東京湾景~Destiny of Love~
#2 生きていた恋人
木本美香(仲間由紀恵)は、亡き母、金優里(仲間・二役)の日記と出会い、恋や人生に自分と同じ悩みを持っていたことを知る。在日韓国人としての悩み…。『本当の私を見つけてくれますか?』。この切なる願いが、日記を読み終えた美香を出会い系サイトで知り合った和田亮介(和田聡宏)のもとへと走らせた。倉庫で美香と再会した亮介は、大衆居酒屋『海岸酒場』へと誘う。
2人で飲み始めると、亮介は『もう一度、会いたい』と美香にメールしたのはウソではないと切り出す。涼子と名乗る美香の容姿や、滅多に知り合える世界の人間ではない雰囲気にもう一度会いたくなったと亮介は正直。だが、美香はなぜ亮介の誘いに乗ったのかをはぐらかす。そんな美香の謎も、亮介は少しずつ分かった方がワクワクすると言う。美香と亮介が『海岸酒場』から出てくるのを、大杉健(哀川翔)が目撃。なぜか慌てて戻ろうとすると、小山ヒロシ(速水もこみち)と山根真理(佐藤江梨子)が来た。亮介に声をかけるヒロシを制する大杉。大杉は、亮介の元恋人、真理を気遣ったのだ。しかし、時既に遅く、ヒロシの声に亮介と美香が振り返ってしまう。仕方なく、挨拶を始める大杉は亮介から美香を“涼子”と紹介されてハッとする。真理も、笑顔で美香に挨拶するのだが…。自宅に帰った美香は、母の日記帳を再びめくる。そして、日記帳の最後のページに挟まれていたブレスレットを自分の手首につけてみた。それは、母が心から愛した日本人青年(川端竜太)からプレゼントされたもの。
翌日、美香は編集長から早瀬佳男(佐藤隆太)と一緒に“和の心特集”の編集を命じられる。その夜、打ち合わせを兼ねてカラオケに行く美香と佳男。佳男は、韓国の血が流れていても“和の心特集”を任せられるぐらい、美香は日本人で2つの祖国を持っていると言い出す。そんなこと最初からわかっているのに、美香をふった川口守(山崎潤)など、早く忘れてしまえと励ます佳男。そんな佳男の言葉が、美香には嬉しい。そして、美香は特集のための取材対象を思いついた。
美香と佳男は古びた公民館を訪ねていた。“和の心特集”の取材に来たのだが、美香は佳男にある事を念押し。佳男は「大丈夫ですよ、涼子さん」と…。取材対象は、書道。書をたしなむ亮介が子供たちに指導する書道教室に来たのだが、ここでは美香の名は涼子。職業も隠しているので、佳男が亮介に書道を教わるという方法をとった。亮介が佳男の頼みに応じていると、大杉とヒロシがやって来た。大杉たちは亮介を飲みに誘いに来たのだが、佳男が自分たちも同席したいと言い出して…。
飲み場所は、大杉たちの定番『海岸酒場』。佳男は、大杉の職歴を聞いて盛り上がっている。次は亮介。自分の話はいいと断ると、横からヒロシが亮介は書道家になるために上京したと口を挟む。と、ヒロシは逆に質問を投げる。涼子=美香たちは、何をしているのかと。佳男は、大杉たちとは真逆の世界で生きているとヒントを投じた。
全員で『海岸酒場』を出ると、銭湯『海岸浴場』を通りかかる。大杉は佳男に、銭湯が自分たちの憩いの場だと紹介して、まだ盛り上がっている。少し離れて歩いていた美香は、一緒にいた亮介にどこで書道を勉強したのか尋ねる。すると亮介は、最愛の妹、涼子が死んだ時に出会った書に影響され、こんな字を自分も書いてみたいと思ったと語る。そのうち、亮介たちの社員寮に到着。別れ際、亮介はまた新しいことがふたつ分かったと美香に告げる。ひとつは、佳男という良い友達がいること。もうひとつは、美香たちが台場で働いていること。佳男のヒントから、亮介は気づいたのだ。
