第5回 2003年5月6日(火)放送 あらすじ

#5 絶体絶命芸能プロ危険なワナ

 三課は、先日の調査で入手した架空口座の顧客リストを元に、大手芸能プロダクション、マイザー・プロダクションの内偵を始めた。下請け制作会社からの水増し請求、地方興行の裏ギャラ、架空イベントのでっちあげなど、たちまちその脱税手口が明らかになった。会長の大河原義光(佐渡稔)はその裏金で毎夜豪遊。金使いの荒さはハンパじゃないが、それよりも多額の裏金の使途は不明だ。三課始まって以来の大口脱税に、メンバーの士気は高まった。
 そんな矢先、統括官の蔵持(東幹久)は査察部長の納谷利章(佐戸井けん太)に、国税局OBの税理士・荻杜文吾(村井国夫)を引き合わされた。荻杜の税理士事務所はマイザープロの顧問を任されているから間違いはない、調査から手を引け、という。脱税は明らかなのに、一課も二課も摘発に動かなかった理由は、上からの圧力があったからだ。国税局OBの税理士は、辞めた後も発言力が強く現場への隠然たる影響力をもっているのだ。
 蔵持の報告を受け、加音子(江角マキコ)、財津(香川照之)、両子(猫背椿)らは無念さを押し殺して、調査中止を受け入れた。しかし、キャリアの浅い富永(三宅健)や高畑(永井大)は、OBの言いなりになることに不満をもらした。マイザープロから手を引く代わりに、査察部長から回されてきたパチンコ店の調査にも熱が入らない。「これは統括命令なんです。皆さんには納得していただくしかありません」。財津はそうは言ってみたが、自分自身、釈然としない気持ちはぬぐいきれなかった。
 ふと気付くと、加音子の姿が見当たらない。財津がもしやと駆けつけると、やはり単独で大河原の身辺を探り脱税の証拠をつかもうとしていた。「この案件は危険です。手伝うわけにはいきません」。しかし加音子は財津の忠告に耳を貸さず、ひとり内偵を続けた。
 加音子は大河原の向かった高級焼肉店に客を装って潜入した。遅れて荻杜と議員バッジをつけた男がやってきた。隠しマイクで個室のやりとりを盗聴していると、脱税の手口や選挙情報などアブナイ話が次々と飛び出してきた。裏金の振込先のリストも手渡されたようだ。3人が席をたったスキを狙い、加音子は個室に忍びこんで封筒の中のリストを見ると、中身は白紙。さらに封筒の中からは札束が落ちてきた。その時、部屋のドアが開き、店員と荻杜たちが入ってきた。札束を手にしていた加音子は泥棒だと警察に通報されてしまった。国会議員だと思いこんだ男は大河原の部下で金庫番の佐伯(来須修二)。加音子の動きを予見していた荻杜のワナにまんまとはめられてしまったのだ。
 加音子は無期限の謹慎を命じられた。追って正式な処分が下る。「あの時思いとどまらせてたら」。唇をかみしめる財津の姿に、他のメンバーも沈痛な表情になった。加音子はデスクの整理をしながら、父親もマルサの人間だったことを話し始めた。ある脱税の内偵中にやはり国税局OBの税理士から圧力がかかったが、中止を命じた上司と対立してまで父親は調査を続け、失意のうちに亡くなってしまった。「でも父のことは関係ありません。見逃していい脱税なんて存在しない」。加音子の告白に財津らメンバーは奮い立った。「正式な処分が下る前に、マイザープロと大河原の脱税を明らかにしないと」。かくして大逆転ミッションを仕掛けることになった——。

キャスト

円谷 加音子(35)・・・江角 マキコ
財津 一臣 (37)・・・香川 照之
富永 満  (24)・・・三宅 健
宝生 千寿 (22)・・・池田 真紀
高畑 力  (26)・・・永井 大
安田 靖緒 (33)・・・佐藤 二朗
河瀬 両子 (34)・・・猫背 椿
蔵持 不二夫(33)・・・東 幹久
         ●
(第5話ゲスト)
荻杜 文吾(57)・・・村井 国夫
大河原 義光(54)・・・佐渡 稔
            ほか

スタッフ

■脚 本
 戸田山雅司
■音 楽
 住友紀人
■演 出
 若松節朗
■プロデューサー
 安藤和久(関西テレビ)
 指田貴行(アズバーズ)
 神山明子(アズバーズ)
 塚田哲也(アズバーズ)
■制 作
 関西テレビ放送
 アズバーズ

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