第10回 2004年6月15日(火)放送 あらすじ

#10 主夫は暇なし

 「一緒にどう?」。優介(宮迫博之)が近所のスーパーでパートしようかなと言い出して、和之(阿部寛)も誘われた。確かに家事にも慣れてスポーツクラブで健児(永井大)相手に暇つぶしをしていることもしばしば。なにより妻に気がねなく使えるお金がほしい。けれど和之は、自分がスーパーで働いている姿を想像できない。
 「家事も今までどおりちゃんとやってね」。笙子(中島知子)が認めてくれたので、優介は早速パートを始めた。そうなると真理江(川島なお美)のスイーツクラブに参加する男性は和之だけ。「なんだかいじめたくなっちゃう感じ?」。なんとも居心地が悪い。優介に訴えると「自分だってパートすりゃいいじゃん」。レジ以外にも商品の運搬や検品の仕事もあると言われ、和之も考えてみる気になった。
 「えー、ダメよ」。美紀(篠原涼子)は反対した。家事や理絵(安藤咲良)の世話、それに就職活動はどうするのか。「それはそれでするよ。俺が働くのにおまえの許可がいるのか!」。数カ月前とそっくり同じ口論だ。もっともあの時、夫婦の立場は反対だったが…。
 「専業主夫してるとストレスがたまるのよ。やらしてあげたら」。笙子のアドバイスで美紀は夫の気持ちを理解した。「パート、やってみたら」「家事もちゃんとやるから」。和之は主夫業との両立を誓った。
 パート初日。和之の仕事は裏方の品出し。「分からなかったら私に聞いてください」。責任者の村田(小林すすむ)はそう言ってくれたが、一歩売り場にでれば、主婦たちからあれこれ聞かれて、早くも和之はパニック寸前。倉庫でもリフトの操作に手間どり、冷凍庫では寒さに震えた。「どうだった?」「そのうち慣れるさ」。優介にはそう答えたが、初日のパートを終えた和之はもうダウン寸前。
 しかも帰宅すれば家事が待っている。「パパ、お絵描きしたいの」「忙しいから後でな」。美紀も会社から持ち帰った仕事に掛かり切りだから、どちらからもかまってもらえない理絵はご機嫌ななめ。
 優介はスーパーでの勤務ぶりが評価されて村田から契約社員になってみないかと打診された。「でも、子供が生まれるから無理だよ」。
 片や和之はすっかり嫌気がさしていた。掃除・洗濯は片付かないし、夕食は冷凍食品でごまかしている。美紀に気づかれるのは時間の問題だ。「…やっぱ辞めよ」。
 そう思っていた矢先、和之は、店内の飾りつけに困っている村田を見かけた。「赤色を足したらどうですか?」。さらに小道具から麦わら帽子を取り出してきた。「この方が目を引きますよね。」すっかり感心した村田は和之に頼んだ。「へえ、CMディレクターなんですか。どうりでセンスがあると思った。明日のディスプレーも手伝ってもらえませんか」。明日は土曜日だから本来は休みだが、そんなにふうに頼まれたら和之も悪い気はしない。パートを辞めたい気持ちは、どこかに行った。
 ところが急きょ土曜日、真理江の自宅で親子参加のお好み焼きパーティーが開かれることになった。休みの美紀に理絵を連れていってもらえばいい。ところが美紀もトラブルでやり直した原稿を、ギリギリで入稿しなければならないと言う。理絵を1人きりで行かせるわけにはいかない。「そっちはパートだから休めるでしょ」
 「パ、パートをバカにしてるな」。「あなただって、私の仕事、バカにしてるじゃない!」言い争う姿をドアの陰から理絵がこっそり見ていた。
 結局は亮太(吉川史樹)と出かける優介に頼むことになった。「お仕事頑張ってね」。理絵は物分かりよく、笑顔で両親を送りだしてくれた。「あ、ゲーム取って来ていい?」優介にそう言って、家に戻った理絵は、床にMOが落ちているのを見つけた。
 パーティーには、健児も顔を見せた。「なんか、うちが息苦しくて」。念願だった冴子(滝沢沙織)のアパートで、無理やり同棲を始めてみたが、冴子が家事の分担を主張してゆずらない。期待していた甘いムードなどみじんもないというわけ。お好み焼きを待っている間、健児にMOに書いてある文字を読んでもらった理絵は、黙り込んでしまった。
 「さあ、できたよ」。できあがったお好み焼きを、子供たちに配り始めた優介の表情が変わった。理絵がいなくなってしまったのだ─。

キャスト

山村和之 … 阿部 寛
杉尾優介 … 宮迫博之
山村美紀 … 篠原涼子
杉尾笙子 … 中島知子
大沢健児 … 永井 大
倉本冴子 … 滝沢沙織
上田 聡 … 中村繁之
岩崎真理江 … 川島なお美

スタッフ

■脚本
  尾崎将也
  旺季志ずか
■プロデューサー
  安藤和久(関西テレビ)
  東城祐司(MMJ)
  伊藤達哉(MMJ)
■演出
  塚本連平(MMJ)
  二宮浩行(MMJ)
  三宅喜重(関西テレビ)
■音楽
  仲西 匡
■制作
  関西テレビ
  MMJ

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