美香が仕事をしていると携帯が鳴る。相手は、幼馴染の井上弘一(中村俊介)だ。出版社のロビーからかけていると言う井上に、美香は懐かしさから会いに行く。ところが、井上が美香の父、正雄(石坂浩二)から自分の携帯番号を聞いたと知って複雑な思い。そんな美香を、井上は来週辺りでも食事をしようと誘うのだった。
美香は約束通り井上と食事。食事中、井上は美香が川口と別れたことを正雄から聞いたと言い出す。そして、井上は自分たちのように厳しい家庭は親の言に素直に従った方が良いと続ける。食後、美香を送る井上は、自分が昔から美香を1人の女性として見ていたと切り出す。突然の言葉に驚く美香。別れ際、失恋したての美香の心にずかずか入り込むような真似はしないが、一緒に食事するぐらいは良いだろうと言う井上。また、正雄の気持ちも分かってあげて欲しいと言う井上に、美香の心は和むのだが…。その頃、亮介は真理と食事。真理は、亮介が涼子=美香を気にしていると見抜いていた。その上で、真理は涼子と交際するのは止めた方がいいと言う。さらに、銭湯に行った亮介は大杉からも涼子とは住む世界が違いすぎるから諦めた方がよいと釘を刺されてしまった。
部屋に戻った美香は、小説家の神谷文(仲村トオル)に電話。母の日記を小説にする件を断ろうとする。だが、神谷が死んだと思われていた優里の相手青年が生きていたら、どうなったのか知りたくはないかと言ってきた。神谷は、優里の絵が見つかったと続ける。その絵の片隅に書かれた日付が、青年が亡くなった何年も後のものだと。神谷は、どうしても小説を書かせて欲しいと食い下がる。一方、亮介には実家から電話が入る。母の光代(岩本多代)からだ。光代は足の悪い夫、健介(夏八木勲)に電話を代わる。亮介は健介と近況報告を交換した。
その翌日、美香が仕事をしていると佳男が、その後、亮介から連絡がきたかと話しかけてきた。来てないと答える美香に、佳男は不思議そう。佳男は、美香と亮介がお似合いだと感じたのだ。佳男は、美香から連絡してみればと促す。だが、美香は亮介に本当の名前も教えていないし、失恋した気持ちを紛らわすために利用しているだけかもと答える。すると佳男は、でも美香は亮介といて安らぐだろうと言う。自分といる時も川口の時も、亮介と一緒にいる美香の表情は見たことがないと佳男。家に帰った美香は、妹の紀香(ソニン)から正雄が待っていると告げられる。美香は正雄の書斎へ。正雄は、井上と会った感想を美香に聞く。美香を井上と結婚させようとしているのだ。美香は、結婚相手は自分で決めると言うのだが、正雄は山口を例に見つけられなかったではないかと反論されてしまう。廊下に出ると、紀香がきっと強い人が現れると美香を励ます。祖母の貞姫(森康子)も、思い切り泣いて、必ず戻って来いと美香に優しく声をかけた。
悔しさに、一日中街をさまよう美香。放心状態の美香は、人に押されて携帯を落としてしまう。道行く人に蹴飛ばされても、美香は携帯を拾う気も無い。だが、その時、携帯が鳴った。着信名は亮介。一瞬、迷った美香だが電話に出ると亮介は、今から来て欲しいと、とある公園を教えた。美香が公園に行くと、亮介は屋台のタコ焼き屋にいた。亮介は、屋台のおじさんに“タコ無し”のタコ焼きを注文。それは、以前、タコ嫌いの美香があったらいいと亮介に語っていたもの。泣きはらした美香に笑顔が戻る。タコ無し焼きを食べる美香と亮介。美香は、自分の本当の名前を教えようとした時、雨が降り出した。雨宿りの場所を求めて走る美香と亮介。亮介の腕は、自然に美香の肩を抱いていた。大きな木の下に避難すると、亮介は美香にもらってほしいと額縁に入った自分の書を差し出した。美香を思って書いたと言う書は『私』と書かれていた。さらに、亮介は住む世界は違うが美香のことが気になると言う。美香がどこの誰でもかまわない。東京湾を見つめ、美香が向こう側にいるのなら、海を泳いででもたどり着いてみせると亮介に…。
