偽りの花園
美琶子は義父・権蔵を嫌い、実家へ寄り付かなかった。権蔵は特高刑事で、丹との間に美琶子の弟にあたる直雄がいた。美琶子は実の父親については何も知らされていなかったが、実は高貴な血筋だった。美琶子は美禰子より自分をきれいに描くという条件つきで、夢州の絵のモデルになる。純情可憐な美禰子に対して、奔放な美琶子は夢州を誘惑する。陸軍士官学校へ行っている美禰子の兄・武夫が、友人の海軍大学生・羽生を連れて矢作家へ帰ってくる。武夫は羽生と美禰子との見合いをお膳立てする。美禰子と美琶子の絵が完成。美禰子は喜ぶが、美琶子は墨で絵を塗りつぶそうとする。