偽りの花園
不可解な離婚
美禰子は、顕彦に別れをきりだす。理由も告げずに一方的に別れをきりだす美禰子に、怒りがわいてくる顕彦。そんなとき、顕彦に召集令状が届く。美禰子は悔恨に苛まれながら、出征する顕彦を見送る。それから半年後、戦争は終結する。昭和二十四年六月。顕彦と強引に別れた美禰子は、新橋の店を一人で切り盛りしていた。ある日、ひかるは友達の志穂里に連れられて、志穂里の叔母・とき子の経営する喫茶店へ行く。そこで、偶然、進一と五年ぶりに再会する。新劇女優だというとき子は、顕彦の知り合いだった。