2人で飲み始めると、亮介は『もう一度、会いたい』と美香にメールしたのはウソではないと切り出す。涼子と名乗る美香の容姿や、滅多に知り合える世界の人間ではない雰囲気にもう一度会いたくなったと亮介は正直。だが、美香はなぜ亮介の誘いに乗ったのかをはぐらかす。そんな美香の謎も、亮介は少しずつ分かった方がワクワクすると言う。美香と亮介が『海岸酒場』から出てくるのを、大杉健(哀川翔)が目撃。なぜか慌てて戻ろうとすると、小山ヒロシ(速水もこみち)と山根真理(佐藤江梨子)が来た。亮介に声をかけるヒロシを制する大杉。大杉は、亮介の元恋人、真理を気遣ったのだ。しかし、時既に遅く、ヒロシの声に亮介と美香が振り返ってしまう。仕方なく、挨拶を始める大杉は亮介から美香を“涼子”と紹介されてハッとする。真理も、笑顔で美香に挨拶するのだが…。自宅に帰った美香は、母の日記帳を再びめくる。そして、日記帳の最後のページに挟まれていたブレスレットを自分の手首につけてみた。それは、母が心から愛した日本人青年(川端竜太)からプレゼントされたもの。
翌日、美香は編集長から早瀬佳男(佐藤隆太)と一緒に“和の心特集”の編集を命じられる。その夜、打ち合わせを兼ねてカラオケに行く美香と佳男。佳男は、韓国の血が流れていても“和の心特集”を任せられるぐらい、美香は日本人で2つの祖国を持っていると言い出す。そんなこと最初からわかっているのに、美香をふった川口守(山崎潤)など、早く忘れてしまえと励ます佳男。そんな佳男の言葉が、美香には嬉しい。そして、美香は特集のための取材対象を思いついた。
美香と佳男は古びた公民館を訪ねていた。“和の心特集”の取材に来たのだが、美香は佳男にある事を念押し。佳男は「大丈夫ですよ、涼子さん」と…。取材対象は、書道。書をたしなむ亮介が子供たちに指導する書道教室に来たのだが、ここでは美香の名は涼子。職業も隠しているので、佳男が亮介に書道を教わるという方法をとった。亮介が佳男の頼みに応じていると、大杉とヒロシがやって来た。大杉たちは亮介を飲みに誘いに来たのだが、佳男が自分たちも同席したいと言い出して…。
飲み場所は、大杉たちの定番『海岸酒場』。佳男は、大杉の職歴を聞いて盛り上がっている。次は亮介。自分の話はいいと断ると、横からヒロシが亮介は書道家になるために上京したと口を挟む。と、ヒロシは逆に質問を投げる。涼子=美香たちは、何をしているのかと。佳男は、大杉たちとは真逆の世界で生きているとヒントを投じた。
全員で『海岸酒場』を出ると、銭湯『海岸浴場』を通りかかる。大杉は佳男に、銭湯が自分たちの憩いの場だと紹介して、まだ盛り上がっている。少し離れて歩いていた美香は、一緒にいた亮介にどこで書道を勉強したのか尋ねる。すると亮介は、最愛の妹、涼子が死んだ時に出会った書に影響され、こんな字を自分も書いてみたいと思ったと語る。そのうち、亮介たちの社員寮に到着。別れ際、亮介はまた新しいことがふたつ分かったと美香に告げる。ひとつは、佳男という良い友達がいること。もうひとつは、美香たちが台場で働いていること。佳男のヒントから、亮介は気づいたのだ。
美香が仕事をしていると携帯が鳴る。相手は、幼馴染の井上弘一(中村俊介)だ。出版社のロビーからかけていると言う井上に、美香は懐かしさから会いに行く。ところが、井上が美香の父、正雄(石坂浩二)から自分の携帯番号を聞いたと知って複雑な思い。そんな美香を、井上は来週辺りでも食事をしようと誘うのだった。
