アットホーム・ダッド
#6 苦しい時主夫頼み
幼稚園でシンデレラの劇をすることになり、理絵(安藤咲良)がシンデレラ役に選ばれた。「ほーら、ちちんぷいぷい」。和之(阿部 寛)は家事そっちのけでつきあわされている。「パパ、下手ー」。「シンデレラ~、ほーら、ちちんぷいぷい!」隣の家で洗濯物を取り込んでいた優介(宮迫博之)も芝居っ気たっぷり練習に参加した。ちなみに亮太(吉川史樹)はネズミ役だが、なにしろ引っ込み思案だから、いまから本番が思いやられる。
健児(永井 大)が冴子(滝沢沙織)のアパートを訪れると、劇で使う小道具作りのお手伝い。2人で作っていると真理江(川島なお美)から電話がかかってきた。「どうした?」。電話を切った冴子は健児が心配するほど暗い表情になっていた。
「あの人は私を専業主婦に戻すって発想しかないみたい」。美紀(篠原涼子)は笙子(中島知子)についグチをこぼした。編集長の上田(中村繁之)から正社員にならないかと打診されていた。美紀には願ってもない申し出だが、和之はいい顔をしないだろう。「ケンカする覚悟でちゃんと話し合うしかないか」。
和之が理絵を幼稚園に送り届けると、冴子から真理江が劇の台本にクレームをつけてきたことを打ち明けられた。「相談にのっていただけますか?」「はあ」。和之はその場かぎりの話だと思っていたら、優介と買い物から戻ってくると冴子が本当に自宅前で待っていた。「私、もう、どうしていいんだか…」。
「僕が台本の書き直しを手伝いますよ」。可愛い冴子の頼みに、なんと優介が自信たっぷりに約束してしまった。安心した冴子が帰ると、優介は和之の腕をつかんだ。「一緒に考えるんだよ。CMディレクターで得意分野でしょ」「…」。結局、和之が手伝うハメになった。
ところが、冴子からは「あくまでも内緒で」と念を押されたのに、一番知られたらまずい真理江の耳に入ってしまった。いつものスイーツクラブで、二人は厳しい目で主婦たちに睨まれ、あれもこれもと台本に注文をつけられてしまった。結局は、和之が修正を入れることになってしまった。優介までが「実はお願いがあってさ」と頭を下げた。亮太のセリフを減らしてほしいという。「あいつに劇は無理なんだ」「断る!」。みんな人の苦労も知らないで勝手ばかり言う。
和之と美紀も険悪なムードになっていた。「正社員にならないかって誘われたの」「俺の仕事が決まったら理絵の世話はどうするんだ? 俺が働けば生活の心配ないんだぞ!」「私はただ自分を大切にしなきゃ、家族も大切にはできないって思うだけ」。美紀の切実な思いは和之には届かないのか…。和之は鬱々と物思いにふけっていたが、やがてパソコンに向かって、真剣な顔でシンデレラ劇の原稿を打ち始めた…。
シンデレラ劇を披露する当日がきた。仕事が入ったという美紀に、理絵は元気がなくなった。「ママ、来れないの?」「行くよ。理絵のシンデレラ見たいもん」。その一言で理絵は笑顔になったが、和之は面白くない。「こんな日に仕事なんか入れて」「劇には間に合わせるわ。仕事続けても、こういうことまで犠牲にするつもりないの」。2人はまだ気まずいムードをひきずっていた。
劇の開幕直前になって美紀は飛び込んできた。「でも私、やっぱり仕事続けるなんて無理かな。理絵を不安にさせてると思うと気が気じゃなくて。」「えっ?」。思いがけない一言で和之がハッとなったと同時に、劇が始まった。一方、優介と笙子は、不安そうな顔で、亮太を見守っている。
舞台には理絵をふくむ3人のシンデレラと姉達。姉達は言う。「あー、外で働くってとっても大変」「あなたはうちにいるだけ。楽でいいわね…」。美紀は何も言わず、横目で和之を見た。もちろんセリフを書いたのは和之だが、当の本人は、そしらぬ顔で前を見ている。シンデレラ劇には、和之からのメッセージがこめられているのか!?
健児(永井 大)が冴子(滝沢沙織)のアパートを訪れると、劇で使う小道具作りのお手伝い。2人で作っていると真理江(川島なお美)から電話がかかってきた。「どうした?」。電話を切った冴子は健児が心配するほど暗い表情になっていた。
「あの人は私を専業主婦に戻すって発想しかないみたい」。美紀(篠原涼子)は笙子(中島知子)についグチをこぼした。編集長の上田(中村繁之)から正社員にならないかと打診されていた。美紀には願ってもない申し出だが、和之はいい顔をしないだろう。「ケンカする覚悟でちゃんと話し合うしかないか」。
和之が理絵を幼稚園に送り届けると、冴子から真理江が劇の台本にクレームをつけてきたことを打ち明けられた。「相談にのっていただけますか?」「はあ」。和之はその場かぎりの話だと思っていたら、優介と買い物から戻ってくると冴子が本当に自宅前で待っていた。「私、もう、どうしていいんだか…」。
「僕が台本の書き直しを手伝いますよ」。可愛い冴子の頼みに、なんと優介が自信たっぷりに約束してしまった。安心した冴子が帰ると、優介は和之の腕をつかんだ。「一緒に考えるんだよ。CMディレクターで得意分野でしょ」「…」。結局、和之が手伝うハメになった。
ところが、冴子からは「あくまでも内緒で」と念を押されたのに、一番知られたらまずい真理江の耳に入ってしまった。いつものスイーツクラブで、二人は厳しい目で主婦たちに睨まれ、あれもこれもと台本に注文をつけられてしまった。結局は、和之が修正を入れることになってしまった。優介までが「実はお願いがあってさ」と頭を下げた。亮太のセリフを減らしてほしいという。「あいつに劇は無理なんだ」「断る!」。みんな人の苦労も知らないで勝手ばかり言う。
和之と美紀も険悪なムードになっていた。「正社員にならないかって誘われたの」「俺の仕事が決まったら理絵の世話はどうするんだ? 俺が働けば生活の心配ないんだぞ!」「私はただ自分を大切にしなきゃ、家族も大切にはできないって思うだけ」。美紀の切実な思いは和之には届かないのか…。和之は鬱々と物思いにふけっていたが、やがてパソコンに向かって、真剣な顔でシンデレラ劇の原稿を打ち始めた…。
シンデレラ劇を披露する当日がきた。仕事が入ったという美紀に、理絵は元気がなくなった。「ママ、来れないの?」「行くよ。理絵のシンデレラ見たいもん」。その一言で理絵は笑顔になったが、和之は面白くない。「こんな日に仕事なんか入れて」「劇には間に合わせるわ。仕事続けても、こういうことまで犠牲にするつもりないの」。2人はまだ気まずいムードをひきずっていた。
劇の開幕直前になって美紀は飛び込んできた。「でも私、やっぱり仕事続けるなんて無理かな。理絵を不安にさせてると思うと気が気じゃなくて。」「えっ?」。思いがけない一言で和之がハッとなったと同時に、劇が始まった。一方、優介と笙子は、不安そうな顔で、亮太を見守っている。
舞台には理絵をふくむ3人のシンデレラと姉達。姉達は言う。「あー、外で働くってとっても大変」「あなたはうちにいるだけ。楽でいいわね…」。美紀は何も言わず、横目で和之を見た。もちろんセリフを書いたのは和之だが、当の本人は、そしらぬ顔で前を見ている。シンデレラ劇には、和之からのメッセージがこめられているのか!?