが調査は空振りに終わった。“アルカの宙”主宰である野間木萌(吉田日出子)の部屋の水槽からは3億円ほどの現金が見つかったが、萌は顧問を務めている企業から預かっているだけと主張した。「禊ぎが済みしだい、すみやかにお返しします」。萌の言うとおり、たしかに預かり書が出てきたから、脱税の証拠ではないというわけだ。
 強制調査が失敗に終わり、マスコミは萌が国税局の調査を予知していたのでは、とはやしたてた。萌の評判はさらに高まる一方、二課の失敗は国税局全体の威信失墜となった。「脱税を逃れたのだとしたら見逃すわけにいかん」。いつもは自分の出世のことしか頭にないはずの蔵持が、三課のメンバーに内偵を命じた。
 萌は秘書の角田房子(内田春菊)を連れて顧問の企業まわりをしてご神託を伝えていた。年間8億円とウワサされるこの顧問料に、個人相手やホームページでの占いの収入が加わる。占い料は銀行口座に振り込まれるため、その収入は透明だ。
 高い的中率を誇る萌の占いのカラクリを突き止めることが、今回の脱税摘発のカギとにらんだ加音子(江角マキコ)は、富永(三宅健)に占い客を装わせ、萌の元へ向かわせた。
 「あなたはひょっとして公務員では?」。萌の指摘に富永は正体がバレたかとあわてた。じっと2人の会話を聞いていた加音子は、大学院の心理学科を出ている萌は精神分析に長けている、という情報をつかみ、ついに彼女の占いのトリックを見抜いた。インテリの萌は、精神分析以上に、かなり緻密なデータ分析をしていたのだ。そしてなかには部外秘のデータを萌に利用されたことによって、社会的にまっ殺された人々もいた。三課はその被害者から耳寄りな情報を得た。どうやら脱税の手口を解くカギが見えてきたようだ。
 そんな矢先、萌が緊急入院したというニュースが飛び込んできた。三課が被害者に接触したことが萌に伝わったようだ。これは明らかに、国税局の動きを察知した査察逃れだ。
 相手の言動から様々な情報を引き出す萌の元に潜入捜査に入るにはかなりの危険をともなうが、やるしかない。花屋に扮した両子(猫背椿)が隠しカメラを仕掛けた鉢植えを萌の病室に届けた。トラックの指令本部に元気な萌の姿が映しだされた。「やっぱり仮病でしたね」。深夜の警備員の巡回が終わり、秘書も帰った病室には萌が1人きり。「よし、ミッション開始!」。蔵持がゴーサインを出した─。

キャスト

円谷 加音子(35)・・・江角 マキコ
財津 一臣 (37)・・・香川 照之
富永 満  (24)・・・三宅 健
宝生 千寿 (22)・・・池田 真紀
高畑 力  (26)・・・永井 大
安田 靖緒 (33)・・・佐藤 二朗
河瀬 両子 (34)・・・猫背 椿
蔵持 不二夫(33)・・・東 幹久

(第8話ゲスト)
野間木 萌 (?)・・・吉田 日出子
角田 房子 (45)・・・内田 春菊
             ほか

スタッフ

■脚 本
 戸田山雅司
■音 楽
 住友紀人
■演 出
 石川 剛
■プロデューサー
 安藤和久(関西テレビ)
 指田貴行(アズバーズ)
 神山明子(アズバーズ)
 塚田哲也(アズバーズ)
■制 作
 関西テレビ放送
 アズバーズ

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