美香は約束通り井上と食事。食事中、井上は美香が川口と別れたことを正雄から聞いたと言い出す。そして、井上は自分たちのように厳しい家庭は親の言に素直に従った方が良いと続ける。食後、美香を送る井上は、自分が昔から美香を1人の女性として見ていたと切り出す。突然の言葉に驚く美香。別れ際、失恋したての美香の心にずかずか入り込むような真似はしないが、一緒に食事するぐらいは良いだろうと言う井上。また、正雄の気持ちも分かってあげて欲しいと言う井上に、美香の心は和むのだが…。その頃、亮介は真理と食事。真理は、亮介が涼子=美香を気にしていると見抜いていた。その上で、真理は涼子と交際するのは止めた方がいいと言う。さらに、銭湯に行った亮介は大杉からも涼子とは住む世界が違いすぎるから諦めた方がよいと釘を刺されてしまった。
部屋に戻った美香は、小説家の神谷文(仲村トオル)に電話。母の日記を小説にする件を断ろうとする。だが、神谷が死んだと思われていた優里の相手青年が生きていたら、どうなったのか知りたくはないかと言ってきた。神谷は、優里の絵が見つかったと続ける。その絵の片隅に書かれた日付が、青年が亡くなった何年も後のものだと。神谷は、どうしても小説を書かせて欲しいと食い下がる。一方、亮介には実家から電話が入る。母の光代(岩本多代)からだ。光代は足の悪い夫、健介(夏八木勲)に電話を代わる。亮介は健介と近況報告を交換した。
その翌日、美香が仕事をしていると佳男が、その後、亮介から連絡がきたかと話しかけてきた。来てないと答える美香に、佳男は不思議そう。佳男は、美香と亮介がお似合いだと感じたのだ。佳男は、美香から連絡してみればと促す。だが、美香は亮介に本当の名前も教えていないし、失恋した気持ちを紛らわすために利用しているだけかもと答える。すると佳男は、でも美香は亮介といて安らぐだろうと言う。自分といる時も川口の時も、亮介と一緒にいる美香の表情は見たことがないと佳男。家に帰った美香は、妹の紀香(ソニン)から正雄が待っていると告げられる。美香は正雄の書斎へ。正雄は、井上と会った感想を美香に聞く。美香を井上と結婚させようとしているのだ。美香は、結婚相手は自分で決めると言うのだが、正雄は山口を例に見つけられなかったではないかと反論されてしまう。廊下に出ると、紀香がきっと強い人が現れると美香を励ます。祖母の貞姫(森康子)も、思い切り泣いて、必ず戻って来いと美香に優しく声をかけた。
悔しさに、一日中街をさまよう美香。放心状態の美香は、人に押されて携帯を落としてしまう。道行く人に蹴飛ばされても、美香は携帯を拾う気も無い。だが、その時、携帯が鳴った。着信名は亮介。一瞬、迷った美香だが電話に出ると亮介は、今から来て欲しいと、とある公園を教えた。美香が公園に行くと、亮介は屋台のタコ焼き屋にいた。亮介は、屋台のおじさんに“タコ無し”のタコ焼きを注文。それは、以前、タコ嫌いの美香があったらいいと亮介に語っていたもの。泣きはらした美香に笑顔が戻る。タコ無し焼きを食べる美香と亮介。美香は、自分の本当の名前を教えようとした時、雨が降り出した。雨宿りの場所を求めて走る美香と亮介。亮介の腕は、自然に美香の肩を抱いていた。大きな木の下に避難すると、亮介は美香にもらってほしいと額縁に入った自分の書を差し出した。美香を思って書いたと言う書は『私』と書かれていた。さらに、亮介は住む世界は違うが美香のことが気になると言う。美香がどこの誰でもかまわない。東京湾を見つめ、美香が向こう側にいるのなら、海を泳いででもたどり着いてみせると亮介に…。