2025年6月18日更新
デジタル紙芝居「朗読講座」
先生:奥寺健アナ/山中章子アナ
今回の『あなせん』は、小児科病棟に入院する子どもたちと、デジタル紙芝居を群読する「特別編」です。この企画のはじまりは、病室にいる子どもたちとリモート会議の形でつながり、アナウンサーが子どもたちの名前を呼んで声をかけつつ、読み聞かせをするプランでした。
ただ、せっかくリモートで繋がるなら、双方向のやりとりにしたいこと、また、群読して作品を作りあげる楽しさを感じてもらいたいこと、学校で学ぶ機会の補完になることなどをアイディアに加えて検討を重ね、この形になりました。
フジテレビのHPやYouTubeで既に公開されているデジタル紙芝居「ふきのとう」の“カラオケ版”を使って、入院中の子どもたちとリモートで群読しました。「ふきのとう」は多くの小学校で使われている光村図書の小学2年国語の教科書に出ている作品で、私自身も小学生の時に学校で学んだ懐かしい短編です。
入院中の子どもたちの体調が最優先であるため、参加者が誰なのか、直前までわかりませんでしたが、10人近い子どもたちと、そのご家族、さらにいつも病院でサポートしてくださっている看護師さんや職員の方々が集まってくれました。就学前のお子さんや、頼りになる中学生のお姉さんもいて、それぞれ、台詞やト書き、効果音などを分担して、即席の劇団のように、みんなで「ふきのとう」を演じ分けました。
ひとりひとりの体調と相談しながら、一つの作品を介して『あなせん』を体験できたのは、この病院の医師(通称“ギカちゃん)と、目の回るような忙しさの中、笑顔を絶やさずサポートしてくださった病院関係者の方々や、ご家族の理解があったからだと思いました。入院中の子どもたちに何が大切なのかを常に問うていらっしゃることが、とても伝わってきました。
『あなせん』デジタル紙芝居「特別編」が、今後、より多くの医療施設の子どもたちが体験できるものになるよう、さらに工夫を重ねたいと思いました。
奥寺アナと訪れたのは埼玉医科大学総合医療センター。『あなせん』特別授業として入院中の6ヶ月から14歳までの子どもたち9人と、「ふきのとう」の群読をしてきました。
「みんなで絵本を読もう」と緩和医療科の儀賀先生が子どもたちを集めて始まったのですが、そこから色々な仕掛けがあって、私と奥寺アナは最初はオンライン上で登場し、その後、子どもたちが集まっている部屋をサプライズで訪れました。
奥寺アナ指揮のもと、読みたい部分を挙手で決めて、朗読スタート。2人のお姉さんがリードしてくれたり、4歳の女の子が「ふぅ~」っという部分を元気よく読んでくれたり、お父さんやお母さん、スタッフの方も参加してくれたりして、とても素敵なふきのとうになりました。2回目はさらにブラッシュアップされ、和やかで楽しいひとときを過ごすことができました。 実は、会の終了後、4歳の女の子は急に寂しくなってしまったようで、泣き出してしまったと後から聞き、胸がいっぱいになりました。
今回お手伝いしてくださったNPO法人の方が、フジテレビのHPに公開されている「ふきのとう」のイラストを事前にダウンロードして、かわいい絵本を作り、子どもたちにプレゼントしました。手作りのふきのとうの絵本を見て、今日のことを思い出してまた「ふぅ~」と声に出して読んでみて欲しいなと思います。
入院中の子どもたちはもちろん、親御さんにとっても気分転換になっていたら嬉しいです。 貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。