剣客商売(2003年)

第1回 2003年1月21日(火)放送 あらすじ

第1話 『陽炎の男』

 秋山小兵衛(藤田まこと)悠々自適の日々が続く。おはる(小林綾子)との仲も良い。初夏のある日、佐々木三冬(寺島しのぶ)が小兵衛を訪ねた。三冬は老中・田沼意次の娘だが正室の子ではない。剣術を好み、若衆髷の男装である。
 三冬は最近おかしな夢を見る。ゆらゆらと陽炎が立つ向こうから、顔かたちの分からない男が向かって来る。それで目がさめる。そう聞いて、小兵衛もおはるも首をかしげた。 そんなところへ、剣の修業の旅に出ていた息子の大治郎(山口馬木也)が帰ってきた。久々に不二楼で、三人そろってうまいものを食べる秋山一家である。
 根岸の里に住む三冬に異変が起こる。大場平七郎(伊藤洋三郎)という男と浪人二人が家に入ろうとしている。入浴中の三冬はあわてて着物を着、刀の柄に手をかけて、「老中田沼殿が縁の家と知ってか」と言う。その気迫に押されて男たちは逃げた。
 その夜三冬はまた、陽炎の男の夢を見た。今度は男が三冬を後ろから抱きしめて走り去った。目覚めると三冬は自分の乳房をつかんでいた。
 怪しい男たちに心当たりはなかった。三冬の報告で小兵衛は、大治郎を警護のために、三冬が住む根岸の和泉屋の寮にしばらく行かせることにする。小兵衛宅を出る大治郎と三冬を見たおはるは、「あの二人、お似合いだね」と言った。
 和泉屋は三冬の母の実家の書物問屋。小兵衛の指示で、どんないきさつで寮を手に入れたかを調べることにする。三冬と大治郎が和泉屋に行った。互いに気が強いために牽制しあう二人である。しかし、無意識のうちに、どこかで惹かれあっているようでもあった。 和泉屋の話では、寮は同業者から買ったが、その前の持ち主は井村松軒(西田健)という医者だった。岡っ引きの四谷の弥七(三浦浩一)と、傘屋の徳次郎(山内としお)が和泉屋の身辺を当たる。
 実は松軒は以前、清洲の佐平次(草薙幸二郎)という盗賊と組み、往診した家の間取りや家族構成、閉じまり状態などを教えていた。佐平次が京都の隠れ家に引っ込むとき、根岸の家を譲られた。三年前に老いた佐平次から京都に呼ばれ、その死を見取った。死ぬ間際に佐平次は、「根岸の家に三百両隠してある。世話になった礼に自由にしろ」と言った。そこでならず者の平七郎を雇って、床下の金を持ち出すために根岸の寮に押し込もうとしたのだ。
 弥七がそこまで調べ切った訳ではないが、小兵衛にも、一味が再び根岸に押し込むだろうことは予測がついた。
 その夜が来た。平七郎、松軒、雇われた浪人合わせて七人が寮に忍び込もうとする。迎えるのは大治郎と三冬、それに大治郎のただ一人の弟子である飯田粂太郎(尾上寛之)だ。粂太郎が用意してあったかがり火をたく。闇に紛れてと思っていた一味はあわてて、次々と倒されるが、大治郎が「殺すな」と声はかけている。一段落したところに小兵衛も姿を見せた。
 その夜三冬が見た夢では、陽炎の中の男の顔ははっきりと大治郎と分かるようになっていた。朝、目覚めた三冬は「大治郎様・・・」とつぶやいいた。力を合わせて賊を撃退したことで、二人の距離は急速に縮まっていた。
 昼ごろ、三冬は小兵衛宅に大治郎を訪ねた。大治郎は不在だったが、おはるは、三冬の唇に薄く紅が差してあるのを見逃さなかった。

キャスト

秋山小兵衛   …… 藤田まこと
秋山大治郎   …… 山口馬木也
佐々木三冬   …… 寺島しのぶ
おはる     …… 小林綾子

不二楼おもと  …… 梶 芽衣子
四谷の弥七   …… 三浦浩一
板前の長次   …… 木村 元
傘屋の徳次郎  …… 山内としお
おみね     …… 佐藤恵利
およね     …… 江戸家まねき猫
飯田粂太郎   …… 尾上寛之

井村松軒    …… 西田 健
大場平七郎   …… 伊藤洋三郎
お照      …… わかいのぶこ
清洲の佐平次  …… 草薙幸二郎
和泉屋吉右衛門 …… 田畑猛雄
秋田屋太兵衛  …… 水上保広
文七      …… 三島嘉崇
浪人1     …… 柴崎 滋
浪人2     …… 円堂耕成

スタッフ

企     画 … 市川久夫
          金井卓也(フジテレビ)
          武田 功(松竹)
プロデューサー … 能村庸一(フジテレビ)
          佐生哲雄(松竹)
原     作 … 池波正太郎(新潮文庫刊)
脚     本 … 金子成人
音     楽 … 篠原敬介
監     督 … 井上 昭
撮     影 … 江原祥二
照     明 … 中島利男
美     術 … 西岡善信
殺     陣 … 宇仁貫三
料 理 監 修 … 近藤文夫(銀座 近藤)

ナレーター   … 橋爪 功

制 作 協 力 … 松竹京都映画株式会社
制     作 … フジテレビ
          松竹株式会社

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